IRLインディカー・シリーズ トヨタエンジンの5チーム10名が勢揃い
高木、服部2人の日本人も「もてぎ」「インディ500」へ期待
スーパースピードウェイでトップタイムを記録した
フェリペ・ジャフォーネ(パノスGフォース/トヨタ)
トヨタは、念願のダブルタイトルを獲得したCARTシリーズ参戦から、今シーズンは、"IRLインディカー・シリーズ"へと戦いの舞台を変える。
"IRLインディカー・シリーズ"は、伝統の「インディ500」や、シリーズ初の海外戦となる「もてぎ」戦を含め、全16戦が行われる。CARTから移行のトップチームをはじめ、14チーム、25名のドライバーがオーバルコースでの戦いを繰り広げる。この内、日本人ドライバーは、高木虎之介(モー・ナン・レーシング/トヨタ)、服部茂章(A.J.フォイト・エンタープライズ/トヨタ)、ロジャー安川(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ホンダ)の3人。F1GPには日本人レギュラードライバーの出場がなくなった今シーズン、アメリカン・モータースポーツの最高峰となる"IRLインディカー・シリーズ"での活躍が期待される。
A.J.フォイト・エンタープライズ、ケリー・レーシング、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング、モー・ナン・レーシング、マールボロ・チーム・ペンスキーの5チーム10名のドライバーが、IRL用に新開発された3.5リットル自然吸気エンジン"トヨタ・インディ・V8"を搭載して参戦する。
シーズン開幕に先駆けて行われた「Test in the West」には、各チーム、各ドライバーが勢揃い。2月3日(月)のプレスデーに引き続き、4日(火)には、第15戦が行われる「カリフォルニア・スピードウェイ」、7日(金)と8日(土)の2日間は、第2戦が行われる「フェニックス・インターナショナル・スピードウェイ」で合同テストが行われた。
8日(土)朝は、あいにくの雨に祟られ、テストは短縮されたが、2マイルオーバルのスーパー・スピードウェイ「カリフォルニア・スピードウェイ」では、トヨタエンジンのフェリペ・ジャフォーネ(モー・ナン・レーシング/トヨタ)がトップタイム。1マイルのショート・オーバル、「フェニックス・インターナショナル・スピードウェイ」では、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ホンダ)が僅差でトップタイム。シーズン開幕へと激戦を予感させた。
第1戦は、3月2日フロリダ州の「ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ」で行われる。
TOYOTA Indy V8エンジン
TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
IRLインディカー・シリーズにトヨタエンジンを供給するにあたり、アメリカン・モータースポーツで数多くの勝利を経験している素晴らしいチームとドライバー達ともに戦えることを非常に誇りに思う。「もてぎ」と「インディ500」制覇とIRLシリーズチャンピオン獲得へとチャレンジするが、とてもエキサイティングなシリーズになると確信している。開幕戦が待ち通しい。
TRD-USA 林博美のコメント:
5チーム、10台という強力な布陣でIRL初シーズンを戦うことが出来、 とても心強い。トヨタとしても最高のパフォーマンスを得るべくIRLの規定で"トヨタ インディ V8"を開発し、充分なテストも行ってきた。さらに開発を続けビッグイベント「インディ500」には必勝体制で挑戦する。
マールボロ・チーム・ペンスキー
(シャシー:ダラーラ)
'00、'01年CARTシリーズ連覇、昨年からIRLに参戦。伝統の「インディ500」では、'01年と'02年に2年連続で勝利を獲得。トヨタエンジンを自ら組上げチューンする。
エリオ・カストロネベス:
ブラジル生まれ 26歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング2位(優勝2回)
「インディ500」2年連続制覇を果せたチームと共に、再び、シリーズ参戦出来ることに、とても満足している。強力なトヨタエンジンを得て、3年連続「インディ500」制覇の記録に挑戦する。
ジル・ド・フェラン:
ブラジル生まれ 35歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング3位(優勝2回)
昨年IRLでフルシーズンを戦い、「パイクス・ピーク」と「ゲートウェイ」の2戦は勝利を収めることが出来た。今シーズンは、ライバルも一気に増えるが、1戦1戦でチャンピオン獲得へ突き進む。
ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング
(シャシー:パノスGフォース)
オーナーのチップ・ガナッシはレーサーとして活躍。現役引退後、'88年にCARTのチームオーナーに。'00年にはJ.P.モントーヤと共にトヨタに初勝利に貢献。
スコット・ディクソン:
ニュージーランド生まれ 22歳。ルーキー。
2002年 CART参戦(2001年優勝1回)
IRLへと戦いの場を移すことになったが新しいシャシーもトヨタエンジンもとてもフィーリングは良い。一昨年、予選23番手から勝利を勝ち取った「ナザレス」も第13戦に控えているので楽しみだ。
トーマス・シェクター:
南アフリカ生まれ 22歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング14位(優勝1回)
昨年は、ルーキーながらも1勝を挙げられた。今シーズンは、新たに強力なチームに加わり、トヨタエンジンを得ることが出来た。このベストパッケージを最大限に活かして勝利を目指す。
ケリー・レーシング
(シャシー:ダラーラ)
オーナーのトム・ケリーは、ケリーグループの代表であり、父親のジム・ケリーと共に、様々なビジネスを展開している。1997年の「インディ500」からIRLシリーズに参戦を続けている。
アル・アンサーJr:
アメリカ生まれ 40歳。IRL2年目。
2002年IRLランキング7位(最高2位2回)
昨年は惜しくも2位が2回と、悔しい思いをした。この悔しさは、首位争いをした「テキサス」と「シカゴランド」で晴らすと共に、さらに勝利を求めて、常にトップ争いへと加わるつもりだ。
スコット・シャープ:
アメリカ生まれ 28歳。IRL8年目
2002年IRLランキング6位(優勝1回)
1996年にIRLのシリーズチャンピオンを獲得した当時と今シーズンは、大きく異なる。シャシーもエンジンも、もちろん、チームもドライバーも大きく変わった。昨年の1勝を糧に戦いを挑む。
モー・ナン・レーシング
(シャシー:パノスGフォース)
オーナーのモーリス・ナンはエンジニアとして、チップ・ガナッシ・チームの'96年から'99年にCARTシリーズ4連覇に貢献。'00年にモー・ナン・レーシングチームを結成 。昨年来IRLに参戦。
高木虎之介:
日本・静岡生まれ 29歳。ルーキー。
2002年 CART参戦(最高4位)
アメリカのレース参戦3戦目で期待に満ちている。モー・ナンという強いチームで、2台体制。データも共有出来るし、セッティングも相談できる。インディカーは、チャンプカーと比べ違和感もないのでそろそろ結果をしっかりと出して、良い年にしたい。
フェリペ・ジャフォーネ:
ブラジル生まれ 27歳。IRL3年目。
2002年IRLランキング4位(優勝1回)
2001年にIRLルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、今年で3年目の挑戦になるが、トヨタチームに加わることが出来てとても光栄だ。フォンタナでの合同テストでは、トップタイムを記録したが、トヨタエンジンとチームのパフォーマンスにとても満足している。
AJフォイト・エンタープライズ
(シャシー:パノスGフォース)
「インディ500」で4回の優勝経験など栄光の記録を持つ往年の名ドライバー、A.J.フォイトがチームオーナー。ドライバーのA.J.フォイト4世はオーナーの孫にあたる。
A.J.フォイト4世:
アメリカ生まれ 18歳。ルーキー。
2002年インフィニティープロシリーズチャンピオン
偉大な祖父の元でレースが出来ることを嬉しく思う。最高の環境でアメリカ最高峰のレースに出場することになり、大きなプレッシャーを感じている。ルーキーとして、自分の仕事をしっかりとこなすつもりだ。シーズンの開幕が今から待ち遠しい。
服部 茂章:
日本・岡山生まれ 39歳。
2002年IRLランキング27位(最高6位)
日本人として、伝説の英雄が率いるチームで走れて光栄。「インディ500」までの参戦が確定したので、'99年以来の「もてぎ」を含めて、全力で頑張る。IRLは、車の差も少なく常に接戦。今年はCARTからビックチームが来たので、激戦となるが頑張る。
IRLインディカー・シリーズ 2003年スケジュール | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
決勝日 | イベント名 | コース名(開催地) | 特徴 | |||||
第1戦 | 3月2日(日) | Toyota Indy 300 | ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ (フロリダ州ホームステッド) |
