第5戦もてぎ 混戦でスープラ35号車が5位入賞
スープラ36号車がシリーズランキング首位を堅守
GT300クラスはセリカ19号車が2位表彰台
混戦の"もてぎ"でスープラ勢最高位の5位に入ったスープラ35号車
「SUPER GT」の第5戦「MOTEGI GT 300km RACE」が9月3日(土)、4日(日)の両日、栃木県の「ツインリンクもてぎ」ロードコースで行われた。
全8戦のシリーズもいよいよ後半戦。目下GT500クラスでは、前戦SUGOで3位表彰台を獲得したトムススープラ36号車がランキング首位につけており、前戦で初優勝を果たしたトムススープラ37号車が4番手につけるなど、ここまで4戦中3勝を挙げているトヨタ・スープラのさらなる活躍に期待が集まった。
今大会にはGT500クラス18台、GT300クラス26台の総勢44台が参加。このうちトヨタ勢はGT500クラスに8台のスープラ、GT300クラスには2台のセリカと2台のMR-Sがエントリーし、勝利を目指した。
予選
3日(土)の公式予選1回目は好天の下、午前10時5分から1時間に渡って行われた。気温は30度で非常に蒸し暑いコンディション。
今大会から予選方式が変更となり、これまでは1回目セッションの各クラス上位10台と、その10台を除く、2回目セッションの上位2台が上位グリッドを決定するスーパーラップに出走していたが、新たに1回目の上位10台のみとなり、スーパーラップのアタックも2台づつから1台づつに変更された。
スーパーラップ進出をかけた1回目セッションではエッソウルトラフロースープラ6号車が5番手、ZENTセルモスープラ38号車が7番手、BANDAIスープラ34号車が9番手を獲得。また、GT300クラスでもRECKLESS MR‐S30号車が6番手、ウエッズスポーツセリカ19号車が8番手でそれぞれスーパーラップ進出を決めた。
2回目セッションのあと午後2時50分からスーパーラップが開始され、スープラ38号車が4番手グリッドを獲得。スープラ6号車は9番手、スープラ34号車は10番手となった。GT300ではセリカ19号車が好調に2番手、MR‐S30号車が7番手から決勝へと臨むことになった。
決勝
4日(日)の決勝日は、朝のフリー走行でスープラ6号車はトップタイム、38号車も5番手タイムを記録し、決勝レースに望みを繋いだ。
当初午後から降雨の予報もあったが、ドライコンディションで決勝レースを迎えた。定刻の午後2時にローリングスタートのフォーメーションラップを開始。
スタート直後に、4番手グリッドのスープラ38号車は、5位へとポジションを落とすが、首位グループから離されることなく逆転を狙い猛追。しかし、11周目にGT300車両を追い越した直後に他車と接触。さらにポジションダウンを余儀なくされた。
一方、9番手スタートのスープラ6号車は、13周目に8位に躍進、まもなく順位を上げてきたスープラ39号車と激しくバトルを展開するが、その後単独スピンで後退。
また、予選1回目にコースオフを喫し、15番手スタートとなったイエローハットスープラ35号車は、今大会から参加のP.ダンブレックが安定したペースで12位までポジションをアップ。
ドライバー交代後も果敢にプッシュを続け、ピット作業の一巡した31周目には6位まで躍進。その後も後続を寄せ付けず、ファイナルラップでさらにポジションを上げ、5位でチェッカーを受けた。
また、50kgのハンディウエイトを課されて苦しい戦いを強いられたシリーズポイントリーダーのトムススープラ36号車は7位に入り、前戦SUGOで初優勝を果たしたチームメイトのスープラ37号車が8位。2度のスピンを喫しながら最後まで懸命に戦い続けたスープラ6号車が9位に入賞し、各々貴重なポイントを獲得した。この結果、スープラ36号車はランキング首位の座を堅守。
GT300クラスでは2番手グリッドからスタートしたセリカ19号車が序盤の接戦の中で一時8位まで後退しながら、後半見事な追い上げを見せ、見事今季初の2位表彰台を獲得した。
イエローハットスープラ35号車 ドライバー服部尚貴のコメント:
セッティングを完全に煮詰めることが出来ないまま決勝レースを迎えることになり、苦しい戦いを強いられたが、その中で5位に入賞出来たことは良かった。ただし、決して満足の行く状況ではない。残り3戦も可能な限り攻めのレースを続け、ポイント獲得を狙っていきたい。
イエローハットスープラ35号車 ドライバーP.ダンブレックのコメント:
今回からスープラ35号車のステアリングを握ることになった。98年に全日本F3選手権にトムスチームから参戦してチャンピオンを獲得し、また、日本のGT選手権にも、GT300クラスのMR‐2で参戦した経験があるが、初めて乗ったスープラのレベルの高さには正直驚いた。スープラでの初レースで5位入賞を果たせたことは嬉しいが、目標は、表彰台と勝利。次戦富士では表彰台を狙って全力を尽くす。
ウェッズスポーツセリカ19号車 ドライバー加藤寛規のコメント:
