JGTC第2戦 スープラ勢本領発揮出来ず3位入賞
トヨタ・チーム・サードのD.シュワガー/織戸学組が
昨年開幕戦以来の表彰台獲得
苦戦を強いられたトヨタ・スープラ勢最上位の3位入賞を果たした
シュワガー/織戸組のトヨタ・スープラ
全日本GT選手権第2戦「ALL JAPAN GT FUJI-500」が5月3日、4日の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。リニューアル工事が開始されたFISCOは、南側の調整池などが完成し、2日(金)の練習走行日にはプレス向けの見学会も行われ、進捗ぶりをアピール。9月中旬には完全閉鎖して本格的な改修に入るため、現在のコースでのGTレースは8月の第5戦が最後となるが、今大会はJGTCシリーズ中唯一最長の500kmレースで行われた。
5月の連休にあたり、毎年盛況な観客動員を記録するが、今年は予選/決勝ともに好天に恵まれ、両日合計で10万人を超える観客が入場。人気のワンメイクレース、ネッツカップ・アルテッツアシリーズ第2戦/ヴィッツレース関東シリーズ第2戦、そしてFISCOオリジナルのGC-21スポーツカーレース第2戦などが併催され、賑わいを見せた。
今回、トヨタ勢は、GT500クラスに開幕戦を制したディフェンディングチャンピオンのエッソウルトラフロースープラ1号車をはじめとするスープラ7台が出場。開幕戦を02年モデルで戦ったプロジェクトμエスペリアスープラ35号車も先々週のSUGO合同テストで03年型モデルのシェイクダウンを果たし、今回から03年モデルのスープラが7台揃った。
また、GT300クラスには開幕戦で3位入賞を果たしたRECKLESS MR-S31号車以下5台のMR-Sが出場した。
予選
FISCOは、トヨタ勢のホームコースであり、同時に長いストレートを有するレイアウトはスープラが得意とするコース。03年モデルとして5・3リットル自然給気エンジンにスイッチしたスープラ勢は事前の合同テストから好調。非公式ながらコースレコードを破る23秒台のタイムを叩き出していたが、3日(土)の公式予選でも上位を独占する強さを見せた。
ポールポジションを獲得したのは、昨年の富士大会を2戦とも制したauセルモスープラ38号車で、立川祐路が2回目セッションでコースレコードを破りただ一人23秒台に入る1分23秒886を記録。これにWOODONEトムススープラ36号車の土屋武士が2回目セッション終盤、スカイライン22号車とのアタック合戦を制し、スープラがフロントローを独占した。
また、今回が03年モデルのデビュー戦となるスープラ35号車が4番手、ZENTトムススープラ37号車が5番手、そして開幕戦優勝で60kgのウェイトを積むスープラ1号車も6番手、デンソーサード39号車も7番手と、スープラ勢はグリッド上位10台中7台を占めた。
GT300クラスではMR-S31号車の6番手が最上位とやや苦しいスタートとなった。
決勝
4日(日)の決勝日も朝から好天に恵まれ、気温28度、路面温度34度という暑さの中で午後2時前にスタートが切られた。
ポールポジションからスタートしたスープラ38号車が好調に首位を逃げる一方、2位で続いたスープラ36号車は突然ホイールナットが割れるトラブルで13周目に予定外のピットイン。また、スープラ1号車もスタート直後にサスペンショントラブルに見舞われ修復のため順位を下げてしまった。
孤軍奮闘で、首位を快走していたスープラ38号車だったが、71周目に、周回遅れのGT300クラスの車両に行く手を阻まれ、後続のスカイライン22号車に詰められて先行を許し、さらに、首位奪還へと猛追するものの、リアタイヤには厳しく、100Rで無念のスピン。後退を余儀なくされてしまった。
一方、7番手スタートからじわじわと順位を上げたスープラ39号車は90周目に3位に浮上。終盤スカイライン23号車の追撃も振り切り、昨年開幕戦以来の3位表彰台を獲得した。また、5位にはデビュー戦ながら大健闘のスープラ35号車が入賞。
GT300クラスでは、MR-S31号車が足回りのマッチング不足にもかかわらず健闘し、5位入賞を果たした。
デンソーサードスープラ39号車 ドライバー織戸学のコメント:
今季はヨコハマタイヤのポテンシャルも非常に高く、好調な状態が続いている。表彰台は昨年以来だが、確かな手応えがあり、シーズンを通じて勝負が出来そうだし自信にもつながった。決勝は暑さの不安もあったが、ソフトタイヤとそれに合わせたセッティングを選んで正解だった。
デンソーサードスープラ39号車 ドライバーD.シュワガーのコメント:
