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Rd.1 Grand Prix of Australia report
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オーストラリアGP:予選1回目リポート
2回の予選のタイムを加算するフォーミュラ1の新しい予選方式の最初のセッションは、オーストラリアGPの土曜日の予選セッションでヤルノ・トゥルーリが2位を獲得するという、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって素晴らしい結果をもたらしてくれた。
2005年03月05日(土)

日曜午前中の2回目の予選ではレース用の燃料を搭載して走り、土曜日との合計タイムでグリッドを決定する2005年の新予選方式だが、大荒れのセッションの原因となったのは、その新しい方式ではなく気まぐれな天候状況だった。

トゥルーリがこう語っている。「運まかせの状況だったね。2位というのはいい結果だが、明日は安定した状況になることを期待しているよ」

急速に変化する水たまりや濡れた路面の状況の影響で各ドライバーのギャップは非常に大きくなっているため、何か悲惨な事態が起こらない限り――そして日曜午前中が彼の望んでいるような安定した状況になれば――トゥルーリは3位以内でスタートできるはずだ。

最初から路面が濡れた状況のなか、トゥルーリはミシュランのインターミディエイト・タイヤを使用し、この時点でトップとなる1分35秒276をマーク。同じタイヤで予選を走った後続の各ドライバーがほぼ3秒落ちだったことからも、トゥルーリの走りの力強さは際立っていた。だが、コースはどんどん乾き始めると、マイルド・セブン・ルノー・F1チームのドライバー、ジャンカルロ・フィジケラがドライタイヤを使用して1分33秒171を記録し、暫定ポールポジションを獲得した。

フィジケラが予選ラップを終えた直後、激しい雨がサーキットを水浸しにしたため、他のドライバーが彼のトップタイムに近づけるような現実的なチャンスは消えてしまった。フィジケラの後続がトゥルーリ、そしてマーク・ウェバーのBMWウィリアムズが3位(1分36秒717)、ザウバー・ペトロナスのジャック・ヴィルヌーヴが4位(1分36秒984)、レッドブルのクリスチャン・クリエン(1分37秒486)とデヴィド・クルサード(1分38秒320)が5位と6位だった。

ラルフ・シューマッハーは、雨の後に予選を走らなければならない不運なドライバーのひとりとなってしまい、結果は1分51秒495で17位だった。だがこの状況において彼の兄で7回チャンピオンに輝いているミハエルのほうは、さらに厳しい状況となっていた。雨が最も激しい時間に走った彼は1分57秒931で、予選でタイムを記録したドライバーの中では最後尾となった。

「これがモータースポーツであり、ときにはこういったことも起こるものだ」、と達観したように語るラルフ。「タイム差を考えれば、2回目の予選で順位を取り戻す可能性はほとんどない。その代わりに、かなり多くのドライバーとチームが、レース戦略を最適にしようと意識を集中してくると思う」

ここまでの自分の気持ちを要約するようにトゥルーリが語った。「インターミディエイト・タイヤで走ったドライバー全員のなかで、自分が一番速かったことには満足している。全体的なパフォーマンスとしてずっと調子がいいし、シーズンの素晴らしいスタートを切れたと思う。新しい方式のためギャンブルの要素も幾分あるし、明日の状況がどうなるのかにも注意しなければならないが、なんとか最初のレースでポイントが獲れればいいと思っているよ」

パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門テクニカル・ディレクター、マイク・ガスコインはこう話している。「求められていること全てについて、ヤルノは素晴らしい仕事をしてくれた。残念ながらラルフのほうは天候状況のせいでなすすべがなかった。当然、決勝のグリッドは各チームが入り乱れることが予想されるし、そしてそれは誰も意図していなかった形になるだろう! われわれはトヨタにとって初となるフロントローを獲得するため、これからできる限りのことをしていくよ」