JGTC最終戦 トヨタ・スープラ2位フィニッシュ
惜しくもドライバーズタイトル逆転はならず。
トヨタテクノクラフトがエンジンチューナータイトル獲得
最終戦で2位フィニッシュを果たしたスープラ36号車
全日本GT選手権の第7戦「SUZUKA GT300km」が11月20日(土)~21日(日)にかけて三重県の鈴鹿サーキットで開催された。今季の最終戦となる同大会にはGT500クラスのデンソーサードスープラ39号車が11点差のランキング2位、エッソウルトラフロースープラ6号車が12点差の3位につけ、逆転タイトル獲得を目指して出場。
また、同大会にはGT500クラス18台、GT300クラスに26台のエントリーがあり、トヨタ勢はGT500クラスに7台のスープラ、GT300クラスに3台のセリカと2台のMR‐Sが参戦した。
今大会にスープラ勢は低ドラッグでダウンフォースを発生する新型のリアフェンダーカウルを装着。公式予選に先立って19日(金)に行われた練習走行では難しい路面コンディションの中、DYNACITYトムススープラ37号車が2番手、auセルモスープラ38号車が6番手につけた。
予選
20日(土)の公式予選は朝から好天。気温21度と比較的過ごしやすい気候のもと、午前11時から1回目セッションが行われた。序盤のGT500クラス専有時間にWOODONEトムススープラ36号車が日産フェアレディZ勢とトップ争いを展開。最終的には2番手となるが、午後のタイムアップに期待が集まった。
2回目セッションは同じく晴天、気温20度のもとで午後3時から実施された。終盤のGT500専有時間後半に1回目の上位3台による最後のアタック合戦が行われ、スープラ36号車は午前中のタイムを上回るベストタイムを記録。見事今季初のポールポジションを獲得した。
また、スープラ38号車が5番手、スープラ37号車が9番手グリッドを得る一方、タイトル逆転を狙うスープラ6号車は、累積による100kgものハンディウエイトに苦しみ13番手、前戦オートポリスでの2位入賞により70kgのウエイトを積むスープラ39号車も14番手と苦しみ、後方グリッドからのスタートを余儀なくされることとなった。
決勝
21日(日)の決勝日も好天。スープラ36号車は午前8時からのフリー走行で2番手タイムをマーク。決勝用セッティングでも好調ぶりを確認し、決勝レースに駒を進めた。
ほぼ定刻の午後2時5分にスタートが切られると、スープラ36号車はリードを保ったまま1コーナーへ進入し、トップで周回を開始。2番手、3番手で続くフェアレディZをじわじわと引き離していく。
その後周回遅れ車両を交えての混戦模様の中、25周目にトップでピットイン。その前周にピットに入ったフェアレディZ12号車の前でコースに復帰するも、交換したタイヤがまだ温まらないうちに接近戦となり、27周目に惜しくも先行を許してしまう。
その後2台のトップ争いは観客の目を釘付けにしたが、僅かに届かず。スープラ36号車は2位でチェッカーを受けた。この結果によりトヨタテクノクラフトはGT500クラスのエンジンチューナー部門タイトルを確定した。
5番手スタートから33周目にスープラ35号車をパスしたスープラ38号車が4位、9番手グリッドから好スタートを切ったスープラ37号車が激しい接戦の末6位に入賞。ドライバーズタイトルを争うスープラ6号車は、13番手グリッドから好スタートで序盤11番手をキープし、ピット作業の間隙に一時は6番手まで順位を上げたものの、34周目にオーバーヒートのため無念にも戦列を去った。また、14番手スタートのスープラ39号車も好スタートからポジションをアップするが、結局8位でチェッカーを受け、惜しくも逆転ドライバーズチャンピオンの獲得はならなかった。
なお、来る11月28日(日)に、鈴鹿サーキットで開催されるトヨタ・モータースポーツ・フェスティバルにトヨタのJGTCカーが集結。エキシビションマッチ「JGTC模擬レース」や「JGTCウォッチングツアー」等が行われる予定。
WOODONEトムススープラ36号車 ドライバー土屋武士のコメント:
2位は悔しいが、ベストを尽くした結果なので満足している。セッティングもタイヤチョイスもピット作業も完璧だったと思う。この結果を来季につなげて頑張りたい。
WOODONEトムススープラ36号車 ドライバーM.アピチェラのコメント:
ピットアウト後、タイヤがまだ暖まらないうちにバトルになり、抑えきれず先行を許してしまった。その後も周回遅れ車両に引っかかり、詰め寄れなかった。ポールポジションからスタートしての2位というリザルトはベストとは言えないが、最後まで全力を尽くした結果だ。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