終盤の10周はスカイラインが激しくプッシュしてきて、エキサイティングだったが、何とか抑え切ることが出来た。次戦のSUGOでは若干ハンディウエイトを積むことになるが、テストでの感触は悪くないので、上位を狙えると思う。これからもチャンピオンを目指して頑張りたい。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
連休の中、大勢のお客様に来場いただいた今大会だが、結果につなげられず残念。しかし、サードチームが手応えを見せ、35号車も時間不足のデビュー戦にもかかわらず5位に入賞したのは収穫だ。スープラを走らせるチームには4社のタイヤメーカーが供給するが、それぞれの開発が進んでいることの証だろう。また、MR-Sも頑張ってくれたと思う。これからも一層気を引き締めて次戦のSUGOに臨む。
リザルト
順位 | 車名 | No. | ドライバー名 | 所要時間/差 | 周回 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 22 | スカイラインGT-R | 影山正美/R.ライアン | 2:49'05.641 | 114 | 3 |
2 | 12 | スカイラインGT-R | B.トレルイエ/井出有治 | 0'11.003 | 114 | 10 |
3 | 39 | トヨタスープラGT | D.シュワガー/織戸 学 | 0'38.614 | 114 | 7 |
4 | 23 | スカイラインGT-R | 本山 哲/M.クルム | 0'38.862 | 114 | 8 |
5 | 35 | トヨタスープラGT | 服部尚貴/脇阪薫一 | 1Lap | 113 | 4 |
6 | 64 | ホンダNSX | 松田次生/木暮卓史 | 1Lap | 113 | 13 |
7 | 100 | ホンダNSX | 加藤寛規/光貞秀俊 | 1Lap | 113 | 14 |
8 | 37 | トヨタスープラGT | 黒澤琢弥/M.アピチェラ | 3Laps | 111 | 5 |
9 | 76 | マクラーレンGTR | 五十嵐勇大/田嶋栄一 | 4Laps | 110 | 15 |
10 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋武士/E.コマス | 7Laps | 107 | 2 |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
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TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | D.シュワガー/織戸 学 | 3位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 服部尚貴/脇阪薫一 | 5位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | 黒澤琢弥/M.アピチェラ | 8位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋武士/E.コマス | 10位 | |||
ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 1 | 脇阪寿一/飯田 章 | 30位/12位 | |||
TEAM ADVAN・ツチヤ | トヨタスープラGT | 25 | J.デュフォア/野田英樹 | リタイア | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 38 | 竹内浩典/立川祐路 | リタイア | |||
TEAM RECKLESS | トヨタMR-S | 31 | 佐々木孝太/後藤 聡 | 16位/5位 | |||
シグマテックレーシングチーム | トヨタMR-S | 71 | Guts城内/澤 圭太 | 18位/7位 | |||
DENTAIRE PROJET RACING with apr | トヨタMR-S | 34 | 西澤誠剛/松田晃司 | 25位/14位 | |||
TOM'S SPIRIT | トヨタMR-S | 17 | 松永まさひろ/長島正興 | 31位/19位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタMR-S | 19 | 青木孝行/田中 実 | 出走せず | |||
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