ハンガリー・ブダペスト郊外のハンガロリンク・サーキットでF1第13戦ハン
ガリーGPの公式練習3回目と予選が行われた。天候は昨日よりもやや回復した
ものの、まだ雲は多く、気温21度、路面温度29度と変わらず涼しいコンディ
ション。午前11時から開始された公式練習3回目は、途中、赤旗による中断を
挟んだものの、ラルフ・シューマッハーが13周、ヤルノ・トゥルーリが16周
を走破し、決勝へと照準を合わせたデータ収集を行った。その後、午後2時に、
気温23度、路面温度34度というコンディションで開始された予選第1セッシ
ョンでは、ラルフ・シューマッハーが5番手、ヤルノ・トゥルーリは11番手タ
イムで第2セッションへ進んだ。僅差の争いとなった第2セッションでは、ヤル
ノ・トゥルーリが8番手、ラルフ・シューマッハーが9番手で最終第3セッショ
ンへ進出を決めた。最終第3セッションでは、パナソニック・トヨタ・レーシン
グの2台は終盤に1回のみのタイムアタックを行い、ラルフ・シューマッハーが
7番手、ヤルノ・トゥルーリが9番手のタイムをマーク。他車のグリッド降格の
ため、暫定ながら、明日の決勝は、それぞれ6番手、8番手グリッドからのス
タートとなる。
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ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7
シャシー:TF106/10B
公式練習3回目 : 15番手 1分23秒963(トップと3.168秒差)13周
予選第1セッション : 5番手 1分21秒112(トップと1.370秒差) 6周
予選第2セッション : 9番手 1分20秒243(トップと0.739秒差) 6周
予選第3セッション : 7番手 1分20秒759(トップと1.160秒差) 11周
グリッド: 6番手(暫定)
「この困難な状況を考えれば、今日の結果は満足し得るものだ。誰もがこの週末、
もっと暑いコンディションを予想しており、直面した問題は全て予想外の低温に
起因するものだ。低温による主な問題は、タイヤの表面がめくれて摩耗しやすく
なってしまうことだ。想定温度よりも低い場合、荒れた表面は、タイヤに十分な
グリップ力を与えない。タイヤは基本的に溶けて機能するものであり、このため
にグリップ不足を起こす。結果的に、アンダーステアかオーバーステアに見舞わ
れることになる。チームは素晴らしい仕事をし、明日の決勝レースへ向けて有望
な正しいタイヤを選択してくれたと思う。私は過去、ここハンガロリンクで良い
戦績を残しており、また、我々の最近のパフォーマンスも好調であるので、その
傾向が明日の決勝レースでも続けられることを望んでいる」
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ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
シャシー:TF106/08B
公式練習3回目 : 19番手 1分25秒373(トップと4.578秒差)16周
予選第1セッション : 11番手 1分21秒434(トップと1.692秒差) 6周
予選第2セッション : 8番手 1分20秒231(トップと0.727秒差) 6周
予選第3セッション : 9番手 1分21秒132(トップと1.533秒差) 11周
グリッド: 8番手(暫定)
「タイヤの表面がめくれて摩耗したために、この週末は誰にとっても困難なもの
となった。タイヤのベストの使い方を理解することは非常に難しく、そのことが
セットアップも困難にさせたので、今日は全てが推測のようなものであった。セ
ッション全体を通して、グリップ不足とバランスの調整に苦しんだ。とはいえ、
予選では、トップ10入りすることが出来、そして明日の決勝レースでは、最良
の結果を得るべく臨まなくてはならない。過去には、私はここハンガリーでは常
に良い走りをして来ているが、結果には繋がっていない。明日もまた困難なレー
スになるだろうが、ここ数戦、性能面からグリッドポジションは向上しており、
良い結果を持ち帰られるよう頑張りたい」
パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「タイヤは常に重要な要素であるが、今回のハンガリーGPでは、他の全ての要素
に優先する。低温なコンディションは、タイヤのコンパウンドへ、複雑な影響を
もたらす。低温はまた、タイヤのウォーミングアップ不足を誘発し、タイヤを滑
らせたり、表面をめくり摩耗させる。それらがこの2日間我々が直面して来たこ
とだ。このために、我々は絶対的には、グリップが欠けている。しかし、それは
どのチームも同じことであり、相対的には、それほど悪くはない。予選は大きな
問題もなく、上手く行った。これまでのところ、我々は他のチームとは異なるや
り方を試しており、この予選での結果には非常に満足している。良いスタートポ
ジションに付けており、明日の決勝レースを楽しみにしている」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「昨日に続き涼しいハンガリーの二日目となったがラルフ・シューマッハー、ヤ
ルノ・トゥルーリとも予選第3セッションに進むことが出来た。予選順位は7番
手と9番手であり“TF106B”のスピードを十分に示すことは出来なかった
が、他車のグリッド降格で6番手グリッドと8番手グリッドからスタートするこ
ととなり、明日の決勝レースに向けてはまずまずの位置が確保出来た。明日も同
様な天候でタイヤ表面がめくれて摩耗しやすい状況が予想される。決勝レースに
向けて細心の注意を払い、車の信頼性を確保し、2台揃っての完走、そして今度
こそ、2台揃っての入賞を目指す」
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