トヨタ、ペンスキー・レーシングへのIRL用エンジン供給で合意
米国トヨタ自動車販売㈱(Toyota Motor Sales,U.S.A.、以下米国トヨタ)とペンスキー・レーシング(Penske Racing, Inc)は、4月2日、トヨタにとって初のシーズンとなる2003年から、IRL用トヨタエンジンをペンスキーレーシングへ供給することで合意したと発表した。
初のインディ500での勝利とIRLチャンピオンシップの獲得に向け、トヨタは、ケリー・レーシング(Kelly Racing)に加え、もう一つトップ・チームを戦列に加えることになる。
米国トヨタのモータースポーツ担当副社長ジム・オーストは、「今日は、オープン・ホイール・レーシングの歴史において、もっとも成功したチームであるペンスキー・レーシングとパートナーシップをスタートさせる歴史的な1日だ。インディ500で11回の優勝を誇るチームとのパートナーシップはとても素晴らしいこと。またレーストラックの内と外の両方で、長期間に渡るリレーションシップを継続できることを大変嬉しく思っている」と語った。
ロジャー・ペンスキーが経営する企業は、米国、メキシコおよびブラジルにおいて、トヨタの販売ディーラーを所有しており、またペンスキー所有でカルフォルニア州エル・モンテのロンゴ・トヨタは世界でも最大のトヨタ・ディーラーである。
ペンスキー・レーシングは、今シーズン後半に予定している新しいトヨタ・IRL用エンジンのテストへ参加する。エンジンの主要コンポーネントについては、カリフォルニア州コスタ・メサのToyota Racing Development(TRD), U.S.A.により供給され、ペンシルベニア州リーディングのペンスキー・レーシングにおいて組み立てられる。ペンスキー・レーシングはTRD,U.S.A.が指名したエンジン・リビルダーのひとつとなる。IRL用エンジンは2月以来、TRD,U.S.A.においてダイナモ・テストを行っており、今年の夏に実車でのテストを開始する。
ロジャー・ペンスキーは「トヨタのクルマとモータースポーツの伝統は、最高を求める姿勢の表れである。我々は長年に渡り、ビジネスの世界でリレーションシップを結び、トヨタとともに数々の成功を手にしてきた。レースにおいても同様に、成功を継続することを楽しみにしている」と語った。
ペンスキー・レーシングは、インディ500での11回の優勝と11回のチャンピオンシップ獲得など、インディ・カ-・レースにおいて、111回優勝というレコード記録を持つ。チーム・ドライバーのジル・ド・フェランは過去2回のCARTチャンピオンシップを獲得しており、またチームメイトのエリオ・カストロネベスは、インディ500のディフェンディング・チャンピオンであり、2002年のIRLフェニックス・インターナショナル・スピードウェイでの優勝者である。
TRD,U.S.A.はトヨタのレーシング・エンジンの設計・開発・製作に向けた北米技術部門として1979年に業務を開始し、現在、CART、IMSA、オフロード・レ-ス(SCORE・MTEG・CORR)、トヨタ・アトランティック、NASCAR Goody's Dash、SCCA、およびパイクス・ピーク用エンジンを製造している。また、トヨタ製品向けのハイパフォーマンス・アフターマーケットのプレミアム・クオリティ・ラインも販売している。