2011年8月22日(月)配信

天候に翻弄された鈴鹿でTDPコンビ石浦/井口組LEXUS SC430が5位


終盤追い上げたが最後まで天候に翻弄され
5位でフィニッシュしたDENSO SARD SC430 39号車
 SUPER GT第5戦「第40回 インターナショナル ポッカ GT サマースペシャル」が8月20日(土)、21日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
 全8戦で戦われている2011年シーズンのSUPER GTも折り返しを過ぎ、後半戦に入った。今大会は、記念すべき40回目を迎える、伝統ある夏の鈴鹿長距離戦。震災の影響により、例年よりも短くはなったが、それでもシリーズ最長の500kmで文字通りの熱戦が繰り広げられる。今レースでは、ドライバー交代を伴う2回のピットストップが義務づけられる。
 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。

予選
 20日(土)8月としては涼しい気候の下、ドライコンディションで午前9時55分から行われた公式練習では、ZENT CERUMO SC430 38号車がトップタイム。前戦2位のDENSO SARD SC430 39号車が3番手、PETRONAS TOM'S SC430 36号車とENEOS SUSTINA SC430 6号車が5,6番手と好タイムをマークし、予選、決勝へ向けての期待が高まった。
 午後0時55分からノックアウト方式での予選が開始。ドライコンディションで推移したQ1では、WedsSport ADVAN SC430 19号車がセッティングを詰め切れず15番手グリッドが確定。残る5台のLEXUS SC430勢はQ2へと進んだ。
 GTアジアのレースを経た午後3時25分からQ2が開始されたが、セッション開始直前に雨が降り始め、Q2はヘビーウェットコンディションで争われることに。この難しいコンディションでLEXUS SC430勢は苦戦を強いられ、上位7台がQ3へと進出できるQ2セッションで、36号車が8番手、以下6号車、D'STATION KeePer SC430 35号車、38号車と4台が続くこととなり、最終Q3への進出を逃してしまった。
 一方、唯一気を吐いた39号車は、2009年の同レースを制しているTDPドライバーの石浦宏明が2番手タイムをマークし、見事Q3進出。しかし、Q3ではTDPドライバーの井口卓人がタイムをのばせず、7番手から決勝をスタートすることとなった。
 GT300クラスでは、ハセプロMA イワサキ aprカローラ 31号車が17番手で惜しくもQ1敗退。前戦Q2へと進出したCOROLLA Axio apr GT 74号車も、Q1終了後にテクニカルトラブルに見舞われQ2に出走できず、16番手グリッドとなった。
 前戦初優勝を飾ったSG CHANGI IS350 14号車はQ2を勝ち抜き、最終Q3セッションへ進出すると、折目遼が好走を見せ4番手タイムをマーク。見事2列目グリッドを確保した。

決勝
 21日(日)も雨模様となった。レース前のセレモニーでは、SUPER GTの前身であるJGTC(全日本GT選手権)時代から100戦以上に渡ってスポンサーを続けてきた企業、今季LEXUSチームでは39号車をサポートしている(株)デンソーと、19号車をサポートしている(株)ウェッズに、その功績への感謝として、SUPER GTを統括・主催するGTアソシエイションから表彰が行われた。

