ポールポジションを獲得したものの、
6位に終わったZENT CERUMO SC430 38号車
2009年シーズンのSUPER GTが開幕。第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が3月21日(土)、22日(日)の両日、岡山県の岡山インターナショナル・サーキットで開催された。
今季のGT500クラスにはレクサスブランドで5台のレクサス SC430が参戦。2009年の規則に合わせた新型シャシーに、フォーミュラ・ニッポン用エンジンをベースとした3.4リッターV型8気筒エンジンを搭載し、タイトル奪還を目指す。
GT300クラスには2年目となるレクサスIS350が2台、そして今季より新たにトヨタ カローラアクシオが2台出場することとなった。
今季より金曜日の公式練習走行は行われず、イベントは土・日の2日間のみの開催。21日(土)の午前9時より2時間に渡って公式練習走行が実施された。好天に恵まれ、ドライコンディションで行われたこのセッションでは、ENEOS SC430 6号車がトップタイム。PETRONAS TOM'S SC430 36号車、ZENT CERUMO SC430 38号車が2番手、3番手と続き、レクサス SC430勢はシーズン最初のセッションから速さを見せた。
予選
午前中の公式練習の後、午後1時15分から公式予選1回目が行われ、38号車がトップタイム。36号車が2番手、2007年のGT300クラスチャンピオンコンビである、TDPの石浦宏明/大嶋和也組KRAFT SC430 35号車が4番手に入りスーパーラップ進出を決めた。公式練習で好調だった6号車はアタックラップ中にイエローフラッグが出されるなど不運に見舞われスーパーラップ進出を逃し、13番手グリッドとなった。
スーパーラップでは、GT500クラス2年目となる石浦宏明がアタックを担当した35号車が好タイムをマーク。最後にアタックした38号車にかわされたものの、2番手となり、GT500クラスで初の最前列グリッドを得た。ポールポジションは公式予選から好調な38号車。立川祐路は14回目のポールポジション獲得となり、自らが持つ最多記録を更新。レクサス SC430はシーズン開幕戦で最前列を独占した。36号車はタイヤトラブルに見舞われ、アタックを断念。8番手グリッドとなった。
GT300クラスでは、予選1回目でトップタイムをマークしたウェッズスポーツIS350 19号車と、TDPの若手コンビ井口卓人/国本雄資組が駆るCOROLLA Axio apr GT 74号車が8番手でスーパーラップへ進出。 19号車は惜しくもポールポジション獲得は逃したものの2番手、74号車も4列目8番手グリッドを確保した。
決勝
2009年の開幕戦でGT300クラスを制した
ウェッズスポーツIS350 19号車の片岡龍也(左)と織戸学(右)
22(日)は未明からの雨でウェットコンディション。午前中のフリー走行時には雨は止んでいたものの、決勝レーススタート直前に再び雨は強くなり、各チームタイヤの選択に苦しむこととなった。
GT500クラスは、深溝ウェットタイヤ選択が多数を占める中、ポールポジションの38号車と、8番手から追い上げを狙う36号車が浅溝ウェットタイヤを選択。午後2時にセーフティカーの先導で各車が走行を開始した。
2周のセーフティカーランの後、3周目に水煙を上げながら決勝の本格戦がスタート。その直後、1コーナーで36号車と、その後方にいたMOTUL AUTECH GT-R 1号車が接触という波乱の幕開けとなった。この接触で 36号車はグラベルへとコースオフ、大きく後退を余儀なくされた。
ポールポジションからスタートした38号車は強まる雨足の下、浅溝タイヤで苦戦。徐々にポジションを落とすこととなってしまった。スタートを担当したリチャード・ライアンが苦しみながらも浅溝タイヤで走行を続け、レースが3分の1を消化した27周目にピットイン。タイヤを深溝に換え、ドライバーも立川祐路に交代。11位から追い上げを開始した。
後半ロングスティントを担当することとなった立川は、難しいコンディションと混み合うコース上でも健闘を見せ、最終的には6位までポジションを上げてフィニッシュ。35号車は9位、13番手からスタートした6号車が 10位でポイントを獲得した。
スタート直後にコースアウトを喫し、周回遅れになりながらもコースに復帰した36号車は12周目に深溝タイヤに交換し、最後尾からの追い上げを見せたが、ポイント圏には惜しくも及ばず11位でレースを終えた。
GT300クラスでは、最前列2番手スタートの19号車が激しいバトルの末に首位に浮上。中盤のピットイン後は首位の座を守りきり、優勝を飾った。デビュー戦となったトヨタ カローラアクシオも、8番手スタートの74号車が好走を見せ、見事5位フィニッシュを果たした。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
ドライコンディションだった公式練習や予選では速さを見せることが出来たが、決勝は雨のコンディションとなり、車両をベストな状態に仕上げることが出来ず苦戦してしまった。次戦では優勝を狙って頑張る。