トヨタ・レーシングとTS030HYBRID 予選4番手と5番手。
レースセッティングを詰めて、ル・マン24時間の決勝レースへ
6月20日(木)フランスのサルト・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦ル・マン24時間レースの決勝スターティンググリッドを決定する予選の2回目、3回目が行われた。
深夜0時に予選を終えるチェッカーフラッグが振られ、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、ステファン・サラザンのTS030 HYBRID #8が、予選終了間際にステファン・サラザンが叩きだしたベストラップ 3分26秒654によって予選4番手を確保した。
他のWECレースとは異なり、ル・マン24時間レースのグリッドは、3回、6時間にわたって行われた予選セッションにおける、それぞれの車両ごとの最速タイムによって決定される。
アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールと中嶋一貴のTS030 HYBRID #7は、前日の予選第1回目で中嶋一貴が記録した3分26秒676のタイムで、予選5番手となった。
午後7時から行われた予選2回目は、開始直前に激しい雨に見舞われ、セッションスタート時にはほとんど止んでいたものの、路面はヘビーウェット。雲が切れ、空には虹もかかる中、激しい水煙を上げながら各車インストレーションラップを開始した。
本格的なタイムアタックは、セッション開始から1時間ほど経って路面コンディションが回復し、スリックタイヤでの走行が出来るようになってからであったが、その後も突然の雨にタイムアタックは、数度に渡り中断された。
変わりやすい天候で、予定されていたロングランでの性能評価プログラムは中断され、その後発生した他車のクラッシュによるガードレール修復のための赤旗中断のまま、予選2回目のセッションは30分以上を残して中止となった。
その結果、最終予選第3回目は開始時間が30分早められ、午後9時半から2時間半のセッションとして行われることとなり、セバスチャン・ブエミとアレックス・ブルツがまだ部分的に濡れた路面の残るコースでの最初のスティントを担当した。
雨が止み、コースが乾きはじめたことで、#7、#8共に中嶋一貴とステファン・サラザンにドライバー交代してまもなく、スリックタイヤへと交換して走行を開始した。
短い赤旗中断の後、ステファン・サラザンが最初に昨日の予選1回目のタイムを上回り、総合での予選5番手に浮上。その後、#7のタイムを僅か0.022秒だけ上回り、予選4番手となった。
最後はニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミが共に短いスティントを託されたが、予選3回目セッション終了間際の混み合ったコース上では、それ以上のタイムアップは叶わなかった。
木下美明 チーム代表:
予選2日目にしてやっと、ドライコンディションでレースセッティングを試すことが出来た。我々は、今日もレースでのペースに照準を合わせて開発を行ったので、この予選グリッドには納得している。ル・マンにおけるターゲットは予選ではなく、日曜日の決勝レース後の結果である。今日は良い日になったし、自分自身、チームの働きぶりに本当に感謝している。
TS030 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴)
予選2回目:1番手(3分40秒924)7周
予選3回目:5番手(3分28秒859)34周
スターティンググリッド:5番手
アレックス・ブルツ #7:
今日は、定まらない天候やいくつものアクシデントを散見して、ル・マンがまさしく別格だという事実を見せつけられた一日だった。残念だったのは私がドライコンディションで走行が出来なかった点だ。我々トヨタ・レーシングは予選4番手、5番手。後はレース用のセットアップが正しく働いてくれることを願うばかりだ。もちろんレース戦略も重要。レース当日の朝のウォームアップでレース用に最後の調整をする。勝負は24時間レースだ。
ニコラス・ラピエール #7:
昨日と比べてTS030 HYBRIDはかなり良くなっている。戦闘力の高いパッケージを見つけられたので、今日の仕事はまずまずと言うところ。我々の#7はレースに向けてロングランを行った。長距離レースでは予選の順位よりそちらの方が重要となる。予選4番手、5番手は現時点で我々がなし得たベストの結果だと思う。レースに向けてはタイヤのマネージメントと燃費が鍵になると思う。早くレースが始まることを心待ちにしている。
