石浦/大嶋組LEXUS SC430が完全勝利!
LEXUS SC430は今季初勝利をトップ4独占で飾る
井口/国本組カローラアクシオもGT300クラスで初優勝
第3戦の表彰台はレクサス勢が独占した
SUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」が5月1日(土)、2日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
2010シーズンが開幕して3戦目となるが、第1戦、第2戦共にレクサス勢は表彰台に上ったものの、勝利は飾っておらず、ホームコースである富士スピードウェイでの雪辱に期待が持たれた。
今大会は400kmとレース距離が長く、2回のドライバー交代が義務付けられており、戦略的にも注目の集まるレースとなった。
今大会にはレクサスチームからGT500クラスに5台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。
予選
1日(土)午前9時からの公式練習を経て、午後1時50分からスーパーラップ進出をかけた公式予選1回目が開始された。公式練習でもトップタイムをマークするなど好調なMJ KRAFT SC430 35号車はこの予選1回目でもトップタイム。PETRONAS TOM'S SC430 1号車、ENEOS SC430 6号車、ZENT CERUMO SC430 38号車と4台のLEXUS SC430が続き、トップ4を占めてスーパーラップ進出を決めた。DENSO DUNLOP SARD SC430 39号車は惜しくも10番手でスーパーラップ進出はならなかった。
午後3時半よりスーパーラップがスタート。レクサス勢の先頭を切ってコースインした38号車は若干タイムが伸びず6番手。その後は、6号車、1号車、35号車の順でコースインし、次々にタイムを更新。最後の、TDPドライバー大嶋和也がアタックした35号車は、2番手の1号車にコンマ7秒もの大差を付ける驚異的なタイムを叩き出し、見事ポールポジションを獲得した。昨年からTDPドライバーの石浦宏明と大嶋がコンビを組む35号車は、昨年の第6戦鈴鹿に続きGT500クラスで2度目のポールポジション獲得となった。1号車が2番手、6号車が3番手で続き、LEXUS SC430が予選トップ3を独占、速さを示した。
GT300クラスでは、TDPドライバーコンビの井口卓人/国本雄資が駆るCOROLLA Axio apr GT 74号車がトヨタ/レクサス勢では唯一スーパーラップに進出。スーパーラップでも国本が好走を見せ、見事3番手グリッドを獲得した。ウェッズスポーツIS350 19号車は僅かに及ばず9番手。新スポンサーにより車名、カラーリングも一新し注目を浴びるエヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ 31号車は14番手につけた。
決勝
決勝日の2日(日)も好天に恵まれ、恒例となったゴールデンウィークの富士ラウンドには、2日間で約8万人ものモータースポーツファンが詰めかけた。
午後2時に88周(約400km)で戦われる決勝レースがスタート。ポールポジションの35号車は、スタートを担当した大嶋が1周目からハイペースで逃げ、2位で追う1号車との差を保ちながらの序盤戦となった。
その後方では、スタートでライバルに先行され4位にポジションを落とした6号車が、先陣を切って24周目に1度目のピットイン。その後、各車次々にドライバー交代を行い、全車がピット作業を終えた中盤には、首位の35号車に、1号車、6号車、38号車とレクサス勢が1-2-3-4体制となった。
一方、10番手グリッドからスタートで2つポジションを上げた39号車は、30周目にピットインし、TDPドライバーの平手晃平へとドライバー交代を行ったが、43周目に駆動系のトラブルに見舞われ、無念のリタイアとなった。
首位を快走する35号車は、32周目にピットインし大嶋から石浦へ、64周目に再び石浦から大嶋へとドライバーチェンジ。2度目のピットイン時に、タイヤの脱着作業で若干タイムロスしたものの、2位の1号車には10秒近い差をつけての終盤走行となった。
そして最後は余裕も見せながら35号車がトップでチェッカー。1号車が2位、6号車が3位、38号車が4位で続き、LEXUS SC430が今季初勝利をトップ4独占で飾った。LEXUS SC430でのトップ4独占は初めてのことである。
35号車は、土曜日のフリー走行、予選1回目、予選スーパーラップ、日曜日午前中のフリー走行全てでトップタイム。レース中のファステストタイムもマークし、ピットタイミング以外では首位を譲らないという完璧な勝利で、石浦/大嶋組としては昨年の第6戦鈴鹿以来となるGT500クラス2勝目を挙げた。
今大会の結果、ドライバー、チームランキングでも、1号車がトップに立ち、僅差で6号車、35号車、38号車と続き、レクサス勢がトップ4を占めている。
GT300クラスでは、3番手グリッドから国本がスタートを担当した74号車が、序盤はストレートで勝るライバル車のパッシングに苦しみながらも、上位争いを展開した。ピットタイミングを遅らせた74号車は、30周目過ぎから先行する2台を見事パスし、首位浮上。38周目に井口へと交代し、コース復帰時には2位となったが、その後、首位を争っていたポルシェがピットインしたため、再び74号車が首位に立つと、68周目に国本へと最後のバトンを渡し、タイヤ無交換でトップを維持したままコースへ復帰した。
レース終盤は2位のARTA Garaiya 43号車にプレッシャーをかけられる場面もあったが、これを見事に凌ぎきり、トップでチェッカー。参戦2年目の井口/国本にとってSUPER GT初勝利。昨年から同時に参戦を開始したカローラアクシオにも初勝利をもたらすこととなった。19号車は4位、31号車も9位でチェッカーを受け、ポイントを獲得した。
また、この結果、今大会はGT500、GT300クラスの両方を、TDPドライバーが制した史上初めてのレースとなった。
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富士で完全勝利を挙げたMJ KRAFT SC430 35号車 -
初優勝を飾ったCOROLLA Axio apr GT 74号車の
井口卓人(左)と国本雄資(右)
