2009年3月22日(日)配信

2009年SUPER GT開幕。荒天に翻弄されレクサスSC430は6位
GT300クラスではレクサスIS350が開幕戦勝利を挙げる


ポールポジションを獲得したものの、
6位に終わったZENT CERUMO SC430 38号車
 2009年シーズンのSUPER GTが開幕。第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が3月21日(土)、22日(日)の両日、岡山県の岡山インターナショナル・サーキットで開催された。
 今季のGT500クラスにはレクサスブランドで5台のレクサス SC430が参戦。2009年の規則に合わせた新型シャシーに、フォーミュラ・ニッポン用エンジンをベースとした3.4リッターV型8気筒エンジンを搭載し、タイトル奪還を目指す。
 GT300クラスには2年目となるレクサスIS350が2台、そして今季より新たにトヨタ カローラアクシオが2台出場することとなった。
 今季より金曜日の公式練習走行は行われず、イベントは土・日の2日間のみの開催。21日(土)の午前9時より2時間に渡って公式練習走行が実施された。好天に恵まれ、ドライコンディションで行われたこのセッションでは、ENEOS SC430 6号車がトップタイム。PETRONAS TOM'S SC430 36号車、ZENT CERUMO SC430 38号車が2番手、3番手と続き、レクサス SC430勢はシーズン最初のセッションから速さを見せた。

予選
 午前中の公式練習の後、午後1時15分から公式予選1回目が行われ、38号車がトップタイム。36号車が2番手、2007年のGT300クラスチャンピオンコンビである、TDPの石浦宏明/大嶋和也組KRAFT SC430 35号車が4番手に入りスーパーラップ進出を決めた。公式練習で好調だった6号車はアタックラップ中にイエローフラッグが出されるなど不運に見舞われスーパーラップ進出を逃し、13番手グリッドとなった。
 スーパーラップでは、GT500クラス2年目となる石浦宏明がアタックを担当した35号車が好タイムをマーク。最後にアタックした38号車にかわされたものの、2番手となり、GT500クラスで初の最前列グリッドを得た。ポールポジションは公式予選から好調な38号車。立川祐路は14回目のポールポジション獲得となり、自らが持つ最多記録を更新。レクサス SC430はシーズン開幕戦で最前列を独占した。36号車はタイヤトラブルに見舞われ、アタックを断念。8番手グリッドとなった。
 GT300クラスでは、予選1回目でトップタイムをマークしたウェッズスポーツIS350 19号車と、TDPの若手コンビ井口卓人/国本雄資組が駆るCOROLLA Axio apr GT 74号車が8番手でスーパーラップへ進出。 19号車は惜しくもポールポジション獲得は逃したものの2番手、74号車も4列目8番手グリッドを確保した。

