JGTC第3戦 スープラ勢1-2フィニッシュで雪辱戦を制す
最終ラップの大逆転 脇阪/飯田組スープラが優勝。
GT300クラスでも佐々木/後藤組MR-Sが今季初勝利
トヨタ・スープラ同士の首位争いを最終ラップに逆転で制した
脇阪/飯田組のトヨタ・スープラ
全日本GT選手権の第3戦「SUGO GT選手権レース」が5月24日~25日の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
今年も人気のワンメイクレースシリーズ、ネッツカップアルテッツアシリーズ第3戦、ヴィッツ東北シリーズ第2戦が併催され、予選と決勝を通じて延べ6万人余りの観客動員を記録した。
なお、第4戦として予定されているマレーシアラウンド(6月21日決勝)は新型肺炎SARSの影響を考慮して中止となり、代わって7月12~13日に静岡県の富士スピードウェイで代替レースを開催することが24日に発表された。このレースでは無給油150km+給油有り250kmという変則2ヒート制がシリーズ戦として初めて採用される。
今大会には45台がエントリー。このうちトヨタ勢はGT500クラスのスープラ7台の他、GT300クラスには4台のMR-Sとともに、新たに参戦するウェッズスポーツ・セリカ19号車が出走した。
予選
24日(土)、曇り空のもとで行われた公式予選では、午前11時からの1回目セッションでエッソウルトラフロースープラ1号車の脇阪寿一がただ一人コースレコードを破る1分17秒805でトップタイム。WOODONEトムススープラ36号車がこれに続いた。
午後3時から行われた2回目セッションではコースアウト車が随所に砂埃を出し、路面温度も下がるなどコンディションが悪化、脇阪寿一自身を含めて1回目のトップタイムは更新されずに終了。スープラ1号車が今季初ポールポジションを決定した。2番手は午後にタイムを短縮したスカイライン23号車、3番手にはauセルモスープラ38号車が続き、午後のセッションを決勝セッティングの煮詰めに専念したスープラ36号車は4番手とハンディウエイトの乗らないポジションからのスタートとなった。
また、GT300クラスではRECKLESS MR-S31号車が3番手につけた。
決勝
25日(日)の決勝日は、朝方曇りものちに陽射しの覗く天候に。朝のフリー走行ではデンソーサードスープラ39号車が2番手、ADVANスープラ25号車が3番手と好調ぶりをアピール。GT300クラスでもMR-S31号車が2番手、レースウィークの木曜日がシェイクダウンとなったセリカ19号車も初期トラブルを克服して3番手と調子を上げてきた。
午後2時48分にローリングスタートが切られた81周の決勝レースは、まずスープラ1号車がトップで逃げ、これを2番手スタートのスカイライン23号車が追う展開。さらに、スタート直後にスープラ36号車はスープラ38号車をかわして3位に浮上。
一方、スープラ38号車は安定性を狙ったセッティングが裏目に出てペースが上がらず、14周目には11番手スタートから順位を上げてきたスープラ25号車が4位に躍進。
その後、中盤のピットインをぎりぎりまで引き延ばしたスープラ36号車が短時間でピット作業をまとめてトップへ躍り出た。しかし、スープラ36号車は、エンジントラブルの車両が撒いたオイルに乗って姿勢を乱し、その間隙を縫ったスープラ1号車が首位奪取。さらに、猛追を敢行したスープラ36号車は69周目に再び首位奪還。スープラ同士の首位攻防戦に満場の観客は大声援の連続となった。
終盤戦では、そのままスープラ36号車が逃げ切るかと思われたが、ハードプッシュが響きタイヤ磨耗が激しく、遂に最終ラップ、急追するスープラ1号車が最終コーナー進入で並んだところでテールを滑らせた2台は接触。アウト側のダートに外側輪を落としたスープラ36号車をスープラ1号車がパスし、最後の最後で逆転トップ。スープラ1号車は、ポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を飾った。
また、スープラ36号車も0.082秒差の僅差でフィニッシュ。スープラが今季初のワン・ツー・フィニッシュを達成するとともに、スープラ25号車も4位に入るなど、スープラ勢は5台がトップ10に入ってポイントを獲得した。
一方、GT300クラスではMR-S31号車が2位で周回を開始。首位躍進のチャンスを狙っていたが、前を行くフェラーリがエンジントラブルで戦列を去り、見事初優勝を達成した。
前戦は、ホーム・サーキットである富士スピードウェイで苦戦を強いられたトヨタ勢であったが、第3戦SUGOでは、GT500クラス1-2フィニッシュ、GT300クラス優勝という好結果で雪辱を果たした。
エッソウルトラフロースープラ1号車 ドライバー脇阪寿一のコメント:
序盤、飯田選手がスカイライン23号車を相手に頑張ってくれ、自分も負けていられないと頑張った。最終ラップで36号車に接触してしまったのは残念だが、運も味方してくれて勝つことが出来た。ハンディウエイトは重くなるが、タイトル連覇を目指してこれからも全力を尽くす。
