2004年4月 4日(日)配信

JGTC開幕 首位快走のスープラは惜しくもペナルティで後退
不安定な天候に翻弄されながら、トヨタ・スープラ勢は2位/3位フィニッシュ


惜しくも2位に終わった脇阪/飯田組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権の開幕戦「GT CHAMPIONSHIP in TI」が4月3日(土)4日(日)の両日、岡山県のTIサーキット英田で開催された。今季のGT選手権はより接戦を演出するべく、シリーズポイント制度とウエイトハンデ制を改定。上位入賞者により有利な設定とされた。また、エンジンリストリクター径も見直され、排気量4.5リットルを境にした新区分が設定された。
 新リストリクター規定に合わせて、トヨタ・スープラ勢は、エンジン排気量を5.2リットルから4.5リットルに変更した。今大会にはGT500クラスに16台、GT300クラスに23台の総勢39台がエントリー。トヨタ勢はこのうちGT500クラスに7台のスープラ、GT300クラスには3台のセリカと2台のMR‐Sが出場した。

予選
 今年も開幕戦の舞台となったTIサーキット英田はシーズンオフに舗装が一新され、よりスムーズな路面となりラップタイムを大幅に短縮。3日(土)に行われた公式予選では次々とコースレコードを更新することになった。
 トヨタ・スープラ勢は、2日(金)の練習走行でauセルモスープラ38号車がトップタイムを記録するなど順調にセットアップを進め、気温17度の好天のもと午前10時から行われた1回目のセッションで、ミディアムタイヤを履いたスープラ38号車が3番手、WOODONEトムススープラ36号車が5番手、黄旗や他車に阻まれクリアラップが取れなかったエッソウルトラフロースープラ6号車が6番手につけた。
 午後の2回目セッションでは、各車さらにタイムアップを狙うものの、曇天により気温が14度と下がり、路面コンディションが悪化したためタイムは伸びず。ほとんどの車がそのままでグリッドを確定。このセッションでタイム短縮を果たしたスープラ36号車が4番手に浮上した。
 また、GT300クラスでは2回目にアタックを決めたRECKLESS MR‐S30号車が3番手。ウェッズスポーツセリカ19号車は午前中のタイムで4番手からのスタートとなった。

決勝
 4日(日)は朝から小雨模様。朝のフリー走行はウエットコンディションで行われたが、サポートレースとして5年目を迎えた人気のワンメイクシリーズ、ネッツカップ・アルテッツァシリーズの開幕戦のゴールとほぼ同時に雨が上がり、ハーフウェット状態で午後2時15分の決勝スタートを迎えた。
 気温13度と低温でタイヤがなかなか発熱しないため、3周にわたってセーフティカーが先導してのスタート。大半の車両はインターミディエイトに履き替え、予選1位の車両など数台はスリックタイヤに賭けたが、結果的に序盤の路面はスリックには不利となり、混戦模様の中、スープラ38号車が5周目にトップに立ち、7番手から果敢なアタックを決めたスープラ39号車が2位に浮上。
 さらにマッチング不足でペースに乗れないスープラ38号車にテール・ツー・ノーズで迫ると、9周目の1コーナーで逆転、首位に立った。その後日差しが出てきたことで路面が乾き、各車ルーティン外のピットインでスリックタイヤに交換。
 さらに中間のドライバー交代を経て、スープラ39号車は2位に15秒以上の差をつけて快走。このままチェッカーかと思われた矢先、最終コーナーで発生したスピンによって振られた黄旗を無視して追い越しをしたとして、スープラ39号車にペナルティ。これで4周を残して3位に後退。2位につけていたフェアレディZ 1号車が優勝、スープラ6号車が2位で続いた。
 一方、GT300クラスでは混戦模様の末、セリカ19号車が4位でチェッカーを受けた。

エッソウルトラフロースープラ6号車 ドライバー脇阪寿一のコメント:
 セッティングをまとめ切れなかった中で、トラブルなく2位でゴール出来て良かった。04年型スープラのトータルバランスに磨きをかけてチャンピオン奪還を目指す。

エッソウルトラフロースープラ6号車 ドライバー飯田章のコメント:
 序盤は非常に滑りやすかったが、混戦の中を3番手で走ることが出来た。その後スリックタイヤに変えてからもノートラブルで走り抜くことが出来たが、首位奪取には至らず、少々悔しい結果となった。しかし、貴重なポイントを得られたことを良しとして、今後全力で戦う。

デンソーサードスープラ39号車 ドライバーJ.デュフォアのコメント:
 序盤から我々の車両はセッティングが決まっていた。結果的に3位だが、勝てるパフォーマンスが確認できたことは今後のシリーズを戦う上で大きなプラスだと思う。

デンソーサードスープラ39号車 ドライバーA.クートのコメント:
 最終コーナー手前で斜め前にGT300車両がいて黄旗が確認できず、ペナルティを受けてしまった。とても悔しいが、次戦こそは表彰台の中央を目指す。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 39号車は残念の一言だが、これもレースだ。荒れたコンディションの中で2~5位を占めたことには手ごたえを感じている。GT300クラスのセリカは惜しくも表彰台に届かなかったが、頑張ってくれたと思う。ライバルも速さを見せる中、われわれも一層努力して戦闘力を更に高めていく。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 1 日産フェアレディZ 本山哲/R.ライアン 2:09'16.360 82 2
2 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/飯田章 0'12.167 82 6
3 39 トヨタスープラGT J.デュフォア/A.クート 0'26.081 82 7
4 35 トヨタスープラGT 服部尚貴/脇阪薫一 0'29.438 82 10
5 38 トヨタスープラGT 立川祐路/荒聖治 0'48.406 82 3
6 3 日産フェアレディZ 金石年弘/E.コマス 0'54.022 82 8
7 36 トヨタスープラGT 土屋武士/M.アピチェラ 1'19.556 82 4
8 12 日産フェアレディZ B.トレルイエ/井出有治 1'22.727 82 5
9 22 日産フェアレディZ 影山正美/M.クルム 1'43.413 82 1
10 32 ホンダNSX 松田次生/A.ロッテラー 1Lap 81 13
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/飯田章 2位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア/A.クート 3位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一 4位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川祐路/荒聖治 5位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/M.アピチェラ 7位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 J.コートニー/片岡龍也 11位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸学/D.シュワガー 14位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 青木孝行/谷口信輝 19位/4位
A'PEX with apr トヨタMR-S 31 田中実/松田晃司 22位/7位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木孝太/後藤聡 24位/9位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内浩典/西澤誠剛 32位/17位
SPIRIT Motorsport トヨタセリカ 17 長島正興/松永まさひろ リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 本山 哲/R.ライアン 21
2位 脇阪寿一/飯田 章 15
3位 J.デュフォア/A.クート 13
4位 服部尚貴/脇阪薫一 8
5位 立川祐路/荒 聖治 7
8位 土屋武士/M.アピチェラ 4
エンジンチューナーポイント
順位エンジンチューナーポイント
1位 AUTECH 25
2位 トヨタテクノクラフト 15
3位 東名エンジン 5
4位 M-TEC 1
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 23
2位 ESSO TOYOTA Team LeMans 15
3位 TOYOTA TEAM SARD 13
4位 KRAFT 8
5位 TOYOTA TEAM CERUMO 7
7位 TOYOTA TEAM TOM'S 4