2003年2月 9日(日)配信

IRLインディカー・シリーズ トヨタエンジンの5チーム10名が勢揃い
高木、服部2人の日本人も「もてぎ」「インディ500」へ期待


スーパースピードウェイでトップタイムを記録した フェリペ・ジャフォーネ(パノスGフォース/トヨタ)
スーパースピードウェイでトップタイムを記録した
フェリペ・ジャフォーネ(パノスGフォース/トヨタ)
トヨタは、念願のダブルタイトルを獲得したCARTシリーズ参戦から、今シーズンは、"IRLインディカー・シリーズ"へと戦いの舞台を変える。
 "IRLインディカー・シリーズ"は、伝統の「インディ500」や、シリーズ初の海外戦となる「もてぎ」戦を含め、全16戦が行われる。CARTから移行のトップチームをはじめ、14チーム、25名のドライバーがオーバルコースでの戦いを繰り広げる。この内、日本人ドライバーは、高木虎之介(モー・ナン・レーシング/トヨタ)、服部茂章(A.J.フォイト・エンタープライズ/トヨタ)、ロジャー安川(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ホンダ)の3人。F1GPには日本人レギュラードライバーの出場がなくなった今シーズン、アメリカン・モータースポーツの最高峰となる"IRLインディカー・シリーズ"での活躍が期待される。
 A.J.フォイト・エンタープライズ、ケリー・レーシング、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング、モー・ナン・レーシング、マールボロ・チーム・ペンスキーの5チーム10名のドライバーが、IRL用に新開発された3.5リットル自然吸気エンジン"トヨタ・インディ・V8"を搭載して参戦する。
 シーズン開幕に先駆けて行われた「Test in the West」には、各チーム、各ドライバーが勢揃い。2月3日(月)のプレスデーに引き続き、4日(火)には、第15戦が行われる「カリフォルニア・スピードウェイ」、7日(金)と8日(土)の2日間は、第2戦が行われる「フェニックス・インターナショナル・スピードウェイ」で合同テストが行われた。
 8日(土)朝は、あいにくの雨に祟られ、テストは短縮されたが、2マイルオーバルのスーパー・スピードウェイ「カリフォルニア・スピードウェイ」では、トヨタエンジンのフェリペ・ジャフォーネ(モー・ナン・レーシング/トヨタ)がトップタイム。1マイルのショート・オーバル、「フェニックス・インターナショナル・スピードウェイ」では、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ホンダ)が僅差でトップタイム。シーズン開幕へと激戦を予感させた。
 第1戦は、3月2日フロリダ州の「ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ」で行われる。

TOYOTA Indy V8 エンジン
TOYOTA Indy V8エンジン
TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
 IRLインディカー・シリーズにトヨタエンジンを供給するにあたり、アメリカン・モータースポーツで数多くの勝利を経験している素晴らしいチームとドライバー達ともに戦えることを非常に誇りに思う。「もてぎ」と「インディ500」制覇とIRLシリーズチャンピオン獲得へとチャレンジするが、とてもエキサイティングなシリーズになると確信している。開幕戦が待ち通しい。

TRD-USA 林博美のコメント:
 5チーム、10台という強力な布陣でIRL初シーズンを戦うことが出来、 とても心強い。トヨタとしても最高のパフォーマンスを得るべくIRLの規定で"トヨタ インディ V8"を開発し、充分なテストも行ってきた。さらに開発を続けビッグイベント「インディ500」には必勝体制で挑戦する。



マールボロ・チーム・ペンスキー
(シャシー:ダラーラ)

'00、'01年CARTシリーズ連覇、昨年からIRLに参戦。伝統の「インディ500」では、'01年と'02年に2年連続で勝利を獲得。トヨタエンジンを自ら組上げチューンする。


エリオ・カストロネベス
エリオ・カストロネベス:
ブラジル生まれ 26歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング2位(優勝2回)

「インディ500」2年連続制覇を果せたチームと共に、再び、シリーズ参戦出来ることに、とても満足している。強力なトヨタエンジンを得て、3年連続「インディ500」制覇の記録に挑戦する。

ジル・ド・フェラン
ジル・ド・フェラン:
ブラジル生まれ 35歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング3位(優勝2回)

