ラルフのクルマに関しては、金曜日のフリー走行後、レース中にトラブルに見舞われるリスクを冒すよりもエンジンを交換しておくことをチームが決断。予選でラルフは何のトラブルもなく最終セッションまで進み、5番手タイムとなる1分27秒569を記録した。スターティンググリッドが下位に沈んだのは、エンジン交換による10グリッド降格のペナルティのためだ。だがチームはこの状況に適切に対応できるようすでにレース戦略を組み立てている。
「ときにはこういったことが起こってしまうものだ」と話すラルフ。「ポジティブな面について言えば、このイスタンブールパークでは追い越しが可能だということだね。ブリヂストンのタイヤは非常に調子がいいし、明日は長くて身体的にもキツいレースになるだろう。クルマのほうはフリー走行から予選まで一貫して速さを見せている。われわれふたりは、ポイントを獲得できるようレースでは懸命に攻めて行くつもりだし、その目標は達成可能だと思っている」
予選最終セッションに進めなかったヤルノがこう続けた。「予想していたよりもキツいアンダーステアに見舞われてしまったが、タイヤ選択は保守的にしているし、また、予選よりもレース戦略のほうに集中している。レースではスタート直後のタイトな下り坂の1コーナーを無事に通過できれば、この戦略が功を奏してくれるはずだと考えている。グリッド中団にいることは厄介かもしれないが、願わくば無傷で1コーナーを通過して、その後は順位を上げていくことに集中できればと思っている」
F1第14戦の予選はスクーデリア・フェラーリ・マールボロの独壇場となった。フェリペ・マッサが初のポールポジション(1分26秒907)を獲得し、タイトル争いでトップを猛追しているミハエル・シューマッハーが2番手(1分27秒284)で続いた。いっぽう、現チャンピオンのルノーのフェルナンド・アロンソは3番手(1分27秒321)、同僚のジャンカルロ・フィジケラは4番手(1分27秒564)となった。5番手タイムのラルフが10グリッド降格となったため、5番手スタートはBMWザウバーのニック・ハイドフェルド(1分27秒785)、続いてハンガリーGPで優勝したラッキーストライク・ホンダのジェンソン・バトン(1分27秒790)、チーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン(1分27秒866)、BMWザウバーのロベルト・クビサ(1分28秒167)、ウィリアムズ・コスワースのマーク・ウェバー(1分29秒436)という順番となった。
パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門シニアゼネラル・マネージャー、パスカル・バセロンは次のように述べている。「もちろんわれわれはもっと上位のグリッドを狙っていたわけだが、こうした結果になった理由ははっきりしているし、クルマはここまでのセッション全般を通じてかなりの速さを見せている。このコースはタフで挑戦しがいがあるが、昨年のレースではかなりたくさんのアクシデントが発生しているし、明日はそれと同じような展開になるのではと予想している。ふたりのドライバーは上位フィニッシュを狙えるはずだとわれわれは自信を持っている」
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