JGTC第2戦 トヨタ・スープラが表彰台を独占!悪天候のSUGOを完全制覇。
GT300クラスでもトヨタ・セリカが1-2フィニッシュ
トヨタ・スープラが1-2-3フィニッシュ。表彰台を独占した
全日本GT選手権の第2戦「SUGO GT CHAMPIONSHIP」が5月22日、23日の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。今大会にはGT500クラス17台/GT300クラス25台のエントリーがあり、トヨタ車はこのうち
GT500にクラス最多となる7台のスープラ、GT300には3台のセリカと2台のMR‐Sが参戦した。
一周3.704kmのSUGOのコースは最大標高差が70mに及び、アップダウンと大小のコーナーが連続する国内屈指のテクニカルコース。トヨタ・スープラは、このSUGOで2001年以来3連勝を飾っており、レースに先立ち21日に行われた練習走行でも、ECLIPSEアドバンスープラ25号車がトップタイムを記録するなど、04年モデルの順調な開発進捗をアピールしていた。
予選
22日(土)は朝から霧がたちこめ、ネッツカップヴィッツ東北シリーズ第2戦などサポートレースの予選に続いて午前11時より行われたJGTCの公式予選1回目開始時にも霧は晴れず、気温11度という低温に加えて、路面はハーフウェット。滑りやすい路面によるコースアウト車両の排除で2度にわたって赤旗中断される厳しいコンディションの中、トヨタ・スープラ勢が健闘を見せた。
脇阪寿一がアタックを担当したエッソウルトラフロースープラ6号車がトップタイムを記録し、0.064秒の僅差で立川祐路のauセルモスープラ38号車、さらにD.シュワガーのスープラ25号車が続いてトヨタ・スープラが1~3番手を独占。
午後3時から行われた公式予選2回目には、霧は一層深くなり、再び2回の赤旗中断を経たセッション終盤になると路面は完全なウェットコンディション。この結果、タイムアップは難しい状況となり、トヨタ・スープラ6号車のポールポジションが確定。スープラは上位3番手までを独占し、デンソーサードスープラ39号車が6番手、WOODONEトムススープラが7番手、DYNACITYトムススープラ37号車が8番手と上位10位内6台を占めた。
また、GT300クラスでは、コースレコードタイムを叩きだしウエッズスポーツセリカ19号車が予選2番手を確保した。
決勝
23日(日)も午前中は霧に悩まされ、午前8時からのフリー走行時点で路面はハーフウェット。しかし、走行によってレコードラインから乾きはじめ、後半には多くのチームがスリックタイヤを装着。その中で、トヨタ・スープラ25号車がトップタイムを記録した。
その後、ヴィッツ、ネッツカップ・アルテッツァシリーズ第2戦の決勝など、スケジュールは予定通り消化されたが天候は好転せず、曇天下、霧が流れる中で午後2時25分にJGTCのスタートが切られた。
ポールポジションからスタートしたトヨタ・スープラ6号車は、、オープニングラップでトヨタ・スープラ25号車に先行を許したものの、15周目に首位逆転。
また、27周目には、第3コーナーで、トヨタ・スープラ38号車、トヨタ・スープラ39号車、トヨタ・スープラ36号車が、一挙に3位を走行中の日産フェアレディZをパス。さらにトヨタ・スープラ38号車は、トヨタ・スープラ25号車を抜き、トヨタ・スープラが6号車、38号車、25号車の順でワン・ツー・スリー体制となった。
その後トヨタ・スープラ6号車が43周目にピットインしてドライバー交代を行うと、トヨタ・スープラ38号車もピットへ向かいアウトラップで首位逆転。猛追するトヨタ・スープラ6号車は、53周目に再び首位奪還を果たすが、3周後には、GT300車両をパスする際に接触、タイヤを痛めてピットインし後退。トヨタ・スープラ38号車がレースをリードする。
その後、小雨がぱらつき始め、序々にウエットとなる路面に、残り8周でピットインしレインタイヤに交換。トヨタ・スープラ25号車に首位を譲るが、スリックタイヤのままで逃げるトヨタ・スープラ25号車を残り5周で追い詰めて首位奪還。
トヨタ・スープラは、38号車、25号車、そして、中盤までに順位を上げた37号車が続き、記録的なワン・ツー・スリー・フィニッシュ。
また、GT300クラスでは2番手スタートのセリカ19号車が残り10周でトップに立ち優勝。2位には、セリカ17号車が続きGT300クラスでもトヨタ・セリカがワン・ツー・フィニッシュ。JGTC両クラスでトヨタ車が表彰台を席巻した。
auセルモスープラ38号車 ドライバー立川祐路のコメント:
久々に優勝出来てほっとしている。朝のフリー走行時にセミウエット状態でスリックタイヤでどこまで行けるか試しておいたので、決勝でもうまいタイミングでタイヤを交換出来た。今日のレースで良い流れを掴んだので、シリーズチャンピオン目指して、これからのレースを気を引き締めて戦いたい。
auセルモスープラ38号車 ドライバー荒聖治のコメント:
