2005年9月 4日(日)配信

第5戦もてぎ 混戦でスープラ35号車が5位入賞
スープラ36号車がシリーズランキング首位を堅守
GT300クラスはセリカ19号車が2位表彰台


混戦の"もてぎ"でスープラ勢最高位の5位に入ったスープラ35号車
「SUPER GT」の第5戦「MOTEGI GT 300km RACE」が9月3日(土)、4日(日)の両日、栃木県の「ツインリンクもてぎ」ロードコースで行われた。
 全8戦のシリーズもいよいよ後半戦。目下GT500クラスでは、前戦SUGOで3位表彰台を獲得したトムススープラ36号車がランキング首位につけており、前戦で初優勝を果たしたトムススープラ37号車が4番手につけるなど、ここまで4戦中3勝を挙げているトヨタ・スープラのさらなる活躍に期待が集まった。
 今大会にはGT500クラス18台、GT300クラス26台の総勢44台が参加。このうちトヨタ勢はGT500クラスに8台のスープラ、GT300クラスには2台のセリカと2台のMR-Sがエントリーし、勝利を目指した。

予選
 3日(土)の公式予選1回目は好天の下、午前10時5分から1時間に渡って行われた。気温は30度で非常に蒸し暑いコンディション。
 今大会から予選方式が変更となり、これまでは1回目セッションの各クラス上位10台と、その10台を除く、2回目セッションの上位2台が上位グリッドを決定するスーパーラップに出走していたが、新たに1回目の上位10台のみとなり、スーパーラップのアタックも2台づつから1台づつに変更された。
 スーパーラップ進出をかけた1回目セッションではエッソウルトラフロースープラ6号車が5番手、ZENTセルモスープラ38号車が7番手、BANDAIスープラ34号車が9番手を獲得。また、GT300クラスでもRECKLESS MR‐S30号車が6番手、ウエッズスポーツセリカ19号車が8番手でそれぞれスーパーラップ進出を決めた。
 2回目セッションのあと午後2時50分からスーパーラップが開始され、スープラ38号車が4番手グリッドを獲得。スープラ6号車は9番手、スープラ34号車は10番手となった。GT300ではセリカ19号車が好調に2番手、MR‐S30号車が7番手から決勝へと臨むことになった。

決勝
 4日(日)の決勝日は、朝のフリー走行でスープラ6号車はトップタイム、38号車も5番手タイムを記録し、決勝レースに望みを繋いだ。
 当初午後から降雨の予報もあったが、ドライコンディションで決勝レースを迎えた。定刻の午後2時にローリングスタートのフォーメーションラップを開始。
 スタート直後に、4番手グリッドのスープラ38号車は、5位へとポジションを落とすが、首位グループから離されることなく逆転を狙い猛追。しかし、11周目にGT300車両を追い越した直後に他車と接触。さらにポジションダウンを余儀なくされた。
 一方、9番手スタートのスープラ6号車は、13周目に8位に躍進、まもなく順位を上げてきたスープラ39号車と激しくバトルを展開するが、その後単独スピンで後退。
 また、予選1回目にコースオフを喫し、15番手スタートとなったイエローハットスープラ35号車は、今大会から参加のP.ダンブレックが安定したペースで12位までポジションをアップ。
 ドライバー交代後も果敢にプッシュを続け、ピット作業の一巡した31周目には6位まで躍進。その後も後続を寄せ付けず、ファイナルラップでさらにポジションを上げ、5位でチェッカーを受けた。
 また、50kgのハンディウエイトを課されて苦しい戦いを強いられたシリーズポイントリーダーのトムススープラ36号車は7位に入り、前戦SUGOで初優勝を果たしたチームメイトのスープラ37号車が8位。2度のスピンを喫しながら最後まで懸命に戦い続けたスープラ6号車が9位に入賞し、各々貴重なポイントを獲得した。この結果、スープラ36号車はランキング首位の座を堅守。
 GT300クラスでは2番手グリッドからスタートしたセリカ19号車が序盤の接戦の中で一時8位まで後退しながら、後半見事な追い上げを見せ、見事今季初の2位表彰台を獲得した。

イエローハットスープラ35号車 ドライバー服部尚貴のコメント:
 セッティングを完全に煮詰めることが出来ないまま決勝レースを迎えることになり、苦しい戦いを強いられたが、その中で5位に入賞出来たことは良かった。ただし、決して満足の行く状況ではない。残り3戦も可能な限り攻めのレースを続け、ポイント獲得を狙っていきたい。