 フォーメーションラップまでは降っていた雨は、スタート前にはほぼ止んだが、全車ウェットタイヤで午後2時15分に87周、500kmの長いレースへのスタートが切られた。
 LEXUS勢はグリッド通り順当なスタート。7番手グリッドから石浦がスタートを担当した39号車は、序盤前走車に前をふさがれる形となったが、7周目、8周目と連続してライバル勢をパスし、5位浮上。追い上げてきた36号車、35号車がこれに続いた。
 22周目、36号車がピットへ向かい、TDPドライバーの中嶋一貴へとドライバー交代。やや早めのピット作戦を採った36号車は、中嶋一貴が猛プッシュ。33周目に最後まで引っ張った39号車がピットインし全車が一回目のピットを終えた時点で、36号車は2位までポジションアップを果たした。
 しかし、ハイペースな追い上げでタイヤの摩耗が激しくなった36号車は、激しいバトルの中で、38周目のデグナーカーブでコースオフ。すぐにコースには復帰したが、3位へと後退。
 一方、石浦から井口へとドライバーを交代した39号車は、7位でコースに復帰したが、素晴らしい走りで前走車をパスし、42周目には5位に浮上。
 中盤42周目、クラッシュした車両撤去のためにセーフティカーが導入。レースは隊列を整えて仕切り直しとなり、47周目に再スタートとなった。
 3位、4位で再スタートを切った36号車と39号車は、前走車がコースアウトしたことでそれぞれ2位、3位へとポジションアップ。53周目には首位を行くウイダー HSV-010 1号車が接触でスピンを喫すると、ついに36号車が首位に立った。
 レース終盤へ向け、天候の変化をにらみながらピットタイミングと難しいタイヤ選択を余儀なくされた各チームであったが、1回目を早めのピットとした36号車は、さすがにタイヤが厳しくなり55周目にピットイン。浅溝のウェットタイヤを選択してロッテラーがコースへと復帰。6号車も浅溝ウェットタイヤでTDPドライバーの大嶋和也が再びコクピットに収まり、コースへと復帰した。
 しかし、その後雨は降らず、天候は回復傾向。60周目過ぎからピットへ向かう車両は、多くがスリックタイヤを選択し、好タイムをマークしていった。6号車の大嶋は、3度目のピットを決断し、スリックへとタイヤを交換。65周目にはピットを遅らせ、首位に立っていた39号車がピットへ。石浦へとドライバーチェンジし、スリックタイヤを装着し、6位でコースへ復帰した。
 39号車や6号車を含むスリックタイヤの車両がハイペースで追い上げる一方で、浅溝ウェットタイヤの36号車は、全車が2回目のピットを終えた時点で2位を走行。スリックタイヤを履いた後続の猛追を凌ぎ続けたが、77周目のスプーンコーナーでバトルの末に接触。痛恨のスピンを喫し、4位へと後退。その後、追い上げてきた39号車、MOTUL AUTECH GT-R 23号車の先行も許してしまった。
 39号車はスリックタイヤで4位までポジションを上げ、表彰台へ向けた終盤の追い上げに期待がかかったが、チェッカーを目前にして、再び雨が降り始め、無念のペースダウン。
 雨やセーフティカーで長時間となったレースは、規約により、午後6時半を過ぎた時点で終了となり、予定よりも一周短い86周でチェッカー。最後に23号車にかわされた39号車が5位。36号車が6位、35号車が7位、6号車が8位でフィニッシュした。
  天候に翻弄された大波乱のレースで厳しい戦いとなったLEXUS勢は、4台がポイントを獲得。次戦富士での巻き返しを図る。

 GT300クラスでは、4番手スタートの14号車が一時は2位につける好走を見せたが、終盤、ピット作業などで2度にわたるペナルティを科され、惜しくも後退。16番手スタートから追い上げた74号車が7位。14号車が8位。31号車は13位でレースを終えた。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
11ウイダー HSV-010小暮 卓史/ロイック・デュバル863:16'09.255348
246S Road MOLA GT-R柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ860'06.341182
312カルソニック IMPUL GT-R松田 次生/J.P・デ・オリベイラ860'18.946440
423MOTUL AUTECH GT-R本山 哲/ブノワ・トレルイエ860'47.571552
539DENSO SARD SC430石浦 宏明/井口 卓人860'49.556740
636PETRONAS TOM'S SC430アンドレ・ロッテラー/中嶋 一貴860'59.602846
735D'STATION KeePer SC430脇阪 寿一/アンドレ・クート861'13.131102
86ENEOS SUSTINA SC430伊藤 大輔/大嶋 和也861'22.247948
98ARTA HSV-010武藤 英紀/小林 崇志861'30.3771310
1024ADVAN KONDO GT-R安田 裕信/ビヨン・ビルドハイム842Laps1244
1119WedsSport ADVAN SC430片岡 龍也/荒 聖治833Laps1528
1438ZENT CERUMO SC430立川 祐路/平手 晃平815Laps1130
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
162R&D SPORT LEGACY B4山野 哲也/佐々木 孝太793:16'28.055312
233HANKOOK PORSCHE影山 正美/藤井 誠暢790'28.771256
387リール ランボルギーニ RG-3余郷 敦/織戸 学791'47.669730
411JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458田中 哲也/平中 克幸781Lap1398
54初音ミク グッドスマイル BMW谷口 信輝/番場 琢781Lap678
62エヴァンゲリオンRT初号機
アップル紫電
高橋 一穂/加藤 寛規781Lap1110
774COROLLA Axio apr GT新田 守男/国本 雄資781Lap1658
814SG CHANGI IS350折目 遼/A.インペラトーリ781Lap440
925ZENT Porsche RSR都筑 晶裕/土屋 武士781Lap538
1086JLOC ランボルギーニ RG-3坂本 祐也/青木 孝行772Laps102
1331ハセプロMA イワサキ aprカローラ嵯峨 宏紀/岩崎 祐貴763Laps1716
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
146柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ56
21小暮 卓史/ロイック・デュバル44
323本山 哲/ブノワ・トレルイエ34
636アンドレ・ロッテラー/中嶋 一貴28
76伊藤 大輔/大嶋 和也27
839石浦 宏明/井口 卓人26
1138立川 祐路/平手 晃平15
1219片岡 龍也/荒 聖治14
1535脇阪 寿一/アンドレ・クート5
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
146MOLA70
21ウイダー ホンダ レーシング54
323NISMO48
46LEXUS TEAM LeMans ENEOS42
636LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S42
839LEXUS TEAM SARD40
1138LEXUS TEAM ZENT CERUMO27
1219LEXUS TEAM WedsSport BANDOH24
1535LEXUS TEAM KRAFT15