F1世界選手権第4戦サンマリノGPの決勝レースが行われた。午後2時、4月としては暑い気温27度、路面温度43度、湿度26%のコンディションで62
周の戦いがスタート。しかし、スタート直後に、後続グループでクラッシュが発生し、セーフティカーが導入される波乱の幕開けとなった。予選9番手のヤルノ・トゥルーリは、スタートで一つポジションを上げたものの、直後にステアリング系のトラブルに見舞われ、わずか5周でリタイアを余儀なくされてしまった。
一方、予選6番手グリッドからスタートを切ったラルフ・シューマッハーは、
チームの期待を担い力強い走りを見せたが、惜しくも、ポイント獲得目前の9位でフィニッシュとなった。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/05
決勝順位 : 9位 62周/62周(トップと45秒511差)
グリッド : 6番手
「ポイント獲得を逃し、残念な決勝レースとなってしまった。我々は非常に攻撃的な戦略を採ったが、状況は味方しなかった。混雑に行く手を阻まれたり、セーフティカーが出るなどの不運があり、また、序盤ではグリップ確保に苦戦した。
終盤、前を行くG.フィジケラ(ルノー)とB.バトン(ホンダ)を追い上げる
時にはペースは改善されたが、何らかの問題があったのは確かだ。それは、他の
ブリヂストンタイヤ採用チームが良い結果を出していることから、タイヤに起因するものではないと思う。だから、我々の問題は何なのか調査する必要がある。
来週予定されているテストでは、いくつかの新しい項目を試すことになっており、ヨーロッパGPへ向けて、改良が進むと信じている」
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
シャシー:TF106/04
決勝順位 : リタイア 5周/62周
グリッド : 9番手
「多くの不運が私に降りかかっているように思われてならない。そして、それは今日も例外ではなかった。何が起こったのか、正確に調査しなくてはならないが、
ステアリング・コラムに何らかの不具合が生じたようで、リタイアせざるを得な
かった。この週末は、ずっと好調で、今日は良い一日に出来るという自信があっただけに、残念だ。スタートは非常に上手く行き、K.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)の前に出てポジションをアップすることが出来た。不運にも、
トップグループが最初のコーナーを曲がった時点で、スローダウンを強いられることとなってしまった。何をやっても、うまく行かず、失望している。しかし、
チームと“TF106”が優れているということは分かっており、努力を続けていく。
一旦上手く動き始めれば、きっと成功を遂げるに違いない」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「ステアリング・コラムのトラブルで序盤戦にリタイアを余儀なくされた、ヤル
ノ・トゥルーリには申し訳ないことをした。一方、ラルフ・シューマッハーは、
ポイント獲得こそ出来なかったものの、粘り強く最後まで戦ってくれた。全体と
しては全く満足出来ないレ-スだった。次戦ヨーロッパGPでは、上位進出できるよう全力を尽くす」
冨田務 : TMG会長 兼 チーム代表
「期待はずれの日曜日となってしまい、あまり良い結果ではなかった。しかし、
“TF106”は、今日示した以上の速さを持っていると確信している。この週
末は、上手く仕上がっており、ブリヂストンタイヤとも良く適合していた。不運
にも、ヤルノ・トゥルーリがステアリング・コラムの機械的な問題でストップせ
ざるを得なくなるという、とても残念なスタートとなってしまった。我々は非常
に失望するとともに、ヤルノ・トゥルーリに謝りたい。ラルフ・シューマッハーは、このサーキットはピットレーンが短いので、有利となる3回給油の戦略を採
り、全力で戦った。しかし、その戦略は、序盤戦にセーフティカーが導入されれ
ば、不利になるリスクを負うことを意味しており、実際に起きてしまった。さらに、レース中、グリップ力が不安定で、調査究明は必要だが、他車に阻
まれることなく走った終盤戦の速さには勇気付けられた。私は、“TF106”
が、ここ数戦で、さらに良い結果を得られる潜在的能力を持っていると確信して
いる。とはいえ、我々は、更なる進化のために次のテストでパフォーマンスを改善するために頑張らねばならない」 |