2004年11月22日(月)配信

JGTC最終戦 トヨタ・スープラ2位フィニッシュ
惜しくもドライバーズタイトル逆転はならず。
トヨタテクノクラフトがエンジンチューナータイトル獲得


最終戦で2位フィニッシュを果たしたスープラ36号車
 全日本GT選手権の第7戦「SUZUKA GT300km」が11月20日(土)~21日(日)にかけて三重県の鈴鹿サーキットで開催された。今季の最終戦となる同大会にはGT500クラスのデンソーサードスープラ39号車が11点差のランキング2位、エッソウルトラフロースープラ6号車が12点差の3位につけ、逆転タイトル獲得を目指して出場。
 また、同大会にはGT500クラス18台、GT300クラスに26台のエントリーがあり、トヨタ勢はGT500クラスに7台のスープラ、GT300クラスに3台のセリカと2台のMR‐Sが参戦した。
 今大会にスープラ勢は低ドラッグでダウンフォースを発生する新型のリアフェンダーカウルを装着。公式予選に先立って19日(金)に行われた練習走行では難しい路面コンディションの中、DYNACITYトムススープラ37号車が2番手、auセルモスープラ38号車が6番手につけた。

予選
 20日(土)の公式予選は朝から好天。気温21度と比較的過ごしやすい気候のもと、午前11時から1回目セッションが行われた。序盤のGT500クラス専有時間にWOODONEトムススープラ36号車が日産フェアレディZ勢とトップ争いを展開。最終的には2番手となるが、午後のタイムアップに期待が集まった。
 2回目セッションは同じく晴天、気温20度のもとで午後3時から実施された。終盤のGT500専有時間後半に1回目の上位3台による最後のアタック合戦が行われ、スープラ36号車は午前中のタイムを上回るベストタイムを記録。見事今季初のポールポジションを獲得した。
 また、スープラ38号車が5番手、スープラ37号車が9番手グリッドを得る一方、タイトル逆転を狙うスープラ6号車は、累積による100kgものハンディウエイトに苦しみ13番手、前戦オートポリスでの2位入賞により70kgのウエイトを積むスープラ39号車も14番手と苦しみ、後方グリッドからのスタートを余儀なくされることとなった。

決勝
 21日(日)の決勝日も好天。スープラ36号車は午前8時からのフリー走行で2番手タイムをマーク。決勝用セッティングでも好調ぶりを確認し、決勝レースに駒を進めた。
 ほぼ定刻の午後2時5分にスタートが切られると、スープラ36号車はリードを保ったまま1コーナーへ進入し、トップで周回を開始。2番手、3番手で続くフェアレディZをじわじわと引き離していく。
 その後周回遅れ車両を交えての混戦模様の中、25周目にトップでピットイン。その前周にピットに入ったフェアレディZ12号車の前でコースに復帰するも、交換したタイヤがまだ温まらないうちに接近戦となり、27周目に惜しくも先行を許してしまう。
 その後2台のトップ争いは観客の目を釘付けにしたが、僅かに届かず。スープラ36号車は2位でチェッカーを受けた。この結果によりトヨタテクノクラフトはGT500クラスのエンジンチューナー部門タイトルを確定した。
 5番手スタートから33周目にスープラ35号車をパスしたスープラ38号車が4位、9番手グリッドから好スタートを切ったスープラ37号車が激しい接戦の末6位に入賞。ドライバーズタイトルを争うスープラ6号車は、13番手グリッドから好スタートで序盤11番手をキープし、ピット作業の間隙に一時は6番手まで順位を上げたものの、34周目にオーバーヒートのため無念にも戦列を去った。また、14番手スタートのスープラ39号車も好スタートからポジションをアップするが、結局8位でチェッカーを受け、惜しくも逆転ドライバーズチャンピオンの獲得はならなかった。
 なお、来る11月28日(日)に、鈴鹿サーキットで開催されるトヨタ・モータースポーツ・フェスティバルにトヨタのJGTCカーが集結。エキシビションマッチ「JGTC模擬レース」や「JGTCウォッチングツアー」等が行われる予定。