1.5マイル(2.4km)×200周 最大バンク角 6度 IRL初開催 2001年(3回目) | ||||
第2戦 | 3月23日(日) | Copper World Indy 200 | フェニックス・インターナショナル・レースウェイ (アリゾナ州フェニックス) |
1マイル(1.6km)×200周 最大バンク角 9度 IRL初開催 1996年(7回目) | ||||
第3戦 | 4月13日(日) | Indy Japan 300 | ツインリンクもてぎ (日本・栃木県茂木町) |
1.548マイル(2.5km)×200周 最大バンク角 10度 今年初開催(初の海外戦) | ||||
第4戦 | 5月25日(日) | Indianapolis 500 | インディアナポリス・モーター・スピードウェイ (インディアナ州インディアナポリス) |
2.5マイル(4km)×200周 最大バンク角 9.12度 IRL初開催 1996年(8回目) | ||||
第5戦 | 6月 7日(土) | Bombardier 500 (ナイトレース) |
テキサス・モーター・スピードウェイ (テキサス州フォートワース) |
1.5マイル(2.4km)×200周 最大バンク角 24度 IRL初開催 1997年(12回目) | ||||
第6戦 | 6月15日(日) | Pikes PeakIndy 225 | パイクスピーク・インターナショナル・レースウェイ (コロラド州コロラドスプリングス) |
1マイル(1.6km)×225周 最大バンク角 10度 IRL初開催 1997年(8回目) (99年2回開催) | ||||
第7戦 | 6月28日(土) | Sun Trust Indy Challenge (ナイトレース) |
リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ (バージニア州リッチモンド) |
0.759マイル(1.22km)×225周 最大バンク角 14度 IRL初開催 2001年(3回目) | ||||
第8戦 | 7月 6日(日) | Kansas Indy 300 | カンザス・スピードウェイ (カンザス州カンザスシティ) |
1.5マイル(2.4km)×200周 最大バンク角 15度 IRL初開催 2001年(3回目) | ||||
第9戦 | 7月19日(土) | Firestone Indy 200 (ナイトレース) |
ナッシュビル・スーパースピードウェイ (テネシー州ナッシュビル) |
1.33マイル(2.14km)×200周 最大バンク角 14度 IRL初開催2001年(3回目) | ||||
第10戦 | 7月27日(日) | Michigan Indy 400 | ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ (ミシガン州ブルックリン) |
2マイル(3.2km)×200周 最大バンク角 18度 昨年からIRL開始(2回目) | ||||
第11戦 | 8月10日(日) | Gateway Indy 250 | ゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイ (イリノイ州マディソン) |
1.25マイル(2km)×200周 最大バンク角 11度 IRL初開催 2001年(3回目) | ||||
第12戦 | 8月17日(日) | Belterra Casino Indy 300 | ケンタッキー・スピードウェイ (ケンタッキー州スパルタ) |
1.5マイル(2.4km)×200周 最大バンク角 14度 IRL初開催 2000年(4回目) | ||||
第13戦 | 8月24日(日) | Nazareth Indy 225 | ナザレス・スピードウェイ (ペンシルバニア州ナザレス) |
1マイル(1.6km)×225周 最大バンク角 6度 昨年からIRL開催(2回目) | ||||
第14戦 | 9月 7日(日) | Delphi Indy 300 | シカゴランド・スピードウェイ (イリノイ州ジョリエット) |
1.5マイル(2.4km)×200周 最大バンク角 18度 IRL初開催2001年(3回目) | ||||
第15戦 | 9月21日(日) | Toyota Indy 400 | カリフォルニア・スピードウェイ (カリフォルニア州フォンタナ) |
2マイル(3.2km)×200周 最大バンク角 14度 昨年からIRL開始(2回目) | ||||
第16戦 | 10月12日(日) | Bombardier 500 | テキサス・モーター・スピードウェイ (テキサス州フォートワース) |
1.5マイル(2.4km)×200周 最大バンク角 24度 IRL初開催 1997年(13回目) | ||||