トヨタ・レーシングとTS040 HYBRIDが開幕戦に続き2連勝
次のWEC第3戦 ル・マン24時間に期待
5月3日(土)ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでFIA世界選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、トヨタ・レーシングのTS040 HYBRID #8が優勝。トヨタ・レーシングは開幕戦に続き2連勝を飾った。#7も3位に入賞し、2台揃って2戦連続表彰台獲得を果たした。チャンピオンシップでも1位、2位のポジションを守り、シリーズ最大のイベントである、第3戦ル・マン24時間レース(6月14日決勝)へと臨む。
トヨタ・レーシングはWEC第2戦スパで、緊迫した6時間のレースを勝利で飾り、WEC開幕から2連勝を挙げた。
TS040 HYBRID #8を駆り、勝利へと導いたアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミは、昨年最終戦からの3連勝となり、今季のドライバーズ選手権でも2位以下との差を広げて首位を守ることとなった。
また、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと中嶋一貴が駆るTS040 HYBRID #7が3位入賞を果たし、トヨタ・レーシングはマニュファクチャラーズ選手権でもライバルとの差を広げた。
#8はラピエールがスタートを担当し、2番手グリッドからポジションをキープ。一方でサラザンが最初にステアリングを握った#7は4番手グリッドから、スタート直後の激しい順位争いを繰り広げた。
2台は共に最初のスティントを終えてタイヤを交換すると共に、#7が中嶋、#8はブエミへと交代。ブエミは首位との差を詰めると、続くピット作業で首位の座を奪い、更にリードを広げていった。中嶋も表彰台圏内へとポジションを上げ、前を行くライバルを追撃した。
その後、チームはタイヤ交換時のタイムロスを抑えるために、2スティントを1セットのタイヤで走行する作戦を試みたが、この作戦は効を奏せず、その後は1スティントごとにタイヤを新品に交換することとなった。
レースが半分を過ぎて間もなく、中嶋はブルツへと、ブエミはデビッドソンへと交代。デビッドソンはレース中の最速ラップタイムをマークする速さを見せ、2位以下との差を更に広げていった。
2位を争っていたブルツは、他車により排出されたオイルがフロントウィンドウに付着し、視界が妨げられるというハンディを負い苦戦。このトラブルは次のピットストップで改善され、サラザンへと交代した#7は再び2位争いを展開。首位の#8はラピエールが最後のスティントを担当し、首位を快走した。
2台は共に、最後にわずかな燃料を給油するためにピットイン。ポジションを守ったままコースへ戻った#8ラピエールは、2位に1分13秒926の差をつけてトップでチェッカー。開幕からの2戦連続の優勝を飾った。また、#7サラザンは2位にわずか6.935秒及ばず3位でフィニッシュした。
次戦第3戦はシリーズ最大のレースであるル・マン24時間。決勝日の2週間前、6月1日(日)の公式テストデーで幕を開ける。
木下美明 チーム代表:
今日、チームが成し遂げた仕事を大変誇りに思っている。トヨタ・レーシングがマニュファクチャラーズ選手権をリードするというのは大変嬉しく、ル・マンへ向けてチーム全体のモチベーションを上げることが出来る。今日は、大変多くの観客の前で、ライバルとの素晴らしいレースが出来た。優勝できたのは、最高の結果を出そうと全員が頑張った結果であり、チームも、ドライバーも、皆が本当に良くやってくれた。この先、ル・マンまで厳しい時間が待っている。何度も経験してきたように、ル・マンは特別なレースで、何が起こっても不思議ではない。そのレースに向けて我々は全力で仕事をこなし、最高のチャンスを得られるように頑張って行く。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
決勝レース:1位、171周、ピットストップ7回、最速ラップ:2分01秒327
アンソニー・デビッドソン:
今シーズンはとても上手く行っている。選手権のポイントリーダーも守れている。チームのホームレースのひとつであるスパで、ケルンからやって来た大勢の仲間の応援を受けながら勝つということは、本当に素晴らしいことだ。セバスチャンはレース中盤の難しい局面でとても良い仕事をしてくれた。おかげで私がステアリングを受け持つ時には、やるべきことは殆ど彼が終えてくれていた。こうして再び2台とも表彰台に上がれたというのは実に嬉しい。もう我々の関心は、6月の大きなイベントに移さなければいけない。私は、我々の持つパッケージと周りの皆に自信を持っている。本当に、良い時に波に乗れているという感じだ。
ニコラス・ラピエール:
