2003年9月14日(日)配信

JGTC第6戦 土屋/コマス組のスープラが2位フィニッシュ
脇阪/飯田組スープラは4位に入りポイント首位復帰。
GT300クラスでは片岡/澤組のセリカが初優勝


スープラ勢最上位の2位フィニッシュを果たした
土屋/コマス組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権第6戦「もてぎGTチャンピオンレース」が9月13日、14日の両日、栃木県のツインリンクもてぎ・ロードコースで開催された。
 サポートレースとしてネッツカップ・アルテッツアシリーズ第6戦も行われ、好天に恵まれた三連休とあって2日間で合計6万人近い観客が来場した。
 今大会にはGT500クラスに18台、GT300クラスに27台がエントリーし、このうちトヨタ車は、GT500クラスにスープラ6台、GT300クラスにはMR-S3台、セリカ2台が参戦。
 現在GT500クラスのポイントランキング2番手に付けるエッソウルトラフロースープラ1号車は90kg、5番手WOODONEトムススープラ36号車が50kg、GT300クラスでランキング2番手のRECKLESS MR‐S31号車も55kgなど、重いハンデウェイトを積んでの出走となった。
 金曜日の練習走行では気温35度と厳しい残暑の中、GT500クラスではアドバンスープラ25号車が2番手に付け、以下6位までをスープラが独占してポテンシャルをアピール。GT300クラスでは、シグマダンロップセリカ71号車がトップタイムをマークした。なお、今大会と次戦オートポリスでは、全日本F3選手権にトムスチームから参戦中の片岡龍也がセリカ71号車のステアリングを握ることになった。

予選
 公式予選の行われた13日(土)午前中は時折り雲が掛かる天候。午前中の予選1回目は気温31度/路面温度36度。午後にはさらに気温が上昇すると判断したトムスチームのスープラ36号車はこのセッション前半でタイヤを2セット使いきり、暫定ポールを獲得。
 昼過ぎには完全に晴れわたり、午後の予選2回目は気温32度/路面温度41度と上昇。予選終盤のGT500占有時間には気温38度/路面温度43度まで一気に上昇した。
 このため大半の車両が予選2回目でのタイム短縮はならず、スープラ36号車が見事作戦的中でポールポジションを獲得。タイムアタックを担当した土屋武士にとってはGT500の初ポールポジション獲得となった。
 また、スープラ38号車が4番手、スープラ1号車も5番手グリッドをそれぞれ予選1回目のタイムアタックで確定した。
 一方、GT300クラスではセリカ71号車が同じく予選1回目のタイムアタックで2番手グリッドを獲得した。

決勝
 14日(日)も朝から好天に恵まれ、気温は34度まで上がったが、土曜日よりは湿度が低めで風もあり、やや過ごしやすい気候のもと、決勝レースが行われた。
 午前中のアルテッツアの決勝レースなどに続いて午後2時にスタートの切られた決勝レースは、スープラ36号車がトップでリードを広げ、スタートでポジションを上げたスープラ1号車も4位で続いた。
 10周目には3番手スタートのNSXが2位に浮上して中盤の給油ピットイン。28周目に先陣を切ってピットに入ったスープラ36号車だったが、作業に若干時間を要し、ピットアウト時点で一足先にピット作業を済ませていたNSXが先行。各車のルーティンピットが済んだところで、首位を逃げるNSXをスープラ36号車が追う展開となった。
 4万5千人の観客の声援を浴びてスープラ36号車が猛追を展開したが、惜しくも首位奪還はならず、スープラ36号車は、第3戦SUGOに続く総合2位入賞を果たし、予選結果と決勝ベストラップの上位3位内に与えられる得点を含めて17ポイントを獲得。シリーズランキング3位の座を堅持した。
 一方、スープラ1号車は、3位までポジションをアップしたものの、後方から浮上してきたスープラ25号車がぴたりと続き、ついにファイナルラップでスープラ25号車に先行を許して4位に後退、スープラ25号車が3位でチェッカーを受けた。スープラ1号車は、4位に後退したもののポイントランキングでは、首位に復帰。ウエイトは今大会と同じ90kgのまま、2位以下に4点差をつけて第7戦に臨むこととなった。
 また、GT300クラスではオープニングラップからセリカ71号車がポールスタートのガライヤを猛追。中盤の給油ピットインを終えてクラス首位を奪取。さらに、2位にはウェッズスポーツセリカ19号車が続き、終盤はこの2台が首位争いのバトルを展開。しかし、セリカ19号車は残り3周で惜しくもスピンし、コースアウト。セリカ71号車が逃げ切りを果たし初優勝を飾った。
 セリカは、ワン・ツー・フィニッシュは果たせなかったものの、2戦連続の優勝を果たし、ポテンシャルの高さをアピールした。

