2006年8月20日(日)配信

酷暑の1000KmレースでレクサスSC430が3位入賞
GT300クラスではトヨタセリカ52号車がポール・トゥ・ウィンで初優勝


波乱の1000kmレースで3位表彰台を獲得した
レクサスSC430(No.35 BANDAI DIREZZA SC430)
 '06SUPER GTの第6戦「第35回International Pokka 1000km」が8月19日(土)、20日(日)の両日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。
 鈴鹿サーキットでは、今季開幕戦でレクサスSC430がデビューウィンを飾っているが、今大会は、SUPER GTとして初めて、最長距離の1000kmレースとして行われた。シーズン中最も暑い時期に、最も長いレースとなる今大会は、シリーズポイントも他のレースよりも多く与えられるなど、シリーズ中盤の重要な一戦となった。
 各車とも暑さ対策を施し、夜間走行に備えて補助灯を装着するほか、通常の2名のドライバーに加えて多くのチームは第3ドライバーを起用。GT500クラス15台、GT300クラス25台の総勢40台がエントリーし、トヨタ勢はGT500クラスに4台のレクサス SC430と2台のトヨタ スープラ、GT300クラスには2台のトヨタ MR‐Sと2台のトヨタ セリカが出場した。

予選
 19日(土)の天候は曇り時々晴れ。午前10時から1時間に渡って行われた公式予選1回目でECLIPSE ADVAN スープラ25号車が順調に4番手を獲得。Mobil 1 SC 6号車が6番手につけ、この2台が上位10番手までのグリッド順を決定するスーパーラップに進出した。
 午後3時からGT300/GT500各20分間づつの2回目セッションに続いて午後3時45分から注目のスーパーラップがスタート。5番目にコースインした6号車が暫定トップに立つと、続いて出走した25号車がこれを上回るタイムをマーク。最後に逆転されたものの、25号車が今季最上位の2番手グリッドを獲得。6号車は5番手グリッドから決勝レースに臨むこととなった。
 一方、GT300クラスでは1回目セッションでウエッズスポーツセリカ19号車が3番手、プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車が5番手、TOY STORY Racing MR-S 101号車が6番手タイムを記録。スーパーラップでは52号車が見事、初のポールポジションを獲得。19号車が2番手で続いた。

決勝
 20日(日)は未明に降雨があったものの朝から天候は好転。気温30度、路面温度51度と厳しい暑さの中で、定刻の午後1時に決勝レースのスタートが切られた。
 2番手グリッドの25号車は、タイヤと路面のマッチングに苦しみ、序々に後退。代わって5番手スタートの6号車が4位まで順位を上げるが、25周目にエンジントラブルでストップ。
 一方、14番手からスタートを切ったBANDAI DIREZZA SC430  35号車は低燃費走行によりライバル勢よりも1回ピットインの回数を減らす4ストップ作戦を敢行し、じわじわとポジションアップ。ライバル勢のピット作業の間隙を縫って32周目には、一時首位に浮上。
 その後も首位攻防戦を繰り広げた35号車は、1000Kmを戦い抜き、3位でフィニッシュ。35号車は、初優勝を果たした第3戦富士以来の表彰台を獲得した。
 また、前戦SUGO大会での優勝による重いウエイトハンデに苦しむZENTセルモSC1号車は12番手スタートから健闘して7位入賞。
 やはりウエイトに苦戦したOPEN INTERFACE TOM'S SC 36号車も終盤5位を走行しながら残り5周でエンジントラブルに見舞われたが10位入賞を果たし、貴重なポイントを獲得した。
 一方、GT300クラスではセリカ52号車がスタートからクラストップを快走。2番手スタートのセリカ19号車は接触で遅れるなど波乱の展開となったが、殆どの周回で首位を堅持した52号車が初優勝を飾った。また、低燃費走行で3ストップ作戦を成功させたMR-S101号車がクラス9番手スタートから3位入賞を果たした。

BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバー服部尚貴のコメント:
 今回はタイヤのパフォーマンスと低燃費を活かすべく構築した作戦通りに上手くレースを運べたのが、上位入賞の最大の要因だと思う。とりわけスタートから序盤戦の間に頑張って順位を上げてくれた、チームメイトのP.ダンブレックの功績は大きかった。次戦も頑張る。

BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバーP.ダンブレックのコメント:
 第3戦富士に続いて表彰台に上がることが出来て本当に嬉しい。チームとメカニック達と良いクルマを用意してくれたトヨタ/TRDのスタッフにも心から感謝している。

BANDAI DIREZZA SC430 35号車 ドライバー田嶋栄一のコメント:
 今回第3ドライバーとしてチームに加わり、結局、決勝では実際にステアリングを握る機会はなかったが、メンタル面など、それなりにチームの役に立てたのではと自負している。

プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車 ドライバー竹内浩典のコメント:
 昨年からGT初参入のクムホタイヤを履いているが、わずか1年半で勝利を挙げることが出来、苦労が報われた思いだ。トヨタセリカもノートラブルで1000kmを走りきってくれた。

プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車 ドライバー嵯峨宏紀のコメント:
 決勝では3番目のロングスティントを担当させてもらい、思った以上に良いペースで走ることが出来た。初の1000kmレースだったが新たな自信につながった。

プロμ太陽石油KUMHOセリカ52号車 ドライバー澤圭太のコメント:
 優勝出来るとは思っていなかっただけに、とても嬉しい。今回の鈴鹿1000kmは自分にとってトヨタセリカでの2勝目となる。最後は慎重に走ったがクルマは問題なかった。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
 各車が猛暑と、前戦からのハンディウエイトのために苦戦を強いられる中で、35号車が3位表彰台を獲得してくれたのは、上出来の結果。チャンピオンシップ争いは、いよいよ佳境に入り、ますます厳しい戦いが予想されるが、チャンピオン獲得へと、チームと共に全力で頑張る。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッドWH
1 12 カルソニック インパル Z B.トレルイエ/星野 一樹/J.デュフォア 5:57'45.468 173 1 10
2 22 MOTUL AUTECH Z M.クルム/R.ライアン/F.カルボーン 1'29.148 173 10 80
3 35 BANDAI DIREZZA SC430 服部 尚貴/P.ダンブレック/田嶋 栄一 1Lap 172 14 20
4 32 EPSON NSX L.デュバル/武藤 英紀 1Lap 172 15 10(+1)
5 24 WOODONE ADVAN KONDO Z E.コマス/柳田 真孝/荒  聖治 1Lap 172 6 2
6 8 ARTA NSX 伊藤 大輔/R.ファーマン/金石 年弘 1Lap 172 3 50
7 1 ZENT セルモ SC 立川 祐路/高木 虎之介/R.クインタレッリ 2Laps 171 12 80
8 3 イエローハットYMS トミカ Z 横溝 直輝/J.P・デ・オリベイラ/D.マニング 2Laps 171 8 10
9 100 RAYBRIG NSX S.フィリップ/細川 慎弥 5Laps 168 9 30
10 36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 脇阪 寿一/A.ロッテラー/A.スーティル 7Laps 166 13 60
※WH:ウェイトハンデ(kg)
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM KRAFT レクサスSC430 35 服部 尚貴/P.ダンブレック/田嶋 栄一 3位
TOYOTA TEAM CERUMO レクサスSC430 1 立川 祐路/高木 虎之介/R.クインタレッリ 7位
TOYOTA TEAM TOM'S レクサスSC430 36 脇阪 寿一/A.ロッテラー/A.スーティル 10位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 66 A.クート/平中 克幸/S.アヤリ クラス11位 総合25位
TOYOTA TEAM TSUCHIYA トヨタスープラGT 25 織戸 学/土屋 武士/野田 英樹 リタイア
Mobil 1 TOYOTA Team LeMans レクサスSC430 6 飯田 章/片岡 龍也/B.ビルドハイム リタイア
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内 浩典/嵯峨 宏紀/澤  圭太 クラス1位 総合11位
apr トヨタMR-S 101 新田 守男/高木 真一 クラス3位 総合13位
梁山泊 with apr トヨタMR-S 777 田中 実/大嶋 和也/小林 敬一 クラス14位 総合24位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 松田 晃司/脇阪 薫一 クラス19位 総合30位
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
1位 22 M.クルム 64
2位 8 伊藤 大輔/R.ファーマン 63
3位 12 B.トレルイエ/星野 一樹 59
4位 1 立川 祐路/高木 虎之介 54
6位 36 脇阪 寿一/A.ロッテラー 50
9位 35 服部 尚貴/P.ダンブレック 43
14位 6 飯田 章/片岡 龍也 22
18位 25 織戸 学/土屋 武士 16
19位 35 田嶋 栄一 16
23位 66 A.クート/平中 克幸 9
24位 35 R.クインタレッリ 9
26位 36 A.スーティル 6
28位 66 S.アヤリ 5
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
1位 22 NISMO 59
2位 12 TEAM IMPUL 52
3位 8 Team Honda Racing 48
4位 36 TOYOTA TEAM TOM'S 48
6位 1 TOYOTA TEAM CERUMO 41
7位 35 TOYOTA TEAM KRAFT 40
11位 6 Mobil 1 TOYOTA Team LeMans 22
14位 25 TOYOTA TEAM TSUCHIYA 11
15位 66 TOYOTA TEAM SARD 5