ハンガリー・ブダペスト郊外のハンガロリンク・サーキットで、Ｆ１第１３戦ハ ンガリーＧＰの公式練習１回目と２回目が行われた。例年、猛暑に見舞われるハ ンガリーＧＰであるが、朝から雲に覆われ、午前１１時からの公式練習１回目は、 気温１８度、路面温度２３度、湿度８３％という予想外の低温の下で開始された。 この公式練習１回目では、９周を走破したヤルノ・トゥルーリが９番手タイム。 ラルフ・シューマッハーは５周をこなし、１７番手タイムとなった。２時間のイ ンターバルを経て午後２時に開始された公式練習２回目も、気温２０度、路面温 度は２８度と、やはり涼しいコンディション。パナソニック・トヨタ・レーシン グの２台は、終盤、残り１５分を切ってから、ラルフ・シューマッハーが６番手、 ヤルノ・トゥルーリが７番手タイムを刻んだ。その後、２台揃ってロングランテ ストも行い、明日の予選、日曜日の決勝へ向けて着実にデータを収集し、セット アップ作業を遂行した。

ラルフ・シューマッハー ： カーナンバー７
シャシー：ＴＦ１０６／１０Ｂ



公式練習１回目 ： １７番手　１分３０秒１１０（トップと８．４８６秒差） 　　５周
公式練習２回目 ：　６番手　１分２３秒７４７（トップと１．９６９秒差） 　１９周

「このように涼しいハンガロリンクというのは滅多にない。我々は全く異なった、 高い気温を予想していたので、皆にとって困難な一日となった。今日のような低 温下では、タイヤ表面がめくれて摩耗することがいつも問題になるが、この週末 に向けて、路面にラバーが乗っていけば改善されるだろう。我々は、今日必要な 全ての作業を完了することが出来たが、明日の予選、日曜日の決勝へ向けて、ど のタイヤを選択するか、今晩長いミーティングを行うことになるだろう。最近の ３戦では、我々は、必ずしも結果には結びついていないものの、強力なペースを 示している。良い結果を得て夏期休暇を迎えたいと思っている」

ヤルノ・トゥルーリ ： カーナンバー８
シャシー：ＴＦ１０６／０８Ｂ



公式練習１回目 ： ９番手　１分２４秒６２０（トップと２．９９６秒差） 　　９周
公式練習２回目 ： ７番手　１分２３秒７７１（トップと１．９９３秒差） 　１８周

「雲に覆われたハンガリーというのは記憶に無く、いつもとは全く異なる週末に なりそうだ。確かに、前もってタイヤを選択するに当たって、天候を予測するこ とは出来ず、過去数年の経験を参考にするしかない。それは、この週末、天候が 重要な要素であるということを意味する。しかし、少なくともウェットコンディ ションにはならないと予測している。今日は全体的にグリップが低く、タイヤの 摩耗も激しかった。しかし、多くの結論を出すことは困難であった。とはいえ、 我々の“TF106B”とブリヂストンタイヤの組み合わせは最近の数戦で上手く機能 しており、私は望みを持っている」

ディーター・ガス　：　レースおよびテストのチーフ・エンジニア

「今日は特に大きな問題もなくプログラムを遂行することが出来、有意義な一日 であった。ハンガロリンクのコース特性に合わせ、モナコで用いたものに類似し た高いダウンフォースのパッケージを用いる。今日のセッションを終えて、我々 がどのレベルにいるか判断するのは難しいが、タイヤ選択に必要な全てのデータ と言えるほど、多くの情報を収集できた。通常ハンガリーＧＰでは、路面温度は ５０度近くになるので、もちろん、今日の温度は、予想以上に低かった。我々は このことが週末が進むに連れてパフォーマンスにどのように影響するかを考慮す る必要がある。今日はセッションを通してセットアップ作業が難しくなるぐらい、 多くのタイヤ表面がめくれて摩耗する症状が発生した。しかし、今日のデータを 充分見て、明日何をすべきか判断する」

新居章年　：　技術コーディネーション担当ディレクター

「先週のドイツＧＰから一転して、涼しいハンガリーＧＰ初日となった。路面温 度も低く、タイヤ表面がめくれて摩耗しやすい条件だったが、空力を含めたセッ トアップは順調にこなすことが出来た。今日の成果は明日以降へ向けて手応えの あるもので、チーム一丸となり予選、決勝で上位を目指す」