グランプリ > 2005グランプリ > オーストラリアGP > リポート
Rd.1 Grand Prix of Australia report
grand prix
オーストラリアGP フリー走行リポート
メルボルンのアルバートパーク・サーキットを舞台にした開幕戦初日、パナソニック・トヨタ・レーシングは2005年シーズンの上々のスタートを切った。モータースポーツ統括団体であるFIAによるレギュレーションの変更は、どうやらこれまで以上の接戦とエキサイティングなレース展開を生み出してくれそうだ。
2005年03月04日(金)

2005年のクルマは空力効率が低下しており、またエンジンには昨年の1レースから今季は2レース分の耐久性が要求されている。レースの週末を通して使用できるタイヤは、クルマ1台につきわずか4セットに限定されている。

新しいタイヤのレギュレーションが特に影響を及ぼしているのは、金曜日のフリー走行の運用方法だ。レースドライバーのラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリはタイヤとエンジンをいたわることが重要になるため、レース用タイヤを選択するために必要な判断材料のデータの収集は、チームのテストドライバーのリカルド・ゾンタの役目となり、その任務は以前にも増して重いものになっている。

初日の2回のフリー走行を終え、最速だったのはウェスト・マクラーレン・メルセデスのテストドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサ(1分25秒376)で、その後ろにチームメートのレースドライバー、キミ・ライコネン(1分25秒676)が続いた。新しくBMWウィリアムズF1チームのレースドライバーとなったニック・ハイドフェルド(1分25秒967)が3番手、その後にレッドブル・レーシングのテストドライバー、ヴィタントニオ・リウッツィ(1分25秒967)、7回のワールド・チャンピオンを獲得しているフェラーリのミハエル・シューマッハー(1分26秒081)が続き、マクラーレンのファン・パブロ・モントーヤ(1分26秒227)までがトップ6となっている。

ゾンタが乗るトヨタの新車、TF105(1分26秒808)は、最速ラップを途中で邪魔されたものの、全体の11番手でこの日を終えている。いっぽうシューマッハー(1分27秒162)とトゥルーリ(1分27秒195)は13番手と14番手という順位となった。

「どちらのセッションでも技術的なトラブルもなく、満足できる初日だった」と話すシューマッハー。「パフォーマンスのレベルは自分が予想していたよりも上だった。予選が今から楽しみだよ!」

続いてトゥルーリのコメント。「ようやくレースに戻ってこられていい感じだね。今日はこのコースに合わせてクルマのバランスに取り組むことしかできなかった。とはいえ、週末に向けて雨になる確率がかなりあるからね。そうなったら土曜日は全員が運に左右されることになるだろう」

チームのシャシー部門テクニカル・ディレクター、マイク・ガスコインが説明してくれた。「多くのチームのタイムがかなり接近しているね。だから、おそらくもっとエキサイティングなレースが見られる年になるんじゃないかな。レースドライバーが2セットのタイヤしか使えないというのは、かなり難しい状況だ。タイヤの使用制限のないリカルドは、当然タイヤのパフォーマンス・チェックにふさわしい立場になる。1回目のセッションの終わりではそれが目的だったし、2回目は何回かのロングランに集中した。サーキットの状況が大きく変わるからかなり難しいけどね。仕事の進め方ももちろんかなり変わってくる。全体的に見ると、どのチームもかなり接近しているように見える。マクラーレンは強そうだが、われわれのパフォーマンスのレベルもかなり妥当だと思う。リカルドとデ・ラ・ロサを比較してみても、リカルドが大きく離されているということではまったくないしね。中間セクターでは2人のタイムはかなり似通っていた。リカルドは最初と最後のセクターで前のクルマに引っかかってしまったんだ。デ・ラ・ロサは誰よりも速かったが、中間セクターでその差は0.05秒以下しかなかった。この結果にはかなり満足できる」

新しいシーズンの初日、パナソニック・トヨタ・レーシングには技術的な問題がまったく発生せず、チームはすでに新しい予選方式に目を向けている。新しいシーズンの最初のレースのグリッドは、土曜日午後の予選の1周のタイムと日曜日午前の1周のタイムを加算して決定される。