立川/平手組のLEXUS SC430が念願の初勝利!
GT300クラスでは折目/インペラトーリ組LEXUS IS350が2位
今季初勝利を喜ぶZENT CERUMO SC430 38号車の
立川祐路(左)とTDPドライバーの平手晃平(右)
SUPER GT第6戦「FUJI GT 250km RACE」が9月10日(土)、11日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
富士でのSUPER GTは、実質的な開幕戦となった第2戦以来今季2度目の開催。全8戦で戦われるシーズンも後半戦へ突入したが、今季未勝利のレクサス勢は、ホームサーキットである富士での逆襲を誓っての参戦となった。
今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。
予選
今大会の予選は、予選1回目の上位10台が、1台ずつアタックするスーパーラップ方式。10日(土)午前中に行われた公式練習から上位を占めたレクサス勢は、予選一回目でも速さを見せ、WedsSport ADVAN SC430 19号車が惜しくも14番手となったものの、残り5台がスーパーラップへ進出。
午後3時20分から行われたスーパーラップでは、レクサス勢の先陣を切ってアンドレ・ロッテラーがアタックしたPETRONAS TOM'S SC430 36号車がトップタイムをマークすると、その後TDPドライバーの大嶋和也がアタックを担当したENEOS SUSTINA SC430 6号車がこれを上回るタイムをマーク。
続いてアタックした脇阪寿一のD'STATION KeePer SC430 35号車は大嶋のタイムを上回ることはできなかったが、その後、TDPドライバー平手晃平のZENT CERUMO SC430 38号車、そして最後のアタックとなったTDPドライバー石浦宏明が駆るDENSO SARD SC430 39号車と次々とタイムを更新。石浦は第2戦富士に続く、今季2度目のポールポジションを獲得。レクサス勢は予選でトップ5を占め、決勝での活躍に期待が高まった。
GT300クラスでは、ストレートの長い富士で、大排気量の海外車両を相手に、レクサス/トヨタ勢は苦戦。唯一スーパーラップに進出したSG CHANGI IS350 14号車が8番手。ハセプロMA イワサキ aprカローラ 31号車が19番手、COROLLA Axio apr GT 74号車は22番手と後方からの追い上げを強いられることとなった。
決勝
11日(日)朝のフリー走行は降雨に見舞われウェットコンディションとなったが、まもなく太陽が顔を覗かせ、決勝レースは今季初となる、完全なドライコンディションで争われることとなった。
東日本大震災よりちょうど半年となるこの日、レース前のセレモニーで黙祷が捧げられた後、午後2時に55周で競われる決勝レースのスタートが切られた。
スタート直後から序盤戦は、上位勢に大きな順位の変動は無し。ポールポジションの39号車石浦を、2番手スタートの38号車平手が追い、TDPドライバー同士の首位争いとなったが、逆転には至らず。序盤はLEXUS勢がトップ5を維持してレースが進行した。
20周を過ぎたあたりから、義務づけられているドライバー交代を含めたピット作業がスタート。31周目に全車がピットを終えた時点で、石浦からTDPドライバーのチームメイト、井口卓人へと交代した39号車が首位をキープ。これを、ベテラン立川祐路がステアリングを受けた38号車が2位で追った。
スタートドライバーのロッテラーからドライバー交代し、TDPドライバーの中嶋一貴が後半を担当した36号車は、3位につけていたが、タイヤの摩耗が厳しい中で後続からの猛追をしのぎきれず5位に後退。その後もタイヤに苦しみながらのの走行を続けたが、49周目に突然のタイヤバーストに見舞われ、ピット入り口でクラッシュ。惜しくもレースを終えることとなってしまった。
一方、逃げる井口の39号車と、追う立川の38号車によるバトルは白熱。残り5周を切って、それまで2秒近くあった差を一気に詰めた38号車は、残り3周の1コーナーで並びかけると、見事なパッシングを見せて39号車をかわし、首位に浮上。
39号車の井口も諦めることなく、最後まで38号車を追ったが、ファイナルラップにGT300クラス車両との接触に見舞われ、痛恨のスピン。エンジン再始動に手間取り、大きく順位を落としてしまった。
結局、逃げ切った38号車がトップでチェッカー。平手にとってGT500クラス参戦3年目にして初の勝利であり、立川にとっても2年半ぶりとなる勝利を飾った。LEXUS SC430は念願の今季初勝利。スピンで後退した39号車が8位。35号車が9位。6号車が10位に入った。
GT300クラスでは、8番手スタートの14号車が健闘を見せ、見事2位でフィニッシュ。表彰台を獲得した。
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念願の今季初勝利を挙げたZENT CERUMO SC430 38号車 -
GT300クラスではSG CHANGI IS350 14号車が2位表彰台を獲得
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
「今回チームとTRDが勝つことのできるクルマを用意してくれ、勝てる感触があった。ホームコースの富士であり、前回のレースからエンジンも速くなっているなど、条件的に揃っており、ここで勝たなければ!という心境だった。39号車も速かったので、どうなるかわからなかったが、ワンチャンスをものにして優勝に導くことができた。平手選手が予選を担当して、完璧にレース前半をこなしてくれていたので、最後は自分が行かなければと思っていたし、結果を出すことができ、とても満足だ」
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
「タイヤについては安全策を取りミディアムでスタートしたので、ミシュランタイヤの出方を見ながらペースを考えていた。(ミシュランタイヤの)石浦選手も同じペース配分で、限界で走っていたので、僕の仕事はとにかくトップから離されずに、立川選手に繋ぐことだった。彼に繋げばトップに立ってくれると思っていたので、自分としてもいい仕事ができたと思う。GT500クラスに参戦して2年半。長かったがやっと優勝を果たすことができ、とても嬉しい」
