2005年7月24日(日)配信

SUGOでトヨタ・スープラがトップ4独占5連覇達成!
片岡龍也/山本左近組が初優勝。
GT300クラスでもトヨタMR-Sが1位.3位獲得


トヨタ・スープラ勢が表彰台独占 "SUGO"での5連覇を達成
「SUPER GT」の第4戦「SUGO GT 300km RACE」が7月23日(土)、24日(日)の両日、宮城県の"スポーツランドSUGO"で行われた。
 今季の"SUGO"は、シリーズ中盤の第4戦に組み入れられ、GT500クラス18台、GT300クラス26台の総勢44台が参加。このうちトヨタ勢はGT500クラスに8台のスープラ、GT300クラスには2台のセリカと2台のMR-Sがエントリーした。
 今年のシーズンイン前に舗装を一新した"SUGO"へ向けて、トヨタ勢はテクニカルなコースに合わせた新開発空力部品を採用。しかし、事前の合同テストは行われず、22日(金)に行われた練習走行もほぼハーフウェットという状況で、データが不足気味のため、決勝を重視してセットアップを進めた。

予選
 23日(土)の公式予選1回目は午前10時10分から1時間に渡って行われた。このセッションでトヨタ勢はエッソウルトラフロースープラ6号車が7番手、スープラ37号車が9番手、スープラ36号車が10番手につけてスーパーラップ進出を決定。
 1回目セッションの赤旗中断などで予定より35分遅れの午後2時55分に始まった2回目セッションでは、第2戦富士で優勝を飾ったZENTセルモスープラ38号車がトップタイム、デンソーサードスープラ39号車がセカンドベストを記録し、上位12台の決勝グリッド順を決するスーパーラップに5台のスープラが進出することとなった。
 しかし、続いて行われたスーパーラップでスープラ勢は予想以上の低温に苦戦。スープラ勢は6号車の6番手を先頭に10番手までを占めることとなった。
 一方、GT300クラスでは、このレースから車名が変更された吉兆宝山MR‐S31号車が8番手、RECKLESS MR‐S30号車が9番手、ウエッズスポーツセリカ19号車が11番手グリッドから決勝に臨むこととなった。

決勝
 24日(日)は曇りがちながら時折日が射し、気温も上昇。午後2時8分に5万人の観客が見守る中で81周の決勝レースのスタートが切られた。
 6番手グリッドからスタートのスープラ6号車はオープニングラップで5位に浮上。スープラ37号車も9番手グリッドから一つポジションを上げ、2周目に7位、10周目には6位と着実に躍進を果たした。
 しかし、その直後、最終コーナー先でコースアウト車両に火災が発生し、レースは10周で赤旗中断。幸いドライバーに大事はなく、2ヒート制で戦われることになったレースは、残り68周で仕切り直しの再スタートが切られることになった。
 第2ヒート目のスタートではスープラ6号車が4位、スープラ37号車が5位にポジションアップ。ツイスティでアップダウンの激しい"SUGO"を舞台に接戦を展開した。
 追い上げを展開したスープラ37号車は、レース中盤のピットインで素晴らしいピットワークを見せ、35周目には首位へと躍進。ピット作業の一巡した時点で、スープラ6号車が3位、スープラ39号車が4位、スープラ36号車が6位と各車上位へポジションアップ。2位争いへ持ち込んだスープラ6号車だったが、他車との接触でペナルティを受け、惜しくも5位に後退。
 この接触の間隙を付いてスープラ39号車が2位、スープラ36号車が3位に浮上。そして、スープラ6号車も残り6周の時点で4位にポジションを上げ、スープラ勢が1位から4位を独占してチェッカーを受けた。
 片岡龍也/山本左近の若手コンビの駆ったスープラ37号車は初優勝。スープラ39号車も今季初表彰台の2位、スープラ36号車が第3戦セパンに続く3位表彰台を獲得。見事、2001年以来続く、前人未踏の"SUGO"での5連覇を上位独占勝利で飾った。
 一方、GT300クラスでも、8番手スタートのMR‐S31号車が、第2ヒート2位でチェッカーを受け、第1ヒートとの合算による総合結果で見事初優勝を果たした。また、3位にもMR‐S31号車が入り、「SUPER GT」両クラスを通じてトヨタ勢の活躍の目立つ結果となった。

