2012年6月11日(月)配信

灼熱のセパンでLEXUS SC430が2-3-4位フィニッシュ
立川/平手組2位、伊藤/大嶋組は最後尾スタートから3位表彰台獲得!

ZENT CERUMO SC430 38号車の立川祐路/平手晃平が2位(左)、ENEOS SUSTINA SC430 6号車の伊藤大輔/大嶋和也が3位(右)で表彰台に上った  SUPER GT第3戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」が6月9日(土)、10日(日)の両日、マレーシアのセパン・サーキットで開催された。
 SUPER GT唯一の海外遠征戦として、公式戦開催は今年10回目となるセパンラウンド。南国マレーシアの厳しい暑さの下で文字通りの熱戦が繰り広げられた。
 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のトヨタ プリウスが出場した。

予選
 9日(土)午後3時半から、スーパーラップ方式で行われる予選のQ1がGT300、GT500各クラス15分ずつでスタート。GT500クラスは、午前中の公式練習でトップタイムをマークするなど好調だったENEOS SUSTINA SC430 6号車がアタック中にエンジンブローに見舞われてしまい、痛恨の最後尾スタートとなってしまった。
 一方でZENT CERUMO SC430 38号車を駆る平手晃平がトップタイムをマーク。6号車以外の5台のLEXUS SC430は全車がトップ6に入る速さを見せ、Q1の上位10台によって争われるスーパーラップに進出を決めた。
 続いて午後4時半から1台ずつのアタックとしてトップ10台によって争われたスーパーラップでは、38号車は惜しくもポールポジション獲得を逃したが最前列2番手。PETRONAS TOM'S SC430 36号車が5番手、8番手以降にKeePer Kraft SC430 35号車、WedsSport ADVAN SC430 19号車、DENSO KOBELCO SC430 39号車と続くグリッドとなった。
 GT300クラスではapr HASEPRO PRIUS GT 31号車がスーパーラップ進出を果たし、8番手から決勝に臨むこととなった。

決勝
 10日(日)、4万8千人もの観客が集まったセパン・サーキットは強い日差しで気温も上がり、気温33度、路面温度52度という暑さの中で、午後4時に決勝レースのスタートが切られた。
 2番手グリッドの38号車は、前半スティント担当の平手が好スタートで2位をキープ。首位を追い、上位2台が後続を引き離して行く展開となった。
 一方、最後尾スタートの6号車も、序盤から素晴らしい追い上げで次々に前走車をパスし、20周目には5位までポジションアップ。
 レースがほぼ折り返しとなる27周目、2位を走行し、首位との差を詰めていた38号車がピットインし、立川へとドライバー交代。翌周に、首位のウイダー HSV-010 18号車がピットインすると、コースに復帰した18号車に38号車が猛烈な追い上げで迫り、テール・トゥ・ノーズとなったが、逆転までには至らず。
 28周目までピットインを引っ張った6号車は、ピットアウト後に36号車もパスし、4位へ。その後方には、10番手スタートから追い上げ、石浦宏明から脇阪寿一へと交代した39号車も順位を上げてきた。
 4位浮上後、更に前を行くカルソニックIMPUL GT-R 12号車を追っていた6号車の大嶋和也は、43周目の1コーナー進入で12号車のインへ。2台は並びかけたが12号車も譲らず、サイド・バイ・サイドのままコーナーをクリアしていき、4コーナー付近までギリギリのバトルを展開。このバトルを制した6号車が3位に浮上した。
 44周目、6位走行中の36号車が、タイヤバーストに見舞われた後続車のスピンに巻き込まれ、接触。ここでレースを終えることとなってしまった(44周完走扱い)。
 終盤、5位を走行していた脇阪の駆る39号車は、残りが5周となった48周目に、果敢な攻めで前を行く12号車をパスし、4位浮上。
 2位での走行を続けた立川の38号車は、最後まで首位を追ったが、惜しくも届かず、2位でフィニッシュ。続く3位には、最後尾スタートから追い上げた6号車が入り、嬉しい今季初表彰台獲得となった。10番手スタートの39号車も4位で続き、LEXUS SC430は2-3-4フィニッシュ。開幕戦の勝利に続き、今季2度目の表彰台となった38号車はランキングで首位に浮上した。
 19号車が9位、35号車が10位に入り、共に今季初のポイント獲得を果たした。

