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Rd5. Grand Prix of Europe
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ラルフはエンジントラブルでリタイヤ、ヤルノもポイントを逃す
ニュルブルクリンクで開催されたヨーロッパGPでは、6位を堅守し順調に走行していたラルフ・シューマッハーがエンジン・トラブルに見舞われリタイヤ。この結果パナソニック・トヨタ・レーシングはノーポイントに終わった。
 
2006年5月7日(日)
 

ラルフのスターティンググリッドは、本来10位だったウィリアムズのマーク・ウェバーがエンジンを交換し10グリッド降格のペナルティを受けたため、11番グリッドから10番グリッドに繰り上がったが、土曜日の実際の予選では11位だったため、レース戦略(燃料搭載量)に関しては自由に決めることができた。チームは第1スティントを27周まで引っ張るロングスティントを選択。レースではラルフのがんばりのお陰で、その作戦が報われたかのように見えた。

「もっといいスタートを切れなかったのがかなり悔やまれる」と説明するラルフ。「ニュルブルクリンクのターン1では頻繁にアクシデントが起こるものだが、今回レッドブルとトロ・ロッソが絡んだとき、行き場を失った私はその2台をなんとか回避しなければならなかった。そのため自分が本来やりたいように素早くスロットルを踏み込むことができず、4つか5つくらい順位を落としてしまった。前回のレースではセーフティーカーが私のレースを台無しにしてしまったが、今回はわずかとはいえ助けになってくれたと思う。第1スティントの終盤はいいペースで走行できていたし、1回目のピットストップを終えた段階では7位にまで順位を上げていた。われわれのクルマにはバリチェロを抜けるくらいの速さがあったし、彼と同じ周回で行った2回目のピットストップではあとすこしで追い越せそうだった。それでも、レース終盤に近づいてエンジンが壊れてしまうまでは間違いなくまたポイントをとれる展開だった。これほど多くのTMGの従業員のみんながわれわれに声援を送ってくれたのに、こういう結果になってしまいフラストレーションを感じているよ」

いっぽうのヤルノ・トゥルーリは予選で7位となり、レースではスタートもよく、序盤は6位を走行していた。だがその後、第1スティントを長めにしていたファン‐パブロ・モントーヤ(マクラーレン)、ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)、そしてラルフの先行を許してしまう。その後レースが進むにつれクルマのバランスに苦しむようになり、ポイント獲得まであと一歩及ばず9位でフィニッシュとなった。

「今日は今シーズンの初ポイントを獲得できると思っていた」と話すヤルノ。「特にスタートがあれほどよかっただけにね。だがレースに進むにつれ、自分のクルマに十分なグリップがないことに気づいた。この結果にはがっかりだし、これからわれわれは今日の状況を注意深く分析しなければならないだろう」

レースでは7回のワールドチャンピオンに輝いているミハエル・シューマッハーが2連勝を達成し、5戦を終えて現チャンピオンのフェルナンド・アロンソとの差を13ポイントに縮めた。アロンソのマイルドセブン・ルノーは2回目のピットストップの際に、シューマッハーのフェラーリに抜かれてしまった。ブラジル出身のフェリペ・マッサが3位となり、スクーデリア・フェラーリ・マールボロは1-3フィニッシュを達成。続く4位にはチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンが入った。5位はラッキーストライク・ホンダのルーベンス・バリチェロ、6位は2台目のルノーに乗るジャンカルロ・フィジケラ、7位はウィリアムズF1のニコ・ロズベルグ、そして最後の1ポイントはBMWザウバーのジャック・ヴィルヌーヴの手に渡った。

エンジン部門テクニカルディレクターのルカ・マルモリーニは次のように述べている。「ラルフのエンジンのトラブルに関しては何も警告サインはなかった。前回のレースを終えてから、オイルに鉛と銅がすこし含まれていることがわかった。これがベアリングに損傷をあたえる可能性があったが、エンジンの挙動はとても安定していた。ラルフはエンジンのパフォーマンスの低下などまったく感じていなかった。彼はとても力強い走りを見せていただけに、残りわずか7周という段階でトラブルが起こってしまったのは残念に思う。いっぽうのヤルノは序盤のペースを維持するのに苦しんでいたが、その理由を完全に把握するためにはデータを適切に分析する必要がある」

夏を迎える前のF1の厳しいスケジュールは来週末も続き、今度はバルセロナでスペインGPが開催される。

1 M・シューマッハー フェラーリ
2 F・アロンソ
ルノー
3 F・マッサ
フェラーリ
4 K・ライコネン
マクラーレン
5 R・バリチェロ
ホンダ
6 G・フィジケラ
ルノー
7 N・ロズベルグ
ウィリアムズ
8 J・ビルヌーブ
ザウバー
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