決勝

2009年の開幕戦でGT300クラスを制した
ウェッズスポーツIS350 19号車の片岡龍也(左)と織戸学(右)
 22(日)は未明からの雨でウェットコンディション。午前中のフリー走行時には雨は止んでいたものの、決勝レーススタート直前に再び雨は強くなり、各チームタイヤの選択に苦しむこととなった。
 GT500クラスは、深溝ウェットタイヤ選択が多数を占める中、ポールポジションの38号車と、8番手から追い上げを狙う36号車が浅溝ウェットタイヤを選択。午後2時にセーフティカーの先導で各車が走行を開始した。
 2周のセーフティカーランの後、3周目に水煙を上げながら決勝の本格戦がスタート。その直後、1コーナーで36号車と、その後方にいたMOTUL AUTECH GT-R 1号車が接触という波乱の幕開けとなった。この接触で 36号車はグラベルへとコースオフ、大きく後退を余儀なくされた。
 ポールポジションからスタートした38号車は強まる雨足の下、浅溝タイヤで苦戦。徐々にポジションを落とすこととなってしまった。スタートを担当したリチャード・ライアンが苦しみながらも浅溝タイヤで走行を続け、レースが3分の1を消化した27周目にピットイン。タイヤを深溝に換え、ドライバーも立川祐路に交代。11位から追い上げを開始した。
 後半ロングスティントを担当することとなった立川は、難しいコンディションと混み合うコース上でも健闘を見せ、最終的には6位までポジションを上げてフィニッシュ。35号車は9位、13番手からスタートした6号車が 10位でポイントを獲得した。
 スタート直後にコースアウトを喫し、周回遅れになりながらもコースに復帰した36号車は12周目に深溝タイヤに交換し、最後尾からの追い上げを見せたが、ポイント圏には惜しくも及ばず11位でレースを終えた。
 GT300クラスでは、最前列2番手スタートの19号車が激しいバトルの末に首位に浮上。中盤のピットイン後は首位の座を守りきり、優勝を飾った。デビュー戦となったトヨタ カローラアクシオも、8番手スタートの74号車が好走を見せ、見事5位フィニッシュを果たした。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
ドライコンディションだった公式練習や予選では速さを見せることが出来たが、決勝は雨のコンディションとなり、車両をベストな状態に仕上げることが出来ず苦戦してしまった。次戦では優勝を狙って頑張る。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選
124HIS ADVAN KONDO GT-RJ.P・デ・オリベイラ/荒 聖治822:20'54.0713
218ROCKSTAR 童夢 NSX道上 龍/小暮 卓史820'21.6454
38ARTA NSXラルフ・ファーマン/伊沢 拓也821'06.9795
412IMPUL カルソニック GT-R松田 次生/セバスチャン・フィリップ821'32.43110
517KEIHIN NSX金石 年弘/塚越 広大811Lap7
638ZENT CERUMO SC430立川 祐路/リチャード・ライアン811Lap1
732EPSON NSXロイック・デュバル/中山 友貴811Lap11
8100RAYBRIG NSX井出 有治/細川 慎弥811Lap6
935KRAFT SC430石浦 宏明/大嶋 和也811Lap2
106ENEOS SC430伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム802Laps13
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選
119ウェッズスポーツIS350織戸 学/片岡 龍也772:21'11.7102
243ARTA Garaiya新田 守男/高木 真一770'16.2053
37M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7谷口 信輝/折目 遼770'28.0124
411JIMGAINER ADVAN F430田中 哲也/平中 克幸771'02.2181
574COROLLA Axio apr GT井口 卓人/国本 雄資771'17.5768
62プリヴェ アップル 紫電高橋 一穂/加藤 寛規771'29.5285
746エスロード MOLA Z星野 一樹/柳田 真孝761Lap7
830RECKLESS KUMHO IS350佐々木 孝太/山野 直也752Laps13
931avex apr COROLLA Axio坂本 雄也/山内 英輝752Laps14
1026UP START タイサンポルシェ黒澤 治樹/阿部 翼743Laps11
GT500クラス
チーム車名No.ドライバー名グリッド決勝結果
LEXUS TEAM ZENT cerumoレクサス SC43038立川 祐路/リチャード・ライアン16
LEXUS TEAM KRAFTレクサス SC43035石浦 宏明/大嶋 和也29
LEXUS TEAM LeMans ENEOSレクサス SC4306伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム1310
LEXUS TEAM PETRONAS TOM'Sレクサス SC43036脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー811
LEXUS TEAM SARDレクサス SC43039アンドレ・クート/平手 晃平1515
GT300クラス
チーム車名No.ドライバー名グリッド決勝結果
RACING PROJECT BANDOHレクサス IS35019織戸 学/片岡 龍也21
aprトヨタ カローラアクシオ74井口 卓人/国本 雄資85
TEAM RECKLESS with SHIFTレクサス IS35030佐々木 孝太/山野 直也138
aprトヨタ カローラアクシオ31坂本 雄也/山内 英輝149
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
124J.P・デ・オリベイラ/荒 聖治20
218道上 龍/小暮 卓史15
38ラルフ・ファーマン/伊沢 拓也11
638立川 祐路/リチャード・ライアン5
935石浦 宏明/大嶋 和也2
106伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム1
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
124KONDO RACING23
218TEAM YOSHIKI & 童夢 PROJECT18
38AUTOBACS RACING TEAM AGURI14
638LEXUS TEAM ZENT CERUMO7
935LEXUS TEAM KRAFT4
106LEXUS TEAM LeMans ENEOS2
1136LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S1
1539LEXUS TEAM SARD1