中嶋一貴/ジェームス・ロシター組SC430が今季2勝目!
立川祐路/平手晃平組SC430が2位で続きLEXUS 1-2フィニッシュ
LEXUS SC430が年間ランキング1-2で最終戦へ
今季2勝目を挙げた中嶋一貴(中右)とジェームス・ロシター(右)。
平手晃平(左)と立川祐路(中左)が2位に入り、
LEXUS SC430が1-2フィニッシュを果たした
SUPER GT第7戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」が10月5日(土)、6日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催された。
全7戦で争われるSUPER GTも残り2戦。タイトル争いはますます混沌の度合いを増している。
LEXUS SC430勢は前戦富士でようやく今季初勝利を挙げた立川祐路/平手晃平組のZENT CERUMO SC430 38号車が首位と3ポイント差の4位。今季未勝利ながら着実にポイントを重ねている伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組のKeePer TOM'S SC430 37号車が6ポイント差の6位。脇阪寿一/石浦宏明組のDENSO KOBELCO SC430 39号車が9ポイント差の8位、中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のPETRONAS TOM'S SC430 36号車が12ポイント差の9位と、まだまだ逆転可能な位置に着けている。
1レースで20点獲得可能なSUPER GTでまだ2戦残っていることを考えれば、どのチームにもまだ逆転タイトルの可能性が残っていると言える。とはいえ、ここでポイントを逃せばタイトル争いから脱落することにもなりかねない、非常に重要な一戦となる。
前大会までは獲得ポイント×2kgのウェイトハンデが課されていたが、今大会はポイント×1kgへと半減されての戦いとなる。
予選
5日(土)、台風の接近もあり、九州地方は荒天に見舞われた。オートポリスも朝から雨となり、午前9時からのフリー走行は実施されたものの、開始から48分で強雨と濃霧による視界不良によりセッションは中断。その後も状況は改善せず、フリー走行はそのまま終了となった。
午後2時から予定されていた予選開始の時間になっても、天候は回復せず、この日の予選はキャンセル。翌6日(日)の決勝レース前に順延されることとなった。
6日(日)は曇天。時折霧雨が舞い、前日までの雨で所々若干濡れた箇所が残るものの、スリックタイヤでアタックできるコンディションとなり、午前9時からGT300クラス、GT500クラスそれぞれ25分ずつの予選セッションが開始された。
前日からの走行機会が少なかったこともあり、全車セッション開始と共にコースインしアタック。中盤ピットインし、2セット目のタイヤでのアタックが始まると、セッション終了目前にめまぐるしくタイムが書き換えられていった。
序盤、低位に留まっていたLEXUS SC430勢だったが、2セット目のタイヤで、38号車の立川が素晴らしいアタックを見せ、トップタイムをマーク。36号車の中嶋一貴もセクター2まで最速のペースでタイムを刻んだが、最終セクターで前走車に阻まれタイムを伸ばせず。
38号車が2戦連続のポールポジションを獲得。立川は自身の持つシリーズ最多ポールポジション記録を19へと伸ばすこととなった。
37号車が7番手、36号車が10番手。急激なコンディション変化にセッティングを併せきれなかったENEOS SUSTINA SC430 6号車と39号車はそれぞれ12、13番手、WedsSport ADVAN SC430 19号車が14番手から決勝へと進むことになった。
GT300クラスでは、Panasonic apr PRIUS GT 31号車が21番手につけた。
決勝
天候は変わらず、曇天で時折軽い雨がぱらつく状況の中、午後2時に決勝レース(65周)のスタートが切られた。ポールポジションの38号車は、前半を担当する平手がスタートを決めると、周回毎に2位以下を引き離していった。
後方では、10番手スタートの36号車ロシターが好走を見せ、5周目に37号車をパスすると、更に前を行くライバルを追撃。29周目には4位までポジションを上げて見せた。
30周を過ぎると各車給油とタイヤ交換、ドライバー交代のためにピットイン。31周目には、首位の38号車を追う、2位以下が一斉にピットへ。このピット作業とアウトラップで2つ順位を落とすこととなった36号車だったが、交代した中嶋一貴は2位グループに食らいつき、激しいバトルが展開された。
一方、首位の38号車も33周目にピットへ向かい、危なげなく首位のまま立川へとドライバー交代。立川もバトルを繰り広げる2位グループとの差を広げて行き、その差は一時20秒以上と独走状態になった。
36号車の中嶋一貴は、44周目のヘアピン進入で3ワイドになるほどの激しいプッシュを見せ、48周目にはついに2位へと浮上した。
その時点で首位38号車と2位36号車との差は15秒ほどあったが、レースが終盤に入り、タイヤのパフォーマンス低下に苦しむ38号車のペースが落ちてくると、その差はみるみるうちに小さくなり、残り4周で完全にテール・トゥ・ノーズ状態に。
残り3周、目前でクラッシュした周回遅れ車両を間一髪避けた2台だったが、その直後のヘアピン進入で36号車が38号車をパス。10番手スタートからついに首位に立った36号車は、そのまま差を広げていきトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。
ペースの上がらない38号車は、後続からの猛追を受けたが、何とか凌ぎきり、2位でチェッカー。LEXUS SC430が1-2フィニッシュを果たした。
13番手スタートの39号車は、後半石浦宏明が追い上げ7位。37号車が9位でポイントを獲得。
この結果、38号車がランキング首位に浮上。36号車が4ポイント差の2位へとジャンプアップし、一気にタイトル争いの有力候補に加わった。37号車がトップから16ポイント差の7位、39号車も17ポイント差の8位につけており、この4台を含む上位8台がチャンピオン獲得の可能性を残して最終戦もてぎに臨むこととなった。
GT300クラスでは、31号車が苦しみながらも15位まで順位を上げてフィニッシュした。
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10番手スタートから今季2勝目を挙げた
PETRONAS TOM'S SC430 36号車 -
ポールポジションからレースの大半で首位を独走し、
2位でフィニッシュしたZENT CERUMO SC430 38号車
PETRONAS TOM'S SC430 36号車 ドライバー 中嶋一貴:
朝の予選で、クルマは速かったのに上手く行かず、フラストレーションがたまっていたが、決勝で晴らすことができて良かった。ピット作業で若干ロスがあったりと、2位になるまでとても苦労したが、じっくり時間をかけてポジションを上げられた。その後は、プッシュと言われていたので頑張ったが、前のクルマが厳しい状況だったのかも知れない。10番手スタートから優勝と、こんなにうまく行くこともあるんだなと思っている。もてぎには自信があるので、チャンピオンの権利を残して最終戦に臨みたいと思っていた。この勢いのまま勝ってタイトルを決めたい。