SG CHANGI IS350 14号車 ドライバー 折目遼:
「(ストレートの速い)外車勢に囲まれ、とても厳しいレースになることを予想していたが、自分のスティントで4番手までポジションを上げることができた。ピットストップで順位を上げられることは想定できていたので、表彰台圏内に入るのは可能だと考えていた。二人共に狙い通りに走ることができたベストレースだったと思う。次戦オートポリスでは、更に上の優勝を目指し、シリーズタイトル争いに絡めるよう頑張りたい」
SG CHANGI IS350 14号車 ドライバー アレキサンドレ・インペラトーリ:
「今日のレースは、後半のスティントを担当し、当初早めのピットインを予定していたが、レースの流れ的に、ちょうど半分のところで折目選手から受け継ぐことになった。前を行く紫電(2号車)と10秒ほどギャップがあったが、我々の方が速く、逆転できた。その後もハードにプッシュした甲斐があって、2位フィニッシュを果たせたのはとても嬉しい」
リザルト
GT500 | |||||||
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順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | 予選 | WH |
1 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/平手 晃平 | 55 | 1:30'47.525 | 2 | 30 |
2 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 松田 次生/J.P・デ・オリベイラ | 55 | 0'25.468 | 13 | 62 |
3 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘/塚越 広大 | 55 | 0'25.573 | 10 | 60 |
4 | 1 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史/ロイック・デュバル | 55 | 0'31.496 | 8 | 88 |
5 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也/山本 尚貴 | 55 | 0'50.303 | 15 | 46 |
6 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲/ブノワ・トレルイエ | 55 | 0'54.022 | 11 | 68 |
7 | 46 | S Road MOLA GT-R | 柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ | 55 | 1'01.088 | 7 | 100 |
8 | 39 | DENSO SARD SC430 | 石浦 宏明/井口 卓人 | 55 | 1'05.593 | 1 | 52 |
9 | 35 | D'STATION KeePer SC430 | 脇阪 寿一/アンドレ・クート | 55 | 1'11.131 | 4 | 10 |
10 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 伊藤 大輔/大嶋 和也 | 55 | 1'12.640 | 3 | 54 |
13 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 片岡 龍也/荒 聖治 | 55 | 1'34.041 | 14 | 28 |
15 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | アンドレ・ロッテラー/中嶋 一貴 | 48 | 7Laps | 5 | 56 |
GT300 | |||||||
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順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | 予選 | WH |
1 | 4 | 初音ミク グッドスマイル BMW | 谷口 信輝/番場 琢 | 51 | 1:31'53.180 | 1 | 90 |
2 | 14 | SG CHANGI IS350 | 折目 遼/A.インペラトーリ | 51 | 0'19.764 | 8 | 46 |
3 | 2 | エヴァンゲリオンRT 初号機アップル紫電 | 高橋 一穂/加藤 寛規 | 51 | 0'25.689 | 3 | 20 |
4 | 88 | JLOC ランボルギーニ RG-3 | 井入 宏之/関口 雄飛 | 51 | 0'25.990 | 5 | 24 |
5 | 25 | ZENT Porsche RSR | 都筑 晶裕/土屋 武士 | 51 | 0'27.926 | 4 | 42 |
6 | 62 | R&D SPORT LEGACY B4 | 山野 哲也/佐々木 孝太 | 51 | 0'28.230 | 15 | 52 |
7 | 27 | PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ | 山岸 大/山内 英輝 | 51 | 0'30.400 | 12 | 34 |
8 | 86 | JLOC ランボルギーニ RG-3 | 坂本 祐也/青木 孝行 | 50 | 1Lap | 11 | 4 |
9 | 66 | triple a Vantage GT2 | 吉本 大樹/星野 一樹 | 50 | 1Lap | 17 | 46 |
10 | 15 | ART TASTE GT3R | 清水 康弘/T.ベルグマイスター | 50 | 1Lap | 10 | |
13 | 31 | ハセプロMA イワサキ aprカローラ | 嵯峨 宏紀/岩崎 祐貴 | 50 | 1Lap | 19 | 16 |
14 | 74 | COROLLA Axio apr GT | 新田 守男/国本 雄資 | 50 | 1Lap | 22 | 66 |
※WH:ウェイトハンデ(kg) |
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