 GT300クラスでは、31号車がトップ10圏内でのバトルを繰り広げていたが、33周目に無念のミッショントラブルに見舞われ、リタイアに終わった。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
セパンのレースは、ウェイトハンデが響いて、正直厳しく辛い戦いになると思っていた。しかし、昨日のフリー走行の段階から、いつも通りクルマの状態が良く、ウェイトを積んでも思ったより戦えると感じた。決勝では優勝まで一歩届かず、予選も含めて、自分としては悔しい思いもあるが、LEXUS SC430が苦手とするコースで結果を出せたことは、とても嬉しい。昨年からクルマのポテンシャルが非常に進化しており、開発に関わっている人間やチームにとても感謝している。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
昨日からクルマのパフォーマンスには、まずまずの手応えを感じていて、予選も良い位置で終わることができた。決勝はどうかなという想いで臨んだが、思いのほか18号車に離されることもなく、かと言って優勝を狙うのは難しい状況で、最後までウェイトハンデに苦しむ結果となった。しかし、このセパンで2位に入れたことは、チャンピオンシップを戦っていく上で、とても大きく、良いレースとなったと思う。次戦の菅生では、ポイントリーダーで臨むことができるのでまた頑張っていきたい。

ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 伊藤大輔:
昨日エンジンブローしてしまった為、遅くまでスタッフもエンジンの載せ替えに頑張ってくれて、またエンジンに関わる人間も自分たち以上に悔しい思いをしているだろうと思い、今日はなんとしても良い結果を出したかった。自分が頑張って、大嶋につなぎ、そのあと大嶋も守りに入らずにオーバーテイクをした事で、きっちりレースをしたという満足感がある。去年のオートポリスくらいから、ここまでチームが抱えてきたさまざまな不運を、いつかどうにか断ち切りたい思いがあった。それだけに今回は、3位表彰台という結果よりも、チームがミスをせずしっかり無事にレースを終えられたということが一番大事だと思っている。

ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 大嶋和也:
クルマのパフォーマンスが良いことに加え、ウェイトハンデも軽いので、ポール・トゥ・ウィンも狙えると思って臨んだマレーシアだったが、昨日エンジンブローに見舞われてしまった。しかし、気持ちを切り替えて臨んだ決勝では、積み替えたエンジンもよく走ってくれて、かつタイヤの選択もベストだった。また、決勝前半のパートで(伊藤)大輔選手がたくさん抜いて来てくれて、自分は楽をさせてもらった。次はチームにとっても自分にとっても得意な菅生であり、ウェイトハンデもライバルに比べれば軽いので、これまでの悪い流れを断ち切るように、更なる上位を狙いたい。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
118ウイダー HSV-010小暮 卓史/カルロ・ヴァン・ダム531:47'52.531112
238ZENT CERUMO SC430立川 祐路/平手 晃平533.016246
36ENEOS SUSTINA SC430伊藤 大輔/大嶋 和也539.642152
439DENSO KOBELCO SC430脇阪 寿一/石浦 宏明5320.571044
512カルソニックIMPUL GT-R松田 次生/J.P・デ・オリベイラ5337.488414
6100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也/山本 尚貴5345.998760
717KEIHIN HSV-010金石 年弘/塚越 広大5346.8861232
823MOTUL AUTECH GT-R本山 哲/ミハエル・クルム531'05.203338
919WedsSport ADVAN SC430荒  聖治/アンドレ・クート531'17.0569
1035KeePer Kraft SC430国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ5356.903+308
1336PETRONAS TOM'S SC430中嶋 一貴/ロイック・デュバル449Laps528
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
133HANKOOK PORSCHE影山 正美/藤井 誠暢491:47'57.011112
2911ENDLESS TAISAN 911峰尾 恭輔/横溝 直輝4924.267336
366triple a vantage GT3吉本 大樹/星野 一樹4926.5431422
43S Road NDDP GT-R関口 雄飛/千代 勝正4926.9166
52EVANGELION RT TEST-01 PETRONAS Shiden高橋 一穂/加藤 寛規4946.0241038
652GREEN TEC & LEON SLS竹内 浩典/黒澤 治樹4955.16352
711GAINER DIXCEL R8 LMS田中 哲也/平中 克幸4959.1691552
861SUBARU BRZ R&D SPORT山野 哲也/佐々木 孝太4901:07.20124
943ARTA Garaiya高木 真一/松浦 孝亮4901:37.101126
104GSR ProjectMirai BMW番場 琢/佐々木 雅弘4901:41.209
31apr HASEPRO PRIUS GT新田 守男/嵯峨 宏紀3316Laps810
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
138立川 祐路/平手 晃平38
2100伊沢 拓也/山本 尚貴35
339脇阪 寿一/石浦 宏明30
736中嶋 一貴14
96伊藤 大輔/大嶋 和也12
1036リチャード・ライアン8
1236ロイック・デュバル6
1419荒  聖治/アンドレ・クート2
1535国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ1
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
138LEXUS TEAM ZENT CERUMO46
2100TEAM KUNIMITSU44
339LEXUS TEAM SARD39
836LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S21
96LEXUS TEAM LeMans ENEOS18
1219LEXUS TEAM WedsSport BANDOH8
1335LEXUS TEAM KeePer Kraft5