2007年8月19日(日)配信

SUPER GT 第6戦 真夏の1000kmレースでレクサスSC430が勝利!
終盤の大逆転で1号車が念願の今季初優勝

終盤の大逆転で勝利をものにしたレクサスSC430
(No.1 宝山 TOM'S SC430)
 SUPER GTの第6戦「International Pokka 1000km」が8月18日(土)、19日(日)の両日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。
 昨年からSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれた、伝統の「鈴鹿1000km」は、レース距離が通常の300km(第3戦富士のみ500km)の約3倍。さらに、真夏の炎天下で6時間に渡って競われる、SUPER GTでは最も苛酷なレースとなる。長丁場のレースへ、チームによっては3人目のドライバーを加えての参戦となる。
 今大会にはGT500クラスに16台、GT300クラスに25台の計41台がエントリー。トヨタ勢はGT500クラスに6台のレクサスSC430、GT300クラスに2台のトヨタMR-Sと1台のトヨタ セリカが出場した。
 シリーズ戦唯一、レース終盤にライトを点灯しての夜間走行を強いられることもあり、17日(金)に行われた公式練習では、ナイトランセッションも行われた。

予選
 17日(金)の公式練習時から、記録的な猛暑に見舞われた鈴鹿サーキットは、予選が行われた18日(土)も厳しい暑さに包まれた。
 午前10時から行われた予選第1セッション開始時には、既に気温は35度を超えている厳しいコンディション。この暑さの中で、セッション終盤に激しいタイムアタックが繰り広げられ、ECLIPSE ADVAN SC430 25号車が5番手、Forum Eng.SC430 6号車が8番手、ZENT CERUMO SC430 38号車が10番手でスーパーラップ出場を決めた。GT300クラスでは、ポイントランキング首位に付けるTOY STORY Racing apr MR-S 101号車が100kgのウェイトハンデにも関わらず5番手、DOUBLEHEAD apr MR-S 31号車が7番手でスーパーラップへ進出した。
 午後2時15分から行われた予選第2セッションに続き、スーパーラップが行われ、好走を見せた25号車が3番手、38号車が4番手につけ、レクサスSC430が2列目グリッドを占め、6号車は9番手グリッドとなった。GT300クラスは、31号車が6番手、101号車が7番手から決勝へと臨んだ。

決勝
 19日(日)午後1時、好天に恵まれ、厳しい暑さの下で、5.807kmのコースを173周、1000kmに渡る決勝レースのスタートが切られた。
 4番手スタートの38号車は、1周目に3位に躍進すると、その後も速さを見せ、5周目には2位、8周目には首位奪取。その後も首位を快調に逃げる38号車の後方では、3番手スタートの25号車が2位に浮上し、激しい上位争いが繰り広げられた。
 しかし、38号車は31周目に左リアタイヤのバーストによりコースアウト。なんとかコースへ復帰し、ピットでタイヤを交換したものの、後退を余儀なくされてしまった。代わって首位争いを繰り広げていた25号車も、上位を激しく追い詰めていたが、49周目に右リアタイヤがバースト。ピットへは戻ったものの、車両右後部のダメージが大きく、痛恨のリタイアとなってしまった。
 一方、11番手と後方グリッドからスタートした宝山 TOM'S SC430 1号車は、着実にポジションを上げて行き、50周目には2位に浮上。その後は、首位を行くNSXを、1号車が追う展開で、レースは終盤戦へと突入した。
 夏の太陽が傾きだした午後5時過ぎには、西の空から雲がかかり始め、5時半を過ぎると、天気は一変し、雨が降り始めた。コースアウトやスピンが続出する中で、各車ピットインしレインタイヤへと交換。さらに、雨は強さを増し、路面コンディションはヘビーウェットとなった。
 この難しい状況の中で、ウェットを得意とするA.ロッテラーの駆る1号車は首位へと狙いを定めて好走。雨が上がった後、乾き始めた路面を見定め、159周目に真っ先にスリックタイヤへと交換作業を行った。その2周後に、首位のNSXもタイヤ交換を行ったが、1号車は、ピットアウト後のタイヤが暖まるまでの隙を見逃さず、161周目に首位へと躍り出て、その後は後続との差を広げ、6時間以上に渡る長丁場の1000kmレースを制し、念願の今季初優勝を飾った。
 また、38号車が7位、6号車が9位、デンソー サード SC430 39号車が11位でチェッカーを受けた。
 GT300クラスでは、31号車が7位フィニッシュ。101号車はドライブシャフトトラブルで14位。ウェッズスポーツセリカ19号車も接触などで12位に終わった。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
 暑い中、長時間応援頂いたファンの皆様には、本当にお疲れさまでしたと感謝したい。決して楽な戦いではなかったが、メーカー、チーム、ドライバーが一体となって、力を合わせて頑張った結果、1000kmの長丁場のレースを制することが出来た。ライバルは強敵だが、この調子を維持して後半戦に向け、全力で臨みたい。