PETRONAS TOM'S SC430 36号車 ドライバー ジェームス・ロシター:
自分のスティントはペースも良かったとはいえ、10位から4位までポジションを上げることが出来たのには驚いている。大好きなSUPER GTで、楽しいレースを戦うことが出来、満足している。(中嶋)一貴が素晴らしい走りで優勝に導いてくれて嬉しい。最終戦のもてぎは、当然勝たなくてはならないと思っている。我々は、もてぎのテストでもトップタイムをマークするなど速かったので、是非タイトルを獲りたい。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
レース前からタイヤかすでタイヤのパフォーマンスが落ちることを危惧していた。レース前半で、平手(晃平)からタイヤのコンディションが思わしくないと聞いていたので、自分的には予想していた通りの展開になった。終盤は他車のスピンの影響でクルマにダメージを負い、まっすぐ走ることも厳しくなり、2位キープすら困難な状況ではあった。タイトルに関しては、いずれにせよ最終戦のもてぎで勝負することになると思っていたし、その方が観る人も楽しいのではないかと思う。あとはタイトル獲得へ向けて頑張るだけだ。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
自分のスティントでは、タイヤのパフォーマンスが落ちる前に、フルプッシュして出来る限り2位との差を広げようと考えていた。実際、最大13秒の差を築いて、最高の状態で立川(祐路)さんに渡すことが出来た。今日は本当に悔しいけれども、チャンピオンシップのことを考えれば、ランキング首位に立てたとも言える。もてぎのテストではロングランでも、立川さんの一発も、どちらも速かったので、最終戦での36号車との真剣勝負を楽しみにしている。
リザルト
GT500 | |||||||
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順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | 予選 | WH |
1 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター | 65 | 1:55'03.613 | 10 | 34 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/平手 晃平 | 65 | 2.622 | 1 | 43 |
3 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越 広大/金石 年弘 | 65 | 2.811 | 8 | 41 |
4 | 1 | REITO MOLA GT-R | 本山 哲/関口 雄飛 | 65 | 11.227 | 4 | 20 |
5 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴/F.マコヴィッキィ | 65 | 11.841 | 3 | 46 |
6 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信/ミハエル・クルム | 65 | 12.326 | 11 | 7 |
7 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一/石浦 宏明 | 65 | 12.735 | 13 | 37 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ | 65 | 24.134 | 2 | 44 |
9 | 37 | KeePer TOM'S SC430 | 伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ | 65 | 24.474 | 7 | 40 |
10 | 32 | Epson HSV-010 | 道上 龍/中嶋 大祐 | 65 | 46.935 | 15 | 3 |
11 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 大嶋 和也/国本 雄資 | 65 | 52.084 | 12 | 32 |
13 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治/アンドレ・クート | 64 | 1Lap | 14 | 8 |
GT300 | |||||||
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順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | 予選 | WH |
1 | 4 | GSR 初音ミク BMW | 谷口 信輝/片岡 龍也 | 62 | 1:56'59.345 | 8 | 42 |
2 | 50 | Exe Aston Martin | 加納 政樹/安岡 秀徒 | 61 | 1Lap | 3 | 4 |
3 | 52 | OKINAWA-IMP SLS | 竹内 浩典/土屋 武士 | 61 | 1Lap | 10 | 45 |
4 | 11 | GAINER DIXCEL SLS | 平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム | 61 | 1Lap | 6 | 52 |
5 | 33 | HANKOOK PORSCHE | 影山 正美/藤井 誠暢 | 61 | 1Lap | 11 | 5 |
6 | 30 | IWASAKI OGT Racing GT-R | 岩崎 祐貴/イゴール・スシュコ | 61 | 1Lap | 5 | 6 |
7 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 山野 哲也/佐々木 孝太 | 61 | 1Lap | 4 | 51 |
8 | 0 | ENDLESS TAISAN PORSCHE | 峰尾 恭輔/横溝 直輝 | 61 | 1Lap | 23 | 21 |
9 | 16 | MUGEN CR-Z GT | 武藤 英紀/中山 友貴 | 60 | 2Laps | 16 | 68 |
10 | 87 | ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3 | 山内 英輝/吉本 大樹 | 60 | 2Laps | 12 | 21 |
15 | 31 | Panasonic apr PRIUS GT | 新田 守男/嵯峨 宏紀 | 60 | 2Laps | 21 | 35 |
※WH:ウェイトハンデ(kg) |
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