F1世界選手権第4戦サンマリノGPの公式練習3回目と予選が行われた。晴れ渡った好天の下、
午前11時に開始された公式練習3回目は、気温24度路面温度28度、湿度37%という
コンディション。昨日の公式練習は、電気系トラブルに見舞われ、周回が限られたラルフ・
シューマッハーがセッション開始早々から積極的に走行。21周を走り込み着実にタイムアップを
果たし、6番手タイムをマーク。ヤルノ・トゥルーリは15周を走破し、17番手タイムにつけた。その後、気温27度、路面温度36度へと上昇する中で、「ノックアウト」方式の予選は、午後
2時に第1ピリオドが開始された。開始早々からコースインしたラルフ・シューマッハーは、2回の
アタックで3番手タイムをマーク。ヤルノ・トゥルーリも僅差の5番手タイムで第2ピリオドへの進出を
決めた。5分のインターバルの後に行われた第2ピリオドでは、終盤激しく上位が入れ替わり、
コンマ1秒内に7台が入るという激しいタイムアタックとなったが、パナソニック・トヨタ・レーシングの
2台は、セッション終盤に好タイムをマークしたラルフ・シューマッハーが3番手。序盤にタイムアタックに挑んだ、ヤルノ・トゥルーリが6番手で、予選トップ10を決定する第3ピリオドへと進出した。
再び5分のインターバルをおいて行われた第3ピリオドは、20分間のセッション開始と同時に
全車コースイン。淡々と周回を重ねた10台は、残り5分を切って最後のタイムアタック合戦に突入。
目まぐるしくタイムが更新される僅差の決勝グリッド争いで、ラルフ・シューマッハーが3列目6番手
グリッドを確保。ヤルノ・トゥルーリは最後のアタックでライバルカーに引っかかったものの、
5列目9番手と、2台揃って予選トップ10入りを果たし、明日の決勝レースへと臨むことになった。
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ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/05
公式練習3回目 : 6番手 1分24秒667(トップと0.880秒差) 21周
予選第1セッション : 3番手 1分24秒370(トップと0.834秒差) 6周
予選第2セッション : 3番手 1分23秒565(トップと0.986秒差) 6周
予選第3セッション : 6番手 1分23秒772(トップと0.977秒差) 14周
グリッド : 6番手(暫定)
「予選の結果は期待以上のものであった。しかし、予選最終ピリオド終盤でのアタック時に、先行車に
引っかかったこともあり、完璧な周回が出来たとは言えず、満足はしていない。あとコンマ1秒
縮められれば、2列目グリッドに届いていただけに、残念だ。とはいえ、今日の結果は非常に良い
ものであり、ヤルノ・トゥルーリと私は全力を尽くした。昨年、私は、予選で苦しんだが、今の“TF106”と
タイヤの組み合わせは私に合っている。明日はポイント獲得を狙わなければならない。我々はトップ
チームからそれほど離れておらず、ベストを尽くしてより上位を狙っていく。しかし、このサーキットは
非常に追い抜きが難しい。望むらくは、いつものように、良いピットストップが出来れば、最後は良い
結果が得られるだろう」
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
シャシー:TF106/04
公式練習3回目 : 17番手 1分25秒806(トップと2.019秒差) 15周
予選第1セッション : 5番手 1分24秒446(トップと0.910秒差) 7周
予選第2セッション : 6番手 1分23秒727(トップと1.143秒差) 6周
予選第3セッション : 9番手 1分24秒172(トップと1.377秒差) 14周
グリッド : 9番手(暫定)
「チームにとっては良い予選結果となったが、私が最後のアタックで他車に阻まれなければ、もっと
良い結果が得られていただろう。不運にも、最後のアタックの時、ピットから出てきたばかりでスロー
走行していたM.シューマッハー(フェラーリ)の後に追いついてしまった。想定外であり、そこまで
上手くいっていただけに残念だ。“TF106”のハンドリングは予選セッションを通して良く、決勝レースへ
向けての自信はある。ラルフ・シューマッハーがオーストラリアGPで表彰台を獲得したことで、我々が
上位を争える競争力を持っていることが証明され、チームの雰囲気も良くなっている。今回のレースは、
我々の改良がどこまで進んでいるのかを知る機会にもなるだろう。明日は、序盤戦よりも運に恵まれる
ことを期待している」
ディーター・ガス : レース及びテスト チーフ・エンジニア
「今年初めてパナソニック・トヨタ・レーシングの2台が揃って予選の最終ピリオドを走行することが
出来、良い一日であった。両ドライバー共に予選を通して素晴らしい走りを見せてくれたが、特に、
最初の2ピリオドでは、非常に短時間のタイムアタックにも関わらず良いタイムをマークしてくれた。
ラルフ・シューマッハーの予選順位には満足している。彼は2列目と非常に僅差の6番手となった
ものの、そのパフォーマンスは素晴らしかった。ヤルノ・トゥルーリはアタックラップ中にタイムロスが
あり、残念な結果となってしまった。明日の決勝レースへ向け、選択したタイヤのパフォーマンスと
グリップレベルには満足しており、レースの戦略にも自信がある。我々はまだF1の世界ではチャレン
ジャーであり、明日はより良い結果になるよう戦い続ける」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「今日の公式練習3回目、そして予選を通じて、“TF106”のポテンシャルが向上していることは確認
出来た。予選最終ピリオドでは、多くのF1カーによる激しいタイムアタック合戦の中で、クリアな
ラップが取れず、必ずしも満足のいく結果とはならなかったが、明日の決勝レースでは、更に上位を
目指して頑張る」
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