2014年4月19日(土)配信

トヨタ・レーシングのTS040 HYBRID
WEC開幕戦シルバーストーン決勝へと公式練習初日をトラブルなく完了

2014年4月18日(金)、FIA世界耐久選手権(WEC)の第1戦シルバーストーン6時間レースが開幕した。初日の18日(金)は2回にわたって90分間の公式練習走行が行われ、トヨタ・レーシングのTS040 HYBRIDは、トラブルフリーで両セッションを完了。2台共に400km以上を走破し、明日の予選を経て20日(日)の決勝レースへと臨む。

トヨタ・レーシングは2014年FIA世界耐久選手権(WEC)シーズンの開幕戦シルバーストーン6時間レースへ向けてレースウィーク初日となる公式練習セッションを終えた。

1000馬力を発揮し、昨年に比べて25%の燃費削減を実現した新型TS040 HYBRIDは、公式練習初日をトラブルフリーで終えた。チームはこのセッションを最大限に活用し、週末へ向けての準備を続けている。

今日行われた2回90分間の公式練習セッションで、アレックス・ブルツとステファン・サラザン、中嶋一貴組の#7は各々のセッションで5番手と3番手タイム。アンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミ組の#8は3番手と5番手につけた。

シーズン最初の公式セッションとなったこの日、好天に恵まれたが風の強い中で、正午直前に1回目のセッションが開始された。ブルツとブエミがそれぞれのTS040 HYBRIDをドライブし、シルバーストーン・サーキットでの最初のラップを刻んだ。

セッション前半からチームはセットアップの評価を行い、両ドライバー共に忙しく走行を重ねた。セッション中盤に#7はブルツからサラザンへと交代。まもなく#8も、この日35歳の誕生日を迎えたデビッドソンがステアリングを引き継いだ。

TS040 HYBRIDはトラブルなく、順調に公式練習第1回目のセッションを完了。共に約200kmの距離を走破した。

公式練習第2回目のセッションも1回目と同様の作業が続けられた。#7の中嶋がタイヤの評価に集中する一方で、#8はブエミがセットアップ作業を続けた。#7はその後サラザン、ブルツと交代し、#8は終盤にラピエールがドライブ。2台のTS040 HYBRIDは共にこの日400km以上を走り切った。

明日19日(土)は午前9時(日本時間午後5時)から1時間に渡って公式練習第3回目が行われ、公式予選は午後12時35分(同午後8時35分)より25分間で実施される。6時間の決勝レースは20日(日)正午(同午後8時)にスタートする。

TS040 HYBRID #7
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
公式練習第1回目:5番手(1分45秒066)33周
公式練習第2回目:3番手(1分44秒097)46周

アレックス・ブルツ:
とても長かった冬を終え、ついにレースの現場に立つことが出来て嬉しい。晴天時のシルバーストーンは本当に良いコースだ。新しい燃料規則が定められたため、意識を改めなくてはならず、それに順応する必要がある。これだけパフォーマンスが接近しているというのは非常に興味深い。どのマニュファクチャラーがベストポジションにつくのかはまだ分からないが、ファンにとってもとても面白い状況だろう。しかしそれは我々にとれば、目標であるライバルとの争いを勝ち取るために、さらにハードな努力を続ける必要があるということを意味する。

ステファン・サラザン:
シルバーストーンに再び来られたことを喜んでいる。最初のセッションでは異なるセットアップを試し、その後、一貴がロングラン走行を実施したことで、いくつかの貴重な情報が得られた。私は2回目のセッションでチェックのために一度ドライブしただけだ。風の状況はわずかに変わったが、コースコンディションは最初のセッションよりも向上していた。これまでのところ、全てが上手く行っている。いつも通り、データを解析して明日の予選に向けての準備を行うことになる。

中嶋一貴:
今日は全てが順調だった。2回目のセッションでロングランを担当したが、調子も良く、車両のバランスにも満足している。ロングランでのタイヤの摩耗具合をチェック出来たので、決勝レースの戦略を立てる上でも有用な情報となるだろう。ラップタイムから何が読み取れるのかは分からない。我々はそれぞれの車両のプログラムに則って全て作業をこなしてきた。全体的に良い初日であり、明日の予選への準備が出来ていると共に、目標も明確だ。

TS040 HYBRID #8
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
公式練習第1回目:3番手(1分44秒661)37周
公式練習第2回目:5番手(1分45秒329)36周

アンソニー・デビッドソン:
シルバーストーンで、地元のファンの前に戻ってくることが出来て嬉しい。TS040 HYBRIDの感触は良好で、バランスに関する作業をこなしたが、全てが上手く進んでいる。我々はアウディとポルシェと良い勝負をしているように感じられ、面白いレースになると思う。天候は重要な要素であり、レインコンディションになれば、ハイダウンフォースなセッティングについて考慮する必要があるだろう。全体的に見れば良い一日で、車両の信頼性も高い。決勝レースへ向けて良い兆候だ。

ニコラス・ラピエール:
私は最初のセッションではドライブしなかったが、アンソニーとセバスチャンが多くの周回をこなしてくれた。2回目のセッションでドライブしたが、新型TS040 HYBRIDでこのコースを走るのは非常に面白かった。最良のバランスを得るべく様々なセッティングを試し、決勝レースでの戦略を最適化するために多くの作業をこなした。予選で最善を尽くせば、良い位置につけられると思う。

セバスチャン・ブエミ:
今日のテストは順調に進んだ。異なる仕様のタイヤと様々なセットアップオプションを試すなど、全てのプログラムを完了した。今日得られたデータを使って、予選、そして決勝レースに向けて更にパフォーマンスを向上させることになるだろう。我々がどの位置にいるのかを判断するのはまだ少し早いが、予選後には我々のポジションについての答えが出るはずだ。非常に接近した戦いになると思っており、それだけに日曜日までハードワークを続けなくてはならない。