2012年7月30日(月)配信

伊藤大輔/大嶋和也組LEXUS SC430が悲願の初勝利!
中嶋一貴/ロイック・デュバル組が2位に入りSC430は1-2フィニッシュ


ENEOS SUSTINA SC430 6号車が伊藤/大嶋コンビでの初勝利。PETRONAS TOM'S SC430 36号車が2位で続きSC430は1-2フィニッシュを果たした
 SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」が7月28日(土)、29日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
 年間全8戦で行われるSUPER GTの前半戦を終える第4戦は、宮城県の山間部に位置するSUGOで開催。アップダウンの激しいテクニカルコースは1周3.704kmと短く、特に出走台数の多いSUPER GTでは周回遅れの処理もレースを左右する重要な要素となる。
 今季、GT500クラスにはレクサスチームから6台のLEXUS SC430が出場。GT300クラスには、今季開幕戦から参戦しているトヨタ プリウスに加え、今大会よりLEXUS IS350が1台参戦することとなった。

予選
 28日(土)スーパーラップ方式での予選が行われた。スーパーラップへの進出をかけた予選1回目は、気温35度、路面温度56度と、セパンをも凌ぐと思われる酷暑の中で午後12時40分より行われ、LEXUS SC430は5台がスーパーラップへと進出。WedsSport ADVAN SC430 19号車は14番手でグリッドが確定した。
 コース路面の一部損傷により予定よりも遅れて行われたスーパーラップでは、公式練習と予選1回目共にトップタイムをマークし、絶好調のENEOS SUSTINA SC430 6号車が伊藤大輔のドライブで唯一1分14秒台に入れる快走を見せ、チームにとって8年ぶりのポールポジションを獲得。
 ルーキーのアンドレア・カルダレッリがドライブするKeePer Kraft SC430 35号車が好タイムをマークし2列目4番手。中嶋一貴がアタックしたPETRONAS TOM'S SC430 36号車が5番手。ランキング首位につけるZENT CERUMO SC430 38号車は、76kgという重いウェイトハンデながら立川祐路のアタックで7番手。DENSO KOBELCO SC430 39号車は石浦宏明が9番手のグリッドを確保した。
 GT300クラスでは、apr HASEPRO PRIUS GT 31号車が見事な走りでスーパーラップ進出を決め、3番手グリッド。昨年のSUGO大会を制しているTeam SGC IS350 14号車は今季初出走で18番手グリッドとなった。

決勝
 29日(日)予選日に比べれば若干暑さは和らいだものの、気温32度、路面温度42度と夏の暑さの中で午後2時3分、決勝レース(81周)のスタートが切られた。
 ポールポジションの6号車が若干スタートで出遅れ、2番手、3番手のGT-R勢が前に出かかったが、1コーナーでGT-Rは2台揃ってコースアウト。伊藤の6号車は軽く接触を喫したがダメージは軽微で首位をキープ。これにカルダレッリの35号車、ロイック・デュバルの36号車が続き、LEXUS SC430がトップ3を占めての序盤戦となった。
 36号車と35号車は周回遅れに詰まった隙を突かれ、22周目にライバルの先行を許すも、38周目に36号車が再逆転。39周目にピットインした36号車は、中嶋一貴へドライバーを交代。先にピットインを終えていた6号車の直前でコースに復帰したが、タイヤの暖まっていた6号車が前に出ると、再び6号車、36号車の1-2体制となった。
 その後、大嶋和也がドライブする6号車は首位を快走。一時は2位の36号車に10秒近い差をつけていたが、周回遅れをかわしながらの終盤戦、36号車の中嶋一貴が徐々にその差を詰め、ファイナルラップではほぼテール・トゥ・ノーズに。
 追う中嶋一貴と逃げる大嶋の、息詰まるような接近戦は最後まで続いたが、6号車の大嶋が逃げ切り、トップでチェッカー。LEXUS TEAM LeMans ENEOSにとっては2003年以来9年ぶりとなる嬉しい勝利をポール・トゥ・ウィンで飾った。
 2位には36号車が入り、LEXUS SC430は1-2フィニッシュ。SUPER GT2年目の中嶋一貴にとって初、チームメイトのデュバルにとってもレクサスチームに移籍して初の表彰台獲得となった。
 9番手スタートから見事な追い上げを見せた39号車が4位。38号車が5位に入り、ランキング首位の座を維持した。ルーキーコンビの35号車も健闘し6位。LEXUS SC430は5台がトップ6フィニッシュを果たした。