昨年IRLでフルシーズンを戦い、「パイクス・ピーク」と「ゲートウェイ」の2戦は勝利を収めることが出来た。今シーズンは、ライバルも一気に増えるが、1戦1戦でチャンピオン獲得へ突き進む。

ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング
(シャシー:パノスGフォース)

オーナーのチップ・ガナッシはレーサーとして活躍。現役引退後、'88年にCARTのチームオーナーに。'00年にはJ.P.モントーヤと共にトヨタに初勝利に貢献。


スコット・ディクソン
スコット・ディクソン:
ニュージーランド生まれ 22歳。ルーキー。
2002年 CART参戦(2001年優勝1回)

IRLへと戦いの場を移すことになったが新しいシャシーもトヨタエンジンもとてもフィーリングは良い。一昨年、予選23番手から勝利を勝ち取った「ナザレス」も第13戦に控えているので楽しみだ。

トーマス・シェクター
トーマス・シェクター:
南アフリカ生まれ 22歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング14位(優勝1回)

昨年は、ルーキーながらも1勝を挙げられた。今シーズンは、新たに強力なチームに加わり、トヨタエンジンを得ることが出来た。このベストパッケージを最大限に活かして勝利を目指す。

ケリー・レーシング
(シャシー:ダラーラ)

オーナーのトム・ケリーは、ケリーグループの代表であり、父親のジム・ケリーと共に、様々なビジネスを展開している。1997年の「インディ500」からIRLシリーズに参戦を続けている。


アル・アンサーJr
アル・アンサーJr:
アメリカ生まれ 40歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング7位(最高2位2回)

昨年は惜しくも2位が2回と、悔しい思いをした。この悔しさは、首位争いをした「テキサス」と「シカゴランド」で晴らすと共に、さらに勝利を求めて、常にトップ争いへと加わるつもりだ。

スコット・シャープ
スコット・シャープ:
アメリカ生まれ 28歳。IRL8年目
2002年IRLランキング6位(優勝1回)

1996年にIRLのシリーズチャンピオンを獲得した当時と今シーズンは、大きく異なる。シャシーもエンジンも、もちろん、チームもドライバーも大きく変わった。昨年の1勝を糧に戦いを挑む。

モー・ナン・レーシング
(シャシー:パノスGフォース)

オーナーのモーリス・ナンはエンジニアとして、チップ・ガナッシ・チームの'96年から'99年にCARTシリーズ4連覇に貢献。'00年にモー・ナン・レーシングチームを結成 。昨年来IRLに参戦。


高木虎之介
高木虎之介:
日本・静岡生まれ 29歳。ルーキー。
2002年 CART参戦(最高4位)

アメリカのレース参戦3戦目で期待に満ちている。モー・ナンという強いチームで、2台体制。データも共有出来るし、セッティングも相談できる。インディカーは、チャンプカーと比べ違和感もないのでそろそろ結果をしっかりと出して、良い年にしたい。

フェリペ・ジャフォーネ
フェリペ・ジャフォーネ:
ブラジル生まれ 27歳。IRL3年目。
2002年IRLランキング4位(優勝1回)

2001年にIRLルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、今年で3年目の挑戦になるが、トヨタチームに加わることが出来てとても光栄だ。フォンタナでの合同テストでは、トップタイムを記録したが、トヨタエンジンとチームのパフォーマンスにとても満足している。

AJフォイト・エンタープライズ
(シャシー:パノスGフォース)

「インディ500」で4回の優勝経験など栄光の記録を持つ往年の名ドライバー、A.J.フォイトがチームオーナー。ドライバーのA.J.フォイト4世はオーナーの孫にあたる。


A.J.フォイト4世
A.J.フォイト4世:
アメリカ生まれ 18歳。ルーキー。
2002年インフィニティープロシリーズチャンピオン

偉大な祖父の元でレースが出来ることを嬉しく思う。最高の環境でアメリカ最高峰のレースに出場することになり、大きなプレッシャーを感じている。ルーキーとして、自分の仕事をしっかりとこなすつもりだ。シーズンの開幕が今から待ち遠しい。

服部 茂章
服部 茂章:
日本・岡山生まれ 39歳。
2002年IRLランキング27位(最高6位)

