トゥルーリは土曜日の素晴らしいパフォーマンスを、レース燃料を搭載して走る日曜午前の最終予選でもしっかりと形にし、チームにとってはこれまでで最高位となる予選順位を獲得した。同じくイタリア人ドライバーのジャンカルロ・フィジケラに続く2位を獲得し、この結果、チーム初のフロントロー・スタートとなった。また、1984年以来、初めてのイタリア人2人によるフロントロー独占の一翼を担うことにもなった!
レースでのトゥルーリは、1回目のピットストップまでポールポジションからスタートし優勝を果たしたフィジケラを追走し続けて、素晴らしい走りを披露する。だが残念ながら右リアタイヤのトラブルのため、第2スティントが台無しになる。トゥルーリは最終的に9位まで後退し、あと一歩のところでポイントを逃した。
「レース序盤ではクルマはかなり調子がよかったし、いいペースで走ることもできた」と話すトゥルーリ。「だがピットストップの後、グリップが急激に失われてしまって、ひどいバイブレーションも発生した。結果にはがっかりだけど、われわれはかなりのポテンシャルを示すことができたと思う」
土曜日の1回目の予選で最悪の天候に見舞われて予選15位からスタートしたチームメートのラルフ・シューマッハーは、最初のスティントのほとんどで渋滞につかまったままだった。彼はまた、シートベルトがゆるんでしまったために予定外のピットストップを強いられる。最終的には12位でレースを終えた。
「ここは追い越しが難しいコースだから、最初のスティントで自分にできることはほとんど何もなかった」、と話すシューマッハー。「それでも明るい材料になったのは、クルマのタイヤが最後までいい状態を保てたことだ。自分のペースで走ることができたときは、かなり競争力のあるラップタイムを刻めたしね」。その言葉通り、実はシューマッハーのファステスト・ラップはフィジケラのわずか0.5秒落ちだった。
フィジケラに続いて、スクーデリア・フェラーリ・マルボロのルーベンス・バリチェロが2位に、フェルナンド・アロンソが3位となり、マイルド・セブン・ルノー・F1チームが1-3フィニッシュを達成。レッドブルからのデビューレースとなったデヴィッド・クルサードが4位に、またチームメートのクリスチャン・クリエンが7位に入賞し、レッドブルは2台ともポイントを獲得。地元のヒーローであるマーク・ウェバーはBMWウィリアムズF1チームでの初レースを5位入賞で飾り、その他、ウェスト・マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤが6位、同じくキミ・ライコネンが8位となっている。
パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門テクニカル・ディレクター、マイク・ガスコインは、「ヤルノの右リアタイヤにブリスターができたのは最初のスティントの直後だと思う。最初のピットストップの後、なぜ彼が数周に渡って時間をロスしているのか、われわれには理解できなかった。彼は自分の順位をキープできるはずだったからね。でも2回目のピットストップの際に、彼のタイヤをチェックすることができて、それで理由がわかったんだ」
「ラルフはいいスタートを切ったが、その後、渋滞につかまってしまった。2回目と3回目のスティントではかなりいい走りができたし、それに余計なピットストップをしなければならなかったのに、それでもヴィルヌーヴと佐藤琢磨に再び追いついて追い抜くことができた。ヤルノのタイヤに問題がなければ――確かに表彰台は難しかったかもしれないが――レースの最後までウェバーやクルサードと戦うことができただけに、とても残念に思っている。全体的に見ればわれわれは明らかにかなり進歩できているし、また、大局的に状況を眺めてみると、メルボルンでのレースはF1に新鮮な空気を送り込むことができたと思う。多くのチームに競争力があるようだし、レースで競り合いもできるようだから、今年はいい一年になるような気がするね」
3月20日にセパンで開催される第2戦では、各チームともマレーシアの熱と湿度に挑むことになる。
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