チームの皆にとって大変素晴らしい結果だ。週末の始めから全てが上手く行っていた。予選では持てる力を全て発揮出来たので、レース中は落ち着いていられた。ポルシェとの戦いは本当に厳しいものだったが、我々はピットストップでリードすることが出来たのだから、メカニックにはお礼を言いたい。セバスチャンとアンソニーが上手く走ってくれたおかげで、リードを更に広げられた。最後にチェッカーフラッグを無事に受けられるよう、全てがコントロール下にあったことが何よりだ。我々はここスパでル・マン仕様が上手く機能することと、ハイブリッドシステムの素晴らしさも確認している。この結果は大変嬉しいし、ル・マンへの備えとしては最高だ。
セバスチャン・ブエミ:
今日のレースには本当に満足している。これで昨シーズン末のバーレーン、今シーズン初めのシルバーストーンに続き、もう3度目の優勝だ。レースは厳しいものだった。私がTS040 HYBRIDに乗り込んだ時は首位とのギャップを縮め始めることが出来たが、首位に立ってからは、後続とのギャップを広げるよう、プッシュしなければならなかったからだ。しかし、#14のポルシェが何かのトラブルを抱えた時も、我々はきちんとコントロールが効いていたので、とにかくどんなミスもしないように、という点だけに留意した。シーズン最初の2レースを勝って、ル・マンへの準備は完璧だ。しかし、我々は、基本に立ち返らなければいけない。昨年よりも良い準備が出来たからこそ、こうして今の結果があるのだから。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
決勝レース:3位、171周、ピットストップ7回、最速ラップ:2分02秒089
アレックス・ブルツ:
面白いレースだった。出来ればまた1-2フィニッシュを飾りたかったが、ほんの些細なことが理由でそれは叶わなかった。私自身にとってレースは大忙しだった。とても簡単な事ではなかった。全般的に我々のTS040 HYBRIDはナーバスで、もう1台のTS040 HYBRIDのようにプッシュすることが出来なかった。とはいえ、ポイントは獲得出来、チームとして世界選手権のリードを広げられたということは良い気分だ。
ステファン・サラザン:
1位、3位でゴール出来たことはチームにとって素晴らしい結果で、力強いシーズンスタートを続けることが出来た。#8は非常に速く、最高の仕事をした。それに引き替え我々はベストバランスを見つけるのに苦労し、オーバーステアに悩んだ。TS040 HYBRIDの性能を100%引き出すのは難しかった。攻めた走りをしたし、もう少しで2位を捕まえられそうだったが、まず、選手権ポイントを獲得することが重要で、諦めるしかなかった。これからはル・マンに向けての準備が待っている。
中嶋一貴:
チームは良い仕事をし、2台揃って表彰台に立てたことは最高の結果だ。我々に戦闘力の高いTS040 HYBRIDを与えてくれたチームには感謝している。恐らく2位は可能だったと思うが、僅かに力不足だったと思う。私のスティントの時には、タイヤを2スティント通して使用した。他のライバルも同様だったと思う。しかし、それはリスキーな判断で、グリップが低下してしまった。ここから先は次のレースに向けて集中しなくてはいけない。我々にとって絶対に落とせない大きな目標だ。
トヨタ・レーシングはWEC第2戦スパで、緊迫した6時間のレースを勝利で飾り、WEC開幕から2連勝を挙げた。
TS040 HYBRID #8を駆り、勝利へと導いたアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミは、昨年最終戦からの3連勝となり、今季のドライバーズ選手権でも2位以下との差を広げて首位を守ることとなった。
また、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと中嶋一貴が駆るTS040 HYBRID #7が3位入賞を果たし、トヨタ・レーシングはマニュファクチャラーズ選手権でもライバルとの差を広げた。
#8はラピエールがスタートを担当し、2番手グリッドからポジションをキープ。一方でサラザンが最初にステアリングを握った#7は4番手グリッドから、スタート直後の激しい順位争いを繰り広げた。
2台は共に最初のスティントを終えてタイヤを交換すると共に、#7が中嶋、#8はブエミへと交代。ブエミは首位との差を詰めると、続くピット作業で首位の座を奪い、更にリードを広げていった。中嶋も表彰台圏内へとポジションを上げ、前を行くライバルを追撃した。
その後、チームはタイヤ交換時のタイムロスを抑えるために、2スティントを1セットのタイヤで走行する作戦を試みたが、この作戦は効を奏せず、その後は1スティントごとにタイヤを新品に交換することとなった。
レースが半分を過ぎて間もなく、中嶋はブルツへと、ブエミはデビッドソンへと交代。デビッドソンはレース中の最速ラップタイムをマークする速さを見せ、2位以下との差を更に広げていった。
2位を争っていたブルツは、他車により排出されたオイルがフロントウィンドウに付着し、視界が妨げられるというハンディを負い苦戦。このトラブルは次のピットストップで改善され、サラザンへと交代した#7は再び2位争いを展開。首位の#8はラピエールが最後のスティントを担当し、首位を快走した。
2台は共に、最後にわずかな燃料を給油するためにピットイン。ポジションを守ったままコースへ戻った#8ラピエールは、2位に1分13秒926の差をつけてトップでチェッカー。開幕からの2戦連続の優勝を飾った。また、#7サラザンは2位にわずか6.935秒及ばず3位でフィニッシュした。
