2002年9月15日(日)配信

JGTC第6戦でスープラ勢苦戦。脇阪/飯田組が4位
終盤戦の巻き返しへ向けハンディウェイトを考慮
着実にポイントを獲得 首位は堅守


JGTC第6戦で4位に入った脇阪/飯田組のトヨタ・スープラ
 今季の全日本GT選手権も、いよいよ終盤戦に突入。秋の気配を感じさせる栃木県のツインリンクもてぎで全日本GT選手権第6戦「もてぎGTチャンピオンレース」が9月14日~15日の両日開催された。今回も人気のワンメイクレース、ネッツカップ・アルテッツァシリーズ第8戦、ヴィッツ関東シリーズ第7戦が盛況なエントリーを集めて併催され、JGTCらしい華やかな大会となった。
 GT500クラスに20台/GT300に23台の総勢43台がエントリーする中、トヨタ勢はGT500クラスにスープラ8台とGT300に4台のMR-Sが出場した。

予選
 今回は金曜日の練習走行から天候が不順で、土曜日午前中の予選1回目は、序盤小雨が落ちる中、ハーフウェット路面で始まった。コースアウト車両続出で都合3回も赤旗中断となったが、その間に雨は止んで路面は乾き、各車スリックタイヤでベストタイムを記録した。
 このセッションでは、今回40kgのウェイトを搭載しながら好調の波に乗るトクホントムススープラ36号車が暫定ポールを獲得。完全ドライとなった午後の予選2回目では、終盤のアタック3周目に無念のスピンを喫してポールポジションは逃したものの、マクラーレン76号車に続いて予選2番手グリッドを得た。また、プロジェクトμエスペリアスープラ35号車が予選4番手を確保。
 第3戦の優勝などにより現在50kgのウェイトを積むエッソウルトラフロースープラ6号車はブレーキバランスに問題を抱え、予選2回目終盤にコースアウトして9番手、1回目で暫定5番手につけながら、午後の予選2回目では、ターボトラブルに見舞われたデンソーサードスープラ39号車は予選10番手となった。ポイントリーダーのauセルモスープラ1号車は第2戦、第5戦の優勝により100kgと参加車中最も重いウェイトを課せられることとなり、今回の予選では燃料系のトラブルも重なって17番手と苦戦。
 GT300クラスではARTAアペックスMR-S31号車が70kgものウェイト搭載にもかかわらず5番手グリッドを獲得した。

決勝
 決勝日の15日(日)は、朝から小雨模様。朝のフリー走行では各車レインタイヤを装着した。しかし、ヴィッツレースの中盤には雨も上がり、以後は曇り空となって、GTの決勝は完全にドライコンディションの中で行われた。
 土屋武士の駆るスープラ36号車は、2番手スタートから順調に周回を開始。しかし、予想外に上がらない気温にタイヤがうまく合わず、12周目にはNSX18号車の先行を許してしまった。
 一方、脇阪寿一がスタートを担当したスープラ6号車は、じわじわと順位を上げ、25周目に5位まで浮上したところでピットイン。その後も飯田章が安定した走りを見せ、リタイアやコースアウトする車両を縫って4位に躍進し、チェッカーフラッグを受けた。これで10ポイントを獲得したスープラ6号車は選手権首位のスープラ1号車との差を6点へと縮めた。
 一方、スープラ36号車は32周目に3位でドライバー交代。しかし、無線の不調で「ソフトタイヤへの交換」がピットに伝わらず、W.ガードナーはそのままハードタイヤでコースイン。ペースが上がらず苦しいドライビングを強いられ、終盤戦では最終コーナーで スピンを喫したものの、スープラ39号車に続く6位でゴール。
 また、100kgのウェイトハンデに苦しめられながら、予選17番手からスタートしたスープラ1号車は、終盤コースアウトしたもの、じわじわと順位を上げて13位でゴール。果敢な走りで決勝中のベストラップタイムで2位を記録、貴重な1ポイントを獲得して選手権ポイント首位の座を堅持した。
 一方、GT300クラスでは予選5番手スタートのMR-S31号車が、ポジションを守ったまま26周目、新田守男から高木真一にドライバーを交代。ところが間もなくギアシフトにトラブルが発生してペースを抑える作戦に。その後10位から追い上げてきたウェッズスポーツMR-S19号車にパスされるが、残り10周でギアシフトのトラブルが解消され、再びペースアップ。残り4周でMR-S19号車を抜き返し、クラス5位でフィニッシュ。MR-S19号車は6位であった。

