2005年6月26日(日)配信

「SUPER GT」第3戦 灼熱のセパンでスープラが3位表彰台
今季唯一の遠征戦で、4位にもスープラが入賞。
GT300ではMR-Sが2位表彰台


灼熱のセパンで行われた第3戦、3位に入ったスープラ36号車
「SUPER GT」の第3戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」が6月25日(土)、26日(日)の両日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。
 マレーシアでの遠征戦は2000年にオールスター戦として初開催されて以来、SARSの影響で休止された2003年を挟み5回目の開催。今季よりインターナショナルシリーズに移行した「SUPER GT」シリーズで唯一、海外遠征戦となる。
 同大会にはGT500クラス17台、GT300クラス27台の総勢44台が参加。このうちトヨタ勢はGT500クラスに8台のスープラ、GT300クラスには2台のセリカと2台のMR-Sがエントリーした。
 赤道にほど近い亜熱帯地域でのレースは、車両にとってもドライバーにとっても暑さ対策が大きな課題のひとつだが、トヨタ・スープラはセパンでオフシーズンテストを行っており、万全の体制でレースに臨んだ。

予選
 今シーズン、開幕戦では、エクリプス・アドバン・スープラ25号車が優勝、新装・富士での初レースとなった第2戦ではZENTセルモスープラ38号車が優勝と、開幕2連勝を記録しているトヨタ・スープラ勢。第3戦に先立ち、24日(金)に行われた練習走行では、70㎏のウエイトを積んだスープラ38号車が3番手につけるなど引き続き好調をアピールした。
 25日(土)に行われた公式予選は、今回もスーパーラップ方式を採用。予選1回目セッションは午前11時に晴れ時々曇りの天候の下、気温36度、路面温度45度でスタート。エッソウルトラフロースープラ6号車が2番手タイムを記録し、スープラ38号車が7番手、ダイナシティトムススープラ36号車も8番手に食い込んで、スーパーラップへの出場権を獲得した。
 続いて予選2回目セッションは午後4時から各クラス15分間づつ実施。気温は34度、路面温度は48度とまだまだ厳しい暑さの中で、スープラ25号車とイエローハットYMSスープラ35号車が1、2番手タイムをマークし、スーパーラップの追加出場枠を確保した。
 続いて午後4時45分から行われたスーパーラップには、GT500クラスにスープラ5台、GT300クラスにはMR‐S2台とセリカ1台が参加してタイムアタックが行われた。路面温度は序々に下がっていく中、まず、GT300クラスのスーパーラップでRECKLESSMR‐S30号車が終盤に2番手タイムを記録。APEXERA MR‐S31号車も4位に食い込んだ。
 その後のGT500クラスでは、最後に出走したスープラ6号車が3番手、36号車は7番手、前戦優勝の38号車は8番手グリッドから決勝レースへ挑むことととなった。

決勝
 26日(日)も好天の下、気温が上昇。決勝スタートは午後4時と遅めの時刻に設定されたが、それでも気温は40度/路面温度58度という酷暑の中で決勝レースのスタートが切られた。
 3番手スタートのスープラ6号車は、オープニングラップの1コーナー進入で前を行くNSXをパスして2位に躍進するが、アンダーステアに悩み、徐々に後退。
 一方、7番手スタートのスープラ36号車はやや早めの23周目にピットイン、この際の迅速なピット作業と、素早いアウトラップによって、ピットインが一巡した時点で3位に浮上。そのままポジションを守りきり、開幕戦に続き3位表彰台を獲得した。
 また、レース中盤のピット作業を終えて5位につけていたスープラ6号車は、終盤戦で、後続のNSXからの激しい追撃を受けるが、順位を守り切り、4位でチェッカーを受けた。
 GT300クラスでは2番手スタートのMR‐S30号車が終始トップを追撃。首位奪取は叶わなかったものの、2位表彰台を獲得した。

ダイナシティトムススープラ36号車 ドライバー土屋武士のコメント:
 今回我々はニューカーでの初戦で、完全にセッティングを詰めきれなかった。しかし、そのような状況の中では思い通りにレースを進めることが出来たと思う。車内の熱対策についても、自分は比較的暑さに強いようで、問題なかった。これからも努力を重ねて上位入賞を目指す。

ダイナシティトムススープラ36号車 ドライバーJ.コートニーのコメント:
 初めて予選アタックを担当し、色々と勉強になった。アンダーステア傾向に悩んだが、決勝では良いセッティングが得られた。次戦SUGOがとても楽しみだ。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 気温40度という酷暑の中でのレースとなったが、スープラ36号車が健闘し、3位表彰台を獲得することが出来て良かった。また、GT300クラスでは中嶋一貴君や平中克幸君など若手ドライバーも活躍を見せてくれた。しかし、ライバルもレベルアップしてきており、我々もスープラのポテンシャルを一層高める必要がある。引き続き全力を尽くして開発を進め、次戦SUGOでの好結果に繋げたい。

リザルト

順位 車両No.ドライバー所要時間/差周回予選
1 1 日産フェアレディZ 本山  哲/R.ライアン 1:52'39.660 54 4
2 8 ホンダNSX 伊藤 大輔/R.ファーマン 0'04.499 54 1
3 36 トヨタスープラGT 土屋 武士/J.コートニー 0'15.375 54 7
4 6 トヨタスープラGT 脇阪 寿一/飯田  章 0'26.485 54 3
5 32 ホンダNSX 松田 次生/A.ロッテラー 0'27.271 54 2
6 22 日産フェアレディZ M.クルム/柳田 真孝 0'33.687 54 11
7 18 ホンダNSX 道上  龍/小暮 卓史 0'33.952 54 6
8 12 日産フェアレディZ B.トレルイエ/井出 有治 0'50.395 54 5
9 39 トヨタスープラGT A.クート/R.クインタレッリ 0'53.469 54 17
10 100 ホンダNSX S.フィリップ/J.デュフォア 1'06.619 54 15
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋 武士/J.コートニー 3位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪 寿一/飯田  章 4位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 A.クート/R.クインタレッリ 9位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川 祐路/高木 虎之介 11位
KRAFT トヨタスープラGT 34 荒  聖治/横溝 直輝 12位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 片岡 龍也/山本 左近 13位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部 尚貴/脇阪 薫一 14位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸  学/D.シュワガー 35位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木 孝太/山野 哲也 16位/2位
APEXERA WITH APR トヨタMR-S 31 田中  実/中嶋 一貴 19位/5位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 加藤 寛規/谷口 信輝 21位/7位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内 浩典/平中 克幸 26位/12位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 本山  哲/R.ライアン 31
2位 土屋 武士/J.コートニー 28
3位 伊藤 大輔/R.ファーマン 27
4位 立川 祐路/高木 虎之介 23
6位 織戸 学/D.シュワガー 22
7位 脇阪 寿一/飯田  章 16
9位 服部 尚貴/脇阪 薫一 15
11位 片岡 龍也/山本 左近 11
13位 A.クート/R.クインタレッリ 5
14位 荒  聖治/横溝 直輝 4
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 40
2位 TOYOTA TEAM TOM'S 33
3位 Team Honda Racing 27
4位 TOYOTA TEAM CERUMO 23
5位 TEAM ADVAN・ツチヤ 22
6位 ESSO TOYOTA Team LeMans 16
8位 KRAFT 15
10位 TOYOTA TEAM SARD 5