JGTCで初優勝を果たすことが出来て嬉しい。スタートでフェアレディZに先行されたのは悔しかったが、その後はピットインまで上手く運んだ。ライバルも手ごわいが、今後もベストを尽くす。
ウエッズスポーツセリカ19号車 ドライバー青木孝行のコメント:
今日はライバルのスピンなども手伝って優勝できた。セリカは確実に進歩しているが、まだ速さで負けている部分があるので、チーム一丸で頑張りたい。
ウエッズスポーツセリカ19号車 ドライバー谷口信輝のコメント:
後半はポツポツ雨が降ってきてとても滑りやすく相当用心して周回したのが良かった。今後もポイントのとりこぼしがないよう肝に銘じてシリーズタイトルを狙いたい。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
GT500クラスのワン・ツー・スリー・フィニッシュに
GT300クラスのワン・ツー・フィニッシュというのは望外の結果。各チーム関係者のこれまでの努力の賜物と感謝している。決勝では変化する難しいコンディションの中でそれぞれ好判断で上手くまとめてくれた。スープラ同士の競り合いなど、悪天候の中でファンの方々にも良いレースをお見せ出来たと思う。シーズンは始まったばかり。04年型トヨタ・スープラはウエットコンディションでのポテンシャル向上など着実に進歩を続けているが、気を抜くことなく全力でチャンピオンを目指す。
リザルト
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 所要時間/差 | 周回 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | トヨタスープラGT | 立川祐路/荒 聖治 | 1:56'36.465 | 81 | 2 |
2 | 25 | トヨタスープラGT | 織戸 学/D.シュワガー | 0'35.738 | 81 | 3 |
3 | 37 | トヨタスープラGT | J.コートニー/片岡龍也 | 0'55.607 | 81 | 8 |
4 | 32 | ホンダNSX | 松田次生/A.ロッテラー | 1Lap | 80 | 9 |
5 | 35 | トヨタスープラGT | 服部尚貴/脇阪薫一 | 1Lap | 80 | 12 |
6 | 3 | 日産フェアレディZ | 金石年弘/E.コマス | 1Lap | 80 | 11 |
7 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋武士/M.アピチェラ | 1Lap | 80 | 7 |
8 | 100 | ホンダNSX | 中野信治/加藤寛規 | 2Laps | 79 | 15 |
9 | 8 | ホンダNSX | 金石勝智/伊藤大輔 | 2Laps | 79 | 13 |
10 | 12 | 日産フェアレディZ | B.トレルイエ/井出有治 | 3Laps | 78 | 5 |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 38 | 立川祐路/荒聖治 | 1位 | |||
TEAM ADVAN・ツチヤ | トヨタスープラGT | 25 | 織戸学/D.シュワガー | 2位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | J.コートニー/片岡龍也 | 3位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 服部尚貴/脇阪薫一 | 5位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋武士/M.アピチェラ | 7位 | |||
ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 6 | 脇阪寿一/飯田章 | 11位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | J.デュフォア/A.クート | リタイア | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタセリカ | 19 | 青木孝行/谷口信輝 | 12位/1位 | |||
SPIRIT Motorsport | トヨタセリカ | 17 | 長島正興/松永まさひろ | 13位/2位 | |||
A'PEX with apr | トヨタMR-S | 31 | 田中実/松田晃司 | 21位/10位 | |||
TEAM RECKLESS | トヨタMR-S | 30 | 佐々木孝太/後藤聡 | 24位/13位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタセリカ | 52 | 竹内浩典/西澤誠剛 | 31位/20位 | |||
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