波乱の長距離戦で追い上げを見せ3位表彰台を獲得した
PETRONAS TOM'S SC430 36号車
SUPER GT第6戦「第37回 インターナショナル ポッカ1000km」が8月23日(土)、 24日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
真夏の祭典として恒例となった第6戦「鈴鹿1000km」は、シーズン中最長距離の1000kmという長丁場で争われ、チームによっては3人目のドライバーを登用する難レース。昨年の同レースでは、終盤の大逆転でトムスのレクサス SC430が勝利を飾っており、今大会でも活躍に期待がかかった。
尚、ライトニング マックィーン apr MR-S 95号車のドライバーである、TDPドライバー平手晃平は、2週間前のフォーミュラ・ニッポン第6戦での負傷により今大会には出場せず、代役として、昨年同チームでチャンピオンを獲得、今季はF3ユーロシリーズを戦っているTDPドライバー大嶋和也が出場することとなった。
今大会にはGT500クラスに16台、GT300クラスに26台の計42台がエントリー。トヨタ勢はGT500クラスに6台のレクサスSC430、GT300クラスには2台のレクサスIS350と1台のトヨタMR-Sが出場した。
予選
23日(土)、前夜から降り続く雨でウェットコンディションの下、午前9時50分から予選1回目が開始された。昨年の覇者PETRONAS TOM'S SC430 36号車が6番手、宝山 KRAFT SC430 35号車が7番手、ENEOS SC430 6号車が9番手につけ、スーパーラップ進出の権利を得た。
GT300クラスでは95号車が3番手と好位置につけ、期待のウェッズスポーツIS350 19号車は6番手タイムをマークした。
しかし、午後行われる予定だった予選2回目とスーパーラップは、強い雨のために中止となり、決勝のスターティンググリッドは、予選1回目の順位で決定されることとなった。
尚、ポールポジションのNSXがエンジン交換のため10グリッド降格となったため、予選2番手から11番手までは一つずつグリッドが繰り上がり、また、予選で11番手につけたZENT CERUMO SC430 38号車は、シャシー交換を行ったため、規定によりピットスタートとなった。
決勝
2位フィニッシュを果たし今季2度目の表彰台を獲得した
ライトニング マックィーン apr MR-S 95号車
3位の立川 祐路/リチャード・ライアン(右)が表彰台に上った
決勝日の24日(日)午前8時30分から行われたフリー走行は、未明までの雨の影響でハーフウェットで開始されたが、次第に路面は乾いて行き、決勝レース開始時には完全なドライコンディションとなった。
やや雲がかかり、例年の鈴鹿1000kmの猛暑は影を潜めたコンディションで午後1時に長丁場の決勝レースがスタート。レースは、序盤から1000kmの長いレースとは思えないハイペースでのバトルが展開された。
レクサス SC430勢の最上位5番手グリッドからスタートを切った36号車は、激しい順位争いで接触を喫するなど波乱の序盤戦となったが、大きくポジションを落とすことなく、8番手から着実にポジションを上げて来た6号車と共に、上位争いを繰り広げた。
36号車は109周目に黄旗追い越しで10秒ピットストップのペナルティを受け、8位までポジションを落とすこととなってしまったが、その後、素晴らしい追い上げを見せ、終盤には4位にポジションアップ。日が沈み、闇に包まれていくサーキットで、更に上位を目指した36号車は、155周目の130Rで、前を行くGT-Rをアウトから見事にパス。3位に浮上した。
その後、後続の追い上げを受けたものの凌ぎきり、36号車は3位でチェッカー。長い1000kmレースで、表彰台を獲得した。好走を見せた6号車が6位でフィニッシュ。ピットスタートから追い上げた38号車が9位、 35号車が10位に入り、ポイント獲得を果たした。
GT300クラスでは、3番手スタートの95号車が、順位の入れ替わりの激しいレースで、粘り強く好走。終盤には2位のポジションから首位を追ったが、逆転は叶わず。しかし、長く、厳しいレースを走り抜き、2位でフィニッシュ。第3戦以来となる表彰台を獲得した。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
小さなミスを詰め切れなかったところに反省はあるが、GT500もGT300の若手勢も、上位とは大きく離されることなく1000Kmの長丁場を走り切り、表彰台を獲得することが出来た。残る3戦は僅かなミスも許されないタイトル争いの正念場。ここからは、我々の全勢力をかけてチャンピオン奪回に臨みたい。