2015年11月20日(金)配信

TOYOTA GAZOO Racing、
WEC最終戦バーレーン6時間レース、公式練習開始

 2015年のFIA世界耐久選手権(WEC)もいよいよシーズン最終戦、バーレーン6時間レースを迎えました。TOYOTA GAZOO Racingはこの最終戦で有終の美を飾るために、開幕1日目の11月19日(木)を忙しく終えました。

 この日、練習走行は2回行われ、1回目のセッションではアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴のTS040 HYBRID #1号車は5番手、2回目には6番手のタイムをマークしました。アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車は1回目を6番手、2回目を5番手で終えました。#2号車は昨年のバーレーン6時間レースで勝利を飾っています。

 21日(土)に行われる決勝レースは、TOYOTA GAZOO Racingにとってひとつの時代の区切りを意味するものになります。トヨタがWECへの挑戦を開始した2012年からチームの中心的ドライバーとして活動を共にしてきた、アレックス・ブルツの最後のレースになるからです。同時に、2014年のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得したTS040 HYBRIDの最後のレースでもあります。2015年、TOYOTA GAZOO Racingは新開発の強力なレーシングカーでWECを戦うことになります。

 その最後のレースを前に、TOYOTA GAZOO Racingは引退するブルツを囲んでチーム全員で記念写真を撮りました。また、特別な記念品として、ブルツ本人が2015年に使用したレーシングスーツをフレームに入れて贈呈しました。TOYOTA GAZOO Racingはブルツの新しい人生における成功を祈ります。

 練習走行1回目は高温の日中に始まり、終了した時には夕暮れが近づいていましたが、2回目の走行が始まったときには日はとっぷりと暮れていました。この条件下で走ることで、ドライバーは午後3時に始まり9時に終わる決勝レースでの全条件を経験したことになります。

 今日の練習走行では、2台のTS040 HYBRIDはレースに向けてベストなセッティングを見出す作業に追われました。空力及びメカニカル・セッティングはもちろん、ハイブリッドの回生、ブーストのセッティングなどを見直し、最適値を出す作業です。レギュレーションにより、TS040 HYBRIDはバーレーン・サーキットでは1周につき最大3.69MJのエネルギーが使用出来ますが、チームは最も効率良く回生、放出ができるように調整を行いました。
 また、タイヤの性能確認も重要な仕事です。ミシュランが提供する2種類のドライコンパウンド・タイヤに関して、性能と耐久性のテストを行いました。それらのすべてのテストを通し、2台のTS040 HYBRIDの合計走行周回数は149周にも及びました。バーレーンのコースは1周5.412kmですから、806kmを越える走行距離です。

 明日の金曜日には午前11時から3回目の練習走行が行われ、午後7時30分から公式予選が行われます。決勝レースは土曜日の午後3時にスタートします。

TOYOTA GAZOO Racingへの皆様の熱い応援をよろしくお願いいたします。

TS040 HYBRID #1号車
(アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴)
公式練習1回目:5番手(1分45秒371)32周
公式練習2回目:6番手(1分44秒288)42周

アンソニー・デビッドソン:
 安定したコンディションの下で、TS040 HYBRIDの最適バランスを見つけようと注力しました。車両バランス、特にリアについてはもう少し改善が必要です。我々は良い方向に向いていますが、レースに向けてもう少し煮詰める必要があります。

セバスチャン・ブエミ:
 今日は上手く行きました。信頼性の問題もなく安定していたので、多くの周回をこなし、豊富なデータを集めることが出来ました。いつもと同じようにこれからそれらを吟味し、TS040 HYBRIDの戦闘力を最大限引き出すことが目標です。

中嶋一貴:
 私がここで最後にレースを走ってからずいぶん経ちますが、このように良い天候に恵まれてこのバーレーンに戻れたのは嬉しいです。2回の練習走行のセッションの間にセットアップを変え、2回目の練習走行では改善が見られたので、まずまずの出来だったと思います。アレックスと少しばかり競い合えて楽しかったですが、この週末が彼の最後のレースとはいえ、まだまだ彼に学ぶべきところがあると思いました。

TS040 HYBRID #2号車
(アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
公式練習1回目:6番手(1分45秒485)28周
公式練習2回目:5番手(1分43秒931)47周

アレックス・ブルツ:
 練習走行の1回目から2回目にかけて大きく改善出来、今は期待したところまで来ていると思います。TS040 HYBRIDでのロングランを試せたのは良かったです。どれを取ってみても、非常に上手く最適化が出来、満足の行くセッションでした。また、一貴と共にセッションを走れたのが楽しかったですね。

ステファン・サラザン:
 セットアップにおいて幾つか試し、TS040 HYBRIDの仕上がりには満足しています。我々にとって非常に良い訓練になるので、まだまだプッシュし、集中して行きます。チーム一丸となり、全てをぶつけることで来シーズンへの良い足がかりになると思っています。

マイク・コンウェイ:
 今日は我々にとっては標準的な練習走行の日だったので、それほど記すべきところはないように思います。我々は色々なテストをし、セットアップでいくつかの手法を試してみました。コースの状況は最初のセッションからは少し良くなりましたが、それでもかなりタイヤには厳しいです。急激にタイヤのグリップが落ちるので、タイヤとコース上の混雑について上手くコントロールしていく必要があります。