2013年6月16日(日)配信

脇阪寿一/石浦宏明組LEXUS SC430が熱戦を走り抜き2位表彰台

猛暑のレースで見事2位表彰台を獲得した
石浦宏明(左)と脇阪寿一(右)
 SUPER GT第3戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」が6月15日(土)、16日(日)の両日、マレーシアのクアラルンプール近郊に位置するセパン・インターナショナル・サーキットで開催された。
 SUPER GTのシリーズ戦では唯一の海外遠征戦となるセパンラウンドは、2000年にオールスター戦として初開催、2002年よりシリーズ戦に組み込まれており、10年以上の歴史を持つ。現地のモータースポーツファンにとってもお馴染みのレースだ。
 赤道に近い熱帯マレーシアでのレースだけに、高い気温や湿度がドライバーを苦しめ、車両やタイヤへの負担も大きい。
 セパンでのGT戦は、JGTC時代から数えて10回以上開催されているが、トヨタ/LEXUS勢での勝利は2004年にトヨタ スープラが1ー2フィニッシュを果たしたのみとなっており、LEXUS SC430は未だ勝利を挙げていない。しかし、昨年の大会では惜しくも優勝こそ逃したものの、SC430は2−3−4位を獲得。今年は念願の初優勝を目指しての参戦となった。
 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430、GT300クラスに1台のトヨタ プリウスが出場した。

予選
 15日(土)ノックアウト方式で予選が行われた。猛暑を避けるべく、通常のスケジュールよりもやや遅い午後4時半からセッション開始。空には雲がかかり、路面温度は40度ほどとやや低めだったが、気温は33度で南国特有の蒸し暑さの下、決勝のスターティンググリッドを決定する熱いアタックが展開された。
 GT500クラスはQ1セッションの上位8台がQ2へと進出。LEXUS SC430勢では最も重い46kgのウェイトハンデを積みながらも、前戦2位と好調なZENT CERUMO SC430 38号車の平手晃平が3番手と好タイムをマーク。DENSO KOBELCO SC430 39号車の脇阪寿一も6番手につけた。KeePer TOM'S SC430 37号車のアンドレア・カルダレッリが8番手に入り、38号車、39号車と共にQ2進出を果たした。
 このQ1セッションは全15台中上位13台が1秒以内に入るという僅差の争いとなり、前戦初優勝を飾ったものの、40kgのウェイトハンデを積み、初めてのセパンとなったPETRONAS TOM'S SC430 36号車のジェームス・ロシターはコースイン直後にスピンを喫するなど苦戦。前戦3位で30kgのウェイトハンデを積むENEOS SUSTINA SC430 6号車の国本雄資も僅かに届かず、それぞれ11番手、12番手タイム。15番手のWedsSport ADVAN SC430 19号車と共に、3台のSC430がQ1敗退となってしまった。

 午後5時半からのQ2セッションでは、開始から4分程はどの車両もピットで待機し、残りが8分を切ったところで各車コースイン。十分にタイヤを暖め、セッション終了直前の2周でアタックを開始した。
 37号車の伊藤大輔、39号車の石浦宏明が好走を見せ、ポジションを上げていくと、38号車の立川祐路がこれを上回って2位に浮上。しかし、惜しくもトップタイムには届かず、38号車が最前列2番手。37号車3番手、39号車4番手と2列目に並ぶことに。LEXUS SC430勢は上位の2−3−4番手グリッドを確保し、明日の決勝レースに臨むこととなった。

 GT300クラスでは、上位13台が生き残るQ1セッションで、前戦富士で念願の初優勝を飾ったPanasonic apr PRIUS GT 31号車が健闘を見せたが、惜しくも14番手でQ2進出ならず。決勝レースでの巻き返しにかけることとなった。