リザルト

決勝結果
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
1位 1 宝山 TOM'S SC430 脇阪 寿一/A.ロッテラー/O.ジャービス 173 6:04'10.983 11  
2位 8 ARTA NSX 伊藤 大輔/R.ファーマン/井出 有治 173 0'09.940 5 100
3位 23 XANAVI NISMO Z 本山 哲/R.ライアン/安田 裕信 172 1Lap 13 20
4位 100 RAYBRIG NSX D.シュワガー/細川 慎弥 172 1Lap 6 40
5位 17 REAL NSX 金石 勝智/金石 年弘/伊沢 拓也 171 2Laps 7  
6位 22 MOTUL AUTECH Z M.クルム/松田 次生 171 2Laps 14 10
7位 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路/高木 虎之介 170 3Laps 4 15
8位 3 YellowHat YMS モバHO !  TOMICA Z S.フィリップ/柳田 真孝 170 3Laps 1 10
9位 6 Forum Eng. SC430 片岡 龍也/B.ビルドハイム 170 3Laps 9  
10位 24 WOODONE ADVAN Clarion Z J.P・デ・オリベイラ/荒 聖治 170 3Laps 15 30
※WH:ウェイトハンデ(kg) +1,+2:性能引き上げ措置
チーム車名No.ドライバー名グリッド決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S レクサスSC430 1 脇阪 寿一/A.ロッテラー/O.ジャービス 11 1
TOYOTA TEAM CERUMO レクサスSC430 38 立川 祐路/高木 虎之介 4 7
Forum Eng.TOYOTA Team LeMans レクサスSC430 6 片岡 龍也/B.ビルドハイム 9 9
TOYOTA TEAM SARD レクサスSC430 39 A.クート/平中 克幸 16 11
TOYOTA TEAM TSUCHIYA レクサスSC430 25 土屋 武士/織戸 学 3 リタイア
TOYOTA TEAM KRAFT レクサスSC430 35 服部 尚貴/P.ダンブレック/R.クインタレッリ 12 リタイア
apr トヨタMR-S 31 峰尾 恭輔/坂本 雄也 6 7
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 飯田 章/関口 雄飛 15 12
apr トヨタMR-S 101 大嶋 和也/石浦 宏明 7 14
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
1位 8 伊藤 大輔/R.ファーマン 69
2位 23 本山 哲/R.ライアン 48
3位 100 D.シュワガー/細川 慎弥 45
4位 38 立川 祐路/高木 虎之介 39
5位 1 脇阪 寿一/A.ロッテラー 39
10位 6 片岡 龍也/B.ビルドハイム 23
12位 1 O.ジャービス 20
14位 25 土屋 武士/織戸 学 16
19位 35 服部 尚貴 12
20位 35 P.ダンブレック 10
21位 39 A.クート/平中 克幸 9
24位 35 R.クインタレッリ 2
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
1位 8 AUTOBACS RACING TEAM AGURI 78
2位 100 TEAM KUNIMITSU 56
3位 23 NISMO 56
4位 1 TOYOTA TEAM TOM'S 54
6位 38 TOYOTA TEAM CERUMO 49
9位 6 Forum Eng.TOYOTA Team LeMans 35
13位 25 TOYOTA TEAM TSUCHIYA 27
14位 35 TOYOTA TEAM KRAFT 23
16位 39 TOYOTA TEAM SARD 18