エッソウルトラフロー6号車 ドライバー脇阪寿一のコメント:
 ウェイト加算なしで10点獲得の4位は、現在の状況からすれば最高の結果。次戦MINEも同じウェイトとなるが、再びポイントを稼ぎ、最終戦鈴鹿で勝利をものにしたい。

エッソウルトラフロー6号車 ドライバー飯田章のコメント:
 競り合いの中で若干の接触はあったものの、こちらのペースには余裕があり、4位でゴールできて良かった。この波に乗って残り2戦、終盤戦も全力でアタックしていく。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 シリーズ終盤戦に入って、ランキング上位勢は非常に重いハンディウェイトを搭載しての出走となり、苦しい展開となってしまった。しかし、GT500クラスでは、スープラ6号車が10点を稼ぐとともに、スープラ1号車もわずか1点ながら貴重なポイントを獲得して首位をキープし、次戦では10kgウェイト軽減となった。GT300クラスでもMR-S31号車が8点を獲得してランキング2位につけるなど、シーズン全体で考えれば、終盤戦に向けて有利な状況になったレースだったと言える。残る2戦も全力を尽くし、チャンピオン獲得を目指す。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 18 ホンダNSX S.フィリップ / R.ライアン 1:57'38.612 63 5
2 100 ホンダNSX 加藤寛規 / 光貞秀俊 0'00.584 63 3
3 76 マクラーレンGTR 服部尚貴 / 田嶋栄一 0'19.431 63 1
4 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一 / 飯田 章 0'21.567 63 9
5 39 トヨタスープラGT J.デュフォア / 織戸 学 0'50.911 63 10
6 36 トヨタスープラGT 土屋武士 / W.ガードナー 0'57.141 63 2
7 37 トヨタスープラGT 黒澤琢弥 / P.モンティン 1'06.495 63 14
8 8 ホンダNSX 土屋圭市 / 金石勝智 1'13.397 63 11
9 25 トヨタスープラGT 荒 聖治 / 山路慎一 1'22.680 63 13
10 22 スカイラインGT-R 本山 哲 / M.クルム 1'52.402 63 18
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一 / 飯田 章 4位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア / 織戸 学 5位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士 / W.ガードナー 6位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 黒澤琢弥 / P.モンティン 7位
土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 荒 聖治 / 山路慎一 9位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 33 近藤真彦 / 下田隼成 12位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 1 竹内浩典 / 立川祐路 13位
KRAFT トヨタスープラGT 35 影山正彦 / 脇阪薫一 27位
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男 / 高木真一 19位/5位
RACING PROJECT BANDOH トヨタMR-S 19 田中 実 / 後藤 聡 20位/6位
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S 71 Guts城内 / 澤 圭太 24位/10位
KRAFT トヨタMR-S 86 長島正興 / 松田晃司 リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 竹内浩典/立川祐路 57
2位 光貞秀俊 53
3位 脇阪寿一/飯田 章 51
7位 黒澤琢弥/P.モンティン 38
8位 土屋武士/W.ガードナー 37
エンジンチューナーポイント
順位エンジンチューナーポイント
1位 トヨタテクノクラフト 97
2位 無限 93
3位 オーテックジャパン 42
4位 BMW Motorsport 24
5位 東名エンジン 3
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 無限×童夢 プロジェクト 71
2位 TOYOTA TEAM CERUMO 61
3位 チーム国光 with MOON CRAFT 53
4位 ESSO TOYOTA Team LeMans 51
5位 TOYOTA TEAM TOM'S 50