中嶋一貴 #7:
今日は昨日に続けてレースに向けてのセットアップに注力した。特にタイヤの耐久性を確かめるためにロングランを行った。ただ、天候が著しい変化を見せて、結構難しい予選になった。雨が上がってからもコースが完全に乾ききっていなかったけれど、レースに向けての貴重なデータは取れたと思う。昨日からいくつかの変更を行い、その変化は確認している。ただ、もう少し細かい部分の改良は必要だと思う。とにかく、良いレースにしたいと願っている。
TS030 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ステファン・サラザン/セバスチャン・ブエミ)
予選2回目:5番手(3分42秒507)12周
予選3回目:3番手(3分26秒654)35周
スターティンググリッド:4番手
アンソニー・デビッドソン #8:
ステファン・サラザンが最後にラップタイムを更新してくれて良かった。最初のセッションの私の担当スティントはウェットだったので、大変フラストレーションが溜まったが、ステファン・サラザンとセバスチャン・ブエミがドライコンディションでの良いバランスを見出してくれた。もちろん、昨日よりも上位のグリッドに付けられたのは良いことだが、我々にとって最良のニュースは、TS030 HYBRIDの感触が良く、競争力も高く感じられることだ。長いレースなので、何が起こるかわからない。
ステファン・サラザン #8:
昨日トラブルに見舞われたにもかかわらず、4番手グリッドを獲得出来て本当に嬉しい。満足のいく一日だった。最後はついにドライコンディションで走ることが出来たのも良かったし、グリッドポジションを上げられたのも嬉しい。しかし、優先すべきは常に決勝レースであり、我々のTS030 HYBRIDはレースでのバランスがとても良い。我々全員がTS030 HYBRIDを頼もしく感じており、レースへ向けてのセットアップも整った。長いレースであり、我々は全力を尽くして戦う。
セバスチャン・ブエミ #8:
昨日の予選初日ではちょっとつまずいたが、今日の予選2日目では、最終的に多くの周回をこなすことが出来て満足している。いつも、ル・マンでは夜の運転が特別なものであり、それが、特別な雰囲気を醸し出している。我々は、ステファン・サラザンのお蔭で予選をこなし、とても満足している。しかし、レースは別物だ。決勝レースを見据え、何が起きるか分からない24時間へと、最後まで気を抜かずに仕事を全うする必要がある。
深夜0時に予選を終えるチェッカーフラッグが振られ、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、ステファン・サラザンのTS030 HYBRID #8が、予選終了間際にステファン・サラザンが叩きだしたベストラップ 3分26秒654によって予選4番手を確保した。
他のWECレースとは異なり、ル・マン24時間レースのグリッドは、3回、6時間にわたって行われた予選セッションにおける、それぞれの車両ごとの最速タイムによって決定される。
アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールと中嶋一貴のTS030 HYBRID #7は、前日の予選第1回目で中嶋一貴が記録した3分26秒676のタイムで、予選5番手となった。
午後7時から行われた予選2回目は、開始直前に激しい雨に見舞われ、セッションスタート時にはほとんど止んでいたものの、路面はヘビーウェット。雲が切れ、空には虹もかかる中、激しい水煙を上げながら各車インストレーションラップを開始した。
本格的なタイムアタックは、セッション開始から1時間ほど経って路面コンディションが回復し、スリックタイヤでの走行が出来るようになってからであったが、その後も突然の雨にタイムアタックは、数度に渡り中断された。
変わりやすい天候で、予定されていたロングランでの性能評価プログラムは中断され、その後発生した他車のクラッシュによるガードレール修復のための赤旗中断のまま、予選2回目のセッションは30分以上を残して中止となった。
その結果、最終予選第3回目は開始時間が30分早められ、午後9時半から2時間半のセッションとして行われることとなり、セバスチャン・ブエミとアレックス・ブルツがまだ部分的に濡れた路面の残るコースでの最初のスティントを担当した。
雨が止み、コースが乾きはじめたことで、#7、#8共に中嶋一貴とステファン・サラザンにドライバー交代してまもなく、スリックタイヤへと交換して走行を開始した。
