2008年8月24日(日)配信

SUPER GT第6戦鈴鹿1000km レクサスSC430が3位表彰台獲得


波乱の長距離戦で追い上げを見せ3位表彰台を獲得した
PETRONAS TOM'S SC430 36号車
 SUPER GT第6戦「第37回 インターナショナル ポッカ1000km」が8月23日(土)、 24日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
 真夏の祭典として恒例となった第6戦「鈴鹿1000km」は、シーズン中最長距離の1000kmという長丁場で争われ、チームによっては3人目のドライバーを登用する難レース。昨年の同レースでは、終盤の大逆転でトムスのレクサス SC430が勝利を飾っており、今大会でも活躍に期待がかかった。
 尚、ライトニング マックィーン apr MR-S 95号車のドライバーである、TDPドライバー平手晃平は、2週間前のフォーミュラ・ニッポン第6戦での負傷により今大会には出場せず、代役として、昨年同チームでチャンピオンを獲得、今季はF3ユーロシリーズを戦っているTDPドライバー大嶋和也が出場することとなった。
 今大会にはGT500クラスに16台、GT300クラスに26台の計42台がエントリー。トヨタ勢はGT500クラスに6台のレクサスSC430、GT300クラスには2台のレクサスIS350と1台のトヨタMR-Sが出場した。

予選
 23日(土)、前夜から降り続く雨でウェットコンディションの下、午前9時50分から予選1回目が開始された。昨年の覇者PETRONAS TOM'S SC430 36号車が6番手、宝山 KRAFT SC430 35号車が7番手、ENEOS SC430 6号車が9番手につけ、スーパーラップ進出の権利を得た。
 GT300クラスでは95号車が3番手と好位置につけ、期待のウェッズスポーツIS350 19号車は6番手タイムをマークした。
 しかし、午後行われる予定だった予選2回目とスーパーラップは、強い雨のために中止となり、決勝のスターティンググリッドは、予選1回目の順位で決定されることとなった。
 尚、ポールポジションのNSXがエンジン交換のため10グリッド降格となったため、予選2番手から11番手までは一つずつグリッドが繰り上がり、また、予選で11番手につけたZENT CERUMO SC430 38号車は、シャシー交換を行ったため、規定によりピットスタートとなった。

決勝

2位フィニッシュを果たし今季2度目の表彰台を獲得した
ライトニング マックィーン apr MR-S 95号車 3位の立川 祐路/リチャード・ライアン(右)が表彰台に上った
 決勝日の24日(日)午前8時30分から行われたフリー走行は、未明までの雨の影響でハーフウェットで開始されたが、次第に路面は乾いて行き、決勝レース開始時には完全なドライコンディションとなった。
 やや雲がかかり、例年の鈴鹿1000kmの猛暑は影を潜めたコンディションで午後1時に長丁場の決勝レースがスタート。レースは、序盤から1000kmの長いレースとは思えないハイペースでのバトルが展開された。
 レクサス SC430勢の最上位5番手グリッドからスタートを切った36号車は、激しい順位争いで接触を喫するなど波乱の序盤戦となったが、大きくポジションを落とすことなく、8番手から着実にポジションを上げて来た6号車と共に、上位争いを繰り広げた。
 36号車は109周目に黄旗追い越しで10秒ピットストップのペナルティを受け、8位までポジションを落とすこととなってしまったが、その後、素晴らしい追い上げを見せ、終盤には4位にポジションアップ。日が沈み、闇に包まれていくサーキットで、更に上位を目指した36号車は、155周目の130Rで、前を行くGT-Rをアウトから見事にパス。3位に浮上した。
 その後、後続の追い上げを受けたものの凌ぎきり、36号車は3位でチェッカー。長い1000kmレースで、表彰台を獲得した。好走を見せた6号車が6位でフィニッシュ。ピットスタートから追い上げた38号車が9位、 35号車が10位に入り、ポイント獲得を果たした。