決勝
 16日(日)は若干暑さが和らいだ午後4時4分、気温33度/路面温度42度というコンディションの下、午後4時4分に54周で競われる決勝レースがスタート。2番手、3番手の38号車と37号車はポジションをキープ。39号車は一つ順位を落として5番手で序盤戦を開始した。
 平手晃平が駆る2番手の38号車は、首位を追走。時に並びかける首位争いを展開したが、6周目に追い上げてきたライバル車両と接触。右リアタイヤを破損し、緊急ピットインを強いられた。ダメージはボディにも及んでおり、修復も行った38号車は、最後尾へと後退。その後は37号車と39号車が3位、4位につけ上位浮上のチャンスを伺う展開となった。
 20周を少し過ぎたあたりから中盤のピット作業が始まり、25周目に37号車がピットイン。好走を見せたアンドレア・カルダレッリから伊藤大輔へとドライバーチェンジ。翌周には39号車がピットへ向かい、石浦から脇阪寿一へと交代すると、37号車の前でコースに復帰。全車がピット作業を終えた時点で39号車は2位に浮上した。
 37号車の伊藤は、ピット作業で先行を許したライバルとサイド・バイ・サイドでの息をのむような3位争いを展開。時に軽く接触するほどのバトルを繰り広げ、観客を沸かせたが、惜しくも逆転には至らず。
 その後、4位を走行する37号車は終盤にかけ、ライバルの激しい追撃を受けることとなったが、絶妙なドライビングでこれを抑え続けポジションをキープ。しかし、最終ラップにGT300クラスの車両と接触し、大きく順位を落とすこととなってしまった。
 最後まで脇阪が首位を追った39号車だったが惜しくも届かず、2位でフィニッシュ。12番手スタートから追い上げた6号車が7位。レースを通して好走を見せた37号車は最後の接触で無念の10位に終わった。

 GT300クラスでは14番手スタートの31号車が順当なスタートを切ったが、8周目にスロットル系のトラブルに見舞われ、コース脇にストップ。そのままレースを終えることとなった。

リザルト

GT500
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
112カルソニックIMPUL GT-R松田 次生/J.P・デ・オリベイラ541:50'11.232122
239DENSO KOBELCO SC430脇阪 寿一/石浦 宏明544.09422
3100RAYBRIG HSV-010伊沢 拓也/小暮 卓史548.631548
418ウイダー モデューロ HSV-010山本 尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ5415.657814
517KEIHIN HSV-010塚越 広大/金石 年弘5415.8031030
61REITO MOLA GT-R本山 哲/関口 雄飛5423.89766
76ENEOS SUSTINA SC430大嶋 和也/国本 雄資5428.9711230
88ARTA HSV-010ラルフ・ファーマン/松浦 孝亮5440.926710
923MOTUL AUTECH GT-R柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ5441.487922
1037KeePer TOM'S SC430伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ5456.415310
1136PETRONAS TOM'S SC430中嶋 一貴/ジェームス・ロシター541'11.6961140
1438ZENT CERUMO SC430立川 祐路/平手 晃平541'59.409246
1519WedsSport ADVAN SC430荒 聖治/アンドレ・クート542'00.79315
GT300
順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差予選WH
155ARTA CR-Z GT高木 真一/小林 崇志511:51'08.1041
216MUGEN CR-Z GT武藤 英紀/中山 友貴512.089238
311GAINER DIXCEL SLS平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム5121.509750
461SUBARU BRZ R&D SPORT山野 哲也/佐々木 孝太5130.643312
588マネパ ランボルギーニ GT3織戸 学/青木 孝行5139.2685
64GSR 初音ミク BMW谷口 信輝/片岡 龍也5151.6071634
710GAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLS田中 哲也/植田 正幸5158.6102
862LEON SLS黒澤 治樹/黒澤 翼5159.7471516
986クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3山西 康司/細川 慎弥511'13.270922
103S Road NDDP GT-R星野 一樹/佐々木 大樹501Lap17
31Panasonic apr PRIUS GT新田 守男/嵯峨 宏紀744Laps1440
※WH:ウェイトハンデ(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位No.ドライバー名ポイント
1100伊沢 拓也/小暮 卓史35
212松田 次生/J.P.デ・オリベイラ31
339脇阪 寿一/石浦 宏明26
438立川 祐路/平手 晃平23
636中嶋 一貴/ジェームス・ロシター20
76大嶋 和也/国本 雄資19
1237伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ6
チームポイント(GT500)
順位No.チーム名ポイント
1100TEAM KUNIMITSU44
212TEAM IMPUL40
339LEXUS TEAM SARD35
438LEXUS TEAM ZENT CERUMO32
56LEXUS TEAM LeMans ENEOS28
636LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S28
1237LEXUS TEAM KeePer TOM'S13
1419LEXUS TEAM WedsSport BANDOH7