終盤の大逆転で勝利をものにしたレクサスSC430
(No.1 宝山 TOM'S SC430)
SUPER GTの第6戦「International Pokka 1000km」が8月18日(土)、19日(日)の両日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。
昨年からSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれた、伝統の「鈴鹿1000km」は、レース距離が通常の300km(第3戦富士のみ500km)の約3倍。さらに、真夏の炎天下で6時間に渡って競われる、SUPER GTでは最も苛酷なレースとなる。長丁場のレースへ、チームによっては3人目のドライバーを加えての参戦となる。
今大会にはGT500クラスに16台、GT300クラスに25台の計41台がエントリー。トヨタ勢はGT500クラスに6台のレクサスSC430、GT300クラスに2台のトヨタMR-Sと1台のトヨタ セリカが出場した。
シリーズ戦唯一、レース終盤にライトを点灯しての夜間走行を強いられることもあり、17日(金)に行われた公式練習では、ナイトランセッションも行われた。
予選
17日(金)の公式練習時から、記録的な猛暑に見舞われた鈴鹿サーキットは、予選が行われた18日(土)も厳しい暑さに包まれた。
午前10時から行われた予選第1セッション開始時には、既に気温は35度を超えている厳しいコンディション。この暑さの中で、セッション終盤に激しいタイムアタックが繰り広げられ、ECLIPSE ADVAN SC430 25号車が5番手、Forum Eng.SC430 6号車が8番手、ZENT CERUMO SC430 38号車が10番手でスーパーラップ出場を決めた。GT300クラスでは、ポイントランキング首位に付けるTOY STORY Racing apr MR-S 101号車が100kgのウェイトハンデにも関わらず5番手、DOUBLEHEAD apr MR-S 31号車が7番手でスーパーラップへ進出した。
午後2時15分から行われた予選第2セッションに続き、スーパーラップが行われ、好走を見せた25号車が3番手、38号車が4番手につけ、レクサスSC430が2列目グリッドを占め、6号車は9番手グリッドとなった。GT300クラスは、31号車が6番手、101号車が7番手から決勝へと臨んだ。
決勝
19日(日)午後1時、好天に恵まれ、厳しい暑さの下で、5.807kmのコースを173周、1000kmに渡る決勝レースのスタートが切られた。
4番手スタートの38号車は、1周目に3位に躍進すると、その後も速さを見せ、5周目には2位、8周目には首位奪取。その後も首位を快調に逃げる38号車の後方では、3番手スタートの25号車が2位に浮上し、激しい上位争いが繰り広げられた。
しかし、38号車は31周目に左リアタイヤのバーストによりコースアウト。なんとかコースへ復帰し、ピットでタイヤを交換したものの、後退を余儀なくされてしまった。代わって首位争いを繰り広げていた25号車も、上位を激しく追い詰めていたが、49周目に右リアタイヤがバースト。ピットへは戻ったものの、車両右後部のダメージが大きく、痛恨のリタイアとなってしまった。
一方、11番手と後方グリッドからスタートした宝山 TOM'S SC430 1号車は、着実にポジションを上げて行き、50周目には2位に浮上。その後は、首位を行くNSXを、1号車が追う展開で、レースは終盤戦へと突入した。
夏の太陽が傾きだした午後5時過ぎには、西の空から雲がかかり始め、5時半を過ぎると、天気は一変し、雨が降り始めた。コースアウトやスピンが続出する中で、各車ピットインしレインタイヤへと交換。さらに、雨は強さを増し、路面コンディションはヘビーウェットとなった。
この難しい状況の中で、ウェットを得意とするA.ロッテラーの駆る1号車は首位へと狙いを定めて好走。雨が上がった後、乾き始めた路面を見定め、159周目に真っ先にスリックタイヤへと交換作業を行った。その2周後に、首位のNSXもタイヤ交換を行ったが、1号車は、ピットアウト後のタイヤが暖まるまでの隙を見逃さず、161周目に首位へと躍り出て、その後は後続との差を広げ、6時間以上に渡る長丁場の1000kmレースを制し、念願の今季初優勝を飾った。
また、38号車が7位、6号車が9位、デンソー サード SC430 39号車が11位でチェッカーを受けた。
GT300クラスでは、31号車が7位フィニッシュ。101号車はドライブシャフトトラブルで14位。ウェッズスポーツセリカ19号車も接触などで12位に終わった。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
暑い中、長時間応援頂いたファンの皆様には、本当にお疲れさまでしたと感謝したい。決して楽な戦いではなかったが、メーカー、チーム、ドライバーが一体となって、力を合わせて頑張った結果、1000kmの長丁場のレースを制することが出来た。ライバルは強敵だが、この調子を維持して後半戦に向け、全力で臨みたい。