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Rd.3 Grand Prix of Bahrain Keizo Takahashi report
grand prix
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高橋敬三リポート:日曜日
2005年04月03日(日)

応援ありがとうございました。予選2回目と決勝のご報告です。公式サイトへのアクセスありがとうございます。

今回のレースでは前戦マレーシアGPに続き、再びヤルノが2位表彰台を獲得することができました。また、ラルフも4位に入り、2戦連続でダブル入賞を果たすことができました。前戦では2位と5位でしたから一歩前進です。

このようなドライコンディションのレースで2戦連続の表彰台獲得、そしてダブル入賞を実力で果たせたということが一番うれしいですね。1回だけだと、ラッキーとか運が味方してと思われてしまうこともあるでしょうけれど、連続して実現できたということは、これはもう実力がついてきたと考えられるので、そういう面でも非常にうれしいです。初表彰台を得て、次は連続でそれを果たせて、そうなると次はもう真ん中しかないという明確な目標ができ、それが実現できる距離にいる今、我々も頑張り甲斐があります。このあと、3週間のインターバルがあって、ヨーロッパラウンドへ入っていくことになりますが、さらなるレベルアップのための仕事にも力が入ると思います。

●決勝レースを重視して挑んだ予選2回目
それでは、予選の様子から今日1日を振り返っていきましょう。ラルフは1回目の予選で11位になったのですが、上のクルマとのタイム差が接近していたので、燃料を多少軽くして順位を上げようということになったのですが、それがうまくいって、思惑どおり6番手グリッドを獲得することができました。ヤルノの方は逆に決勝での戦略を重視して、燃料を積んでアタックして、ひとつ順位は下げましたけれど、表彰台に近い、いいスタート順位を取れたので良かったと思います。午前中は路面が埃っぽかったところもあったのと風も強かったところもあったので、ほとんどのドライバーが小さなミスをしましたが、我々のドライバーはいい予選をしたと思います。

ヤルノの決勝重視という戦略はマレーシアでもやりましたが、第1スティント、第2スティントをイーブンの燃料搭載量で走って、厳しい第3スティントを軽めでいくというものです。ラルフは予選順位を上げることと、決勝でもポジションを維持できるだけの搭載量にして、それもうまくいきましたね。2台ともに決勝も含めて予定どおりの展開になりました。

決勝レースは暑くなることは予想していました。具体的には、リアタイヤの磨耗、エンジンの水温と油温など各部の温度管理、それからブレーキがこのレースでの課題になってくると考えていましたが、レース中はギリギリでしたけれども、限界値の範囲内で戦うことができました。タイヤは柔らかめのオプションを選びましたが、心配していたほど磨耗もひどくなくて、このコンディションに対応したタイヤを作ってきてくれたミシュランにも感謝したいと思います。

●順調に周回を重ねトップ4でフィニッシュ
レースの展開については、スタートでは1コーナーで抜けるかなと期待していたのですが、それはならず、2台とも順位をキープして走り出しました。ヤルノはいいペースで走れていましたし、ラルフは前のウエーバーのペースが上がらなかったのでちょっとつらい部分もありましたが、ちょうどいいタイミングで燃料補給ができたので、前に出られました。ヤルノはアロンソよりも燃料補給は1周遅く、その後も順調に周回を重ねていくという展開になりました。その後、ラルフが何回かコースをはみ出すシーンはありましたが、あれはレコードラインを外すと滑りやすい部分があり、プッシュしていた結果のことだと思います。第3スティントに入ってからは、前後のクルマとのタイム差を見ながら走らせるという前戦同様の展開になりました。当然、差が少なければプッシュさせましたが、今回はそういう展開にはなりませんでしたね。全体的には昨年のようにレース中盤以降にペースが落ちることもなかったですし、十分に戦闘力はあったものと思います。

●空力開発を進め、さらに上を目指す
次のイモラに向けては、バルセロナとポールリカールでのテストで新しいエアロパッケージを試してみて、それを投入するかどうかを決めたいと思っています。もちろんエンジンや足まわりなど、すべての部分でポテンシャルを上げていかなければならないのですが、空力の部分はかなり重要になってきますので、そこを重点的にチェックしたいと考えています。ライバルに追いつき、そして追い越すためには相手の2倍やるのではなく、3倍やらないといけないというような状況だと思います。それをやれば、表彰台の真ん中に立てると信じて、これからも頑張っていきたいですね。

次戦からはいよいよヨーロッパラウンドへ突入します。さらにもうひとつ上の目標が達成できるよう、努力し続けていきたいと思います。

次戦のイタリア、サンマリノGPでも、パナソニック・トヨタ・レーシングを、これからも応援をよろしくお願いします。

高橋敬三プロフィール
2位のトロフィーを手に笑顔の高橋敬三。頭の中はすでに次のテストのことでいっぱいだ。