2009年11月 8日(日)配信

トムスのレクサスSC430が逆転でダブルタイトル獲得!
GT300クラスでもレクサスIS350が初のチャンピオンに


2009年のGT500クラスでドライバーとチームの両タイトルを獲得したPETRONAS TOM'S SC430 36号車
 激戦が繰り広げられているSUPER GTの2009年シーズン最終戦となる第9戦「MOTEGI GT 250km RACE」が11月7日(土)、8日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。
 全9戦で行われる今シーズンのSUPER GTも最終戦を迎え、タイトル争いも大詰めを迎えた。GT500クラスではPETRONAS TOM'S SC430 36号車がトップと5ポイント差で逆転チャンピオンを目指す。また、GT300クラスではウェッズスポーツIS350 19号車がランキング首位につけているが、2位とはわずか3ポイント差、6台がタイトル獲得の可能性を持つ混戦となっている。
 最終戦の今大会は、シーズンを通して参戦している車両については、ウェイトハンデがなくなり、ノーハンデでの最後の争いとなる。レース距離も250kmと短く、タイトルを賭けてのバトルに注目が集まった。
 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに5台のレクサスSC430が出場。また、GT300クラスに2台のレクサスIS350と2台のカローラアクシオが出場した。

予選
 7日(土)午前9時55分からの公式練習を経て、午後12時50分より予選1回目がスタート。36号車がトップタイムをマークし、ENEOS SC430 6号車が3番手、ZENT CERUMO SC430 38号車が4番手と続いた。KRAFT SC430 35号車は石浦が3番手タイムをマークするも、その後トラブルが発生。修復しアタックを開始した大嶋は1周しかできず、予選通過ならず。14番手グリッドとなった。
 今大会の2回目の予選はノックダウン方式で、午後2時25分から開始された。GT500クラスでは、第1セッションで1台、第2セッションで4台が脱落したが、ノックダウン予選に出走した4台のレクサスSC430は全車最終第3セッションへと進出。
 最終第3セッションでは、激しいアタック合戦の結果、僅か100分の1秒及ばず36号車が2番手、最前列グリッドを確保。2列目に6号車、38号車が並び、第2セッションでトップタイムをマークしたDUNLOP SARD SC430 39号車は8番手となった。
 GT300クラスでは、19号車とTDPの若手コンビが駆るCOROLLA Axio apr GT 74号車の2台が最終第3セッションへと進出し、それぞれ3番手、5番手。第2セッション敗退となったavex apr COROLLA Axio 31号車は12番手、KUMHO TIRE SHIFT IS350 52号車が15番手につけた。

決勝
 8日(日)は曇り空の下、ドライコンディションで53周(250km)の決勝レースがスタート。最前列アウトサイド、2番手グリッドの36号車が好スタートを切り、1周目にしてトップを奪取。その後もポールポジションのARTA NSX 8号車との首位争いを繰り広げたが、前半戦は首位の座を維持した。
 後方では、38号車が、ランキング首位につけるMOTUL AUTECH GT-R 1号車との激しい4位争いを展開したが、1号車はタイヤバーストで後退。
 これで逆転タイトル獲得に向け有利になった36号車は、中盤、遅めにピットインした8号車に先行されるも、着実に2位のポジションをキープ。3位に6号車、4位に38号車を従え、レクサスSC430が2-3-4位につけての後半戦となった。
 35周目、トラブルに見舞われたGT300クラス車両によりコース上にオイルがまかれ、セーフティカーが導入。各車の差が無くなった状態で、残り14周で再スタートが切られた。36号車は2位を守って走行。38号車は追い上げてきたKEIHIN NSX 17号車とのバトルの末に痛恨のスピンを喫し、コースオフ。6号車も終盤 17号車の先行を許し、4位に後退。
 36号車も17号車の追い上げを受けたが、逃げ切り、2位でチェッカー。
 この結果、36号車のレクサスSC430を駆る脇阪寿一/アンドレ・ロッテラーが逆転で2009年シーズンのドライバーズタイトルを勝ち取り、LEXUS TEAM PETRONAS TOM'Sもチームタイトルを獲得した。同チーム及び、レクサスSC430のGT500クラスドライバーズタイトル獲得は2006年以来3年ぶりとなる。