 GT300クラスでは、3番手スタートの95号車が、順位の入れ替わりの激しいレースで、粘り強く好走。終盤には2位のポジションから首位を追ったが、逆転は叶わず。しかし、長く、厳しいレースを走り抜き、2位でフィニッシュ。第3戦以来となる表彰台を獲得した。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
小さなミスを詰め切れなかったところに反省はあるが、GT500もGT300の若手勢も、上位とは大きく離されることなく1000Kmの長丁場を走り切り、表彰台を獲得することが出来た。残る3戦は僅かなミスも許されないタイトル争いの正念場。ここからは、我々の全勢力をかけてチャンピオン奪回に臨みたい。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッドWH
1 12 カルソニック IMPUL GT-R 松田 次生/セバスチャン・フィリップ 5:56'31.327 173 5 1
2 100 RAYBRIG NSX 井出 有治/細川 慎弥/松浦 孝亮 0'07.866 173 1 10
3 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー/ カルロ・バンダム 0'34.598 173 6 30
4 22 MOTUL AUTECH GT-R ミハエル・クルム/柳田 真孝/ドミニク・シュワガー 0'35.062 173 2 20
5 3 YellowHat YMS TOMICA GT-R ロニー・クインタレッリ/横溝 直輝 0'41.833 173 16 1
6 6 ENEOS SC430 飯田 章/ビヨン・ビルドハイム/ ロベルト・ストレイト 0'51.810 173 9
7 24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R J.P・デ・オリベイラ/荒  聖治 1'24.333 173 14 35
8 23 XANAVI NISMO GT-R 本山 哲/ブノワ・トレルイエ/ファビオ・カルボーン 2'00.744 173 8 55
9 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路/リチャード・ライアン 1Lap 172 11 55
10 35 宝山 KRAFT SC430 ピーター・ダンブレック/片岡 龍也 1Lap 172 7 30
GT300
順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回グリッドWH
1 46 MOLAレオパレスZ 星野 一樹/安田 裕信 5:58'40.469 160 5 75
2 95 ライトニング マックィーン apr MR-S 大嶋 和也/国本 京佑/坂本 雄也 1Lap 159 3 35
3 7 ORC雨宮SGC-7 井入 宏之/折目 遼/松村 浩之 1Lap 159 13 45
4 62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R 柴原 眞介/黒澤 治樹/密山 祥吾 1Lap 159 15 1
5 26 ユンケルパワータイサンポルシェ 谷口 信輝/山路 慎一/澤 圭太 1Lap 159 12
6 81 ダイシン ADVAN Z 青木 孝行/藤井 誠暢 2Laps 158 7 30
7 11 JIMCENTER ADVAN F430 田中 哲也/植田 正幸 3Laps 157 9
8 111 ARKTECH BOXSTER-GT 小泉 洋史/黒澤 翼 5Laps 155 19 2
9 27 石松・FUNKY'S・HANKOOK GT3 井上 貴志/ファン・ジヌ/高崎 保浩 5Laps 155 24 2
10 5 プロμ マッハ号 320R 玉中 哲二/山野 直也/筒井 克彦 6Laps 154 18 2
※WH:ウェイトハンデ(kg)
GT500
チーム車両No.ドライバーグリッド決勝結果
PETRONAS TOYOTA TEAM TOM'S レクサスSC430 36 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー/カルロ・バンダム 6 3
ENEOS TOYOTA Team LeMans レクサスSC430 6 飯田 章/ビヨン・ビルドハイム/ロベルト・ストレイト 9 6
TOYOTA TEAM CERUMO レクサスSC430 38 立川 祐路/リチャード・ライアン 11 9
houzan TOYOTA TEAM KRAFT レクサスSC430 35 ピーター・ダンブレック/片岡 龍也 7 10
TOYOTA TEAM TSUCHIYA レクサスSC430 25 土屋 武士/石浦 宏明 15 14
TOYOTA TEAM SARD レクサスSC430 39 高木 虎之介/アンドレ・クート/嵯峨 宏紀 13 15
GT300
チーム車両No.ドライバーグリッド決勝結果
apr トヨタMR-S 95 大嶋 和也/国本 京佑/坂本 雄也 3 2
TEAM TAKEUCH with SHIFT レクサスIS350 52 黒澤 琢弥/井口 卓人/山内 英輝 14 18
RACING PROJECT BANDOH レクサスIS350 19 織戸 学/阿部 翼/関口 雄飛 6 19
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
1 18 道上 龍/小暮 卓史 53
2 23 本山 哲/ブノワ・トレルイエ 49
3 38 立川 祐路/リチャード・ライアン 47
5 36 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー 45
10 35 ピーター・ダンブレック/片岡 龍也 34
12 25 土屋 武士/石浦 宏明 19
14 6 ビヨン・ビルドハイム 18
17 36 カルロ・バンダム 11
20 6 飯田 章 10
21 6 伊藤 大輔 10
22 39 高木 虎之介/アンドレ・クート 5
23 6 ロベルト・ストレイト 5
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
1 36 PETRONAS TOYOTA TEAM TOM'S 67
2 18 DOME RACING TEAM 61
3 38 TOYOTA TEAM CERUMO 59
8 35 houzan TOYOTA TEAM KRAFT 50
10 6 ENEOS TOYOTA Team LeMans 36
11 25 TOYOTA TEAM TSUCHIYA 32
16 39 TOYOTA TEAM SARD 15