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Rd.2 Grand Prix of Malaysia report
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チーム全員で手にした素晴らしい成果
セパン・サーキットで開催されたF1世界選手権第2戦マレーシアGPにてヤルノ・トゥルーリが見事な走りで2位を獲得し、4年目を迎えたパナソニック・トヨタ・レーシングのチーム史上最高の結果を手にした。
2005年3月20日(日)

日曜午前の最終予選で暫定2位のグリッドをしっかりと守ったトゥルーリは、レースで素晴らしいスタートを決め、その後も完璧なレース運びを見せた。先行を許したのはポールポジションからスタートしたマイルド・セブン・ルノーのフェルナンド・アロンソだけだった。

チームメートのラルフ・シューマッハーは予選で5位を獲得。決勝レースでもマレーシアの酷暑の中で56周を走り抜き、その順位を守る力強い走りを披露した。

今回の結果はパナソニック・トヨタ・レーシングのチーム全体にとって非常に大きな励みとなった。これはTF105がこの週末に最速のクルマの1台だっただけではなく、1基のF1エンジンが2レース走破するという厳しい要求を初めてクリアしたからだ。トゥルーリの言葉通り、2台のTF105はどちらも賞賛に値する素晴らしい信頼性を見せてくれた。

●この成果でチームのやる気がさらに上昇
「素晴らしいタイミングで手にした今回の結果は、チームのみんなに大きなやる気をもたらしてくれた」と話すトゥルーリ。「チームにはシャシー部門のマイク・ガスコインやエンジン担当責任者のルカ・マルモリーニをはじめ、経験豊富で才能溢れる人たちが大勢そろっている。チーム全員が冬の間に素晴らしい仕事をこなしてくれたし、こうして自分がチームにとって最初の表彰台を獲得できたことを嬉しく思っている」

自らの十分な仕事ぶりにもちろん満足していたトゥルーリだが、表彰台ではその気持ちを抑えていた。親しい友人であるステファノ・バンディーニ氏(レスキュー隊のパイロットだった彼は、つい先日事故のため命を落とした)を悼み、シャンペンファイトも行わなかった。

ラルフも表彰台のトゥルーリに加われるだけのペースで走行していたが、4位争いをしていたマーク・ウェバー(BMWウィリアムズ)と接触してタイムをロス。2回目のピットストップで新しいフロントウィングに交換して走り続け、チームに4ポイントをもたらした。

「メルボルンのときと同じで運が足りなかった」と話すラルフ。「とはいえ、今回はなんとかちゃんとポイントを獲れたからね。冬の間“チームは進化している”と言い続けてきたけど、今日はそれを証明できた。開発プログラムでは自分たちが何をしているのかちゃんとわかっているから、今後もこの調子を続けられない理由なんてひとつもないよ」

●コンストラクターズ選手権で2位に躍進!
アロンソとトゥルーリに続いたのは2001年ブラジルGP以来の表彰台となったニック・ハイドフェルド(BMWウィリアムズ)。4位はウェスト・マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤ。5位のラルフに続いたのはデヴィッド・クルサード(レッドブル・レーシング)で、8位のクリスチャン・クリエンと合わせて2戦連続で2台がポイントを獲得した。この2台の間に入ったのは7回のドライバーズ・タイトルを手にしているフェラーリのミハエル・シューマッハーだった。

パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門テクニカル・ディレクター、マイク・ガスコインは、「ドライバーは2人とも素晴らしい仕事をしてくれた。レースチームと工場のそれぞれで懸命に仕事をこなしてきたみんなにとっても、今回は目に見える形の成果を得ることができた」と話す。「今日のレースは競争力の面でも信頼性の面でも大変なテストだったが、われわれが素晴らしい出来映えでそれをパスできたことを嬉しく思うよ」

「パートナーであるミシュランはタイヤに関して最高の仕事をしてくれた。タイヤには何ひとつ不安はなかったよ。ただし、路面温度が50度を超えていたため、当然われわれも用心はしていたけどね。ヤルノがアロンソのペースについていけないとわかってからは、ペースを落とすようヤルノに指示した。レース後半になってからヤルノは自分のペースでレースができたし、うまくクルマをゴールまで導いてくれた。ただしこれを実行するためには、まずは速いペースで周回できなければならない。もちろんわれわれはそれができたわけだ。チーム全体にとって素晴らしい結果になった――みんながよくがんばってくれたよ!」

史上最長となる19戦で争われる今シーズンのF1だが、第2戦という早い段階でパナソニック・トヨタ・レーシングはコンストラクターズ選手権でマイルド・セブン・ルノーに続く2位となり、2週間後に行われる次戦バーレーンへと向かう。