WOODONEトムススープラ36号車 ドライバー土屋武士のコメント:
 2位は悔しいが、ベストを尽くした結果なので満足している。セッティングもタイヤチョイスもピット作業も完璧だったと思う。この結果を来季につなげて頑張りたい。

WOODONEトムススープラ36号車 ドライバーM.アピチェラのコメント:
 ピットアウト後、タイヤがまだ暖まらないうちにバトルになり、抑えきれず先行を許してしまった。その後も周回遅れ車両に引っかかり、詰め寄れなかった。ポールポジションからスタートしての2位というリザルトはベストとは言えないが、最後まで全力を尽くした結果だ。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 今大会ではスープラ36号車が良いパフォーマンスを見せ、他のスープラ勢もそれぞれのポジションで頑張ってくれた。また、テクノクラフトTRDもタイトル奪還に向けてベストを尽くすべく、新しい空力パーツを投入するなど、スープラのポテンシャルアップに努力した結果、来年に繋がる良いものを得ることが出来た。
 今季はライバル勢と実力の拮抗する厳しい戦いの中、ポールポジション獲得4回、決勝レース優勝2回という結果となった。第2戦SUGOではGT500がスープラの表彰台独占、GT300でもセリカのワン・ツーというレースもあったほか、新たにGT500に上がった若手ドライバーが光るところを見せてくれたのも良かった。しかし、一発の速さは互角ながらレースの展開ではライバルに今ひとつ及ばず、ドライバー/チームタイトルを取り戻せなかったのはとても残念だ。来季に向けてはさらに車両の熟成を図り、チームと一丸になって全力で戦う。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 12 日産フェアレディZ B.トレルイエ/井出有治 1:45'47.291 52 3
2 36 トヨタスープラGT 土屋武士/M.アピチェラ 0'02.059 52 1
3 3 日産フェアレディZ 金石年弘/E.コマス 0'03.118 52 2
4 38 トヨタスープラGT 立川祐路/荒 聖治 0'26.885 52 5
5 32 ホンダNSX 松田次生/A.ロッテラー 0'28.845 52 4
6 37 トヨタスープラGT J.コートニー/片岡龍也 0'54.310 52 9
7 1 日産フェアレディZ 本山 哲/R.ライアン 1'08.045 52 11
8 39 トヨタスープラGT J.デュフォア/A.クート 1'08.452 52 14
9 100 ホンダNSX 中野信治/加藤寛規 1'52.208 52 15
10 25 トヨタスープラGT 織戸 学/D.シュワガー 1'54.766 52 10
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/M.アピチェラ 2位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川祐路/荒 聖治 4位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 J.コートニー/片岡龍也 6位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア/A.クート 8位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸 学/D.シュワガー 10位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一 32位/16位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/飯田 章 リタイア
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木孝太/後藤 聡 19位/4位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 青木孝行/谷口信輝 20位/5位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内浩典/西澤誠剛 24位/9位
A'PEX with apr トヨタMR-S 31 田中 実/松田晃司 25位/10位
SPIRIT Motorsport トヨタセリカ 17 長島正興/松永まさひろ 30位/15位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 本山 哲/R.ライアン 73
2位 J.デュフォア/A.クート 61
3位 脇阪寿一/飯田 章 57
5位 立川祐路/荒 聖治 45
6位 J.コートニー/片岡龍也 44
7位 土屋武士/M.アピチェラ 43
10位 服部尚貴/脇阪薫一 37
12位 織戸 学/D.シュワガー 31
エンジンチューナーポイント
順位エンジンチューナーポイント
1位 トヨタテクノクラフト 115
2位 AUTECH 88
3位 東名エンジン 60
4位 M-TEC 44
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 98
2位 TOYOTA TEAM TOM'S 64
3位 TOYOTA TEAM SARD 61
4位 ESSO TOYOTA Team LeMans 57
6位 TOYOTA TEAM CERUMO 45
8位 KRAFT 37
10位 TEAM ADVAN・ツチヤ 31