2011年9月12日(月)配信

立川/平手組のLEXUS SC430が念願の初勝利!
GT300クラスでは折目/インペラトーリ組LEXUS IS350が2位


今季初勝利を喜ぶZENT CERUMO SC430 38号車の
立川祐路(左)とTDPドライバーの平手晃平(右)
 SUPER GT第6戦「FUJI GT 250km RACE」が9月10日(土)、11日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
 富士でのSUPER GTは、実質的な開幕戦となった第2戦以来今季2度目の開催。全8戦で戦われるシーズンも後半戦へ突入したが、今季未勝利のレクサス勢は、ホームサーキットである富士での逆襲を誓っての参戦となった。
 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。

予選
 今大会の予選は、予選1回目の上位10台が、1台ずつアタックするスーパーラップ方式。10日(土)午前中に行われた公式練習から上位を占めたレクサス勢は、予選一回目でも速さを見せ、WedsSport ADVAN SC430 19号車が惜しくも14番手となったものの、残り5台がスーパーラップへ進出。
 午後3時20分から行われたスーパーラップでは、レクサス勢の先陣を切ってアンドレ・ロッテラーがアタックしたPETRONAS TOM'S SC430 36号車がトップタイムをマークすると、その後TDPドライバーの大嶋和也がアタックを担当したENEOS SUSTINA SC430 6号車がこれを上回るタイムをマーク。
 続いてアタックした脇阪寿一のD'STATION KeePer SC430 35号車は大嶋のタイムを上回ることはできなかったが、その後、TDPドライバー平手晃平のZENT CERUMO SC430 38号車、そして最後のアタックとなったTDPドライバー石浦宏明が駆るDENSO SARD SC430 39号車と次々とタイムを更新。石浦は第2戦富士に続く、今季2度目のポールポジションを獲得。レクサス勢は予選でトップ5を占め、決勝での活躍に期待が高まった。
 GT300クラスでは、ストレートの長い富士で、大排気量の海外車両を相手に、レクサス/トヨタ勢は苦戦。唯一スーパーラップに進出したSG CHANGI IS350 14号車が8番手。ハセプロMA イワサキ aprカローラ 31号車が19番手、COROLLA Axio apr GT 74号車は22番手と後方からの追い上げを強いられることとなった。

決勝
 11日(日)朝のフリー走行は降雨に見舞われウェットコンディションとなったが、まもなく太陽が顔を覗かせ、決勝レースは今季初となる、完全なドライコンディションで争われることとなった。
 東日本大震災よりちょうど半年となるこの日、レース前のセレモニーで黙祷が捧げられた後、午後2時に55周で競われる決勝レースのスタートが切られた。
 スタート直後から序盤戦は、上位勢に大きな順位の変動は無し。ポールポジションの39号車石浦を、2番手スタートの38号車平手が追い、TDPドライバー同士の首位争いとなったが、逆転には至らず。序盤はLEXUS勢がトップ5を維持してレースが進行した。
 20周を過ぎたあたりから、義務づけられているドライバー交代を含めたピット作業がスタート。31周目に全車がピットを終えた時点で、石浦からTDPドライバーのチームメイト、井口卓人へと交代した39号車が首位をキープ。これを、ベテラン立川祐路がステアリングを受けた38号車が2位で追った。
 スタートドライバーのロッテラーからドライバー交代し、TDPドライバーの中嶋一貴が後半を担当した36号車は、3位につけていたが、タイヤの摩耗が厳しい中で後続からの猛追をしのぎきれず5位に後退。その後もタイヤに苦しみながらのの走行を続けたが、49周目に突然のタイヤバーストに見舞われ、ピット入り口でクラッシュ。惜しくもレースを終えることとなってしまった。
 一方、逃げる井口の39号車と、追う立川の38号車によるバトルは白熱。残り5周を切って、それまで2秒近くあった差を一気に詰めた38号車は、残り3周の1コーナーで並びかけると、見事なパッシングを見せて39号車をかわし、首位に浮上。
 39号車の井口も諦めることなく、最後まで38号車を追ったが、ファイナルラップにGT300クラス車両との接触に見舞われ、痛恨のスピン。エンジン再始動に手間取り、大きく順位を落としてしまった。
 結局、逃げ切った38号車がトップでチェッカー。平手にとってGT500クラス参戦3年目にして初の勝利であり、立川にとっても2年半ぶりとなる勝利を飾った。LEXUS SC430は念願の今季初勝利。スピンで後退した39号車が8位。35号車が9位。6号車が10位に入った。
 GT300クラスでは、8番手スタートの14号車が健闘を見せ、見事2位でフィニッシュ。表彰台を獲得した。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
「今回チームとTRDが勝つことのできるクルマを用意してくれ、勝てる感触があった。ホームコースの富士であり、前回のレースからエンジンも速くなっているなど、条件的に揃っており、ここで勝たなければ!という心境だった。39号車も速かったので、どうなるかわからなかったが、ワンチャンスをものにして優勝に導くことができた。平手選手が予選を担当して、完璧にレース前半をこなしてくれていたので、最後は自分が行かなければと思っていたし、結果を出すことができ、とても満足だ」