 GT300クラスでは、31号車が上位争いを繰り広げたが終盤タイヤの摩耗でポジションを落とし8位。今季初レースの14号車は13位でチェッカーを受けた。

ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 伊藤大輔:
チームルマンの故花輪知夫会長が生きているうちに、この優勝をささげたかったが、自分がレクサスチームに移籍して初優勝できたことはとても嬉しい。スタートで失敗してしまい、他車との接触もあったがクルマへのダメージがなく、そのまま走行できて良かった。レース終盤ははらはらさせられたが、大嶋選手を信じていた。自分の移籍時からチームをスポンサーしてくれているENEOSに優勝をプレゼントすることができて本当に良かった。次のレースでも好結果を残し、タイトル争いに絡みたい。

ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 大嶋和也:
今まで自分の失敗から優勝を逃したレースもあり、申し訳なく思う気持ちで辛いこともあったが、今日は優勝できて嬉しく思っている。レース中は、タイヤが持たないことを想定し、セーブして走行したが、それでも一時は後続に10秒近いギャップを築くことができ、順調だった。残り3,4周でかなりキツイ状況となり、ミラーに写る中嶋選手のクルマがどんどん大きくなってきた時にはヒヤリとさせられたが、逃げ切ることができた。次のレースも表彰台を目指す。

PETRONAS TOM'S SC430 36号車 ドライバー 中嶋一貴:
僕にとってこれまでのSUPER GTで一番良いレースだったと思う。終盤、目の前の大嶋選手を抜けなかったのは正直とても悔しいが、今までずっと思うようなレースができなかったので、今日の結果には満足している。今回は2位だったが、ステップバイステップで、次戦こそ表彰台の中央に立てるよう、頑張りたい。

PETRONAS TOM'S SC430 36号車 ドライバー ロイック・デュバル:
今回のレースは勝つつもりで菅生に入った。予選も順調に行き、良いポジションにつけられたが、決勝レースのタイヤ選択が難しかった。自分のスティントでは、終始トラフィックで苦しむこととなったが、結果的にトップで一貴に受け継ぐことができたのは良かったと思う。レクサスチームに移籍し、初めての表彰台を獲得できたことはとても嬉しい。次の鈴鹿は勝つつもりで臨む。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
16ENEOS SUSTINA SC430伊藤 大輔/大嶋 和也811:48'37.179124
236PETRONAS TOM'S SC430中嶋 一貴/ロイック・デュバル810.626528
31S Road REITO MOLA GT-R柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ8113.051614
439DENSO KOBELCO SC430脇阪 寿一/石浦 宏明8121.059960
538ZENT CERUMO SC430立川 祐路/平手 晃平8123.456776
635KeePer Kraft SC430国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ8154.68242
718ウイダー HSV-010小暮 卓史/カルロ・ヴァン・ダム8155.621152
8100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也/山本 尚貴811'00.0531070
917KEIHIN HSV-010金石 年弘/塚越 広大811'06.380840
1024D'station ADVAN GT-R安田 裕信/ビヨン・ビルドハイム801Lap13
1219WedsSport ADVAN SC430荒  聖治/アンドレ・クート756Laps144
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
13S Road NDDP GT-R関口 雄飛/千代 勝正751:49'04.082616
252GREEN TEC & LEON SLS竹内 浩典/黒澤 治樹7531.087512
388マネパ ランボルギーニ GT3織戸 学/青木 孝行7538.9622
433HANKOOK PORSCHE影山 正美/藤井 誠暢7539.788152
5911ENDLESS TAISAN 911峰尾 恭輔/横溝 直輝7550.966466
611GAINER DIXCEL R8 LMS田中 哲也/平中 克幸7557.9981460
70GSR 初音ミク BMW谷口 信輝/片岡 龍也7558.3461562
831apr HASEPRO PRIUS GT新田 守男/嵯峨 宏紀741Lap310
943ARTA Garaiya高木 真一/松浦 孝亮741Lap1130
1061SUBARU BRZ R&D SPORT山野 哲也/佐々木 孝太741Lap1710
1314Team SGC IS350折目 遼/A.インペラトーリ732Laps18
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
138立川 祐路/平手 晃平44
239脇阪 寿一/石浦 宏明38
3100伊沢 拓也/山本 尚貴38
46伊藤 大輔/大嶋 和也32
636中嶋 一貴29
936ロイック・デュバル21
1335国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ6
1519荒 聖治/アンドレ・クート2
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
138LEXUS TEAM ZENT CERUMO55
239LEXUS TEAM SARD50
3100TEAM KUNIMITSU50
46LEXUS TEAM LeMans ENEOS41
636LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S39
1135LEXUS TEAM KeePer Kraft13
1319LEXUS TEAM WedsSport BANDOH9