2010年7月25日(日)配信

ENEOS SC430が3位表彰台でランキング首位をキープ
GT300クラスではエヴァンゲリオンRT初号機aprカローラが初の表彰台


3位でフィニッシュし、今季3度目の表彰台を獲得したENEOS SC430 6号車の伊藤大輔(左)とビヨン・ビルドハイム(右)
 SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」が7月 24日(土)、25日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
仙台近郊の森の中に位置するスポーツランドSUGOは、高低差が大きく、コース幅も狭いテクニカルコース。夏休みに入って最初の週末となったSUGOには、土・日の合計で3万8千人以上のモータースポーツファンが足を運び、
GTカーによる大迫力のバトルを堪能した。
今大会にはレクサスチームからGT500クラスに5台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。

予選
 24日(土)のSUGOは好天に恵まれ、9時から行われた公式練習開始の時点で気温は既に30度を越え、午後12時45分からの予選1回目も猛暑の下で開始された。
予選1回目では、目下ランキングトップ、80kgものウェイトハンデを積むENEOS SC430 6号車が5番手につけスーパーラップに進出。
石浦宏明と大嶋和也のTDPドライバーコンビで今季LEXUS勢唯一の勝利を挙げるなど好調なMJ KRAFT SC430 35号車は、62kgのウェイトハンデを積みながらも公式練習でもLEXUS勢を引っ張る3番手。しかし、予選1回目は終盤駆動系トラブルに見舞われアタックできず。しかし、序盤マークしていたタイムが、僅か1000分の1秒差で8番手となり、ぎりぎりでのスーパーラップ進出を決めた。
ランキング上位を争うZENT CERUMO SC430 38号車は9番手、PETRONAS TOM'S SC430 1号車も苦戦し12番手、DENSO DUNLOP SARD SC430 39号車が13番手でグリッドが決定した。
午後3時10分から予定されていたスーパーラップは、予選1回目の赤旗中断の影響で若干遅れて開始された。
予選1回目でトラブルに見舞われながらも、メカニックの見事な働きでスーパーラップに間にあった35号車は、先陣を切ってアタック。大嶋が素晴らしい走りを見せ、終盤のアタッカーにかわされはしたものの、
3番手グリッドを獲得。6号車は8番手グリッドとなった。
GT300クラスでは、3台全車がスーパーラップに進出。エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ 31号車が好走を見せ、2番手グリッドを獲得。COROLLA Axio apr GT 74号車が6番手、ウェッズスポーツIS350 19号車が
7番手につけた。

決勝
 25日(日)、決勝レースを前に、午前9時10分から行われたフリー走行で3番手につけたのは35号車。この
セッションが始まってまもなく、38号車がGT300クラスの車両と接触し、クラッシュ。車両前部に大きなダメージを負ってしまった。このため、決勝への出場も危ぶまれたが、メカニックの懸命な作業によりスタートまでには
なんとか修復を終え、ピットスタートながら決勝に出走できることとなった。
決勝スタート時の午後2時には、やや雲が多くなったものの気温32度、路面温度41度という暑さの中で決勝レース(81周:約300km)のスタートが切られた。
3番手スタートの35号車はポジションを守り、序盤から2位へのポジションアップを狙ったが、狭いSUGOではパスはならず。3周目に35号車をパスしようとしてインに切り込んできた後続と接触。2台揃ってスピンを喫し、ほぼ最後尾の12位まで順位を落としてしまった。
序盤から上位勢でもスピンや接触が多発する展開となったが、そんな中で重いウェイトハンデを積みながらも着実な走りを続ける6号車が4位までポジションを上げた。
35号車は他車のスピンもあり、9位まで順位を戻したが、15周目突然車両のトラブルに見舞われコース脇にストップ。無念のリタイアとなってしまった。
レースは中盤に入ると小雨が落ちてきて、タイヤやピット戦略で各チーム悩まされることとなったが、結局
本降りにはならず、ほぼドライコンディションのまま推移。全車がピットを終えた時点で、6号車は3位と好位置をキープ。
6号車は後方からKEIHIN HSV-010 17号車の猛烈なプッシュを受けながらも、巧みにこれを凌いでいたが、53周目、GT300クラスの車両にふさがれる形で17号車の先行を許し、無念の4位後退となってしまった。
その後、4位での走行を続けた6号車だったが、残り7周で首位を独走していたMOTUL AUTECH GT-R 23号車がストップ。これでひとつポジションを上げ、3位でフィニッシュ。今季3度目の表彰台を獲得した。
週末を通して苦戦を強いられた1号車が粘り強く走り抜き7位。ピットスタートから追い上げた38号車が9位、39号車も10位に入り、シリーズタイトル争いにおいて貴重なポイントを獲得した。
今大会の結果、伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム組の6号車は、僅か1ポイント差ながらドライバーズランキング首位をキープ。1号車の脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組もトップと10ポイント差の4位につけている。

