F1第5戦ヨーロッパGPの公式練習が、ドイツ・ニュルブルクリンクで開始された。チームの本拠地ケルンから
最も近いサーキットで開催されるGPへと挑む、パナソニック・トヨタ・レーシングは、先週、南仏ポール
リカールでテストを実施。第7戦モナコGPで投入予定である“TF106B”をシェイクダウンすると共に、従来型の
“TF106”で、前戦サンマリノGPでの問題点を解決すべくデータを収集し、ホームGPへと体制を整えた。
午前11時に気温18度、路面温度28度、湿度55%のコンディションで開始された公式練習1回目では、
ヨーロッパGPが、F1GP通算150戦目となるラルフ・シューマッハーが、6周のみの走行ながら9番手タイム。
ヤルノ・トゥルーリは初期チェックの1周のみでセッションを終えた。午後2時から行われた公式練習2回目は、
気温22度、路面温度40度で開始されたが、ヤルノ・トゥルーリは、車体前部の振動に悩まされ、幾度かの
ピットインを繰り返し、タイム計測はならず28番手。一方、ラルフ・シューマッハーは、19周を走り込み、
着実にデータ収集を行ないながら6番手タイムを刻み、明日の予選、明後日の決勝レースへと臨む。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/05
公式練習1回目 : 9番手 1分34秒995(トップと2.916秒差) 6周
公式練習2回目 : 6番手 1分33秒883(トップと1.208秒差) 19周
「ニュルブルクリンクへ戻ってくることが出来、嬉しい。いつも気まぐれなこの地域の天候だが、驚くほど好天に
恵まれた。全体的に見て、今日の準備は比較的上手く行った。予定されていたセットアップとタイヤに関する
作業は完了した。我々はまだグリップを確保することと、我々のパッケージからさらに性能を引き出すべく
作業を続けている。タイヤのパフォーマンスは改善されたが、この週末がどうなるか、金曜日の時点で語るのは
難しい」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー8
シャシー:TF106/04
公式練習1回目 : 19番手 タイム無し 1周
公式練習2回目 : 28番手 タイム無し 5周
「ファクトリーから近く、ホームGPの様でもあり、多くの従業員やファンが声援してくれるので、良いパフォー
マンスを見せられることを期待している。今日の公式練習では、私の“TF106”に若干の問題があり、数周
しか走れず、非常に困難なものとなってしまった。公式練習の時間内に有意義な走行が出来るように、問題を
解決することは出来なかったが、チームは完璧に原因を究明してくれるはずだ」
ディーター・ガス : レースおよびテストのチーフ・エンジニア
「不運にも、2台共に午前中のセッションで若干の振動に見舞われ、午後もヤルノ・トゥルーリの“TF106”に
振動が再発してしまった。多くの項目を変更したが、振動を消すことが出来なかった。我々は明日へ向けて
詳細な解析を行わなくてはならない。そして、この状況は、もともとチャレンジングなサーキットにおいて、
我々のタイヤ選択を特に難しくする。しかし、ラルフ・シューマッハーは予定されていたプログラムを完了して
おり、予選の前に、明日の公式練習で、さらに良い情報を得られることを期待している」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「好天に恵まれたヨーロッパGPの公式練習初日ではあったが、我々にとっては厳しいスタートとなった。
ラルフ・シューマッハーは予定のプログラムをこなすことが出来たが、ヤルノ・トゥルーリは終始車体前部の
振動に悩まされ、満足な走行を行えなかった。しかし、ここニュルブルクリンクは我々の本拠に近く、TMGの
スタッフと一丸になって問題を解決し、万全な状態で明日の公式練習3回目および予選へと臨む」 |