酷暑の1000KmレースでレクサスSC430が3位入賞
GT300クラスではトヨタセリカ52号車がポール・トゥ・ウィンで初優勝
波乱の1000kmレースで3位表彰台を獲得した
レクサスSC430(No.35 BANDAI DIREZZA SC430)
'06SUPER GTの第6戦「第35回International Pokka 1000km」が8月19日(土)、20日(日)の両日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。
鈴鹿サーキットでは、今季開幕戦でレクサスSC430がデビューウィンを飾っているが、今大会は、SUPER GTとして初めて、最長距離の1000kmレースとして行われた。シーズン中最も暑い時期に、最も長いレースとなる今大会は、シリーズポイントも他のレースよりも多く与えられるなど、シリーズ中盤の重要な一戦となった。
各車とも暑さ対策を施し、夜間走行に備えて補助灯を装着するほか、通常の2名のドライバーに加えて多くのチームは第3ドライバーを起用。GT500クラス15台、GT300クラス25台の総勢40台がエントリーし、トヨタ勢はGT500クラスに4台のレクサス SC430と2台のトヨタ スープラ、GT300クラスには2台のトヨタ MR‐Sと2台のトヨタ セリカが出場した。
予選
19日(土)の天候は曇り時々晴れ。午前10時から1時間に渡って行われた公式予選1回目でECLIPSE ADVAN スープラ25号車が順調に4番手を獲得。Mobil 1 SC 6号車が6番手につけ、この2台が上位10番手までのグリッド順を決定するスーパーラップに進出した。
午後3時からGT300/GT500各20分間づつの2回目セッションに続いて午後3時45分から注目のスーパーラップがスタート。5番目にコースインした6号車が暫定トップに立つと、続いて出走した25号車がこれを上回るタイムをマーク。最後に逆転されたものの、25号車が今季最上位の2番手グリッドを獲得。6号車は5番手グリッドから決勝レースに臨むこととなった。
一方、GT300クラスでは1回目セッションでウエッズスポーツセリカ19号車が3番手、プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車が5番手、TOY STORY Racing MR-S 101号車が6番手タイムを記録。スーパーラップでは52号車が見事、初のポールポジションを獲得。19号車が2番手で続いた。
決勝
20日(日)は未明に降雨があったものの朝から天候は好転。気温30度、路面温度51度と厳しい暑さの中で、定刻の午後1時に決勝レースのスタートが切られた。
2番手グリッドの25号車は、タイヤと路面のマッチングに苦しみ、序々に後退。代わって5番手スタートの6号車が4位まで順位を上げるが、25周目にエンジントラブルでストップ。
一方、14番手からスタートを切ったBANDAI DIREZZA SC430 35号車は低燃費走行によりライバル勢よりも1回ピットインの回数を減らす4ストップ作戦を敢行し、じわじわとポジションアップ。ライバル勢のピット作業の間隙を縫って32周目には、一時首位に浮上。
その後も首位攻防戦を繰り広げた35号車は、1000Kmを戦い抜き、3位でフィニッシュ。35号車は、初優勝を果たした第3戦富士以来の表彰台を獲得した。
また、前戦SUGO大会での優勝による重いウエイトハンデに苦しむZENTセルモSC1号車は12番手スタートから健闘して7位入賞。
やはりウエイトに苦戦したOPEN INTERFACE TOM'S SC 36号車も終盤5位を走行しながら残り5周でエンジントラブルに見舞われたが10位入賞を果たし、貴重なポイントを獲得した。
一方、GT300クラスではセリカ52号車がスタートからクラストップを快走。2番手スタートのセリカ19号車は接触で遅れるなど波乱の展開となったが、殆どの周回で首位を堅持した52号車が初優勝を飾った。また、低燃費走行で3ストップ作戦を成功させたMR-S101号車がクラス9番手スタートから3位入賞を果たした。
BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバー服部尚貴のコメント:
今回はタイヤのパフォーマンスと低燃費を活かすべく構築した作戦通りに上手くレースを運べたのが、上位入賞の最大の要因だと思う。とりわけスタートから序盤戦の間に頑張って順位を上げてくれた、チームメイトのP.ダンブレックの功績は大きかった。次戦も頑張る。
BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバーP.ダンブレックのコメント:
第3戦富士に続いて表彰台に上がることが出来て本当に嬉しい。チームとメカニック達と良いクルマを用意してくれたトヨタ/TRDのスタッフにも心から感謝している。
BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバー田嶋栄一のコメント:
今回第3ドライバーとしてチームに加わり、結局、決勝では実際にステアリングを握る機会はなかったが、メンタル面など、それなりにチームの役に立てたのではと自負している。
プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車 ドライバー竹内浩典のコメント:
