2004年5月30日(日)配信

伝統のインディ500 気まぐれな雨に祟られ波乱の短縮決戦
一時は首位争いを展開したトヨタエンジン惜しくも2連覇を逃す

13番手スタートから、終盤には上位争いに加わるも、8位に終わったS.ディクソンのトヨタ・パノスGフォース.
13番手スタートから、終盤には上位争いに加わるも、
8位に終わったS.ディクソンのトヨタ・パノスGフォース
 IRLインディカー・シリーズ第4戦「第88回インディアナポリス・500マイル・レース」(通称"インディ500")の決勝レースがメモリアル・デー(戦没者追悼記念日)となる5月30日(日)、アメリカ・インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モータースピードウェイで行われた。
 例年通り、40万人以上の大観衆の集まったサーキットは、朝から雨が降ったりやんだりの不安定な天候。このため、予定よりも約2時間遅れの午後1時過ぎに決勝レースがスタートした。
 ところが、序盤戦の21周目には、再び雨が降り出し、大雨となった28周目には、赤旗中断。その後、天候の回復を待ち、午後3時30分に再スタートが切られた。
 予選8番手から決勝レースをスタートした、H.カストロネベスは、すでに2位争いへと躍進を果たしており、S.ホーニッシュ・Jr.も3位争いへと台頭。H.カストロネベスとS.ホーニッシュJr.の活躍に注目が集まった。
 そして、50周目には、首位奪取を果たしたS.ホーニッシュJr.であったが、60周目の2回目のピットストップで遅れを取り、首位の座を譲り、後退。その後、追い上げを見せるものの、105周目に他車との接触で、惜しくも戦線離脱を余儀なくされてしまった。
 一方、H.カストロネベスは、133周目の給油ピットストップ時に停止場所を間違え、大きくタイムをロス。17位へと後退。"インディ500"3勝目を果たすことは叶わなかった。
 その後は、トヨタエンジン搭載チームをリードしてS.ディクソンが上位争いへと躍進を見せたが、懸念されていた雨が再び降り出し、180周を終えた時点でフルコースコーションのまま、レースは短縮終了。
 S.ディクソンが8位、E.カストロネベスが9位でチェッカーフラッグをくぐり、"トヨタエンジン"の"インディ500"2年連続制覇はならなかった。
 一方、公式練習中からセットアップに苦しんだ高木虎之介は、レース中に不運にもバッテリートラブルが発生するなど、我慢の走りを強いられ、19位で2回目の"インディ500"挑戦を終えた。

S.ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のコメント:
 エンジニア、メカニックとすべてのチームスタッフは素晴らしい仕事をしてくれた。ただ、今年の"インディ500"では、すべての要素がうまく噛み合わなかった。それだけが残念だった。

H.カストロネベス(チーム・ペンスキー)のコメント:
 今日のクルマの調子は悪くなかった。トップ3フィニッシュも可能だったが、不運にもピットとの交信がうまくいかず、本来なら他車をパスするチャンスのピットインでポジションを落としてしまった。"インディ500"は持てる力すべてを発揮しないと、決して勝てないレースであり、残念ながら今日は、我々の日ではなかったということだ。チームスタッフは1ヶ月を通じてハードに働いてくれたが、結果は残念なものになってしまった。

S.ホーニッシュ・Jr.(チーム・ペンスキー)のコメント:
 クルマのハンドリングはレース全体を通じて素晴らしかった。赤旗中断後の再スタートは完璧ではなかったが、上位進出を果たせる自信はあった。結果は残念だったが、それは大きな問題ではない。"インディ500"は偉大なレースであり、そこで走るということ自体が僕にとって一番重要であった。

高木虎之介(モー・ナン・レーシング)のコメント:
 決勝前からセットアップが全く決まっておらず、最初から苦戦を強いられた。スタート直後はまだ良かったのだが、再スタート後に異物を踏んでしまい、それが原因でバッテリーにトラブルが発生し、我慢のレースとなってしまった。今日の結果にはもちろん満足していないが、まだまだシリーズは長い。今後の走りに期待してほしい。

TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
 とてもタフなレースだった。トヨタエンジン搭載チームは、各チームとも良く頑張ってくれた。とくにチーム・ペンスキーの2台は、予選での不運を振り払うようにトップ争いへと加わってくれたが、ピット作業のミスが痛手となった。新しい3リッターのエンジンレギュレーションとなって初のレースだったが、十分な手応えを得ることが出来たので、シリーズのタイトル獲得を目指し、次戦以降も続くIRLシリーズを全力で戦っていく。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーシャシーエンジンチーム周回スターティンググリッド
115B.ライスパノスGフォースホンダレイホール・レターマン1801
211T.カナーンダラーラホンダアンドレッティ・グリーン1805
326D.ウェルドンダラーラホンダアンドレッティ・グリーン1802
47B.ハータダラーラホンダアンドレッティ・グリーン18023
536B.ジュンケイラパノスGフォースホンダニューマン・ハース1804
81S.ディクソンパノスGフォーストヨタチップ・ガナッシ18013
93H.カストロネベスダラーラトヨタペンスキー1808
138S.シャープダラーラトヨタケリー18020
1621J.シモンズダラーラトヨタモー・ナン17929
1912高木虎之介ダラーラトヨタモー・ナン17926
2033R.ハーンパノスGフォーストヨタサム・シュミット17830
2139S.フィッシャーダラーラトヨタケリー17719
2425M.ロスダラーラトヨタロス12832
2510D.マニングパノスGフォーストヨタチップ・ガナッシ10415
266S.ホーニッシュ・Jrダラーラトヨタペンスキー10411
3241L.フォイトパノスGフォーストヨタAJフォイト5422
3314A.J.フォイト4世ダラーラトヨタAJフォイト2621
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位D.ウェルドンホンダ158
2位T.カナーンホンダ157
3位B.ライスホンダ129
4位H.カストロネベストヨタ128
5位S.ディクソントヨタ106
6位D.マニングトヨタ100
8位高木虎之介トヨタ88
9位S.ホーニッシュ・Jr.トヨタ87
12位S.シャープトヨタ78
16位A.J.フォイト4世トヨタ56
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位ホンダ37
2位トヨタ31
3位シボレー20