GT300クラスでは、2番手からスタートした31号車の前半担当、嵯峨宏紀が序盤は首位争いを繰り広げた。一方で6番手スタートの74号車も、前半を担当したTDPドライバーの井口卓人が5位、6位を争う激しいバトルを展開したが、TDPドライバー 国本雄資に交代して間もない43周目にGT500クラスのバトルに巻き込まれる形で接触し、コースアウト。操舵系にダメージを負い、そのままリタイアとなった。
19号車もトップ10圏内での走行を続けていたが、41周目にミッショントラブルに見舞われ、リタイアを余儀なくされた。
31号車は2位のポジションを守ったまま、松浦孝亮にドライバー交代。後半も2位争いを展開したが、58周目に、サイド・バイ・サイドのバトルの末に、HASEMI SPORT TOMICA Z 3号車の先行を許し、3位に後退。その後松浦も2位奪還を目指してプッシュしたが、惜しくも逆転は叶わず。そのまま3位でチェッカーを受け、嬉しい
初表彰台獲得となった。

ENEOS SC430 6号車 ドライバー 伊藤 大輔:
「セパンでのレースのようにうまく行くとは考えずに、このレースに臨んだ。菅生でのレースは例年荒れるので、重いウェイトハンデの我々にも何かしらチャンスがあると期待していた。常に最後まで走り切ることが結果につながると思っている。予選からクルマのパフォーマンスはとても良く、決勝でもそれを発揮できた。決勝レースもとくにトラブルもなく、ビヨン(・ビルドハイム)に少し長いスティントを走らせてしまったが、その分自分も頑張らねばと奮起した。結果表彰台も獲得でき、良いレースとなった」

ENEOS SC430 6号車 ドライバー ビヨン・ビルドハイム:
「今日は、80kgという信じられないウェイトハンデにもかかわらず3位表彰台を獲得できハッピーに終われた。
途中、周囲のトラブルでポジションアップをすることができ、その後、前のポジションのクルマはとても速かったので、無理せずタイヤをセーブすることに努めた。予定よりも少し長いスティントにはなったが、ピット作業も完璧だったし、うまく(伊藤)大輔にスイッチすることができた。次戦は更に重くなるが、長いレースは何が起こるか
わからないので、このままポイントリーダーの座を守りたい」

エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ 31号車 ドライバー 嵯峨 宏紀:
「今大会は予選と決勝レースの前半のスティントを担当した。トップを行く紫電とは、単独で走行する時には、
自分にも負けないくらい速さがあると感じた。しかし同じGT300クラスの周回遅れの処理で、前のクルマと
離されてしまうことがあり、自分の課題が見つかったレースとなったと思う。これからも松浦選手と息の合った
コンビで良い戦績を残していきたい」

エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ 31号車 ドライバー 松浦 孝亮:
「嵯峨(宏紀)が前半頑張ってくれて、3位と15秒差をつけるまでリードして2位で繋いでくれた。小雨の時にそのギャップがなくなってしまい、また多少引っ張りすぎて3位にポジションを落としてしまった。残りのスティントは、抜かれないペースで走行し、ポジションを守ることに徹した。自分のスティントでポジションダウンを喫して
しまったことは悔しいが、初表彰台を獲得できたので、今大会の結果は謙虚に受け止め、更なる上位フィニッシュを目指していきたいと思う」

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
117KEIHIN HSV-010金石 年弘/塚越 広大811:50'27.5771028
218ウイダー HSV-010小暮 卓史/ロイック・デュバル810'00.025470
36ENEOS SC430伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム810'12.633880
412カルソニック IMPUL GT-R松田 次生/ロニー・クインタレッリ810'16.466666
524HIS ADVAN KONDO GT-RJ.P・デ・オリベイラ/安田 裕信810'37.8371150
623MOTUL AUTECH GT-R本山 哲/ブノワ・トレルイエ810'56.119136
71PETRONAS TOM'S SC430脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー811'14.3031274
8100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也/山本 尚貴811'14.474242
938ZENT CERUMO SC430立川 祐路/リチャード・ライアン801Lap960
1039DENSO DUNLOP SARD SC430アンドレ・クート/平手 晃平792Laps1316
35MJ KRAFT SC430石浦 宏明/大嶋 和也1566Laps362
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
12アップル・K-ONE・紫電加藤 寛規/濱口 弘761:51'51.227130
23HASEMI SPORT TOMICA Z星野 一樹/柳田 真孝751Lap1158
331エヴァンゲリオンRT
初号機aprカローラ
嵯峨 宏紀/松浦 孝亮751Lap222
425ZENT Porsche RSR都筑 晶裕/土屋 武士751Lap98
511JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430田中 哲也/平中 克幸751Lap434
643ARTA Garaiya新田 守男/高木 真一751Lap370
77M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7谷口 信輝/折目 遼751Lap580
846アップスタート MOLA Z横溝 直輝/阿部 翼751Lap880
95マッハGOGOGO車検408R玉中 哲二/黒澤 治樹742Laps1216
1086JLOC ランボルギーニ RG-3山西 康司/関口 雄飛742Laps1824
74COROLLA Axio apr GT井口 卓人/国本 雄資4333Laps672
19ウェッズスポーツIS350織戸 学/片岡 龍也4135Laps742
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
16伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム51
218小暮 卓史/ロイック・デュバル50
312松田 次生/ロニー・クインタレッリ41
41脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー41
638立川 祐路/リチャード・ライアン32
835石浦 宏明/大嶋 和也31
1139アンドレ・クート/平手 晃平9
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
16LEXUS TEAM LeMans ENEOS66
218ウイダー ホンダ レーシング62
31LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S56
638LEXUS TEAM ZENT CERUMO45
835LEXUS TEAM KRAFT42
1139LEXUS TEAM SARD18