2012年10月29日(月)配信

立川祐路/平手晃平組LEXUS SC430がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目


シーズン最終戦をポール・トゥ・ウィンで飾り
今季2勝目を挙げた平手晃平(左)と立川祐路(右)
 2012シーズンのSUPER GT最終戦となる第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」が10月27日(土)、28日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。
 全8戦で戦われるSUPER GTの2012シーズンもいよいよ最終戦を迎えた。シリーズチャンピオンは前戦確定し、惜しくもLEXUS勢のタイトル奪還はならなかったが、最終戦はほとんどの車両がウェイトハンデゼロとなるため、ノーハンデで最速を競う最終戦での勝利を目指し、各チームが臨んだ。
 今大会は通常のレースよりも若干短い250kmで争われた。
 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と1台のトヨタ プリウスが出場した。

予選
 27日(土)は好天に恵まれ、気温は20度、路面温度も30度に達する好コンディションの下、午後2時からノックアウト方式で予選が行われた。
 Q1は、まずKeePer Kraft SC430 35号車がコースレコードを更新する1分42秒台に入れてみせたが、その後、ライバル勢も次々のこのタイムを更新。35号車は惜しくも12番手でQ1脱落。他のLEXUS SC430勢は、トップ3を占める速さを見せ、5台がQ2へと進出した。
 上位7台が最終Q3へと進出するQ2では、終盤激しいアタック合戦でタイムが削られていく中で、Q1で3番手につけていたDENSO KOBELCO SC430 39号車が無念の9番手敗退。シーズン中にドライバーの交代があったために、GT500クラスでは唯一ウェイトハンデを積むことになったPETRONAS TOM'S SC430 36号車は11番手でグリッドが確定した。
 Q3では、Q1、Q2共にトップを争ったZENT CERUMO SC430 38号車とENEOS SUSTINA SC430 6号車による争いとなった。伊藤大輔が駆る6号車が3番手以降を大きく引き離す好タイムをマークし、ポールポジション獲得かと思われたが、最後に、38号車の立川祐路が意地を見せこのタイムを逆転。開幕戦以来今季2度目、自身の持つGTでの最多記録を更新する17回目のポールポジションを獲得した。6号車が2番手でLEXUS SC430が最前列グリッドを独占。前戦まで2戦連続の3位表彰台と好調なWedsSport ADVAN SC430 19号車は6番手につけた。
 GT300クラスでは、Team SGC IS350 14号車が電気系トラブルのために予選に出走できず、最後尾スタート。apr HASEPRO PRIUS GT 31号車はQ3進出を果たし、8番手グリッドとなった。