日本人として、伝説の英雄が率いるチームで走れて光栄。「インディ500」までの参戦が確定したので、'99年以来の「もてぎ」を含めて、全力で頑張る。IRLは、車の差も少なく常に接戦。今年はCARTからビックチームが来たので、激戦となるが頑張る。

IRLインディカー・シリーズ 2003年スケジュール
決勝日イベント名コース名(開催地)特徴
第1戦 3月2日(日) Toyota Indy 300 ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ
(フロリダ州ホームステッド)
1.5マイル(2.4km)×200周
最大バンク角 6度
IRL初開催 2001年(3回目)
第2戦 3月23日(日) Copper World Indy 200 フェニックス・インターナショナル・レースウェイ
(アリゾナ州フェニックス)
1マイル(1.6km)×200周
最大バンク角 9度
IRL初開催 1996年(7回目)
第3戦 4月13日(日) Indy Japan 300 ツインリンクもてぎ
(日本・栃木県茂木町)
1.548マイル(2.5km)×200周
最大バンク角 10度
今年初開催(初の海外戦)
第4戦 5月25日(日) Indianapolis 500 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
(インディアナ州インディアナポリス)
2.5マイル(4km)×200周
最大バンク角 9.12度
IRL初開催 1996年(8回目)
第5戦 6月 7日(土) Bombardier 500
(ナイトレース)
テキサス・モーター・スピードウェイ
(テキサス州フォートワース)
1.5マイル(2.4km)×200周
最大バンク角 24度
IRL初開催 1997年(12回目)
第6戦 6月15日(日) Pikes PeakIndy 225 パイクスピーク・インターナショナル・レースウェイ
(コロラド州コロラドスプリングス)
1マイル(1.6km)×225周
最大バンク角 10度
IRL初開催 1997年(8回目)
(99年2回開催)
第7戦 6月28日(土) Sun Trust Indy Challenge
(ナイトレース)
リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ
(バージニア州リッチモンド)
0.759マイル(1.22km)×225周
最大バンク角 14度
IRL初開催 2001年(3回目)
第8戦 7月 6日(日) Kansas Indy 300 カンザス・スピードウェイ
(カンザス州カンザスシティ)
1.5マイル(2.4km)×200周
最大バンク角 15度
IRL初開催 2001年(3回目)
第9戦 7月19日(土) Firestone Indy 200
(ナイトレース)
ナッシュビル・スーパースピードウェイ
(テネシー州ナッシュビル)
1.33マイル(2.14km)×200周
最大バンク角 14度
IRL初開催2001年(3回目)
第10戦 7月27日(日) Michigan Indy 400 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ
(ミシガン州ブルックリン)
2マイル(3.2km)×200周
最大バンク角 18度
昨年からIRL開始(2回目)
第11戦 8月10日(日) Gateway Indy 250 ゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイ
(イリノイ州マディソン)
1.25マイル(2km)×200周
最大バンク角 11度
IRL初開催 2001年(3回目)
第12戦 8月17日(日) Belterra Casino Indy 300 ケンタッキー・スピードウェイ
(ケンタッキー州スパルタ)
1.5マイル(2.4km)×200周
最大バンク角 14度
IRL初開催 2000年(4回目)
第13戦 8月24日(日) Nazareth Indy 225 ナザレス・スピードウェイ
(ペンシルバニア州ナザレス)
1マイル(1.6km)×225周
最大バンク角 6度
昨年からIRL開催(2回目)
第14戦 9月 7日(日) Delphi Indy 300 シカゴランド・スピードウェイ
(イリノイ州ジョリエット)
1.5マイル(2.4km)×200周
最大バンク角 18度
IRL初開催2001年(3回目)
第15戦 9月21日(日) Toyota Indy 400 カリフォルニア・スピードウェイ
(カリフォルニア州フォンタナ)
2マイル(3.2km)×200周
最大バンク角 14度
昨年からIRL開始(2回目)
第16戦 10月12日(日) Bombardier 500 テキサス・モーター・スピードウェイ
(テキサス州フォートワース)
1.5マイル(2.4km)×200周
最大バンク角 24度
IRL初開催 1997年(13回目)