昨年からGT初参入のクムホタイヤを履いているが、わずか1年半で勝利を挙げることが出来、苦労が報われた思いだ。トヨタセリカもノートラブルで1000kmを走りきってくれた。
プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車 ドライバー嵯峨宏紀のコメント:
決勝では3番目のロングスティントを担当させてもらい、思った以上に良いペースで走ることが出来た。初の1000kmレースだったが新たな自信につながった。
プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車 ドライバー澤圭太のコメント:
優勝出来るとは思っていなかっただけに、とても嬉しい。今回の鈴鹿1000kmは自分にとってトヨタセリカでの2勝目となる。最後は慎重に走ったがクルマは問題なかった。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
各車が猛暑と、前戦からのハンディウエイトのために苦戦を強いられる中で、35号車が3位表彰台を獲得してくれたのは、上出来の結果。チャンピオンシップ争いは、いよいよ佳境に入り、ますます厳しい戦いが予想されるが、チャンピオン獲得へと、チームと共に全力で頑張る。
リザルト
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 所要時間/差 | 周回 | グリッド | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | カルソニック インパル Z | B.トレルイエ/星野 一樹/J.デュフォア | 5:57'45.468 | 173 | 1 | 10 |
2 | 22 | MOTUL AUTECH Z | M.クルム/R.ライアン/F.カルボーン | 1'29.148 | 173 | 10 | 80 |
3 | 35 | BANDAI DIREZZA SC430 | 服部 尚貴/P.ダンブレック/田嶋 栄一 | 1Lap | 172 | 14 | 20 |
4 | 32 | EPSON NSX | L.デュバル/武藤 英紀 | 1Lap | 172 | 15 | 10(+1) |
5 | 24 | WOODONE ADVAN KONDO Z | E.コマス/柳田 真孝/荒 聖治 | 1Lap | 172 | 6 | 2 |
6 | 8 | ARTA NSX | 伊藤 大輔/R.ファーマン/金石 年弘 | 1Lap | 172 | 3 | 50 |
7 | 1 | ZENT セルモ SC | 立川 祐路/高木 虎之介/R.クインタレッリ | 2Laps | 171 | 12 | 80 |
8 | 3 | イエローハットYMS トミカ Z | 横溝 直輝/J.P・デ・オリベイラ/D.マニング | 2Laps | 171 | 8 | 10 |
9 | 100 | RAYBRIG NSX | S.フィリップ/細川 慎弥 | 5Laps | 168 | 9 | 30 |
10 | 36 | OPEN INTERFACE TOM'S SC430 | 脇阪 寿一/A.ロッテラー/A.スーティル | 7Laps | 166 | 13 | 60 |
※WH:ウェイトハンデ(kg) |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
TOYOTA TEAM KRAFT | レクサスSC430 | 35 | 服部 尚貴/P.ダンブレック/田嶋 栄一 | 3位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | レクサスSC430 | 1 | 立川 祐路/高木 虎之介/R.クインタレッリ | 7位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | レクサスSC430 | 36 | 脇阪 寿一/A.ロッテラー/A.スーティル | 10位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 66 | A.クート/平中 克幸/S.アヤリ | クラス11位 総合25位 | |||
TOYOTA TEAM TSUCHIYA | トヨタスープラGT | 25 | 織戸 学/土屋 武士/野田 英樹 | リタイア | |||
Mobil 1 TOYOTA Team LeMans | レクサスSC430 | 6 | 飯田 章/片岡 龍也/B.ビルドハイム | リタイア | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタセリカ | 52 | 竹内 浩典/嵯峨 宏紀/澤 圭太 | クラス1位 総合11位 | |||
apr | トヨタMR-S | 101 | 新田 守男/高木 真一 | クラス3位 総合13位 | |||
梁山泊 with apr | トヨタMR-S | 777 | 田中 実/大嶋 和也/小林 敬一 | クラス14位 総合24位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタセリカ | 19 | 松田 晃司/脇阪 薫一 | クラス19位 総合30位 | |||
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