チームにとって今日のレースは出だしからありがたくない形となる。今回母国GPだったイタリア出身のヤルノ・トゥルーリは、わずか5周目にステアリングの問題のためリタイヤを余儀なくされてしまった。
「このところの運のなさは今日も同じだった。実際に何が起こったのか、今日の問題は注意深く分析する必要がある。クルマはいいペースで走れていただけに残念だが、今後自分のほうに流れが向いてくればハイレベルなパフォーマンスを発揮できるはずだし、どんどんいい結果が続くようになるはずだ」と話すヤルノ。
62周で争われた今日のレースでラルフは3回ストップ作戦を選択し、16周目、32周目、46周目に燃料補給を行った。ほかに3回ストップを選択したドライバーはラッキーストライク・ホンダのジェンソン・バトンだけだったが、今回のギャンブルはうまくいかなかったとラルフ自身が認めている。
「3回ストップのメリットを生かすには、いまひとつレース中の速さが足りなかった」とラルフ。「ただしその理由のひとつは第1スティントでセーフティーカーが入ったことだ。3回ストップ作戦をうまく実行するためには、第1スティントでマージンを稼ぐ必要がある。セーフティーカー・ピリオドはそれほど長くはなかったが、それでもわれわれには痛手だった」
レースではスクーデリア・フェラーリ・マールボロのミハエル・シューマッハーがマイルドセブン・ルノーのフェルナンド・アロンソとの熾烈な争いに勝利し、F1通算85勝目を達成。3位はチーム・マクラーレン・メルセデスのファン‐パブロ・モントーヤ、4位はもう1台のフェラーリに乗るフェリペ・マッサ、5位がキミ・ライコネン(マクラーレン)、6位がマーク・ウェバー(ウィリアムズF1)、7位がジェンソン・バトン(ラッキーストライク・ホンダ)、8位がジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)となった。
チーフレースエンジニアのディーター・ガスは次のようにコメントしている。「ヤルノはステアリング・コラムに機械的な問題が生じてしまった。ラルフの3回ストップ作戦は序盤のセーフティーカーのせいで期待ほどうまくいかなかった。このサーキットはピットレーンが短いため、3回ストップ作戦はそれほどリスクが高いわけではないが、セーフティーカーが入るかどうかをあらかじめ予測することは無理だ。タイヤのグリップも幾分安定しない所があったが、それでもわれわれは週末を通じて高いパフォーマンスを示すことができたと思う。実際にラルフのファステストラップは全体の5番目だった」
新しいシーズンの4戦目を終え、ラルフ・シューマッハーは7ポイントでドライバーズ選手権の8位につけている。いっぽうのヤルノ・トゥルーリは未だノーポイントだが、ケルンに本拠地を置くパナソニック・トヨタ・レーシングにとってホームレースとなる次戦のニュルブルクリンクで、なんとかポイント獲得できることを期待したい。
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