今大会ではスープラ36号車が良いパフォーマンスを見せ、他のスープラ勢もそれぞれのポジションで頑張ってくれた。また、テクノクラフトTRDもタイトル奪還に向けてベストを尽くすべく、新しい空力パーツを投入するなど、スープラのポテンシャルアップに努力した結果、来年に繋がる良いものを得ることが出来た。
今季はライバル勢と実力の拮抗する厳しい戦いの中、ポールポジション獲得4回、決勝レース優勝2回という結果となった。第2戦SUGOではGT500がスープラの表彰台独占、GT300でもセリカのワン・ツーというレースもあったほか、新たにGT500に上がった若手ドライバーが光るところを見せてくれたのも良かった。しかし、一発の速さは互角ながらレースの展開ではライバルに今ひとつ及ばず、ドライバー/チームタイトルを取り戻せなかったのはとても残念だ。来季に向けてはさらに車両の熟成を図り、チームと一丸になって全力で戦う。
リザルト
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 所要時間/差 | 周回 | グリッド | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | 日産フェアレディZ | B.トレルイエ/井出有治 | 1:45'47.291 | 52 | 3 | |
2 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋武士/M.アピチェラ | 0'02.059 | 52 | 1 | |
3 | 3 | 日産フェアレディZ | 金石年弘/E.コマス | 0'03.118 | 52 | 2 | |
4 | 38 | トヨタスープラGT | 立川祐路/荒 聖治 | 0'26.885 | 52 | 5 | |
5 | 32 | ホンダNSX | 松田次生/A.ロッテラー | 0'28.845 | 52 | 4 | |
6 | 37 | トヨタスープラGT | J.コートニー/片岡龍也 | 0'54.310 | 52 | 9 | |
7 | 1 | 日産フェアレディZ | 本山 哲/R.ライアン | 1'08.045 | 52 | 11 | |
8 | 39 | トヨタスープラGT | J.デュフォア/A.クート | 1'08.452 | 52 | 14 | |
9 | 100 | ホンダNSX | 中野信治/加藤寛規 | 1'52.208 | 52 | 15 | |
10 | 25 | トヨタスープラGT | 織戸 学/D.シュワガー | 1'54.766 | 52 | 10 | |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋武士/M.アピチェラ | 2位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 38 | 立川祐路/荒 聖治 | 4位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | J.コートニー/片岡龍也 | 6位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | J.デュフォア/A.クート | 8位 | |||
TEAM ADVAN・ツチヤ | トヨタスープラGT | 25 | 織戸 学/D.シュワガー | 10位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 服部尚貴/脇阪薫一 | 32位/16位 | |||
ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 6 | 脇阪寿一/飯田 章 | リタイア | |||
TEAM RECKLESS | トヨタMR-S | 30 | 佐々木孝太/後藤 聡 | 19位/4位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタセリカ | 19 | 青木孝行/谷口信輝 | 20位/5位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタセリカ | 52 | 竹内浩典/西澤誠剛 | 24位/9位 | |||
A'PEX with apr | トヨタMR-S | 31 | 田中 実/松田晃司 | 25位/10位 | |||
SPIRIT Motorsport | トヨタセリカ | 17 | 長島正興/松永まさひろ | 30位/15位 | |||
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