次戦第3戦はシリーズ最大のレースであるル・マン24時間。決勝日の2週間前、6月1日(日)の公式テストデーで幕を開ける。
木下美明 チーム代表:
今日、チームが成し遂げた仕事を大変誇りに思っている。トヨタ・レーシングがマニュファクチャラーズ選手権をリードするというのは大変嬉しく、ル・マンへ向けてチーム全体のモチベーションを上げることが出来る。今日は、大変多くの観客の前で、ライバルとの素晴らしいレースが出来た。優勝できたのは、最高の結果を出そうと全員が頑張った結果であり、チームも、ドライバーも、皆が本当に良くやってくれた。この先、ル・マンまで厳しい時間が待っている。何度も経験してきたように、ル・マンは特別なレースで、何が起こっても不思議ではない。そのレースに向けて我々は全力で仕事をこなし、最高のチャンスを得られるように頑張って行く。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
決勝レース:1位、171周、ピットストップ7回、最速ラップ:2分01秒327
アンソニー・デビッドソン:
今シーズンはとても上手く行っている。選手権のポイントリーダーも守れている。チームのホームレースのひとつであるスパで、ケルンからやって来た大勢の仲間の応援を受けながら勝つということは、本当に素晴らしいことだ。セバスチャンはレース中盤の難しい局面でとても良い仕事をしてくれた。おかげで私がステアリングを受け持つ時には、やるべきことは殆ど彼が終えてくれていた。こうして再び2台とも表彰台に上がれたというのは実に嬉しい。もう我々の関心は、6月の大きなイベントに移さなければいけない。私は、我々の持つパッケージと周りの皆に自信を持っている。本当に、良い時に波に乗れているという感じだ。
ニコラス・ラピエール:
チームの皆にとって大変素晴らしい結果だ。週末の始めから全てが上手く行っていた。予選では持てる力を全て発揮出来たので、レース中は落ち着いていられた。ポルシェとの戦いは本当に厳しいものだったが、我々はピットストップでリードすることが出来たのだから、メカニックにはお礼を言いたい。セバスチャンとアンソニーが上手く走ってくれたおかげで、リードを更に広げられた。最後にチェッカーフラッグを無事に受けられるよう、全てがコントロール下にあったことが何よりだ。我々はここスパでル・マン仕様が上手く機能することと、ハイブリッドシステムの素晴らしさも確認している。この結果は大変嬉しいし、ル・マンへの備えとしては最高だ。
セバスチャン・ブエミ:
今日のレースには本当に満足している。これで昨シーズン末のバーレーン、今シーズン初めのシルバーストーンに続き、もう3度目の優勝だ。レースは厳しいものだった。私がTS040 HYBRIDに乗り込んだ時は首位とのギャップを縮め始めることが出来たが、首位に立ってからは、後続とのギャップを広げるよう、プッシュしなければならなかったからだ。しかし、#14のポルシェが何かのトラブルを抱えた時も、我々はきちんとコントロールが効いていたので、とにかくどんなミスもしないように、という点だけに留意した。シーズン最初の2レースを勝って、ル・マンへの準備は完璧だ。しかし、我々は、基本に立ち返らなければいけない。昨年よりも良い準備が出来たからこそ、こうして今の結果があるのだから。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
決勝レース:3位、171周、ピットストップ7回、最速ラップ:2分02秒089
アレックス・ブルツ:
面白いレースだった。出来ればまた1-2フィニッシュを飾りたかったが、ほんの些細なことが理由でそれは叶わなかった。私自身にとってレースは大忙しだった。とても簡単な事ではなかった。全般的に我々のTS040 HYBRIDはナーバスで、もう1台のTS040 HYBRIDのようにプッシュすることが出来なかった。とはいえ、ポイントは獲得出来、チームとして世界選手権のリードを広げられたということは良い気分だ。
ステファン・サラザン:
1位、3位でゴール出来たことはチームにとって素晴らしい結果で、力強いシーズンスタートを続けることが出来た。#8は非常に速く、最高の仕事をした。それに引き替え我々はベストバランスを見つけるのに苦労し、オーバーステアに悩んだ。TS040 HYBRIDの性能を100%引き出すのは難しかった。攻めた走りをしたし、もう少しで2位を捕まえられそうだったが、まず、選手権ポイントを獲得することが重要で、諦めるしかなかった。これからはル・マンに向けての準備が待っている。
中嶋一貴:
チームは良い仕事をし、2台揃って表彰台に立てたことは最高の結果だ。我々に戦闘力の高いTS040 HYBRIDを与えてくれたチームには感謝している。恐らく2位は可能だったと思うが、僅かに力不足だったと思う。私のスティントの時には、タイヤを2スティント通して使用した。他のライバルも同様だったと思う。しかし、それはリスキーな判断で、グリップが低下してしまった。ここから先は次のレースに向けて集中しなくてはいけない。我々にとって絶対に落とせない大きな目標だ。