イエローハットスープラ35号車 ドライバーP.ダンブレックのコメント:
 今回からスープラ35号車のステアリングを握ることになった。98年に全日本F3選手権にトムスチームから参戦してチャンピオンを獲得し、また、日本のGT選手権にも、GT300クラスのMR‐2で参戦した経験があるが、初めて乗ったスープラのレベルの高さには正直驚いた。スープラでの初レースで5位入賞を果たせたことは嬉しいが、目標は、表彰台と勝利。次戦富士では表彰台を狙って全力を尽くす。

ウェッズスポーツセリカ19号車 ドライバー加藤寛規のコメント:
 ラップタイムではライバル勢に及ばない状況ながら、2位表彰台に上がれたのはチームの総合力を活かしたベストな結果だ。今回は予選上位を狙い通りに獲得したあと、決勝レースは後続を抑え切る作戦を採ったが、完璧なレースが出来た。今後も頑張ってシリーズポイントを獲得したい。

ウェッズスポーツセリカ19号車 ドライバー谷口信輝のコメント:
 スタートした直後にクールスーツのトラブルに見舞われ、苦しい展開となったが、後半、加藤選手が挽回してくれた。現状のパフォーマンスの中で最高のレースが出来たと思う。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 今回は苦しい戦いとなったが、その中でスープラ勢は接近戦を展開、スープラ36号車がポイント首位を守るなど、各チームが上手くシリーズポイントを獲得してくれた。また、GT300クラスでセリカ19号車がドライバーとチームの頑張りで2位入賞を果たしたのも良かった。次の富士大会はもちろんだが、終盤戦に向けてスープラのポテンシャルにさらに磨きをかけ、シリーズチャンピオン獲得を目指す。

リザルト

順位 車両No.ドライバー所要時間/差周回予選
1 100 ホンダNSX S.フィリップ/J.デュフォア 1:56'31.713 63 3
2 18 ホンダNSX 道上  龍/小暮 卓史 0'04.389 63 2
3 12 日産フェアレディZ B.トレルイエ/井出 有治 0'27.177 63 6
4 22 日産フェアレディZ M.クルム/柳田 真孝 0'37.833 63 7
5 35 トヨタスープラGT 服部 尚貴/P.ダンブレック 1'01.798 63 15
6 1 日産フェアレディZ 本山  哲/R.ライアン 1'06.736 63 16
7 36 トヨタスープラGT 土屋 武士/J.コートニー 1'16.933 63 14
8 37 トヨタスープラGT 片岡 龍也/山本 左近 1'17.967 63 11
9 6 トヨタスープラGT 脇阪 寿一/飯田  章 2'21.742 63 9
10 32 ホンダNSX 松田 次生/A.ロッテラー 1Laps 62 8
チーム車両No.ドライバー決勝結果
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部 尚貴/P.ダンブレック 5位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋 武士/J.コートニー 7位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 片岡 龍也/山本 左近 8位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪 寿一/飯田  章 9位
KRAFT トヨタスープラGT 34 荒  聖治/横溝 直輝 11位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川 祐路/高木 虎之介 12位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 A.クート/R.クインタレッリ 14位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸  学/D.シュワガー 15位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 加藤 寛規/谷口 信輝 18位/2位
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木 孝太/山野 哲也 24位/8位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内 浩典/平中 克幸 30位/14位
吉兆宝山 with apr トヨタMR-S 31 田中  実/中嶋 一貴 リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 土屋 武士/J.コートニー 44
2位 本山  哲/R.ライアン 39
3位 M.クルム/柳田 真孝 36
5位 片岡 龍也/山本 左近 34
6位 脇阪 寿一/飯田  章 26
9位 織戸 学/D.シュワガー 24
11位 立川 祐路/高木 虎之介 23
12位 服部 尚貴 22
13位 A.クート/R.クインタレッリ 20
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 TOYOTA TEAM TOM'S 57
2位 NISMO 53
3位 Team Honda Racing 51
4位 ESSO TOYOTA Team LeMans 26
6位 TEAM ADVAN・ツチヤ 24
8位 TOYOTA TEAM CERUMO 23
9位 KRAFT 22
10位 TOYOTA TEAM SARD 20