ラップタイムではライバル勢に及ばない状況ながら、2位表彰台に上がれたのはチームの総合力を活かしたベストな結果だ。今回は予選上位を狙い通りに獲得したあと、決勝レースは後続を抑え切る作戦を採ったが、完璧なレースが出来た。今後も頑張ってシリーズポイントを獲得したい。
ウェッズスポーツセリカ19号車 ドライバー谷口信輝のコメント:
スタートした直後にクールスーツのトラブルに見舞われ、苦しい展開となったが、後半、加藤選手が挽回してくれた。現状のパフォーマンスの中で最高のレースが出来たと思う。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
今回は苦しい戦いとなったが、その中でスープラ勢は接近戦を展開、スープラ36号車がポイント首位を守るなど、各チームが上手くシリーズポイントを獲得してくれた。また、GT300クラスでセリカ19号車がドライバーとチームの頑張りで2位入賞を果たしたのも良かった。次の富士大会はもちろんだが、終盤戦に向けてスープラのポテンシャルにさらに磨きをかけ、シリーズチャンピオン獲得を目指す。
リザルト
順位 | 車両 | No. | ドライバー | 所要時間/差 | 周回 | 予選 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 100 | ホンダNSX | S.フィリップ/J.デュフォア | 1:56'31.713 | 63 | 3 | |
2 | 18 | ホンダNSX | 道上 龍/小暮 卓史 | 0'04.389 | 63 | 2 | |
3 | 12 | 日産フェアレディZ | B.トレルイエ/井出 有治 | 0'27.177 | 63 | 6 | |
4 | 22 | 日産フェアレディZ | M.クルム/柳田 真孝 | 0'37.833 | 63 | 7 | |
5 | 35 | トヨタスープラGT | 服部 尚貴/P.ダンブレック | 1'01.798 | 63 | 15 | |
6 | 1 | 日産フェアレディZ | 本山 哲/R.ライアン | 1'06.736 | 63 | 16 | |
7 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋 武士/J.コートニー | 1'16.933 | 63 | 14 | |
8 | 37 | トヨタスープラGT | 片岡 龍也/山本 左近 | 1'17.967 | 63 | 11 | |
9 | 6 | トヨタスープラGT | 脇阪 寿一/飯田 章 | 2'21.742 | 63 | 9 | |
10 | 32 | ホンダNSX | 松田 次生/A.ロッテラー | 1Laps | 62 | 8 | |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 服部 尚貴/P.ダンブレック | 5位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋 武士/J.コートニー | 7位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | 片岡 龍也/山本 左近 | 8位 | |||
ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 6 | 脇阪 寿一/飯田 章 | 9位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 34 | 荒 聖治/横溝 直輝 | 11位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 38 | 立川 祐路/高木 虎之介 | 12位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | A.クート/R.クインタレッリ | 14位 | |||
TEAM ADVAN・ツチヤ | トヨタスープラGT | 25 | 織戸 学/D.シュワガー | 15位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタセリカ | 19 | 加藤 寛規/谷口 信輝 | 18位/2位 | |||
TEAM RECKLESS | トヨタMR-S | 30 | 佐々木 孝太/山野 哲也 | 24位/8位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタセリカ | 52 | 竹内 浩典/平中 克幸 | 30位/14位 | |||
吉兆宝山 with apr | トヨタMR-S | 31 | 田中 実/中嶋 一貴 | リタイア | |||
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