2007年6月24日(日)配信

セパン遠征戦 酷暑でタイヤ摩耗に苦しみレクサスSC430が4位
GT300クラスではTDP若手コンビのMR-Sが今季4勝目!

SUPER GT第4戦で4位に入ったレクサスSC430
(No.38 ZENT CERUMO SC430)
 2007年SUPER GTの第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」が6月23日(土)、24日(日)の両日、マレーシアのセパン・サーキットで開催された。
 シリーズ中唯一の海外遠征戦となるセパンラウンドは、2000年のオールスター戦から数えて7回目の開催(03年はSARSの影響で中止)。例年、猛暑のセパン・サーキットで熱戦が展開されて来た。今年はマレーシアと日本の国交修好50周年にも当たり、それを記念したイベントにも選ばれている。
 今大会にはGT500クラス16台、GT300クラス23台の39台がエントリー。トヨタ勢はGT500クラスに6台のレクサスSC430、GT300クラスには2台のトヨタMR‐Sと1台のトヨタセリカが出場した。
 シーズンオフの1月に各チーム共、同コースでのテストは行っているが、その後路面が全面に渡って再舗装されており、例年通りの暑さと共に、タイヤへの負担が予想された。22日(木)には公式練習が行われ、予選・決勝へ向け、各車セットアップとデータ収集を行った。

予選
 前日の公式練習は雲に覆われていたものの、予選の行われた23日(土)は好天に恵まれ、マレーシアらしい暑さの下で激しいタイムアタック合戦が展開された。
 午前11時からの公式予選1回目では、ディフェンディングチャンピオンの宝山TOM'S SC430 1号車がレクサス SC430勢トップの3番手につけ、ZENT CERUMO SC430 38号車が10番手でスーパーラップ進出を決めた。
 予定より若干遅れ、午後4時10分過ぎに開始された公式予選2回目に続いて行われたスーパーラップでは、最初にタイムアタックに入った38号車が6番手、1号車が3番手グリッドを確保した。
 一方、GT300クラスでは、これまでの3戦全戦で表彰台を獲得、目下ドライバーズポイントランキングトップにつける、TDPの支援を受けるドライバー大嶋和也/石浦宏明組が駆るapr MR-S101号車が公式予選1回目、2回目、そしてスーパーラップと、全てのセッションでトップタイムをマーク。圧倒的な速さを見せポールポジションを獲得した。ンデを搭載しながらも、TDPドライバー石浦宏明が激走を見せたTOY STORY Racing apr MR-S 101号車が6番手。DOUBLEHEAD apr MR-S 31号車が7番手、TDPドライバー関口雄飛がスーパーラップでのアタックを担当したウェッズスポーツセリカ19号車は8番手につけた。

決勝
 24日(日)も好天に恵まれ、決勝日は金曜日から3日間を通しても最も高温のコンディション。現地時間午後4時過ぎという遅めの時間のスタートながら、気温34度、路面温度48度と猛暑の中でのレースとなった。
 スタート前のフォーメーションラップ中に、ポールポジションのNSXがストップするという波乱の幕開けとなり、1号車は2位、38号車6位、そして12番手グリッドから順位を上げた6号車が8位で序盤戦を開始。しかし、新しい舗装と高温のコンディションは予想以上にタイヤに厳しく、各車タイヤの摩耗に苦しめられることとなった。
 2度のピットインを強いられ、順位を落としたレクサス SC430勢であったが、粘り強くレースを戦い、終盤には、38号車と25号車が、ライバル勢とテール・トゥ・ノーズでの激しい4位争いを展開。猛暑の中サーキットに集まった大観衆を沸かせた。
 チェッカー目前まで続いたこのバトルは最終的に38号車が制し、レクサスSC430勢最上位の4位でフィニッシュ。25号車が5位で続き、1号車が8位、Forum Eng. SC430 6号車が9位と、4台のレクサス SC430がトップ10での入賞を果たした。
 一方、GT300クラスでは、ポールポジションから好スタートを切った101号車が首位を快走。中盤、一時かわされたものの、ピット作業でポジションを奪い返すと、その後は徐々に2位以降との差を拡げ、最後は独走体制で今季2勝目。開幕以来の4戦連続表彰台記録を更新、ランキングでも2位以下との差を更に広げることとなった。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
 車両性能を見直し、準備を整えて臨んだが、サーキットの新舗装とタイヤのマッチングに翻弄されたレースとなってしまった。苦しい状況の中で出来るだけの結果を出したと思うが、更なる努力と開発を続け、次戦は最上の結果を狙う。2勝目を挙げたGT300の若手コンビは絶好調。更なる優勝を期待したい。

リザルト

決勝結果
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
1位24WOODONE ADVAN Clarion ZJ.P・デ・オリベイラ/荒 聖治541:49'13.21014 
2位100RAYBRIG NSXD.シュワガー/細川 慎弥540'11.251730
3位12カルソニック インパル ZB.トレルイエ/星野 一樹540'18.4334 
4位38ZENT CERUMO SC430立川 祐路/高木 虎之介540'27.381625
5位25ECLIPSE ADVAN SC430土屋 武士/織戸 学540'27.894132
6位8ARTA NSX伊藤 大輔/R.ファーマン540'32.725245
7位3YellowHat YMS モバHO ! TOMICA ZS.フィリップ/柳田 真孝540'33.2151110
8位1宝山 TOM'S SC430脇阪 寿一/A.ロッテラー540'39.96725
9位6Forum Eng. SC430片岡 龍也/B.ビルドハイム540'45.6131220
10位22MOTUL AUTECH ZM.クルム/松田 次生541'20.1201050
※WH:ウェイトハンデ(kg) +1,+2:性能引き上げ措置
チーム車名No.ドライバー名グリッド決勝結果
TOYOTA TEAM CERUMOレクサスSC43038立川 祐路/高木 虎之介64
TOYOTA TEAM TSUCHIYAレクサスSC43025土屋 武士/織戸 学135
TOYOTA TEAM TOM'SレクサスSC4301脇阪 寿一/A.ロッテラー38
Forum Eng.TOYOTA Team LeMansレクサスSC4306片岡 龍也/B.ビルドハイム129
TOYOTA TEAM KRAFTレクサスSC43035服部 尚貴/R.クインタレッリ1611
TOYOTA TEAM SARDレクサスSC43039A.クート/平中 克幸1513
aprトヨタMR-S101大嶋 和也/石浦 宏明11
RACING PROJECT BANDOHトヨタセリカ19飯田 章/関口 雄飛189
aprトヨタMR-S31峰尾 恭輔/坂本 雄也1615
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
1位8伊藤 大輔/R.ファーマン37
2位100D.シュワガー/細川 慎弥37
3位23本山 哲/R.ライアン36
4位38立川 祐路/高木 虎之介34
6位6片岡 龍也/B.ビルドハイム22
9位1脇阪 寿一/A.ロッテラー19
13位25土屋 武士/織戸 学13
14位35服部 尚貴10
15位35P.ダンブレック10
17位39A.クート/平中 克幸3
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
1位100TEAM KUNIMITSU45
2位22NISMO45
3位23NISMO43
4位38TOYOTA TEAM CERUMO43
6位6Forum Eng.TOYOTA Team LeMans32
11位25TOYOTA TEAM TSUCHIYA22
12位1TOYOTA TEAM TOM'S22
13位35TOYOTA TEAM KRAFT19
16位39TOYOTA TEAM SARD9