決勝

今季2勝目を挙げたZENT CERUMO SC430 38号車
 28日(日)は午前中のフリー走行直後に雨が降り始め、ウェットコンディションでの決勝レースとなった。午後2時、セーフティカーの先導でレースがスタート。2周のセーフティカーランを経て、3周目から本格戦が開始された。
 水煙を上げてスタートを切った各車だったが、2位につけていた6号車が難コンディションの中痛恨のスピン。大きく順位を落としてしまった。
 平手晃平がスタートを担当し、首位を逃げる38号車は、他車の水煙に妨げられることもなく、ハイペースで後続との差を広げていった。後方では、11番手スタートの36号車が8位へ浮上。19号車、39号車、35号車がこれに続く序盤戦となった。
 この日午前中のフリー走行でトップタイムをマークするなどと波に乗る19号車は決勝でも好走を見せ、前走車を次々にパス。10周目に3位に浮上し、更に前を追った。
 20周目、再スタート直後のスピンで13位まで後退しながらも追い上げを見せていた6号車が、8位争いの中で前走車に接触。この接触で6号車はドライブスルーペナルティを科され、再び後退。
 中盤に入ると、各車ドライバー交代と給油、タイヤ交換のためのピット作業が始まったが、首位を逃げる38号車は平手が安定したペースで周回を続け、最後となる34周目にピットイン。タイヤ無交換作戦を採って、首位をキープしたまま立川へとステアリングを託した。
 全車ピット作業終了後、首位を逃げる立川の38号車に、S Road REITO MOLA GT-R 1号車が猛追。
 10周以上に渡って、1秒を切る僅差での首位争いが展開されたが、ベテラン立川が見事に逃げ切り、トップでチェッカー。開幕戦に続き、今季2勝目でシーズンを締めくくった。立川はGTで通算14勝目。今大会の結果、ドライバーズランキングでは、立川祐路/平手晃平が2位。今大会4位でフィニッシュした脇阪寿一/石浦宏明がランキング3位となった。
 GT300クラスでは、14号車、31号車共に無念のリタイアに終わった。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
平手(晃平)のスティントを引っ張り、ライバルの状況などの情報を収集しているうちに、タイヤを4本交換すると勝てない状況になってしまったため、最終的に無交換を選択した。このタイヤ無交換作戦がはたして正解なのか、まったくデータがなく心配だったが、最後まで持ってくれてよかった。前戦オートポリスで、ウェットタイヤで1号車(S Road REITO MOLA GT-R)に負け、チャンピオンを逃しているので、今回ブリヂストンが用意してくれた新しいウェットタイヤで勝つことができてとても嬉しい。開幕からシリーズ中盤までポイントリーダーにいたが、その後はウェイトハンデもあり、厳しいレースが続いた。最後にウェイト無しのガチンコ勝負で、クルマのポテンシャルも証明できたし、ポール・トゥ・ウィンで気持ちよく終わることができて良かった。来年こそチャンピオンを目指す。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
ブリヂストン(BS)が用意してくれた新しいウェットタイヤのデータがなく、ウォームアップ走行だけでは確認が満足にできなかった。実績がなく未知なタイヤで戦うことに不安はあったが、同じBS勢が後ろにつけていたので、とにかくタイヤマネージメントに注力した。ドライバー交代の前にタイヤの状況を聞かれたので、無交換でも余力はあると判断し、立川選手に託した。このチームで2年目、開幕からコツコツポイントを積み重ねながらの、苦しい戦いをして来た。そんな中、クルマもアップデートしたが、自分的にも立川(祐路)さんのサポートをだいぶできるようになって来たと思っている。来年こそはチャンピオンを獲得できるよう、シーズンオフもトレーニングなどを頑張りたい。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
138ZENT CERUMO SC430立川 祐路/平手 晃平531:44'17.5031
21S Road REITO MOLA GT-R柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ530.1387
332EPSON HSV-010道上 龍/中山 友貴5310.4514
439DENSO KOBELCO SC430脇阪 寿一/石浦 宏明5324.6829
519WedsSport ADVAN SC430荒  聖治/アンドレ・クート5329.576
623MOTUL AUTECH GT-R本山 哲/ミハエル・クルム531'02.6003
718ウイダー HSV-010小暮 卓史/カルロ・ヴァン・ダム531'03.5475
836PETRONAS TOM'S SC430中嶋 一貴/ロイック・デュバル531'10.9121137
9100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也/山本 尚貴531'13.0254
1012カルソニックIMPUL GT-R松田 次生/J.P・デ・オリベイラ531'20.2108
126ENEOS SUSTINA SC430伊藤 大輔/大嶋 和也531'33.3202
35KeePer Kraft SC430国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ2528Laps12
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
1911ENDLESS TAISAN 911峰尾 恭輔/横溝 直輝511:45'11.5632
287JLOC ランボルギーニ GT3山西 康司/山内 英輝510.7353
388マネパ ランボルギーニ GT3織戸 学/青木 孝行5118.5494
40GSR 初音ミク BMW谷口 信輝/片岡 龍也5121.8587
566triple a vantage GT3吉本 大樹/星野 一樹5150.32322
63S Road NDDP GT-R関口 雄飛/千代 勝正5155.643648
733HANKOOK PORSCHE影山 正美/藤井 誠暢501Lap1
852GREEN TEC & LEON SLS竹内 浩典/黒澤 治樹501Lap17
921ZENT Audi R8 LMS都筑 晶裕/リチャード・ライアン501Lap1214
1030IWASAKI MODAクロコ apr R8岩崎 祐貴/坂本 雄也501Lap11
14Team SGC IS350折目 遼/山野 直也1734Laps23
31apr HASEPRO PRIUS GT新田 守男/嵯峨 宏紀843Laps8
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
11柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ93
238立川 祐路/平手 晃平74
339脇阪 寿一/石浦 宏明57
736中嶋 一貴40
919荒  聖治/アンドレ・クート36
106伊藤 大輔/大嶋 和也33
1136ロイック・デュバル32
1335国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ28
1736リチャード・ライアン8
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
11MOLA115
238LEXUS TEAM ZENT CERUMO95
339LEXUS TEAM SARD78
836LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S57
919LEXUS TEAM WedsSport BANDOH55
106LEXUS TEAM LeMans ENEOS50
1235LEXUS TEAM KeePer Kraft43