ダイナシティトムススープラ37号車 ドライバー片岡龍也のコメント:
 決勝日は気温も上がり、朝のフリー走行からコンディションに上手く合っている手応えを感じた。こんなに気持ちよく他車をパスして行けるのは初めてで、もっと走っていたいほどだった。GT500参戦2年目で初優勝を果たすことが出来たが、FTRS時代から育ててもらった関谷監督やチームの人たちが喜んでくれて、本当に嬉しい。後半戦も全力でチャンピオンシップを戦っていく。

ダイナシティトムススープラ37号車 ドライバー山本左近のコメント:
 9番手スタートで優勝出来るとは思っていなかったが、チームが決勝に向けてベストなセッティングを施してくれて、快調に走ることが出来た。最後は本当に優勝なのか信じられなかった。自分にとっては参戦初年度4戦目での初優勝となり、こんなに嬉しいことはない。

吉兆宝山MR‐S31号車 ドライバー田中実のコメント:
 自分も講師を務めるFTRSの卒業生と二人三脚でやってきて、結果を出せたことはものすごく嬉しい。セパンでは不本意な結果だっただけに"SUGO"では巻き返しを期して臨んだ。今回の結果でシリーズチャンピオンの戦いに残ることが出来たので、最終戦までこの調子を保って戦いたい。

吉兆宝山MR‐S31号車 ドライバー中嶋一貴のコメント:
 走っている間は半信半疑だったが、GTでの初優勝であると同時に、F3も含めて今季初優勝なので格別の嬉しさだ。田中実さんには今までずっと色々教えて頂き、今回結果に結び付けることが出来たことに感謝している。来週のF3でも、この好調の波に乗って勝利を目指したい。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 今回はラッキーだった面もあったが、テストが不足し、データの少ない中でそれぞれのチームが頑張ってくれた。特にF3出身の若手である片岡君、山本君がコンビを組むGT500での初優勝、そしてGT300でもF3参戦中の中嶋君が初優勝という結果には感動した。とはいえ、まだまだ、スープラは予選の一発の速さなどに課題はある。チャンピオン獲得のため我々も引き続き全力を尽くす。

リザルト

順位 車両No.ドライバー周回予選
1 37 トヨタスープラGT 片岡 龍也/山本 左近 78 9
2 39 トヨタスープラGT A.クート/R.クインタレッリ 78 10
3 36 トヨタスープラGT 土屋 武士/J.コートニー 78 8
4 6 トヨタスープラGT 脇阪 寿一/飯田  章 78 6
5 12 日産フェアレディZ ブノワ・トレルイエ/井出 有治 78 1
6 8 ホンダNSX 伊藤 大輔/R.ファーマン 78 12
7 22 日産フェアレディZ M.クルム/柳田 真孝 78 3
8 1 日産フェアレディZ 本山  哲/R.ライアン 78 13
9 25 トヨタスープラGT 織戸  学/D.シュワガー 78 15
10 35 トヨタスープラGT 服部 尚貴/脇阪 薫一 78 16
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 片岡 龍也/山本 左近 1位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 A.クート/R.クインタレッリ 2位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋 武士/J.コートニー 3位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪 寿一/飯田  章 4位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸  学/D.シュワガー 9位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部 尚貴/脇阪 薫一 10位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川 祐路/高木 虎之介 11位
KRAFT トヨタスープラGT 34 荒  聖治/横溝 直輝 14位
吉兆宝山 with apr トヨタMR-S 31 田中  実/中嶋 一貴 1位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木 孝太/山野 哲也 3位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 加藤 寛規/谷口 信輝 7位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内 浩典/平中 克幸 8位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 土屋 武士/J.コートニー 40
2位 本山  哲/R.ライアン 34
3位 伊藤 大輔/R.ファーマン 32
4位 片岡 龍也/山本 左近 31
6位 織戸 学/D.シュワガー 24
6位 脇阪 寿一/飯田  章 24
8位 立川 祐路/高木 虎之介 23
9位 A.クート/R.クインタレッリ 20
11位 服部 尚貴/脇阪 薫一 16
14位 荒  聖治/横溝 直輝 4
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 TOYOTA TEAM TOM'S 53
2位 NISMO 45
3位 Team Honda Racing 33
4位 TEAM ADVAN・ツチヤ 24
4位 ESSO TOYOTA Team LeMans 24
6位 TOYOTA TEAM CERUMO 23
7位 TOYOTA TEAM SARD 20
9位 KRAFT 16