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Rd.3 Grand Prix of Bahrain Keizo Takahashi report
grand prix
金・土曜日 日曜日
高橋敬三リポート:金・土曜日
2005年04月02日(土)

公式サイトにアクセスありがとうございます。高橋敬三です。金曜日・土曜日のご報告となります。

前戦マレーシアGPでは念願の表彰台獲得を果たすことができ、本当にホッとしました。表彰台に上がることを今年の目標としていましたので、それがこんなに早い段階で実現でき、ゴールした瞬間は本当にうれしかったですね。とはいうものの、大事なのは今後の戦いです。まだ19戦のうち2レースが終わったばかりですし、今シーズンはタイム差が狭いところにたくさんのチームがしのぎを削っている状況です。今いるポジションをキープしながら、優勝を狙っていくという攻めたレースをしていきたいと思っていますので、今後も応援をよろしくお願いします。

●砂塵対策が今回のポイント。リアウィングは新型を投入
さて、今回のレースですが、前回のマレーシア同様、非常に暑いというのが最大の特徴です。天気予報によると今週末は昨年のように雨が降るということもなく、気温と路面温度が相当高くなることが予想されます。また、周りが砂漠ですので、砂対策も施さなければなりません。

さて、その過酷なコンディションの、バーレーンに持ち込んだクルマのポイントです。まずこのレースから使用することになるニューエンジンのエアフィルターの目を細かくして、面積を広げた砂対策仕様にしたこと。ちなみに、スペック的にはこれまでのものと変わりありません。ブレーキも暑さ対策として、エアーダクト関係を変更しました。そのほか、リアウィングも新仕様のものを持ち込んでいます。

セッティングの方向性としては、ダウンフォースは高速コーナーの多いマレーシアよりも1ランク軽めですね。タイヤは2種類のコンパウンドが用意されているほか、フロントタイヤは2種類の構造が用意されていますが、攻めた走りをしていっても持つタイヤという考え方でチョイスしていきたいと思っています。

エンジンの詳細としての報告ですが、前回のレースで2レース使い終わった時点で、ファクトリーでバラしてチェックしてみたのですが、確かに消耗が厳しいところもありましたが、全体的には問題のない、いい状態でした。今回から2レース使用するエンジンも基本的には同じスペックですから、耐久性という点では、特に大きな問題はないと思います。

●3戦連続暫定2位が大きな自信に
金曜日は午後にリカルドのギヤボックスにトラブルが出てしまい、午後のロングランが1種類のタイヤでしかできなかったことが予定外の出来事でした。電子制御が不調でギアが破損してしまったのですが、その分はヤルノとラルフに別々のタイヤを試してもらうことでデータを揃えることはできましたので、悩まないでタイヤチョイスをすることはできました。この日の段階ではレギュラーふたりのセットアップが十分には決まっていませんでしたが、土曜日までに修正できる範囲であると考えていました。ふたりが口にしていたのは「ブレーキングでのステアリングの切りはじめの部分がナーバス」ということでしたが、今年のレギュレーションで考えるとある程度は妥協してもらわないといけない部分でもあるので、安定方向に振るか、このままいくかを検討していくことにしました。ただし、この日の感触としては、今回のレースも十分に競争力のある戦いができるというものでしたので、トラブルもありましたが、全体的には順調に進んだと思います。

そして、土曜日。今の気持ちをひと言で言えば、やはり「すごくうれしい」ですね。暫定とはいえ、3戦連続で2位のポジションを獲得できたというのは本当にうれしいことです。特に今回はフェラーリも新車を持ち込んだりする中で、また予想どおりの接近した戦いの中で、実力で獲得できたということは自信を持ってもいいのかなとホッとしています。

 
2戦連続で酷暑のレースとなりスタッフはみんな日焼けで真っ黒! チームカラーの白と赤がまぶしい  

●決勝はタイヤの使い方が鍵
ラルフについては残念な結果に終わってしまいましたが、ミスというよりはタイムを出そうとしてブレーキングを遅らせた結果、フロントがロックしてしまい、結果的に不満の残るタイムになってしまったものだと思っています。朝のフリー走行の時点から急激に路面温度が上がり、全体的にグリップレベルが大きく変化した中で、オーバーステアの症状が強く出てしまったようです。

一方、ヤルノは若干オーバー気味のセッティングだったにもかかわらず、全体をミスなくまとめてくれました。クルマのパフォーマンスをすべて引き出してくれたと思います。正直な気持ちとしては、もちろん一番になりたかったですが、予選はまだ明日もありますから!

明日の最終予選に向けては、ラルフのセッティングについては調整できる範囲ですので、その部分についての修正をし、ヤルノについては決勝のことも考えながら、作戦を練っていく予定です。おそらく予選はタイム的にかなり接近した状況の中での争いになってくると思います。

午後の決勝レースに向けてですが、基本的に大きな問題点はここまでの段階でつぶせたものと考えています。今回のレースもマレーシア同様、暑さとの戦いになるでしょう。タイヤの使い方がポイントになってくると思いますが、ブリスター(※第1戦で起きた問題)が出る心配はそれほどしていません。とはいうものの、リアはかなり厳しい状況になるはずですので、ギリギリで走り切る線を狙って、セッティングを決めるつもりです。

今回もまた、いいレースをお見せしたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願いします。ラルフがビデオメッセージでも伝えていた通り、皆さんの応援は強い力になります。

では、明日の決勝後にも、公式サイト内の、高橋敬三リポートでご報告をいたします。

高橋敬三プロフィール
再び暫定2位を獲得。高橋敬三の表情にも自信と余裕が感じられる。