2004年7月18日(日)配信

JGTC第4戦 初開催の十勝でトヨタ・スープラが2位
ハンディウェイトを克服し、依然トヨタ・スープラがポイントランキングをリード


初開催の十勝で2位に入ったスープラ6号車
 全日本GT選手権第4戦、「HOKKAIDO GRAN GT CHAMPIONSHIP」が7月17日(土)、18日(日)の両日、北海道の十勝インターナショナルスピードウェイで開催された。
 当地で初めて開催のJGTCシリーズ戦には、GT500クラスに18台、GT300クラスに25台が参加。トヨタ勢はこのうちGT500クラスに7台のスープラ、GT300クラスに3台のセリカと2台のMR‐Sが出場となった。
 93年に十勝平野のフラットな地形にオープンした、十勝インターナショナルスピードウェイは、コーナーの間をストレートで結んだレイアウトで高低差が少ないのが特徴。とりわけ今回は一周3.405kmと短い「クラブマンコース」(ショートコース)を使用するため、決勝中のラップタイムは僅か1分10~20秒台。両日とも好天に恵まれ、気温30度以上と予想以上の暑さの中、43台ものGTカーがひしめく大混戦模様となった。

予選
 17日(土)の公式予選は午前11時と午後3時からそれぞれ1時間づつ実施。朝方曇りがちだった天候は1回目の開始時までには晴天となり気温も29度まで上昇。
 早々にアタック合戦となった序盤20分間のGT500クラス専有時間帯にエッソウルトラフロースープラ6号車がトップから0.114秒差の2番手タイムを記録。これにDYNACITYトムススープラ37号車、WOODONEトムススープラ36号車、auセルモスープラ38号車が続いた。
 午後の2回目セッションは、天候は下り坂という予報もあり、気温の降下が期待される中、大半のチームが2セットある予選タイヤの1セットを残して臨んだが、実際には依然陽射しが強く、気温31~32度と厳しいコンディションで行われた。
 それでも終盤には各車がタイムアップを期してコースイン。スープラ6号車も逆転ポールポジションを目指し果敢なアタックに入った。しかし、スロー走行車両にラインを阻まれ、これを避けて無念のコースアウト。スープラ36号車はタイム短縮を果たし、4番手グリッドを確定。これにスープラ6号車がコースアウト前周のタイムで5番手となり、決勝へと臨むことになった。

決勝
 18日(日)未明までの断続的な小雨で、早朝のコースは濡れていたが、午前9時からのフリー走行までには陽射しが出て、あっという間に路面は乾き、完全なドライコンディションとなった。午後1時55分に決勝レースのフォーメーションラップを迎えるころには気温も再び30度を超え、猛暑の中での戦いとなった。
 6番手スタートのスープラ37号車は、4周目の第1コーナー進入時に4位に浮上。さらに9周目には3位までポジションを上げて快走。ピットインタイミングを遅らせたスープラ37号車は44周目に暫定首位に立つが、ピットへ向かおうとした翌周、他車に追突されてコースアウト。幸い自力でピットへ向かったもののタイムロスで6位へ後退。
 また、5番手スタートのスープラ6号車はタイヤにフラットスポットが出来、6位までポジションを下げるが、予定より早めのピット作業を行うと、猛然と挽回。ピット作業が一巡したところで4位に付け、残り14周で3位に躍進。ショートコースを舞台に、めまぐるしく次々とGT300車両を抜きながら果敢にアタックするスープラ6号車の猛追ぶりに観客の目は釘付けとなった。さらに、大詰めとなった最終ラップで先行する2位のフェアレディZを捉え、首位のフェアレディZにも迫るが僅かに叶わず、0.686秒差で大歓声の中を2位でチェッカーを受けた。
 また、スープラ36号車は4位、スープラ37号車は5位に入り、貴重なポイントを獲得した。一方、前戦優勝のデンソーサードスープラ39号車は今回70kgのハンディウエイトを搭載し、予選13番手からのスタートとなったが7位に入賞し、ポイントランキング首位の座を堅守した。
 GT300クラスでは混戦模様の中、A'PEX i-mobisess MR-S31号車が5位、ウェッズスポーツセリカ19号車が7位入賞を果たした。

