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Rd.5 Grand Prix of Spain report
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マイク・ガスコイン Q+A:
「2台そろってのポイント獲得が最低限の目標」
ヘレスでのテストを終え、いよいよスペインGPに挑むパナソニック・トヨタ・レーシング。今回もTF105に新型パーツが投入される予定だ。次戦への展望を、シャシー部門テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインに聞いた。~TMG広報スタッフ
2005年4月29日(金)

●前回イモラでのレースの後のテストでは、何が狙いだったのでしょう?
「サンマリノGPの後、当初はシルバーストーンでテストする計画だったが、天候が不安定になるという予報だったため、スペイン南部のヘレスに移動することになった。テストを30日間に制限するというチーム間の同意を考えれば、天候がどんどん変わっていくような状況で貴重な走行の機会を無駄にするわけにはいかないからね。つまり次のレースのために十分な準備ができるよう、できるだけ安全策を採ったわけだ。ヘレスでは作業をラルフとヤルノで分割し、それぞれが1日ずつテストを担当した。オリビエは2日とも走った。テストの狙いは基本的にバルセロナに向けたTF105のセットアップだね。それからレースに向けてミシュラン・タイヤのどのコンパウンドを選ぶべきか、それを決定することが課題だった」

●第5戦スペインGPの舞台となるサーキット・デ・カタルーニャはどんな特徴のコースですか?
「バルセロナはシーズンオフにかなりのテストを行うサーキットだから、つまり、ほとんどのチームがその特徴を熟知しているコースでもある。だからどのチームもサーキットに来る前の時点でセットアップのおおよその“アタリ”はつかんでいるはずだ。したがって、金曜日に十分に走り込むことが非常に重要になる――仮に遅れを取ってしまったら、それを取り戻すのは相当に困難だからね。中~高レベルのダウンフォースが求められるコースで、クルマのあらゆる要素が厳しいストレスにさらされることになる。長いストレートは追い越しには好都合だろう――最終コーナーの立ち上がりをうまく抜けて前を走るクルマのすぐ後ろに近づくことができればね。それから高速と低速がうまくミックスされた区間もある。つまり、メカニカル・グリップとトップスピードのちょうどいい妥協点を探る必要があるわけだ。技術面から見ればコースの特徴はそれほど変わっていないが、冬の間に再舗装がされてから収集したデータとはかなり違いが出ていたね」

●再舗装された路面はクルマの挙動に対してどのように影響していますか?
「路面が新しくなったからと言って、必ずしもクルマの挙動が変わってしまったとは思わない。ただしタイヤの摩耗に関しては大きな違いが生じている。以前ならバルセロナでは走り始めのタイヤの摩耗が激しかった。だが現在は以前ほどすぐにタイヤが摩耗し始めるわけではなさそうだ。とはいえ、次戦に向けて競争力のあるタイヤを選ぶためにミシュランと一緒に精力的にテストを行ったけどね。われわれはいい状態で臨めると思う」

●スペインGPではどんな新パーツを投入する予定ですか?
「毎レースのアップデートのひとつとして、バルセロナにはかなり大きな変更を加えた空力パーツを持ち込むつもりだ。これには新型のサイドポッドとディフューザーも含まれている――パッケージ全体の空力の効率をさらに向上させるのが狙いだ。今回の新パーツとイモラで投入したパーツによって、全体のパフォーマンスがまたすこし前進すると思う」

●スペインGPに向けた展望を聞かせてください。
「昨年までのトヨタにとってイモラは最も厳しいレースのひとつだった。だが今年は――ラルフに課された25秒のペナルティの一件はあるものの――2台ともポイント圏内でチェッカーを受けるだけの速さがあった。だから今年はどのレースでもポイント争いができるはずだと思っている。スペインはイモラよりも若干相性のいいサーキットだ。来週末への展望としては、2台ともトップ8に入る、というのが最低限の目標になるね」