2003年5月25日(日)配信

JGTC第3戦 スープラ勢1-2フィニッシュで雪辱戦を制す
最終ラップの大逆転 脇阪/飯田組スープラが優勝。
GT300クラスでも佐々木/後藤組MR-Sが今季初勝利


トヨタ・スープラ同士の首位争いを最終ラップに逆転で制した
脇阪/飯田組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権の第3戦「SUGO GT選手権レース」が5月24日~25日の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
 今年も人気のワンメイクレースシリーズ、ネッツカップアルテッツアシリーズ第3戦、ヴィッツ東北シリーズ第2戦が併催され、予選と決勝を通じて延べ6万人余りの観客動員を記録した。
 なお、第4戦として予定されているマレーシアラウンド(6月21日決勝)は新型肺炎SARSの影響を考慮して中止となり、代わって7月12~13日に静岡県の富士スピードウェイで代替レースを開催することが24日に発表された。このレースでは無給油150km+給油有り250kmという変則2ヒート制がシリーズ戦として初めて採用される。
 今大会には45台がエントリー。このうちトヨタ勢はGT500クラスのスープラ7台の他、GT300クラスには4台のMR-Sとともに、新たに参戦するウェッズスポーツ・セリカ19号車が出走した。

予選
 24日(土)、曇り空のもとで行われた公式予選では、午前11時からの1回目セッションでエッソウルトラフロースープラ1号車の脇阪寿一がただ一人コースレコードを破る1分17秒805でトップタイム。WOODONEトムススープラ36号車がこれに続いた。
 午後3時から行われた2回目セッションではコースアウト車が随所に砂埃を出し、路面温度も下がるなどコンディションが悪化、脇阪寿一自身を含めて1回目のトップタイムは更新されずに終了。スープラ1号車が今季初ポールポジションを決定した。2番手は午後にタイムを短縮したスカイライン23号車、3番手にはauセルモスープラ38号車が続き、午後のセッションを決勝セッティングの煮詰めに専念したスープラ36号車は4番手とハンディウエイトの乗らないポジションからのスタートとなった。
 また、GT300クラスではRECKLESS MR-S31号車が3番手につけた。

決勝
 25日(日)の決勝日は、朝方曇りものちに陽射しの覗く天候に。朝のフリー走行ではデンソーサードスープラ39号車が2番手、ADVANスープラ25号車が3番手と好調ぶりをアピール。GT300クラスでもMR-S31号車が2番手、レースウィークの木曜日がシェイクダウンとなったセリカ19号車も初期トラブルを克服して3番手と調子を上げてきた。
 午後2時48分にローリングスタートが切られた81周の決勝レースは、まずスープラ1号車がトップで逃げ、これを2番手スタートのスカイライン23号車が追う展開。さらに、スタート直後にスープラ36号車はスープラ38号車をかわして3位に浮上。
 一方、スープラ38号車は安定性を狙ったセッティングが裏目に出てペースが上がらず、14周目には11番手スタートから順位を上げてきたスープラ25号車が4位に躍進。
 その後、中盤のピットインをぎりぎりまで引き延ばしたスープラ36号車が短時間でピット作業をまとめてトップへ躍り出た。しかし、スープラ36号車は、エンジントラブルの車両が撒いたオイルに乗って姿勢を乱し、その間隙を縫ったスープラ1号車が首位奪取。さらに、猛追を敢行したスープラ36号車は69周目に再び首位奪還。スープラ同士の首位攻防戦に満場の観客は大声援の連続となった。
 終盤戦では、そのままスープラ36号車が逃げ切るかと思われたが、ハードプッシュが響きタイヤ磨耗が激しく、遂に最終ラップ、急追するスープラ1号車が最終コーナー進入で並んだところでテールを滑らせた2台は接触。アウト側のダートに外側輪を落としたスープラ36号車をスープラ1号車がパスし、最後の最後で逆転トップ。スープラ1号車は、ポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を飾った。
また、スープラ36号車も0.082秒差の僅差でフィニッシュ。スープラが今季初のワン・ツー・フィニッシュを達成するとともに、スープラ25号車も4位に入るなど、スープラ勢は5台がトップ10に入ってポイントを獲得した。
 一方、GT300クラスではMR-S31号車が2位で周回を開始。首位躍進のチャンスを狙っていたが、前を行くフェラーリがエンジントラブルで戦列を去り、見事初優勝を達成した。
 前戦は、ホーム・サーキットである富士スピードウェイで苦戦を強いられたトヨタ勢であったが、第3戦SUGOでは、GT500クラス1-2フィニッシュ、GT300クラス優勝という好結果で雪辱を果たした。