MJ KRAFT SC430 35号車 ドライバー 石浦宏明:
「完璧に流れが我々に来たレースだったと思う。開幕戦と第2戦であまりポイントを獲れていなかったので、ウェイトハンデが少なかったことも有利に働いた。自分のスティントでは、他車の様子を見ながら攻めた走りができて満足している。こうして4人のTDPドライバーがそろって優勝会見ができるのは、とても光栄なことだ」
MJ KRAFT SC430 35号車 ドライバー 大嶋和也:
「今シーズンに入り、クルマの調子もよく、富士は絶対勝てると思って臨んだ。予選でポールを獲ったので、決勝を取りこぼすことはできないと思っていたが、余裕のレース運びだった。スタート前に振動が出るトラブルが出たが、グリッドでメカニックが原因を探して修復してくれ、レース中は全くトラブルがなかった。今回は、すべてが良い方向に運んでいたレースだった」
COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー 井口卓人:
「国本選手と同じく、優勝することができてほっとしている。カローラアクシオでの初表彰台が初優勝でとてもうれしい。昨日の予選での国本選手の頑張りにより、今日の優勝があると思っている。これからはミシュランタイヤが得意とする、気温の上がるシーズンとなるので、また優勝したい」
COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー 国本雄資:
「やっと優勝できてうれしいというよりも、ほっとしている。持ち込みの状態からクルマも調子良く、このベストな状態を維持し、ミスなく走ることができれば、優勝できると確信していた。終盤のバトルも自分の走りに集中することができた。今後も優勝を重ねていきたい」
リザルト
GT500 | |||||||
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順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | 予選 | WH |
1 | 35 | MJ KRAFT SC430 | 石浦 宏明/大嶋 和也 | 88 | 2:25'00.795 | 1 | 14 |
2 | 1 | PETRONAS TOM'S SC430 | 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー | 88 | 0'04.741 | 2 | 38 |
3 | 6 | ENEOS SC430 | 伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム | 88 | 0'22.875 | 3 | 42 |
4 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/リチャード・ライアン | 88 | 0'41.899 | 6 | 34 |
5 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘/塚越 広大 | 88 | 0'51.687 | 7 | 16 |
6 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 88 | 1'11.940 | 9 | 16 |
7 | 18 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史/ロイック・デュバル | 88 | 1'17.697 | 12 | 40 |
8 | 24 | HIS ADVAN KONDO GT-R | J.P・デ・オリベイラ/安田 裕信 | 87 | 1Lap | 8 | 40 |
9 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍/中山 友貴 | 87 | 1Lap | 11 | 2 |
10 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也/山本 尚貴 | 87 | 1Lap | 13 | 28 |
39 | DENSO DUNLOP SARD SC430 | アンドレ・クート/平手 晃平 | 43 | 45Laps | 10 | 14 | |
GT300 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | 予選 | WH |
1 | 74 | COROLLA Axio apr GT | 井口 卓人/国本 雄資 | 81 | 2:25'27.609 | 3 | 10 |
2 | 43 | ARTA Garaiya | 新田 守男/高木 真一 | 81 | 0'00.622 | 5 | 10 |
3 | 66 | triple a Vantage GT2 | 松田 秀士/吉本 大樹 | 81 | 0'45.304 | 4 | |
4 | 19 | ウェッズスポーツIS350 | 織戸 学/片岡 龍也 | 81 | 0'46.122 | 9 | 22 |
5 | 3 | HASEMI SPORT TOMICA Z | 星野 一樹/柳田 真孝 | 81 | 0'55.577 | 6 | 34 |
6 | 11 | JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430 | 田中 哲也/平中 克幸 | 81 | 1'10.790 | 8 | 8 |
7 | 25 | ZENT Porsche RSR | 都筑 晶裕/土屋 武士 | 80 | 1Lap | 2 | |
8 | 27 | NAC 衛生コム LMP Ferrari | 山岸 大/小泉 洋史 | 80 | 1Lap | 17 | 4 |
9 | 31 | エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ | 嵯峨 宏紀/松浦 孝亮 | 80 | 1Lap | 14 | 12 |
10 | 26 | CINE CITTA'タイサンポルシェ | イゴール・スシュコ/植田 正幸 | 80 | 1Lap | 13 | |
※WH:ウェイトハンデ(kg) |
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