「SUPER GT」第3戦 灼熱のセパンでスープラが3位表彰台
今季唯一の遠征戦で、4位にもスープラが入賞。
GT300ではMR-Sが2位表彰台
灼熱のセパンで行われた第3戦、3位に入ったスープラ36号車
「SUPER GT」の第3戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」が6月25日(土)、26日(日)の両日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。
マレーシアでの遠征戦は2000年にオールスター戦として初開催されて以来、SARSの影響で休止された2003年を挟み5回目の開催。今季よりインターナショナルシリーズに移行した「SUPER GT」シリーズで唯一、海外遠征戦となる。
同大会にはGT500クラス17台、GT300クラス27台の総勢44台が参加。このうちトヨタ勢はGT500クラスに8台のスープラ、GT300クラスには2台のセリカと2台のMR-Sがエントリーした。
赤道にほど近い亜熱帯地域でのレースは、車両にとってもドライバーにとっても暑さ対策が大きな課題のひとつだが、トヨタ・スープラはセパンでオフシーズンテストを行っており、万全の体制でレースに臨んだ。
予選
今シーズン、開幕戦では、エクリプス・アドバン・スープラ25号車が優勝、新装・富士での初レースとなった第2戦ではZENTセルモスープラ38号車が優勝と、開幕2連勝を記録しているトヨタ・スープラ勢。第3戦に先立ち、24日(金)に行われた練習走行では、70㎏のウエイトを積んだスープラ38号車が3番手につけるなど引き続き好調をアピールした。
25日(土)に行われた公式予選は、今回もスーパーラップ方式を採用。予選1回目セッションは午前11時に晴れ時々曇りの天候の下、気温36度、路面温度45度でスタート。エッソウルトラフロースープラ6号車が2番手タイムを記録し、スープラ38号車が7番手、ダイナシティトムススープラ36号車も8番手に食い込んで、スーパーラップへの出場権を獲得した。
続いて予選2回目セッションは午後4時から各クラス15分間づつ実施。気温は34度、路面温度は48度とまだまだ厳しい暑さの中で、スープラ25号車とイエローハットYMSスープラ35号車が1、2番手タイムをマークし、スーパーラップの追加出場枠を確保した。
続いて午後4時45分から行われたスーパーラップには、GT500クラスにスープラ5台、GT300クラスにはMR‐S2台とセリカ1台が参加してタイムアタックが行われた。路面温度は序々に下がっていく中、まず、GT300クラスのスーパーラップでRECKLESSMR‐S30号車が終盤に2番手タイムを記録。APEXERA MR‐S31号車も4位に食い込んだ。
その後のGT500クラスでは、最後に出走したスープラ6号車が3番手、36号車は7番手、前戦優勝の38号車は8番手グリッドから決勝レースへ挑むことととなった。
決勝
26日(日)も好天の下、気温が上昇。決勝スタートは午後4時と遅めの時刻に設定されたが、それでも気温は40度/路面温度58度という酷暑の中で決勝レースのスタートが切られた。
3番手スタートのスープラ6号車は、オープニングラップの1コーナー進入で前を行くNSXをパスして2位に躍進するが、アンダーステアに悩み、徐々に後退。
一方、7番手スタートのスープラ36号車はやや早めの23周目にピットイン、この際の迅速なピット作業と、素早いアウトラップによって、ピットインが一巡した時点で3位に浮上。そのままポジションを守りきり、開幕戦に続き3位表彰台を獲得した。
また、レース中盤のピット作業を終えて5位につけていたスープラ6号車は、終盤戦で、後続のNSXからの激しい追撃を受けるが、順位を守り切り、4位でチェッカーを受けた。
GT300クラスでは2番手スタートのMR‐S30号車が終始トップを追撃。首位奪取は叶わなかったものの、2位表彰台を獲得した。
ダイナシティトムススープラ36号車 ドライバー土屋武士のコメント:
今回我々はニューカーでの初戦で、完全にセッティングを詰めきれなかった。しかし、そのような状況の中では思い通りにレースを進めることが出来たと思う。車内の熱対策についても、自分は比較的暑さに強いようで、問題なかった。これからも努力を重ねて上位入賞を目指す。
ダイナシティトムススープラ36号車 ドライバーJ.コートニーのコメント:
初めて予選アタックを担当し、色々と勉強になった。アンダーステア傾向に悩んだが、決勝では良いセッティングが得られた。次戦SUGOがとても楽しみだ。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
気温40度という酷暑の中でのレースとなったが、スープラ36号車が健闘し、3位表彰台を獲得することが出来て良かった。また、GT300クラスでは中嶋一貴君や平中克幸君など若手ドライバーも活躍を見せてくれた。しかし、ライバルもレベルアップしてきており、我々もスープラのポテンシャルを一層高める必要がある。引き続き全力を尽くして開発を進め、次戦SUGOでの好結果に繋げたい。
リザルト
順位 | 車両 | No. | ドライバー | 所要時間/差 | 周回 | 予選 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 日産フェアレディZ | 本山 哲/R.ライアン | 1:52'39.660 | 54 | 4 |
2 | 8 | ホンダNSX | 伊藤 大輔/R.ファーマン | 0'04.499 | 54 | 1 |
3 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋 武士/J.コートニー | 0'15.375 | 54 | 7 |
4 | 6 | トヨタスープラGT | 脇阪 寿一/飯田 章 | 0'26.485 | 54 | 3 |
5 | 32 | ホンダNSX | 松田 次生/A.ロッテラー | 0'27.271 | 54 | 2 |
6 | 22 | 日産フェアレディZ | M.クルム/柳田 真孝 | 0'33.687 | 54 | 11 |
7 | 18 | ホンダNSX | 道上 龍/小暮 卓史 | 0'33.952 | 54 | 6 |
8 | 12 | 日産フェアレディZ | B.トレルイエ/井出 有治 | 0'50.395 | 54 | 5 |
9 | 39 | トヨタスープラGT | A.クート/R.クインタレッリ | 0'53.469 | 54 | 17 |
10 | 100 | ホンダNSX | S.フィリップ/J.デュフォア | 1'06.619 | 54 | 15 |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
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TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋 武士/J.コートニー | 3位 | |||
ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 6 | 脇阪 寿一/飯田 章 | 4位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | A.クート/R.クインタレッリ | 9位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 38 | 立川 祐路/高木 虎之介 | 11位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 34 | 荒 聖治/横溝 直輝 | 12位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | 片岡 龍也/山本 左近 | 13位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 服部 尚貴/脇阪 薫一 | 14位 | |||
TEAM ADVAN・ツチヤ | トヨタスープラGT | 25 | 織戸 学/D.シュワガー | 35位 | |||
TEAM RECKLESS | トヨタMR-S | 30 | 佐々木 孝太/山野 哲也 | 16位/2位 | |||
APEXERA WITH APR | トヨタMR-S | 31 | 田中 実/中嶋 一貴 | 19位/5位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタセリカ | 19 | 加藤 寛規/谷口 信輝 | 21位/7位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタセリカ | 52 | 竹内 浩典/平中 克幸 | 26位/12位 | |||
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