エッソウルトラフロースープラ1号車 ドライバー脇阪寿一のコメント:
 序盤、飯田選手がスカイライン23号車を相手に頑張ってくれ、自分も負けていられないと頑張った。最終ラップで36号車に接触してしまったのは残念だが、運も味方してくれて勝つことが出来た。ハンディウエイトは重くなるが、タイトル連覇を目指してこれからも全力を尽くす。

エッソウルトラフロースープラ1号車 ドライバー飯田章のコメント:
 全体に良いバトルの多いレースだった。これで今季2勝目を挙げることが出来たと同時に、トラブルでノーポイントに終わった前戦の借りを返せたように思う。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 ハイレベルな戦いの結果としてワン・ツー・ フィニッシュを飾ることが出来て嬉しい。歓声もひときわ大きく、観戦に訪れた人たちにも喜んでいただけたのでは ないかと思う。勝ちを逃した前戦富士の雪辱を果たした気持ちだ。ウエイトは重くなるが、次戦はマレーシア・セパン・サーキットの代替としてスープラが得意なサーキットのひとつである富士での開催が決まっており、必勝を期して全力で臨む。GT300クラスでもMR-Sの佐々木君、後藤君がよく頑張ってくれた。また、新たに加わったセリカも早速実力を発揮しつつある。GT両クラスのディフェンディングチャンピオンとして、今後も一層努力を重ねたい。

リザルト

順位車名No.ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 1 トヨタスープラGT 脇阪寿一/飯田 章 1:52'45.096 81 1
2 36 トヨタスープラGT 土屋武士/E.コマス 0'00.082 81 4
3 23 スカイラインGT-R 本山 哲/M.クルム 0'24.442 81 2
4 25 トヨタスープラGT 荒 聖治/J.デュフォア 1'06.847 81 11
5 22 スカイラインGT-R 影山正美/R.ライアン 1'12.981 81 12
6 35 トヨタスープラGT 服部尚貴/脇阪薫一 1lap 80 16
7 18 ホンダNSX 道上 龍/S.フィリップ 1lap 80 5
8 64 ホンダNSX 松田次生/小暮卓史 1lap 80 10
9 16 ホンダNSX 伊藤大輔/T.コロネル 1lap 80 6
10 38 トヨタスープラGT 竹内浩典/立川祐路 1lap 80 3
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 1 脇阪寿一/飯田 章 1位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/E.コマス 2位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 荒 聖治/J.デュフォア 4位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一 6位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 10位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 黒澤琢弥/M.アピチェラ 13位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 D.シュワガー/織戸 学 14位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 31 佐々木孝太/後藤 聡 16位/1位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 17 松永まさひろ/長島正興 27位/12位
DENTAIRE PROJET RACING with apr トヨタMR-S 34 西澤誠剛/松田晃司 33位/18位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 青木孝行/田中 実 36位/20位
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S 71 Guts城内/澤 圭太 リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 脇阪寿一/飯田 章 43
2位 本山 哲/M.クルム 41
3位 R.ライアン/影山正美 32
4位 土屋武士/E.コマス 24
6位 服部尚貴/脇阪薫一 16
9位 D.シュワガー/織戸 学 13
11位 J.デュフォア/荒 聖治 12
エンジンチューナーポイント
順位エンジンチューナーポイント
1位 トヨタテクノクラフト 52
2位 オーテックジャパン 47
3位 無限 22
4位 東名エンジン 15
5位 BMW Motorsport 2
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 52
2位 ESSO TOYOTA Team LeMans 43
3位 TOYOTA TEAM TOM'S 26
5位 KRAFT 16
8位 TOYOTA TEAM SARD 13
10位 TEAM ADVAN・ツチヤ 12
12位 TOYOTA TEAM CERUMO 4