 GT300クラスでは、3番手スタートの19号車がひとつポジションを落とし、4位。74号車がこれに続く形で序盤戦へ。やや早めのタイミングでピットインした19号車は、タイヤ無交換作戦を採り、後半戦も上位争いを展開。
 最後は、タイトルを争うJIMGAINER ADVAN F430 11号車の猛追を受けたが、タイヤが厳しい状況ながら見事にこれを凌ぎきり、3位でフィニッシュ。19号車の織戸学/片岡龍也が念願のドライバーズチャンピオンに輝き、参戦2年目のレクサスIS350に初のタイトルをもたらした。
 19号車のRACING PROJECT BANDOH はGT300クラスのチームタイトルも獲得し、レクサスはGT500、GT300両クラスでドライバー/チームの全タイトルを制覇することとなった。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 林博美のコメント:
今シーズンは09年規則に合わせた正規車両として新型車両、新エンジンを投入し、チャンピオンの獲得が必達だったが、シーズン半ばは苦しい戦いが続いた。終盤になって開発が順調に進んだことによってポイントを挽回し、逆転で最終目標を達成することが出来た。来シーズンも更に進化型の車両を投入する予定であり、連覇に向かって更なる努力を続ける。応援して下さったファンの皆様、スポンサー、チームスタッフ、ドライバー全員の協力のお陰であり、心から感謝を申し上げます。一年間の応援、本当にありがとうございました。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
1 8 ARTA NSX ラルフ・ファーマン/伊沢 拓也 53 1:43'30.913 1
2 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー 53 0'08.829 2
3 17 KEIHIN NSX 金石 年弘/塚越 広大 53 0'09.010 9
4 6 ENEOS SC430 伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム 53 0'10.440 3
5 39 DUNLOP SARD SC430 アンドレ・クート/平手 晃平 53 0'12.653 8
6 32 EPSON NSX ロイック・デュバル/中山 友貴 53 0'13.417 13
7 12 IMPUL カルソニック GT-R 松田 次生/セバスチャン・フィリップ 53 0'19.213 10
8 100 RAYBRIG NSX 井出 有治/細川 慎弥 53 0'25.402 11
9 35 KRAFT SC430 石浦 宏明/大嶋 和也 53 0'26.900 14
10 18 ROCKSTAR 童夢 NSX 道上 龍/小暮 卓史 53 0'27.811 6
13 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路/リチャード・ライアン 53 1'28.331 4
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
1 81 ダイシン アドバン Ferrari 青木 孝行/藤井 誠暢 49 1:43'43.302 1
2 7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7 谷口 信輝/折目 遼 49 0'00.416 4
3 19 ウェッズスポーツIS350 織戸 学/片岡 龍也 49 0'23.045 3
4 11 JIMGAINER ADVAN F430 田中 哲也/平中 克幸 49 0'23.561 8
5 74 COROLLA Axio apr GT 井口 卓人/国本 雄資 49 0'33.341 5
6 31 avex apr COROLLA Axio 坂本 雄也/峰尾 恭輔 49 0'37.389 12
7 46 エスロード MOLA Z 星野 一樹/柳田 真孝 49 0'37.961 7
8 66 triple a ムルシェ RG-1 山西 康司/余郷 敦 49 0'48.331 13
9 26 UP START タイサンポルシェ 黒澤 治樹/阿部 翼 49 0'50.624 10 16
10 52 KUMHO TIRE  SHIFT  IS350 佐々木 孝太/関口 雄飛 49 0'58.043 15
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
1 36 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー 88
2 8 ラルフ・ファーマン/伊沢 拓也 81
3 1 本山 哲 78
9 35 石浦 宏明/大嶋 和也 44
10 38 立川 祐路/リチャード・ライアン 41
12 6 伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム 35
14 39 アンドレ・クート/平手 晃平 27
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
1 36 LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S 112
2 8 AUTOBACS RACING TEAM AGURI 102
3 1 NISMO 101
8 35 LEXUS TEAM KRAFT 68
9 38 LEXUS TEAM ZENT CERUMO 63
11 6 LEXUS TEAM LeMans ENEOS 54
13 39 LEXUS TEAM SARD 48