短い赤旗中断の後、ステファン・サラザンが最初に昨日の予選1回目のタイムを上回り、総合での予選5番手に浮上。その後、#7のタイムを僅か0.022秒だけ上回り、予選4番手となった。
最後はニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミが共に短いスティントを託されたが、予選3回目セッション終了間際の混み合ったコース上では、それ以上のタイムアップは叶わなかった。
木下美明 チーム代表:
予選2日目にしてやっと、ドライコンディションでレースセッティングを試すことが出来た。我々は、今日もレースでのペースに照準を合わせて開発を行ったので、この予選グリッドには納得している。ル・マンにおけるターゲットは予選ではなく、日曜日の決勝レース後の結果である。今日は良い日になったし、自分自身、チームの働きぶりに本当に感謝している。
TS030 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴)
予選2回目:1番手(3分40秒924)7周
予選3回目:5番手(3分28秒859)34周
スターティンググリッド:5番手
アレックス・ブルツ #7:
今日は、定まらない天候やいくつものアクシデントを散見して、ル・マンがまさしく別格だという事実を見せつけられた一日だった。残念だったのは私がドライコンディションで走行が出来なかった点だ。我々トヨタ・レーシングは予選4番手、5番手。後はレース用のセットアップが正しく働いてくれることを願うばかりだ。もちろんレース戦略も重要。レース当日の朝のウォームアップでレース用に最後の調整をする。勝負は24時間レースだ。
ニコラス・ラピエール #7:
昨日と比べてTS030 HYBRIDはかなり良くなっている。戦闘力の高いパッケージを見つけられたので、今日の仕事はまずまずと言うところ。我々の#7はレースに向けてロングランを行った。長距離レースでは予選の順位よりそちらの方が重要となる。予選4番手、5番手は現時点で我々がなし得たベストの結果だと思う。レースに向けてはタイヤのマネージメントと燃費が鍵になると思う。早くレースが始まることを心待ちにしている。
中嶋一貴 #7:
今日は昨日に続けてレースに向けてのセットアップに注力した。特にタイヤの耐久性を確かめるためにロングランを行った。ただ、天候が著しい変化を見せて、結構難しい予選になった。雨が上がってからもコースが完全に乾ききっていなかったけれど、レースに向けての貴重なデータは取れたと思う。昨日からいくつかの変更を行い、その変化は確認している。ただ、もう少し細かい部分の改良は必要だと思う。とにかく、良いレースにしたいと願っている。
TS030 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ステファン・サラザン/セバスチャン・ブエミ)
予選2回目:5番手(3分42秒507)12周
予選3回目:3番手(3分26秒654)35周
スターティンググリッド:4番手
アンソニー・デビッドソン #8:
ステファン・サラザンが最後にラップタイムを更新してくれて良かった。最初のセッションの私の担当スティントはウェットだったので、大変フラストレーションが溜まったが、ステファン・サラザンとセバスチャン・ブエミがドライコンディションでの良いバランスを見出してくれた。もちろん、昨日よりも上位のグリッドに付けられたのは良いことだが、我々にとって最良のニュースは、TS030 HYBRIDの感触が良く、競争力も高く感じられることだ。長いレースなので、何が起こるかわからない。
ステファン・サラザン #8:
昨日トラブルに見舞われたにもかかわらず、4番手グリッドを獲得出来て本当に嬉しい。満足のいく一日だった。最後はついにドライコンディションで走ることが出来たのも良かったし、グリッドポジションを上げられたのも嬉しい。しかし、優先すべきは常に決勝レースであり、我々のTS030 HYBRIDはレースでのバランスがとても良い。我々全員がTS030 HYBRIDを頼もしく感じており、レースへ向けてのセットアップも整った。長いレースであり、我々は全力を尽くして戦う。
セバスチャン・ブエミ #8:
昨日の予選初日ではちょっとつまずいたが、今日の予選2日目では、最終的に多くの周回をこなすことが出来て満足している。いつも、ル・マンでは夜の運転が特別なものであり、それが、特別な雰囲気を醸し出している。我々は、ステファン・サラザンのお蔭で予選をこなし、とても満足している。しかし、レースは別物だ。決勝レースを見据え、何が起きるか分からない24時間へと、最後まで気を抜かずに仕事を全うする必要がある。