エッソウルトラフロースープラ6号車 ドライバー飯田章のコメント:
 不安定な路面状況もあって第1コーナー進入時にブレーキをロックさせてしまい、振動が発生し、予定より早めのドライバー交代となったが、その状況からパートナーの脇阪寿一がよく頑張ってくれた。優勝を逃したことは残念ではあるが、チャンピオン争いへと貴重なポイントが得られた。

エッソウルトラフロースープラ6号車 ドライバー脇阪寿一のコメント:
 予選は自分のミス。今回は優勝を狙って戦い、決勝レース終盤はもう少しで逆転優勝も狙えたと考えると悔しい。しかし2位に入ったことで、次戦を40kgとまだ軽いハンディウエイトで迎えられることは今後の展開に有利に働くと思う。タイトル奪還に向けてこれからもベストを尽くす。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 初開催となった十勝サーキットのショートコースに40台以上が走行する混戦の状況下、スープラ37号車は不運なアクシデントで残念だったが、スープラ6号車の後半の追い上げなど、初めてJGTCの観戦した北海道のレースファンにもGTレースならではの迫力を楽しんでもらえたと思う。シーズン折り返しとなる今回は残念ながら優勝を逃す結果となったが、GT300クラスも含めパフォーマンスでは決して負けてはいない。シリーズ後半戦も、チャンピオン獲得を目指し、各チームと共に、これまで以上に気合を入れて臨む。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 22 日産フェアレディZ 影山正美/M.クルム 1:56'32.111 89 3
2 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/飯田 章 0'00.686 89 5
3 3 日産フェアレディZ 金石年弘/E.コマス 0'01.693 89 1
4 36 トヨタスープラGT 土屋武士/M.アピチェラ 0'22.776 89 4
5 37 トヨタスープラGT J.コートニー/片岡龍也 0'41.446 89 6
6 32 ホンダNSX 松田次生/A.ロッテラー 1'13.154 89 9
7 39 トヨタスープラGT J.デュフォア/A.クート 1'16.493 89 13
8 18 ホンダNSX 道上 龍/S.フィリップ 1Lap 88 7
9 35 トヨタスープラGT 服部尚貴/脇阪薫一 1Lap 88 14
10 100 ホンダNSX 中野信治/加藤寛規 1Lap 88 11
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/飯田 章 2位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/M.アピチェラ 4位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 J.コートニー/片岡龍也 5位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア/A.クート 7位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一 9位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸 学/D.シュワガー 13位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川祐路/荒 聖治 14位
A'PEX with apr トヨタMR-S 31 田中 実/松田晃司 19位/5位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 青木孝行/谷口信輝 21位/7位
SPIRIT Motorsport トヨタセリカ 17 長島正興/松永まさひろ 28位/12位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木孝太/後藤 聡 31位/15位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内浩典/西澤誠剛 39位/23位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 J.デュフォア/A.クート 38
2位 金石年弘/E.コマス 34
3位 立川祐路/荒 聖治 33
6位 脇阪寿一/飯田 章 32
7位 服部尚貴/脇阪薫一 31
8位 J.コートニー/片岡龍也 26
9位 土屋武士/M.アピチェラ 18
10位 織戸 学/D.シュワガー 17
エンジンチューナーポイント
順位エンジンチューナーポイント
1位 トヨタテクノクラフト 70
2位 AUTECH 52
3位 東名エンジン 30
4位 M-TEC 17
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 58
2位 TOYOTA TEAM SARD 38
4位 TOYOTA TEAM CERUMO 33
5位 ESSO TOYOTA Team LeMans 32
5位 TOYOTA TEAM TOM'S 32
7位 KRAFT 31
8位 TEAM ADVAN・ツチヤ 17