WOODONE トムススープラ36号車 ドライバー土屋武士のコメント:
 予選では、GT500の初ポールが獲れて嬉しかった。決勝はピットインで先行されてしまったが、今日はNSXが速かったと思う。残り2戦も引き続きベストを尽くす。

WOODONE トムススープラ36号車 ドライバーE.コマスのコメント:
 アウトラップから16号車の背後にまでは迫ることが出来たが、タイヤが予想以上に厳しく、逆転することが出来なかった。ウエイトは重くなるが次戦でも表彰台を狙う。

シグマダンロップセリカ71号車 ドライバー澤圭太のコメント:
 鈴鹿1000kmに続いて優勝を果たせて嬉しい。今朝、課題だったタイヤにやさしいセットがようやく確認出来て、決勝レースには自信を持って臨んだが、終盤は、マージンを使い切ってしまった。優勝を果たすことが出来たとはいえ、内容には満足していない。次戦もとにかく頑張る。

シグマダンロップセリカ71号車 ドライバー片岡龍也のコメント:
 セリカに乗せて頂いたのは鈴鹿1000kmに続いて2戦目。その鈴鹿で勝つことが出来、今日の結果に対しても参戦のチャンスを与えてくれた方々に感謝している。今回はタイヤを長持ちさせることが課題だったが、それが上手く行った。今後も出場するからには良い結果を残したい。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 残り2戦となった今、スープラ1号車が4位入賞でランキング首位に復帰したことには大きな意味がある。スープラ36号車も優勝は出来なかったが、貴重なポイントを稼ぎ、シリーズ3番手を堅持している。また、GT300クラスでは、片岡君がセリカでデビュー戦優勝を飾ることが出来たのも良かった。次戦オートポリスは全員が事前テスト無しに臨まなくてはならず、チーム力の差が大きく出るレースになると予想される。シリーズも終盤となり、ますます息の抜けない戦いが続くが、タイトル獲得へ向けて全力で挑みたい。

リザルト

順位車名No.ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 ホンダNSX 16 伊藤大輔/T.コロネル 1:58'35.192 63 3
2 トヨタスープラGT 36 土屋武士/E.コマス 0'05.621 63 1
3 トヨタスープラGT 25 荒 聖治/J.デュフォア 0'36.188 63 14
4 トヨタスープラGT 1 脇阪寿一/飯田 章 0'36.583 63 5
5 ホンダNSX 100 加藤寛規/光貞秀俊 0'37.042 63 12
6 スカイラインGT-R 12 B.トレルイエ/井出有治 0'41.561 63 6
7 トヨタスープラGT 39 D.シュワガー/織戸 学 1'02.188 63 10
8 ホンダNSX 8 土屋圭市/金石年弘 1'18.464 63 16
9 トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 1'37.770 63 4
10 トヨタスープラGT 37 黒澤琢弥/M.アピチェラ 1'42.099 63 9
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/E.コマス 2位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 荒 聖治/J.デュフォア 3位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 1 脇阪寿一/飯田 章 4位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 D.シュワガー/織戸 学 7位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 9位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 黒澤琢弥/M.アピチェラ 10位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一 12位
シグマテックレーシングチーム トヨタセリカ 71 片岡龍也/澤 圭太 13位/1位
DENTAIRE PROJET RACING with apr トヨタMR-S 34 西澤誠剛/松田晃司 17位/5位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 31 佐々木孝太/後藤 聡 18位/6位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 青木孝行/田中 実 20位/8位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 17 松永まさひろ/長島正興 21位/9位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 脇阪寿一/飯田 章 69
2位 本山 哲/M.クルム 65
3位 土屋武士/E.コマス 55
8位 D.シュワガー/織戸 学 34
9位 竹内浩典/立川祐路 32
10位 J.デュフォア/荒聖治 24
12位 服部尚貴/脇阪薫一 19
エンジンチューナーポイント
順位エンジンチューナーポイント
1位 トヨタテクノクラフト 91
2位 オーテックジャパン 77
3位 無限 65
4位 東名エンジン 41
5位 BMW Motorsport 2
6位 シエラスポーツ 2
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 84
2位 ESSO TOYOTA Team LeMans 69
4位 TOYOTA TEAM TOM'S 59
6位 TOYOTA TEAM SARD 34
7位 TOYOTA TEAM CERUMO 32
8位 TEAM ADVAN・ツチヤ 24
9位 KRAFT 19