エッソウルトラフロースープラ1号車 ドライバー飯田章のコメント:
全体に良いバトルの多いレースだった。これで今季2勝目を挙げることが出来たと同時に、トラブルでノーポイントに終わった前戦の借りを返せたように思う。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
ハイレベルな戦いの結果としてワン・ツー・
フィニッシュを飾ることが出来て嬉しい。歓声もひときわ大きく、観戦に訪れた人たちにも喜んでいただけたのでは
ないかと思う。勝ちを逃した前戦富士の雪辱を果たした気持ちだ。ウエイトは重くなるが、次戦はマレーシア・セパン・サーキットの代替としてスープラが得意なサーキットのひとつである富士での開催が決まっており、必勝を期して全力で臨む。GT300クラスでもMR-Sの佐々木君、後藤君がよく頑張ってくれた。また、新たに加わったセリカも早速実力を発揮しつつある。GT両クラスのディフェンディングチャンピオンとして、今後も一層努力を重ねたい。
リザルト
順位 | 車名 | No. | ドライバー名 | 所要時間/差 | 周回 | グリッド |
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1 | 1 | トヨタスープラGT | 脇阪寿一/飯田 章 | 1:52'45.096 | 81 | 1 |
2 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋武士/E.コマス | 0'00.082 | 81 | 4 |
3 | 23 | スカイラインGT-R | 本山 哲/M.クルム | 0'24.442 | 81 | 2 |
4 | 25 | トヨタスープラGT | 荒 聖治/J.デュフォア | 1'06.847 | 81 | 11 |
5 | 22 | スカイラインGT-R | 影山正美/R.ライアン | 1'12.981 | 81 | 12 |
6 | 35 | トヨタスープラGT | 服部尚貴/脇阪薫一 | 1lap | 80 | 16 |
7 | 18 | ホンダNSX | 道上 龍/S.フィリップ | 1lap | 80 | 5 |
8 | 64 | ホンダNSX | 松田次生/小暮卓史 | 1lap | 80 | 10 |
9 | 16 | ホンダNSX | 伊藤大輔/T.コロネル | 1lap | 80 | 6 |
10 | 38 | トヨタスープラGT | 竹内浩典/立川祐路 | 1lap | 80 | 3 |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
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ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 1 | 脇阪寿一/飯田 章 | 1位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋武士/E.コマス | 2位 | |||
TEAM ADVAN・ツチヤ | トヨタスープラGT | 25 | 荒 聖治/J.デュフォア | 4位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 服部尚貴/脇阪薫一 | 6位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 38 | 竹内浩典/立川祐路 | 10位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | 黒澤琢弥/M.アピチェラ | 13位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | D.シュワガー/織戸 学 | 14位 | |||
TEAM RECKLESS | トヨタMR-S | 31 | 佐々木孝太/後藤 聡 | 16位/1位 | |||
TOM'S SPIRIT | トヨタMR-S | 17 | 松永まさひろ/長島正興 | 27位/12位 | |||
DENTAIRE PROJET RACING with apr | トヨタMR-S | 34 | 西澤誠剛/松田晃司 | 33位/18位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタセリカ | 19 | 青木孝行/田中 実 | 36位/20位 | |||
シグマテックレーシングチーム | トヨタMR-S | 71 | Guts城内/澤 圭太 | リタイア | |||
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