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
「タイヤについては安全策を取りミディアムでスタートしたので、ミシュランタイヤの出方を見ながらペースを考えていた。(ミシュランタイヤの)石浦選手も同じペース配分で、限界で走っていたので、僕の仕事はとにかくトップから離されずに、立川選手に繋ぐことだった。彼に繋げばトップに立ってくれると思っていたので、自分としてもいい仕事ができたと思う。GT500クラスに参戦して2年半。長かったがやっと優勝を果たすことができ、とても嬉しい」

SG CHANGI IS350 14号車 ドライバー 折目遼:
「(ストレートの速い)外車勢に囲まれ、とても厳しいレースになることを予想していたが、自分のスティントで4番手までポジションを上げることができた。ピットストップで順位を上げられることは想定できていたので、表彰台圏内に入るのは可能だと考えていた。二人共に狙い通りに走ることができたベストレースだったと思う。次戦オートポリスでは、更に上の優勝を目指し、シリーズタイトル争いに絡めるよう頑張りたい」

SG CHANGI IS350 14号車 ドライバー アレキサンドレ・インペラトーリ:
「今日のレースは、後半のスティントを担当し、当初早めのピットインを予定していたが、レースの流れ的に、ちょうど半分のところで折目選手から受け継ぐことになった。前を行く紫電(2号車)と10秒ほどギャップがあったが、我々の方が速く、逆転できた。その後もハードにプッシュした甲斐があって、2位フィニッシュを果たせたのはとても嬉しい」

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
138ZENT CERUMO SC430立川 祐路/平手 晃平551:30'47.525230
212カルソニック IMPUL GT-R松田 次生/J.P・デ・オリベイラ550'25.4681362
317KEIHIN HSV-010金石 年弘/塚越 広大550'25.5731060
41ウイダー HSV-010小暮 卓史/ロイック・デュバル550'31.496888
5100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也/山本 尚貴550'50.3031546
623MOTUL AUTECH GT-R本山 哲/ブノワ・トレルイエ550'54.0221168
746S Road MOLA GT-R柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ551'01.0887100
839DENSO SARD SC430石浦 宏明/井口 卓人551'05.593152
935D'STATION KeePer SC430脇阪 寿一/アンドレ・クート551'11.131410
106ENEOS SUSTINA SC430伊藤 大輔/大嶋 和也551'12.640354
1319WedsSport ADVAN SC430片岡 龍也/荒 聖治551'34.0411428
1536PETRONAS TOM'S SC430アンドレ・ロッテラー/中嶋 一貴487Laps556
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
14初音ミク グッドスマイル BMW谷口 信輝/番場 琢511:31'53.180190
214SG CHANGI IS350折目 遼/A.インペラトーリ510'19.764846
32エヴァンゲリオンRT
初号機アップル紫電
高橋 一穂/加藤 寛規510'25.689320
488JLOC ランボルギーニ RG-3井入 宏之/関口 雄飛510'25.990524
525ZENT Porsche RSR都筑 晶裕/土屋 武士510'27.926442
662R&D SPORT LEGACY B4山野 哲也/佐々木 孝太510'28.2301552
727PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ山岸 大/山内 英輝510'30.4001234
886JLOC ランボルギーニ RG-3坂本 祐也/青木 孝行501Lap114
966triple a Vantage GT2吉本 大樹/星野 一樹501Lap1746
1015ART TASTE GT3R清水 康弘/T.ベルグマイスター501Lap10
1331ハセプロMA イワサキ
aprカローラ
嵯峨 宏紀/岩崎 祐貴501Lap1916
1474COROLLA Axio apr GT新田 守男/国本 雄資501Lap2266
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
146柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ60
21小暮 卓史/ロイック・デュバル52
312松田 次生/J.P・デ・オリベイラ46
638立川 祐路/平手 晃平35
739石浦 宏明/井口 卓人29
96伊藤 大輔/大嶋 和也28
1036アンドレ・ロッテラー/中嶋 一貴28
1219片岡 龍也/荒 聖治14
1435脇阪 寿一/アンドレ・クート7
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
146MOLA77
21ウイダー ホンダ レーシング65
312TEAM IMPUL59
638LEXUS TEAM ZENT CERUMO50
76LEXUS TEAM LeMans ENEOS46
839LEXUS TEAM SARD46
936LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S43
1219LEXUS TEAM WedsSport BANDOH27
1535LEXUS TEAM KRAFT20