F1世界選手権第5戦スペインGPの初日、リカルド・ゾンタが全体で2番手となるタイムを記録。パナソニック・トヨタ・レーシングはここでも自チームの強さに関して確かな手応えを感じている。
金曜日のサードドライバーは、レースドライバーよりも多くのタイヤを使える上、レース用のクルマはエンジンの回転数を抑える必要があるため(今シーズンは1基のエンジンで2レースを走りきらなければならない)、ラップタイムは自然にレースドライバーよりも速くなるのが普通だ。こういった条件にも関わらず、ゾンタだけではなくヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーもカタルーニャ・サーキットで力強い走りを見せ、金曜日の時点でトップ10に食い込んでいる。
この日の最速タイムはウェスト・マクラーレン・メルセデスのサードドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサが刻んだ1分15秒062だった。いっぽうのゾンタのタイムは1分16秒220だ。マクラーレンには負傷していたファン・パブロ・モントーヤが復帰したが、フリー走行2回目の終了間際にデ・ラ・ロサがトップタイムを記録したのとほぼ同時に、激しいクラッシュに見舞われている。ただし幸いにしてモントーヤは無傷で済んでいる模様だ。
ゾンタは「最初のセッションでは油圧系統の問題で時間をロスしてしまい、一時的にプログラムが消化できなくなってしまったが、全体的にはいい一日だった」と話す。「でも2回目のセッションはいい走りができたし、タイヤの比較も完了できたからね」
この日5番手のタイムとなる1分16秒653を記録したトゥルーリは「最初のうちはコースがかなり滑りやすかった」と説明してくれた。「最初のセッションではかなり周回数を制限したけど、タイヤのラバーが路面に乗り始めるにつれて、クルマはどんどんグリップするようになったし、感触もかなりよかった。イモラよりもここバルセロナではいいレースができるはずだと私は自信を持っている」
いっぽうのラルフ・シューマッハーはこの日9番手のタイムとなる1分17秒265を記録。「典型的な金曜日だった」と話すラルフ。「全体的なセットアップに集中して取り組んだ。クルマはなかなかいい感触だよ。セットアップに変更を加えた2回目のセッションでは1回目よりもかなりグリップがよかった。ただしタイヤの選択は注意深く検討していかないとね」
デ・ラ・ロサとゾンタに続く3位はBMWウィリアムズF1チームのニック・ハイドフェルド(1分16秒527)、4位はマクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン(1分16秒586)、5位はトゥルーリ、6位はレッドブル・レーシングのデヴィッド・クルサード(1分16秒797)となった。
パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー部門テクニカル・ディレクター、マイク・ガスコインは、全体的なパフォーマンスのレベルに満足していた。
「2回目のセッションはかなりよかったし、クルマにもトップ争いに加われるだけの速さがあった」、と話すガスコイン。「タイヤの選択はちょっと微妙だし、明確に判断できるわけでもない。だがクルマはかなり速そうだし、どちらのタイプのタイヤでも安定していたから、全体的にはかなり満足のいく一日になった。イモラでの難しい週末を経て、ここバルセロナではかなり速さを取り戻せたと思う」
ガスコインによれば、今回のTF105には、イモラの後の風洞実験で良好な結果を得ている新しいタイプの空力パーツが搭載されているという。そのパーツが実際のコース上でもうまく機能してくれた、ということらしい。
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