2006年5月 4日(木)配信

SUPER GT第3戦 レクサスSC430が初の1-2フィニッシュ!
混戦となった富士の500kmレースで 服部尚貴/P.ダンブレック組が今季初優勝!


ハイスピードコースの富士で念願の優勝を果たした
レクサスSC430(No.35 BANDAI DIREZZA SC430)
 2006 AUTOBACS SUPER GTの第3戦「FUJI GT 500km RACE」が5月3日(水)、4日(木)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
 ゴールデンウィーク時期恒例の同大会は今年も通算8万5300人と大勢の観客を集めてSUPER GTレースの人気ぶりを改めてアピールした。今大会にはGT500クラス15台、GT300クラス26台の総勢41台がエントリー。トヨタ勢はGT500クラスに4台のレクサス SC430と2台のトヨタ スープラ、GT300クラスには2台のトヨタ MR-Sと2台のトヨタ セリカが出場した。
 なお、同大会のサポートイベントとして1500ccの新型トヨタ ヴィッツを使った新ワンメイクレースシリーズの初戦となる2006ネッツカップ・ヴィッツ関東シリーズ第1戦が開催された。

予選
 予選の行われた3日(水)の天候は晴れ。前日の練習走行が終日ウエットコンディションだったため、10分間のフリー走行を行った後に午前10時20分から公式予選1回目がスタートした。このセッションで昨年の富士大会で2連勝を挙げたZENTセルモSC1号車がトップタイムを記録。開幕戦優勝で40kgのハンデウエイトを積むOPEN INTERFACE TOM'S SC430 36号車が健闘して4番手、BANDAI DIREZZA SC430 35号車が6番手、Triple a サードスープラGT66号車が7番手と、トヨタ勢は上位10台が出場出来るスーパーラップに4台が進出した。
 午後3時20分から各クラス15分ずつの2回目セッションのあと若干遅れて4時56分から行われたスーパーラップでは観衆が見守る中、最後にコースインした1号車が渾身のアタックを決め、2位に0.910秒の大差をつける圧倒的なタイムでポールポジションを奪取。予選アタックを担当した立川祐路は、日本のGTレース最多ポールポジション獲得(11回)となった。また、35号車が2番手、66号車が3番手、そして36号車が4番手と、トヨタ勢は上位グリッド4位までを独占した。
 一方、GT300クラスでは全日本F3選手権参戦中のTDPドライバーで今季GTに初挑戦している大嶋和也が梁山泊apr MR‐S777号車の予選アタックを担当して見事スーパーラップに進出。10番手グリッドを獲得した。

決勝
 4日(木)も好天に恵まれ、注目の新ワンメイクレース、ネッツカップ・ヴィッツ関東シリーズ第1戦決勝などのサポートイベントが賑やかに行われたあと、定刻の午後1時50分に決勝レースのフォーメーションラップがスタートした。
 2台のレクサスSC430を引き連れ、トップで周回を開始した1号車だったが、間もなく無念の駆動系トラブルで後退。4周目に35号車が代わってトップに立った。2位には36号車がつけ、さらに朝のウォームアップ後のセッティング変更が奏功した6号車が13番手グリッドから見事な走りで3位へとポジションアップを果たし、26周目にはレクサスSC430のワン・ツー・スリー体制となった。
 1回目のピットインを各車終えた時点で、36号車が首位に立つが、66周目にGT300車両と接触して左後輪をパンク。すぐに2度目のピットイン作業を行いロスを最小限にとどめたが、この際、作業の安全規定違反を問われてドライブスルーペナルティを課されて後退。
 タイムロスを余儀なくされた36号車に、3位の6号車が迫り、大観衆を湧かせる激しい2位攻防戦を展開。残り10周で逆転し、2位に浮上した6号車は、35号車に続いてチェッカーを受け、レクサスSC430は参戦3戦目で早くも2勝目を獲得。さらに本拠地富士を舞台に初のワン・ツー・フィニッシュで飾る結果となった。
 3位でゴールした36号車は、先の接触に対する35秒のペナルティが課されて8位という結果になった。この判定にチームは抗議を提出したが却下され、これに対して控訴を行ったため、この日のGT500の競技結果は暫定結果に留められた。
 一方、GT300クラスでは18番手グリッドからスタートしたTOY STORY Racing MR-S 101号車が燃費の良さを活かした1回ストップ作戦を成功させ、見事2位入賞を果たした。

BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバー服部尚貴のコメント:
 念願のレクサスSC430での初優勝を果たすことが出来、非常に嬉しい。タイヤとチーム、TRDのスタッフに感謝している。今日のレースでは、ライバルがペナルティを課されるなど、周りに助けられたところもあったが、そういった要素がなくても良い勝負が出来たと思う。

BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバーP.ダンブレックのコメント:
 スタートでは緊張したが、首位に立ってからは落ち着いて走ることが出来た。トヨタ、タイヤメーカーとチームにお礼を言いたい。今後もベストを尽くす。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
 初戦の鈴鹿で初優勝という好成績を得ることが出来たが、我々はこの5月の富士で最大のパフォーマンスを出せるようにレクサスSC430を開発してきた。シリーズ最速のコースに照準を合わせて車両を仕上げ、結果を出せたことに満足している。これで第一目標を達成出来たが、まだシリーズは中盤。最終目標に向かってこれからも一層努力を続けていく。また、GT300でもトヨタ MR‐S101号車が頑張ってくれたことを嬉しく思う。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッド
1 35 BANDAI DIREZZA SC430 服部 尚貴/P.ダンブレック 3:02'12.445 110 2
2 6 Mobil 1 SC 飯田 章/片岡 龍也 0'05.285 110 13
3 23 XANAVI NISMO Z 本山 哲/松田 次生 0'30.964 110 15
4 12 カルソニック インパル Z B.トレルイエ/星野 一樹 0'33.164 110 12
5 25 ECLIPSE ADVANスープラ 織戸 学/土屋 武士 0'40.447 110 14
6 32 EPSON NSX L.デュバル/武藤 英紀 0'44.267 110 6
7 8 ARTA NSX 伊藤 大輔/R.ファーマン 0'54.667 110 5
8 36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 脇阪 寿一/A.ロッテラー 0'55.436 110 4
9 22 MOTUL AUTECH Z M.クルム/山本 左近 1'13.803 110 7
10 24 WOODONE ADVAN KONDO Z E.コマス/柳田 真孝 1Lap 109 11
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM KRAFT レクサスSC430 35 服部 尚貴/P.ダンブレック 1位
Mobil 1 TOYOTA Team LeMans レクサスSC430 6 飯田 章/片岡 龍也 2位
TOYOTA TEAM TSUCHIYA トヨタスープラGT 25 織戸 学/土屋 武士 5位
TOYOTA TEAM TOM'S レクサスSC430 36 脇阪 寿一/A.ロッテラー 8位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 66 A.クート/平中 克幸 11位
TOYOTA TEAM CERUMO レクサスSC430 1 立川 祐路/髙木 虎之介 リタイア
apr トヨタMR-S 101 新田 守男/高木 真一 14位/2位
梁山泊 with apr トヨタMR-S 777 田中 実/大嶋 和也 21位/9位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内 浩典/嵯峨 宏紀 24位/12位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 松田 晃司/脇阪 薫一 29位/17位
ドライバーズポイント(GT500)
順位ドライバー名ポイント
1位 道上 龍/小暮 卓史 38
2位 脇阪 寿一/A.ロッテラー 28
3位 本山 哲/松田 次生 26
6位 服部 尚貴/P.ダンブレック 23
7位 飯田 章/片岡 龍也 20
8位 立川 祐路/髙木 虎之介 19
11位 織戸 学/土屋 武士 11
15位 A.クート/平中 克幸 4
17位 A.クート/平中 克幸 4
20位 A.クート/平中 克幸 6
チームポイント(GT500)
順位チーム名ポイント
1位 Team Honda Racing 28
2位 TOYOTA TEAM TOM'S 26
3位 NISMO 26
4位 TOYOTA TEAM KRAFT 20
5位 Mobil 1 TOYOTA Team LeMans 20
10位 TOYOTA TEAM CERUMO 12
11位 TOYOTA TEAM TSUCHIYA 11